そこで、 全13巻から主要な知識を凝縮して30万項目、全3巻にまとめたのが 「精選版 日本国語大辞典」です。 しかしそれでも定価は 48,600円。 21万円に比べたらかなり安いとはいえ、まだ興味本位で買うにはかなりお高いです。 プレステ4買えちゃう。 日本国語大辞典がアプリになった ですが! 先日この「精選版」がソフト開発会社の物書堂(ものかきどう)さんの手によって iOSアプリ化しました。 なんと定価が 7,800円。 書籍版の定価が48,600円なので、相当に安いことがわかると思います。 しかも、 2017年1月31日まで発売記念セールで4,800円に期間限定セール中。 PS4を買える値段だったのがPS4ソフト程度にまで下がっています。 しかもアプリだから場所も取らない。 まさにいいことずくめです。 開くとこんな感じ。 このアプリ、ユーザーインターフェースがとてもユニークです。 操作感がなめらかでスルスルと気持ちよく動きます。 「すべて」をタッチすると、言葉が縦横無尽に広がる空間に放り出されます。 これが非常に楽しいです。 地平線まで続く言葉の上を歩き回りながら、知らない言葉の意味を気軽にタッチして見られるんですよ。 終わりが見えない。 検索機能も充実しています。 検索用記号を使うと、穴埋めで言葉を探すことができます。 すると、当てはまる単語がずらりと表示されます。 つまり、これを覚えれば しりとりの「ぬ」攻めを422回繰り返せるのです。 しりとり王の名をほしいままにするのも夢ではありません。 手書き検索にも対応しているので「読み方がわからない」ときにも安心。 ちなみにドラえもんを描いたら「轡(くつわ)」が候補に出ました。 これが轡か~。 轡もん 独特な機能としては、文字を並べ替えて検索する「アナグラム」があります。 たとえば 「おじいさん」で検索すると、いっしょに「西園寺(さいおんじ)」も出てくるんです。 何に使うんだ……。 古今東西の言葉がずらりと揃っているので、眺めているだけでいろいろな知識が目に入ります。 「へーオウムの鼻のあたりの柔らかい部分、蝋膜って言うんだ」とか。 「ショウリョウバッタって別名『はたはた虫』なんだ。 ていうかショウリョウバッタって漢字で精霊蝗虫なんだ。 かっこいいな」とか。 「12月8日に豆腐を食ったり餅を川に流したりするだけでウソがチャラになるんだ……」とか。 眺めていると時間がいくらでも経ってしまいます。 4,800円は安い 「精選版 日本国語大辞典」が手のひらサイズに収まったことで、気軽に国内最大級の辞書を引けるようになりました。 1月31日まで4,800円。 この内容でこの価格は「激安」だと思います。 言葉に興味がある人はぜひこの機会にダウンロードしてみてはいかがでしょうか。
次の3巻に及ぶ大部の辞書で、定価で揃えると 45,000円(税別)になります。 が4,500本買える計算です。 は?????? 罠かな? 特別な手続きは何も必要ありません。 「」というサイトにアクセスするだけ。 試しに「ぬるでおおみみふしあぶらむし」ということばを検索してみてください。 『精選日国』の解説が表示されました。 これでいつ 白膠木大耳五倍子について知りたくなっても大丈夫です。 『精選日国』は、歴史的なことばを中心に 30万もの項目を収録しているのです。 「」は、出版社などで編集されている信頼のおける辞事典を横断検索できるすごいサービスです。 ネット上には、どこの馬の骨とも知れない輩が作った 辞書みたいなやつがあちこちに転がっていますが、賢明な読者諸氏は「」を使いましょう。 この「」では、以前から国語辞書として「」および『』第3版が引けたのですが、ここにこのたび『精選日国』が仲間入りしたかっこうです。 えっ、他に辞書が2冊も入ってるの? また増やして何の意味が……。 喝!!!!!!! 『精選日国』は、他の辞書にはとうてい真似できない優れた特徴を備えているのです。 それは、 そのことばが用いられた最古の実例を示しているということ(もちろん、確認できている中でということになりますが)。 「『耳触りがいい』は誤用だ」と指摘してくる うるさい奴がいたとしましょう。 あなたはすかさず『精選日国』で「みみざわり」を引いてみせます。 「耳触り」には1807年の用例があることがわかります。 一方の「耳障り」には1823〜44年の例が示されており、「耳触りがいい」より時代が後です。 うるさい奴は帰りました。 「『びびる』はからあることばだ」という言説があります。 本当かな? と思ったら、『精選日国』の出番です。 最も古い例は江戸時代にあることがわかります。 この段階で、説はマユツバかもしれないぞと疑うことができます(詳しくは)。 さあ、あなたも『精選日国』で充実した日本語ライフを! すこし真面目な補足 『精選日国』は、『』第2版(以下、『2日国』)から項目・用例を抜粋して編集された辞書です。 『2日国』には50万項目・100万用例が収録されているのに対し、『精選日国』は30万項目・30万用例と、相当圧縮されています。 特に用例が大幅に削減されているのは惜しいところです。 実例の豊富さこそが『2日国』の要だからです。 『精選日国』に残されている用例はいわゆる「初出例」が中心で、『精選日国』はとにかくその語が文献上いつごろから現れるのかを知りたいという要請に特化したバージョンと捉えることもできます。 では、『2日国』を使えるユーザー(紙版のほか、で電子版が提供されています)は『2日国』だけを引けば済むのかというと、そうでもありません。 『精選日国』には、『2日国』刊行後に新たに発見・報告された用例約5,000および新語など約1,500項目が追加されているためです。 つまり、ある語について『』の見識を知るためには、『2日国』と『精選日国』を相互補完的に利用せねばならないというのが現状です。 これはデジタル版の『2日国』が『精選日国』の記述を吸収するか、あるいは『』第3版が出るまで (出るのか?)は解決しないでしょう。 『精選日国』が「」に搭載されたという知らせが出ると、私ののタイムラインでは、JapanKnowledgeなど良質な有料辞書サービスへのよくない影響を懸念する声が噴出しました。 『精選日国』が無料で引けるのに、わざわざ『2日国』などのためにお金を出す人がいるだろうかという危惧です。 これについては、上記のような理由で『精選日国』だけでは足りない(『2日国』だけでも足りない)ということをいかにして周知するかというのが課題になるのだと思います。 私は、『精選日国』の情報に誰もが簡単に触れられる状況になったことを、素直に歓迎しています。 「」の内容へはなどのから直接アクセスすることができます。 これまで『』の存在を知らなかった人でも、ことばの歴史についての正確な知識にアクセスできるようになったのです(辞書ファンは忘れがちな事実ですが、ことばについて調べる際に『』を引くという手段があることは、大多数の人には知られていません)。 ネット上に氾濫する誤解にもとづく間違った情報の蔓延に一定の歯止めもかけるでしょう。 競合する有料の辞書やサービスがこれまで以上に厳しい戦いを強いられることになるのは必定ですが、これを契機に辞書がさらなる進化を遂げることを期待しています。 ちなみに、『精選日国』は物書堂製のアプリが秀逸で、私はこちらを常用しています。
次の「精選版 日本国語大辞典」は、小学館「精選版 日本国語大辞典」を収録した電子辞典アプリケーションです。 ベースとなる「精選版 日本国語大辞典」は、40年以上の年月と3000人を超える専門家の協力を得て完成した、日本が誇る最大の国語辞典「日本国語大辞典 第二版」を精選・凝縮して全3巻にまとめた辞典で、30万項目・約30万用例を収録しています。 古事記・日本書紀から現代の小説やエッセイまで、数万点の文献からの実例を引用した、生きた実例に基づく国語辞典です。 本アプリは、書籍の紙面の雰囲気に近い美しい縦組で表示され、大辞林アプリでご好評を頂いております強力なパターン検索、用例検索など、アプリならではの機能を搭載しています。 すべてのコンテンツがご利用のデバイスにインストールされますので、使用時にネットワークに接続する必要はなく、オフラインで安心してお使いいただけます。 主な機能は以下の通りです。 『精選版 日本国語大辞典』は、その成果を精選・凝縮して全3巻にまとめた辞典です。 最新百科項目も充実。 「楽ひら」はパナソニック株式会社の登録商標です。 pux. monokakido. パソコン版もあるが、iPadでこそアラン・ケイが構想した『ダイナブック』といえる。 車で言えばトヨタの絞り切った雑巾を再び絞りきる「改善」とは正反対の『センチェリー』である。 ほぼ手作りで匠の伝承のために存在する超高級車。 それが精選版とはいえ 全三巻で一万五千円 この価格で購入できるとは。 語彙の多さのみならず語源や出典が極めて正確な辞書である。 他の辞書 広辞苑など の出典にもなっていることからでもわかる大国語辞典である。 惜しむのは、センチェリーが現役であるように、できうる限りの豪華な装丁で本の形として出版して欲しいものだ。 現在の國語辞書のスタンダードなのであるから。
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