人間ドックや健康診断で受けた 胃のバリウム検査や 胃カメラで ポリープが見つかることはよくあります。 「胃底腺(いていせん)ポリープがたくさんあると言われた。 「穹窿部(きゅうりゅうぶ)にポリープが多発していると言われた。 「胃体上部、胃体下部にたくさんのポリープがあると言われた」• 「バリウムで多発胃ポリープを指摘された。 「経過観察でいいと言われけど・・・」• 「経過観察も必要ないと言われたけど・・・」 もしかしたら放置しておいたらがんになる(癌化する)のではないか? そんな心配をしておられる方もおられるでしょう。 今回は 胃のポリープについて種類や治療の必要性などまとめました。 胃底腺ポリープ• 胃過形成性ポリープ の2種類です。 胃底腺ポリープは、胃底腺の過形成(過誤腫とも考えられている)と言われています。 背景の胃の粘膜は綺麗であり、萎縮性変化や腸上皮化生を認めず、ピロリ菌感染もありません。 がん化することがなく、内視鏡などで生検して精査したり、フォローの必要もないと言われています。 この胃底腺ポリープは 圧倒的に女性に多く見られます。 症例 30歳代女性 健診 胃底腺ポリープ 胃X線造影検査 健診の胃X線造影検査(胃バリウム検査)で、胃底部から胃体部を中心に多数の胃底腺ポリープを指摘されました。 上部消化管内視鏡検査 内視鏡検査においても同様の所見を認めました。 典型的な胃底腺ポリープの所見であり、治療はされませんでした。 単発よりも、上のように 多発していることが多く、症状はないことがほとんどです。 胃過形成性ポリープとは? 一方で、 胃過形成性ポリープは、背景の胃の粘膜に、 ピロリ菌感染があり、萎縮性胃炎があります。 ピロリ菌感染に伴う腺窩上皮の過形成です。 こちらはサイズが大きくなり、 2cm以上のサイズでは、時にがん化することがあります。 原則経過観察を必要とし、 サイズが1cmを超えるものは切除することを考えます。 また、背景にある ピロリ菌を除菌する治療を行います。 つまり• ピロリ菌感染を示唆する萎縮性胃炎がある胃でのポリープなのか• ピロリ菌感染がない綺麗な粘膜の持つ胃でのポリープなのか で方針が大きく変わるということです。 胃底腺ポリープと過形成性ポリープの違いは? 臨床画像Vol29,No. 2,2013 P155図13を引用改変 胃底腺ポリープと過形成性ポリープの違いはイラストのように、• 胃底腺ポリープ:胃底腺の過形成• 過形成性ポリープ:表層である、胃腺窩上皮の過形成 です。 大事なのはピロリ菌感染の有無 がん化する胃過形成性ポリープは、ピロリ菌感染があり、結果萎縮性胃炎を起こし、そこに生じます。 ですので、 ピロリ菌感染の有無を見極めることが、この両者のポリープを区別する上で重要となります。 ピロリ菌感染の有無は、複数の検査で調べることができます。 参考記事) バリウム検査の画像からピロリ菌感染の有無はわかる?• 胃の壁が細く、なめらかで直線的であること。 均一に造影剤が付着していること。 という特徴があります。 より詳しくは、次のようになります。 臨床画像Vol29,No. 2,2013 P155より引用。 また胃がんのABC検診の中で、ピロリ菌感染がない胃と考えられるものはA群の頻度が多いので、A群であることもピロリ菌感染がないことを示唆する一つの指標になると言われています。 関連記事) 最後に ポリープがたくさんあると言われるとびっくりするかもしれませんが、ピロリ菌感染がない胃底腺ポリープでは、精査やフォローの必要さえないと言われています。 またこれらのポリープの場合、あってもわざわざポリープありと書かないこともあります。 腎臓や肝臓などにできる嚢胞などと同じように、 基本的にフォローの必要もないものなのです。 カテゴリー• 141• 103•
次の過形成性ポリープは、 ピロリ菌が原因で胃に炎症が起こった結果できたものなので悪性と言えます。 手術や薬での除去が必要になります。 ポリープの中には、まれに胃がんに発達してしまう場合もあるようですが、特殊な例のようで確率的にはかなり低めだとか。 ちなみに僕は過去にピロリ菌の検査もしてもらったことがあり、「陰性」という結果をもらってますので、過形成性ポリープである確率は低いです。 診断結果にも「良性」と記載されていますので、 僕の場合は胃底腺ポリープと考えて良さそうですね。 胃底腺ポリープは病気になるわけでもなく、無害なので放置していても大丈夫なんだとか…。 う~ん、複雑。 参考 ポリープの原因は不明 気になるのがポリープができた原因です。 原因は解明されていないらしい ネット検索でいろいろ調べてみたのですが、どこにもはっきりと書かれていないんですよ。 ある記事によると、 胃底腺ポリープが発生する原因は現時点では解明されていないとのこと。 胃底腺ポリープは、癌化することはありませんので、経過観察の必要もありません。 ヘリコバクター・ピロリ感染との関連もないと言われています。 原因はまだ明らかにされていません。 引用元: とりあえず、なんだかわからないけど出来てしまうポリープで、 無害だから気にしなくていいよ! という感じらしいです。 いや、そんなこと言われても気になるでしょ…。 生活習慣から原因を探る 原因不明なのなら解明のための情報をここに残しておきましょう。 昨年の検査では所見なしだったので、この一年間でポリープが生まれてきたわけです。 この一年で新たに始めた習慣(関係ありそうなもの)を挙げてみます。 辛い食べ物をよく食べるようになった• えごま油を摂るようになった• 慢性的に眠りが浅くなった• 朝型生活になった(朝5時には起きてる)• 一時的にコレステロールの高い食生活 関係あるかもしれませんし、まったく関係ないかもしれませんが、同じように胃ポリープになる人の習慣を比較していったら原因が特定されるかもしれませんね。 同じ症状で何か手がかりをお持ちの方はぜひコメントを残してください。 この記事、なぜか毎日そこそこのアクセスがあるみたいなので、実際は多くの方にも同じ症状が…? 「幸せポリープ」って言われてもね… 胃にできるポリープのうち、良性の胃底腺ポリープは「 幸せポリープ」とも呼ばれることがあるそうです。 ポリープだけど病気の原因でもなく無害、しかもピロリ菌が胃の中にいない証明にもなるため 胃かいようや胃がんになるリスクがかなり低いということで「幸せ」なんだとか…。 参考 まぁ、たしかに病的なものではないし、胃がんのリスクが低いということですが、「幸せ」って言われてもねぇ…。 医師が言うのだから本当なのでしょうけれど…。 オトクな感じはあまりしませんよね。 複雑な気持ちです。 翌年もポリープあったよ! 一年経過後、2019年の健康診断の結果が返ってきたのですが…、なんとまた同じ「穹窿部 隆起 5mm以下 胃ポリープ」でした! 状況は特に変わりなかったということですね。 この結果をもらったところで、自分ではどうすることもできないですし、原因もわからないので対処法も不明。 また来年まで様子をみましょう。
次の胃のポリープには小さな胃底腺ポリープや過形成性ポリープがあります。 これらは小さいうちは基本的には癌化はしません。 普通の人はそのまま様子をみます。 ご安心ください。 今回は胃カメラでの検査だったのでしょうか。 胃透視の検査でしたら、一度、胃カメラをされた方が良いですね。 それで1年に1回、定期的に胃カメラでポリープが大きくならないかを見ていけば良いかと思います。 ただ2cmを越えたら、内視鏡的に切り取ったりします。 白血球の増加はどのくらいの増加でしょうか。 軽度の増加であれば、少し風邪気味だったり、お腹を壊していたり、あるいはストレスでも上がったりします。 補足拝見しました。 バリウムによる胃透視の検査だったのですね。 でしたら、一度、胃カメラをされたら良いですね。 やはり直接、ポリープの形態を見たり、胃粘膜の状態を見ることで、危険なポリープなのか、そうでないポリープなのか、またピロリ菌がいそうかどうかもわかります。 生検をすれば、もっと細かくわかります。 再検査はなくても、ぜひ一度消化器内科で相談されてくださいね。
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