「だましあい」のカンテレと「タイムスリップ」のTBS 『10の秘密』は、昨今、人気の「だましあい」をモチーフにしたもので、離婚した夫婦が、娘の誘拐事件を機に対峙し、彼らのみならず、関わる人々の過去の秘密が次々と明るみになっていく。 出演者は向井理、仲間由紀恵、仲里依紗、渡部篤郎、佐野史郎ほか。 オリジナル脚本で、脚本家は、草彅剛主演のヒットドラマ『銭の戦争』『嘘の戦争』などを手掛けた後藤法子。 演出家は『家政夫のミタゾノ』『セミオトコ』のほか、映画監督もしている宝来忠昭や『銭の戦争』『嘘の戦争』の演出などを務めた中西正茂。 制作はカンテレ。 一方の『テセウスの船』は「タイムスリップ」もの。 殺人犯の息子として生きてきた主人公が過去にタイムスリップ、事件の真相を探り、未来のために過去を変えようと奮闘する。 出演は、竹内涼真、鈴木亮平、榮倉奈々、上野樹里、安藤政信、麻生祐未ほか。 漫画原作で、脚本家は『アリスの棘』などの高橋麻紀、演出は『花より男子』で大ヒットをとばした石井康晴や『グランメゾン東京』の山室大輔など。 制作はTBSと大映テレビの共同制作だ。 では2本のミステリードラマ、要素をひとつひとつ比較してみよう。
次のドラマ『テセウスの船』(TBS系)公式サイトより 竹内涼真が主演を務める、TBS系「日曜劇場」枠で放送中の連続ドラマ『テセウスの船』。 3月8日に放送された第8話の平均視聴率は15. 3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と自己最高を更新し、業界関係者から「このまま最終話に向けてさらに数字を上げそう」と期待されているようだ。 初回11. 1%で発進後、第5話までは11%台をキープしていましたが、第6話でいきなり13. 2%まで上昇すると、第7話で14. 0%をマーク。 2月に入って多くの作品が折り返しを迎えた時期の中間平均視聴率でも、第6話まで放送を終えていた『トップナイフ』が1位をキープしていました。 同ドラマはその後も10. 6%(第7話)、11. 0%(第8話)、11. 4%(第9話)と、2ケタ台を維持。 しかし、最近の『テセウスの船』の勢いには、明らかに負けています」(同) むしろ、『トップナイフ』が第5話で一度、視聴率1桁台を記録してしまっているのに対し、『テセウスの船』は初回から第8話までオール2桁を獲得。 各ドラマが最終回まで放送され、全話平均視聴率が比較される頃には、『テセウスの船』がダントツで首位に立つ可能性が高くなってきた。 「原作者の東元氏は、ドラマのイベントで『真犯人は原作とは違う』と発言していました。 高視聴率のウラには、そういった謎解き要素も大きく関係しているのだと思われます。 「同じ『日曜劇場』では、前クールに木村拓哉主演の『グランメゾン東京』を放送していましたが、このドラマはフランス・パリの三つ星レストランで撮影を行うなど、莫大な製作費を投じていました。 さらに、今年4月期には堺雅人主演の大ヒットドラマ『半沢直樹』の続編も控えています。 そのため、今期にまだ若手で比較的ギャラも安い竹内を主演に起用したのは、『製作費を抑えるためだろう』と目されていたんです。 しかし現在、ネット上の『テセウスの船』ファンからは、『竹内がこんなに演技派だったとは知らなかった』『表情の演技がうまい』『今まで注目してなかったけど、このドラマで好きになった!』といった絶賛の声が続出しています」(前出・関係者) 起用された経緯はあまり良いものではなかったかもしれないが、視聴率は絶好調、主演としても評価されている今、竹内にとっても喜ばしい結果となったのではないか。
次の上野樹里 3月22日にドラマ『 テセウスの船』(TBS系)が最終回を迎える。 同ドラマは週刊漫画誌「モーニング」(講談社)で連載されていた東元俊哉氏による同名漫画を実写化したもので、主人公の田村心を竹内涼真が演じている。 竹内が演じる心は警察官の父親が起こした殺人事件の謎を追う青年で、父親が逮捕されてから、母親とともに身を隠すように生きてきた。 その後、最愛の妻から「お父さんを信じてみて」と言われた心は、拘置所にいる父に会おうと決意する。 しかし、昔の事件現場に向かうと、父が殺人事件を起こす直前の31年前にタイムスリップしてしまう。 それから、心は「父はなぜ事件を起こしたのか?」「本当に殺人犯なのか?」を追求する……という内容だ。 「泣ける本格ミステリー」と銘打たれた同ドラマは、平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)が初回11. 1%、第2話11. 2%、第3話11. 0%、第4話11. 0%、第5話11. 8%、第6話13. 2%、第7話14. 0%、第8話15. 3%、第9話14. 9%と全話で11%以上を記録しており、最終回で自己最高をマークするという見方も多い。 ドラマ受難の時代において、特筆すべきヒット作となりそうだ。 「本作は、これまで『下町ロケット』『陸王』『ブラックペアン』など日曜劇場の作品に多く出演してきた竹内が、満を持してTBSの連ドラ初主演を飾ったことで多くの注目を集めていました。 放送前こそ『また漫画原作ものか』『日曜劇場でファンタジー?』と不安視する声も少なくありませんでしたが、回を追うごとに真犯人をめぐる考察合戦が過熱するなど、盛り上がりを見せています。 また、熱演を見せる竹内や鈴木亮平はもちろん、特別出演の 上野樹里も視聴者を惹き付けています」(週刊誌記者) 同ドラマで、上野は田村(岸田)由紀として1人2役をこなしている。 序盤は心の妻として登場し、タイムスリップ後は週刊誌の記者として再び登場。 いずれも好演しており、視聴者からは『迫真の演技に泣いた』『これは上野樹里のドラマだ』『圧巻の存在感で竹内涼真を食っている』と絶賛する声が続出している。 2002年にドラマで女優デビューを果たした上野。 03年には『ジョゼと虎と魚たち』で映画デビューし、04年には『スウィングガールズ』で映画初主演を飾り、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞する。 さらに、06年放送のドラマ『のだめカンタービレ』で主人公・野田恵役を演じると、人気が爆発。 同作は08年にスペシャル版が放送され、後に映画化もされるなど、上野の代表作となった。 その後、11年には大河ドラマ『江 ~姫たちの戦国~』(NHK)で主演を務め、名実ともにトップ女優にのぼり詰める。 16年にトライセラトップスの和田唱と結婚し、19年には『監察医 朝顔』(フジテレビ系)で初の月9ドラマ単独主演を果たした。 同ドラマで上野は新人法医学者を演じきり、全11話の平均視聴率は12. 6%と、月9ドラマとしては2年ぶりに全話2桁を達成。 また、19年夏クールの連続ドラマで視聴率トップを獲得するなど、ヒット作となった。 「『朝顔』はすでに続編が決定しており、今年の夏から秋にかけて2クール連続で放送されます。 これは月9ドラマ33年の歴史の中で初めての偉業で、2クール連続放送自体、フジとしては開局50周年記念ドラマ『不毛地帯』以来、10年ぶりとなります」(同).
次の