なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。 「職場」とは 事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、労働者が業務を遂行する場所であれば「職場」に含まれます。 勤務時間外の「懇親の場」、社員寮や通勤中などであっても、実質上職務の延長と考えられるものは「職場」に該当しますが、その判断に当たっては、職務との関連性、参加者、参加や対応が強制的か任意かといったことを考慮して個別に行う必要があります。 「職場」の例:出張先、業務で使用する車中、取引先との打ち合わせの場所(接待の席も含む)等 「労働者」とは 正規雇用労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員などいわゆる非正規雇用労働者を含む、事業主が雇用する全ての労働者をいいます。 また、派遣労働者については、派遣元事業主のみならず、労働者派遣の役務の提供を受ける者(派遣先事業主)も、自ら雇用する労働者と同様に、措置を講ずる必要がある。 )に対して抵抗や拒絶することができない蓋然性が高い関係を背景として行われるものを指します。 その際には、個別の事案における労働者の行動が問題となる場合は、その内容・程度とそれに対する指導の態様等の相対的な関係性が重要な要素となることについても留意が必要です。 なお、労働者に問題行動があった場合であっても、人格を否定するような言動など業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動がなされれば、当然、職場におけるパワーハラスメントに当たり得ます。 この判断に当たっては、「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、「同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうか」を基準とすることが適当です。 なお、言動の頻度や継続性は考慮されますが、強い身体的又は精神的苦痛を与える態様の言動の場合には、1回でも就業環境を害する場合があり得ます。 セクシュアルハラスメントの定義 職場のセクシュアルハラスメントとは 「職場」において行われる 「労働者」の意に反する 「性的な言動」により、労働者が労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害されることをいいます。 「職場」とは 労働者が通常働いているところはもちろんのこと、出張先や実質的に職務の延長と考えられるような宴会なども職場に該当します。 「労働者」とは 正社員だけではなく、契約社員、パートタイム労働者など、契約期間や労働時間にかかわらず、事業主が雇用するすべての労働者です。 また、派遣労働者については、派遣労働者のみならず、派遣先労働者のみならず、派遣先事業主も、自ら雇用する労働者と同様に取り扱う必要があります。 「性的な言動」とは 性的な内容の発言や性的な行動のことをいいます。 男性も女性も、行為者にも被害者にもなり得ます。 また、異性に対するものだけでなく、同性に対する性的な言動もセクシュアルハラスメントになります。 日頃から自らの言動に注意するとともに、上司・管理職の立場の方は、部下の言動にも気を配り、セクシュアルハラスメントの背景となり得る言動についても配慮することが大切です。 これらは、マタニティハラスメント(マタハラ)、パタニティハラスメント(パタハラ)、ケアハラスメント(ケアハラ)と言われることもあります。 「職場」とは 労働者が通常働いているところはもちろんのこと、出張先や実質的に職務の延長と考えられるような宴会なども職場に該当します。 「労働者」とは 正社員だけではなく、契約社員、パートタイム労働者など、契約期間や労働時間にかかわらず、事業主が雇用するすべての労働者です。 また、派遣労働者については、派遣労働者のみならず、派遣先労働者のみならず、派遣先事業主も、自ら雇用する労働者と同様に取り扱う必要があります。 妊娠・出産したこと、育児や介護のための制度を利用したこと等を理由として、事業主が行う解雇、減給、降格、不利益な配置転換、契約を更新しない(契約社員の場合)といった行為は「ハラスメント」ではなく「不利益取扱い」となります。 例えば、妊娠したことを伝えたら契約が更新されなかった、育児休業を取得したら降格させられた、等が不利益取扱いに該当し、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法違反となります。 妊娠・出産・育児休業等ハラスメントに該当しない例もあります 「業務上必要な言動」はハラスメントに該当しません。 ただし、労働者の意を汲まない一方的な通告はハラスメントとなる可能性があります。
次のこれを防ぐための法律が、2020年6月1日から施行されるのをご存じだろうか。 それが、 「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(略称:労働施策総合推進法)。 果たして何が変わり、労働者や企業にはどんな影響が出るのだろうか。 厚生労働省が公開している情報などをもとに、まずはポイントや注意点を紹介する。 パワハラには遭いたくないもの(画像はイメージ) まず知っておきたいのが、 職場におけるパワハラ対策が事業主の義務となったこと。 労働施策総合推進法には、法改正で「第8章 職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して事業主の講ずべき措置等」が新たに設けられた。 ここに含まれる第30条の2には、このような文言が盛り込まれている。 「事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない」 難しい言葉で説明されているが、読み解くと「職場での優越的な関係で、労働者の就業環境が害されることのないように」と定めている。 パワハラはいけないことであり、企業などはその対策をしなければならないことが法律で明記されたのだ。 パワハラの定義が明確化 3つの要素と6つの類型 さらに、第30条の2の考え方をもとにパワハラの定義も明確化された。 厚労省が告示した 「職場におけるハラスメント関係指針」によると、次の3つの要素を全て満たす行為がパワハラと認められるという。 (1)優越的な関係を背景とした言動であって (2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより (3)労働者の就業環境が害されるもの また、パワハラの典型的な例として、6つの類型も示されている。 身体的な攻撃(暴行・傷害など) 2. 精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言など) 3. 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視など) 4. 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害など) 5. 過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないことなど) 6. 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ることなど) 厚労省の関連サイト「あかるい職場応援団」より ただし、 厚労省は「客観的にみて業務上必要かつ、相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導の場合は該当しない」「個別の事案の状況等によって判断が異なる場合もあり得る」ともしていることから、全てがパワハラと認定されるわけではない。 例えば、身体的な攻撃なら「殴打や足蹴り、相手に物を投げつける行為」はパワハラに該当すると考えられるとする一方で、「誤ってぶつかった場合」は該当しないと考えられるという。 事業主には相談体制の整備などが求められる そして、事業主はパワハラを防止・解決するための措置を講じなければならない。 「職場におけるハラスメント関係指針」には、次のようにある。 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発 (パワハラをしてはいけないこと、その背景などを労働者らに周知・啓発しなければならない) 2. 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備 (パワハラの相談窓口を整備するほか、担当者が適切に対応できるようにしなければならない) 3. 職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応 (事実関係の迅速かつ正確な確認、被害者への配慮の措置などをしなければならない) このほか、パワハラの相談者や行為者のプライバシーを保護すること、パワハラの相談者に解雇といった不利益な扱いをしないことなども求めている。 事業主はパワハラの相談体制などを整備しなければならない(画像はイメージ) パワハラの典型的な例や事業主がとるべき措置などは、厚生省のウェブページ「職場におけるハラスメントの防止のために」からも確認できるので、こちらも参考にしてほしい。 改正された労働施策総合推進法は、大企業では2020年6月1日から適用される。 中小企業の適用は2022年4月1日からで、それまでは努力義務だが、いずれにしても近い将来、すべての企業でパワハラ対策がとられることになるだろう。 その一方で、この法律には 罰則規定が設けられていないため、現実的な抑止力になるのかといった不安も聞かれる。 また、業務上の注意や指摘とパワハラをどう線引きするのかなどの課題もある。 こういったことも含めて厚労省の担当者に疑問点を聞いた。 パワハラは社会問題として注視されてきましたが、法的な明記はこれまでありませんでした。 しかし法改正で、労働施策総合推進法には事業主の措置義務としてパワハラ対策が盛り込まれました。 これに伴い、パワハラの定義なども示されたので、ハラスメントの予防や解決につながるはずです。 事業主はパワハラ対策を講ずることが求められますが、職場環境を改善することで労働生産性の向上などにもつながるはずです。 その際は個々の事情や目的、経緯などを総合的に考慮しなければなりません。 事業主においては、労働者の幅広い相談に応じることが求められます。 ただし、労働局の指導や勧告で是正されないときには、企業名を公表できる仕組みにもなっています。 これが制裁となります。 企業は労働者の相談窓口を設けるはずなので、まずはそこに相談してください。 窓口がなかったり、企業が対応してくれないときは、都道府県労働局に相談いただければ、労働局が動くことができます。 中小企業にお勤めの場合、パワハラ対策が措置義務となるのは2022年4月1日からとなるので、大企業よりは遅れが出てしまいます。 ただ、労使紛争を解決する援助の仕組みなどはあるので、都道府県労働局にご相談いただければと思います。 特に事業主には、パワハラ対策の措置義務を守っていただければと願います。 都道府県労働局の連絡先 労働施策総合推進法の改正により、労働者はパワハラの被害をこれまでよりも相談しやすくはなりそうだ。 事業主には求められることも多いが、よりよい職場環境にするためにも、パワハラ対策や相談窓口の整備などを進めてほしい。 厚生省「職場におけるハラスメントの防止のために」は 【 心が削られる…あなたのパワハラエピソード募集】 「聞きコミ PRIME online」に、上司や先輩からパワハラを受けたなど、あなたが体験した・もしくは聞いたことがあるパワハラエピソードを聞かせて下さい。
次のパワーハラスメント(パワハラ)の定義 パワーハラスメントは職場環境の悪化や社員の離職、社員の健康被害などさまざまなデメリットを生み出します。 管理職としてパワーハラスメントの定義や背景を知り、パワーハラスメントを未然に防がなければなりません。 パワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為です。 【参考】 パワーハラスメントは明確な定義がされておらず、人事労務担当者や部下を持つ上司は、パワーハラスメントの定義を確認し、どういった行為が該当するかを認識しておくことが重要です。 また、管理職だけでなく、OJTや現場でのサポート役である先輩・後輩間での言動、そして同僚間でのいじめや嫌がらせもパワーハラスメントに認定されます。 パワーハラスメントを認定する判断基準は「業務の適正な範囲を超えたかどうか」が争点となります。 パワーハラスメントが起きる原因 パワーハラスメントが起きる原因には「経営環境の変化」と「日本企業の組織体質」の2点が挙げられます。 現代の日本ではグローバル化による競争激化や人手不足など経営難に陥りやすい環境に変化していますが、利益を追求する企業の姿勢には変わりありません。 しかし、確実に業務量が増加し、ビジネス課題も高度化・複雑化しているため、管理職以上の社員が過度なストレスを抱えていると考えられます。 その結果、立場の弱い社員への不適切な言動が増え、パワーハラスメントが蔓延するようになったといえます。 また、トップダウンによる指示や精神論を前提とした働き方など、日本企業の古い組織体質もパワーハラスメントを助長させる原因でもあります。 業務の適正な範囲とは 業務の適正な範囲とは、業務上指揮監督や教育指導において、必要かつ合理的と認められる範囲を指します。 業務の適正な範囲は、各企業によっても差がありますので、各企業において具体的な事案を明示し、その範囲を定義していく取り組みが必要です。 パワーハラスメントに該当しない指導事例 業務上、支障をきたす問題や行動がみられた場合、監督責任を有する上司は適切に指導しなければなりません。 適正な指導を行うためには、以下のポイントを押さえましょう。 社員個人の問題を指導・教育する場合は周囲に配慮し、別室へ呼び出す• 感情的にならず、問題の理由を確認し、注意する• 発生した問題事案が原因で、チームへの負担や損害(代替要員・他メンバーへの業務割り振り)がどの程度発生したかを具体的に伝える(数値的根拠の提示が尚良い)• 問題改善のために本人が改善・注意すべき点、また会社としてフォローできる点を建設的に話し合う• 社内の懲戒処分事由に該当する場合、権限の範囲内で実施可能な懲戒処分に付す パワハラに認定されないためには、精神的・肉体的に過度な苦痛を与えることなく、指導・教育を行わなければなりません。 客観的、および社会通念上「業務の適正な範囲」と認定できれば、たとえ部下からの異議申し立てや不満があったとしても問題ありません。 パワーハラスメントの6類型 パワーハラスメントは少なからず身体面・精神面への影響を伴いますが、身体面や精神面への直接的な「攻撃」だけでなく、それ以外の間接的なものもパワーハラスメントになりうることを意識しなければなりません。 身体的な攻撃 殴る・蹴るなどの暴力や罵詈雑言を浴びせる行為は、業務との関連が認められないことが多く、パワーハラスメントに認定されやすいといえます。 例えば、灰皿で殴るなどは論外ですが、資料などで頭を叩くなども身体的な攻撃に該当し、パワーハラスメントとなります。 精神的な攻撃 一般的に心身的に名誉を毀損する業務命令や、言葉により精神的苦痛になり得る行為もパワーハラスメントとなり得ます。 また、上司・部下の関係性の悪化は、職場環境も悪化させる要因となるため、指揮監督や教育指導においては業務上不要な言動は避けるべきです。 以下の点を踏まえて、精神的な攻撃に該当するか判断しましょう。 感情的に叱る・怒鳴る行為• そのため、上記の発言が必ずしもパワーハラスメントにならない場面もあります)• 過大な要求 遂行不可能な業務量の押し付けや長時間労働の強要は過大な業務要求としてパワーハラスメントとなり得ます。 過小な要求 能力や経験とかけ離れた程度の低い業務の指示、強要、意図のない単純労働(コピー取りやお茶汲みなど)などの強制は過小な要求となりパワーハラスメントに当たり得ます。 個の侵害 家族や交際相手などのことを執拗に尋ねる、プライベートな領域に踏み込んだ質問を行う、携帯の画面を覗き込むなどは個の侵害に当たり、パワーハラスメントとなり得ます。 パワーハラスメントの裁判事例 過去にパワーハラスメントとして認定された裁判事例をご紹介します。 川崎市水道局(いじめ自殺)事件 川崎市で起きたパワーハラスメントに関する事件です。 裁判は2002年6月27日に行われました。 川崎市水道局の工事用水課工務係に配属されたAさんは、配属後1カ月ほど経った後、複数の上司からAさんの存在を否定するかのような発言を受け、ときには果物ナイフを突きつけられるなどのいじめを受けました。 いじめは約6カ月間も続き、仕事を休みがちになったため、医療機関で治療を受けました。 しかし、その後配属から約2年後に「かつての上司複数人への恨みの気持ちが忘れられない」と遺書に書き残して自殺しました。 Aさんのご両親は「上司によるパワーハラスメント行為がAさんのいじめが自殺につながった」と主張、訴えを起こしました。 約2年後、いじめと自殺には事実上の因果関係があると認められました。 中でも責任者である課長もいじめ行為に加担したことや、適切に対処しなかった責任者も安全配慮義務を怠ったと判断されていることから、社内いじめへの適切な対処は管理職の責任といえます。 【参考】 航空会社退職強要事件 Bさんは、〇社に勤める客室乗務員として昭和48年から18年以上勤務を続けていましたが、タクシーで勤務に向かう際に事故に遭い労災認定を受け、約4年間休業・休職しました。 その後、復職訓練を受けましたが3回とも不合格と判断、その間、上司にあたるC氏はBさんに仕事を与えず、30回以上の面談を行って退職を迫り、復職訓練3回目の不合格となった後に、労働能力が低下したことなどを理由に就業規則の解雇事由である「労働能力の著しく低下したとき」に該当するとして、Bさんを解雇しました。 Bさんはこの解雇の無効を主張、それにくわえてC氏の退職強要により精神的苦痛を受けたとして慰謝料請求を行いました。 本件について、「労働能力の著しく低下したとき」に該当するような労働能力の低下は認められず、就業規則に規定される解雇事由「準じる程度のやむを得ない理由があるとき」にも該当しないと判断されました。 また、C氏のBさんへの対応について、面談の頻度、その時間の長さ、言動などは社会通念上許容しうる範囲を超えており、退職勧奨の違法性を認めた裁判例となっています。 こちらは、直接的なパワーハラスメントの裁判例ではありませんが、退職勧奨の過程でパワハラ行為に該当する行為が発生する可能性があるため、注意が必要です。 【参考】 2020年6月から労働施策総合推進法改正 2020年6月から労働施策総合推進法改正が施行されます。 大きな改正のポイントは2つあり、職場におけるパワーハラスメント防止のため、雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となります。 パワーハラスメント対策の法制化 パワーハラスメントが起きないよう、雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となります。 職場におけるパワーハラスメントとは、以下の3つの要素をすべて満たすものであると定義されています。 優越的な関係を背景とした• 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により• 【参考】 セクシュアルハラスメント等防止対策の実効性の向上 セクシュアルハラスメント等の防止対策実効性の向上のために、「男女雇用機会均等法」、「育児・介護休業法」、「労働施策総合推進法」の改正も行われます。 セクシャルハラスメントなどの防止に関する国・事業主・労働者の責務が明確化され(事業主・労働者の責務として、他の労働者への言動に注意を払うよう務めるものとされ)ます。 事業主に対して、セクシャルハラスメントなどの相談を行った労働者に対して事業主が不利益な取り扱いを行うことが禁止されます。 自社の労働者が他社の労働者にセクハラを行い、他社が実施する雇用管理上の措置への協力を求められた時に応じるよう努めることとされています。 調停の出頭・意見聴取の対象者が拡大されます。 従来よりもパワーハラスメント・セクシャルハラスメントなどのハラスメントに対して厳しく、また明確化された法律に改正されることとなります。 【参考】 パワーハラスメントにならないための企業対策 パワーハラスメントに明確な定義や基準がない以上、普段から部下との接し方には注意が必要です。 そのため、日頃から以下のポイントに注意しましょう。 業務の適正範囲を定義 パワーハラスメントには明確な定義がないため、「業務の適正な範囲」を拡大解釈する管理職も少なくありません。 具体的な事案の提示や管理職自らが自分の言動を確認できるチェック表を作成し、対象となる管理職に周知していくことが大切です。 研修を通した意識改革 世代間の価値観が異なる現代では、働き方や仕事・業務に対する考え方、意識も社員毎に異なってきます。 世代間のギャップを解消するためには、研修を通して、管理職が自身の言動や意識が職場に合っているかを振り返る機会の設置が効果的です。 自省を促す適切な対応 懲戒を通じて、部下の自省を促すことは効果的な教育・指導です。 しかし、一方的な感情表現や恣意的な言動、対象者の人格や尊厳を傷つける行為・懲戒は明確なパワーハラスメント行為にあたり得ます。 また、上司・部下の関係性によってもメッセージの受け取り方が異なります。 そのため、受け手によって、異なる感情(忠誠心や復讐心)や印象を持たれないように、普段から信頼関係をしっかりと築くことが重要です。 まとめ• パワーハラスメント(パワハラ)とは、職場内の優位性を背景に業務の適正範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える行為全般を指す。 パワーハラスメントは身体的・精神的な攻撃だけでなく、人間関係や個人・人権を毀損する行為もパワーハラスメントと認定される。 パワーハラスメントの明確な定義や基準はなく、「業務の適正な範囲」も線引きが難しいため、企業が率先して、研修を通じた管理職の意識改革を行うべきである。
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