碇シンジは、言わずと知れた「新世紀エヴァンゲリオンのパイロット」であり、それでいて作中でいろんなことをやらかしてくれる思春期まっただなかの少年。 そんなシンジのことを、今まで僕はいまどきの 「中二病」だと思っていたんですが、どうもただそれだけでシンジのことを語るのは、少々単純でした。 特に、シンジの周りにいた女性たちが、シンジの行動に影響を与えていたことは、忘れちゃいけませんしね。 ここでは、 碇シンジを虜にした4人の女性たちについて、詳しくご紹介していきます。 シンジはパートナーを求めていた?シンジを虜にした4人の女性たち 作中でシンジにかかわりがあるのは、特に4人の 女性たちです。 中には女性とも男性ともいえない「使徒」もいますけど、役割が女性的なので、あえてここに挙げさせてもらいます。 シンジが中二病をこじらせて、とにかく誰かに認めて欲しかった時、近くにいた女性たちは、一体どのように行動したのでしょうか? 1.葛城ミサトはシンジに大人の善悪を教えた 葛城ミサトは、NERVの中心的メンバーであり、ファーストチルドレンとしてエヴァのパイロットに選ばれたシンジの保護者的存在。 なんでも、一人にしておくのがかわいそうだとか、碇ゲンドウから息子を託されたとか、その理由は様々なんですけど、ミサト自身も加持リョウジとの関係がうまくいかなくなった時期と重なるんです。 そこでシンジとミサトの同居生活が始まるわけですが、特段シンジに対して保護者のように接するわけでもなく、むしろ大人のだらしないところを見せ付けてしまうだけなんです。 ビールをうまそうに飲み、食器を洗わずに放置し、洗濯物は一気にまとめてと、とにかくガサツなミサトのことを、シンジは「だらしない大人」と断言してしまいます。 スポンサーリンク そもそもシンジは誰と比較してミサトのことをだらしないと言っているのか、それはもう母親である碇ユイだけです。 理由が分からないけど、目の前から消えてしまったユイに対しては、もう美しい思い出しか残っていないので、それと比べられたミサトもたまったもんじゃないです。 でも、ミサトが何もかもだらしないわけではなく、時に 母親のような接し方をして、シンジをドキッとさせます。 シンジが失敗したり、自分が評価されなかったりするとすぐに拗ねて、自分の殻に閉じこもるんですが、そこでミサトは甘やかすことなく、突き放してシンジが立ち上がるのを待ちます。 このやり取りは、甘えん坊の子どもを厳しくしつける母親のしぐさのように思えるのは、僕だけでしょうか? 2.惣流(式波)・アスカ・ラングレーはシンジに大人の入り口を示した シンジとミサトの不思議な同居生活もすぐに終わりが訪れます。 と言うのも、セカンドチルドレンとして 惣流(式波)・アスカ・ラングレーがやってきて、一緒に暮らすようになるからです。 シンジとアスカは表面的にいえば、アスカのツンデレな行動にシンジがあきれながらも付き合っていた感があります。 でも、今までのミサトとの関係と違って、アスカに対してシンジは初めて「女性」を意識した行動をとります。 シンクロ率をアップさせる訓練としてエアロビクスなどを練習させられることになった時、シンジは思春期の男子らしく、アスカと手をつなぐことをためらいます。 もちろんアスカは「つなぎたくてつないでいるわけではない」と真っ向から否定しますが、アスカもこういう部分を見るとやっぱり14歳の中学生女子だったわけですね。 これ以降、シンジの行動は暴走気味になって来るのですが、そのピークがあの 「自慰行動」だったわけです。 けがをしたアスカを見舞いに行ったはずだったのに、よりによって自分がふがいない戦いをしたためにアスカに負担を賭けてしまい、アスカにけがをさせてしまったのに。 スポンサーリンク アスカが全裸で横たわっていると分かったとたん、こともあろうに目の前で行為に及んでしまうシンジ。 セカンドチルドレンを治療している病室に、監視カメラが付いているのは分かっているはずなのに、そんなことも知ってか知らずか、自分の欲求を満たすことを優先したシンジ。 アスカのおかげで、シンジはごく一部分だけ大人に「シン化」してしまったわけです。 3.綾波レイはシンジに心のよりどころを与えた 一方、同じエヴァパイロットである 綾波レイには、性的な欲求は湧いてこなかったシンジ。 綾波レイ自身は、碇ゲンドウが生み出したクローンであり、こともあろうにシンジの母親であったユイをモチーフとしているクローン。 それをシンジが気づいていたかどうかは分かりませんが、レイ自身はクローンなので、人間として必要な感情を持ち合わせていない部分もありました。 時には全裸で部屋の中を歩いていたり、そんな時にシンジに出くわしても何の感情も表わさなかったりします。 驚くのは、全裸のレイを見た時のシンジが、ムラムラするわけでもなく「服、着た方がいいと思うよ」と、まるで常識人の大人のような対応をする事です。 アスカには欲求を抑えることが出来ず、でもレイには欲求を抑えることが出来る。 この違いは一体何だろうと、僕自身も本当に不思議に思います。 でも、シンジがうすうすと 「レイ=ユイのクローン」であることを気付いていたならば、この対応の違いが起こってもおかしくないんでしょうね。 実際、作中でもレイに対して執着は繰り返すシンジですが、その執着は異性としての存在ではなく、なんだか家族のような、居場所のような、アスカに対するものとは明らかに違うことは、みなさんも理解できると思います。 4.渚カヲル(!)はシンジに独り立ちの機会を与えた ここで 渚カヲルをあげてしまうのをどうしようかと思いましたが、カヲルはあくまで使徒なので、男性とか女性とか性別がないので、あえて紹介します。 実際、シンジとカヲルの関わり方を見ていると、シンジのことを励ましたり、シンジの思いを受け止めてからフォローするところを見てみると、明らかにカヲルの行動は女性的なものだと思います。 シンジからしてみると、アスカは時にガミガミ言うし、レイは何を考えているか分からないし、ミサトはただの酒飲み。 でも、カヲルくんは僕のことを受け止めてくれる、それでいて僕の行動、いや僕のすべてを許してくれる存在。 スポンサーリンク こう考えると、シンジが一番惹かれてしまったのは、見かけが男性(実は使徒)の渚カヲルなのではないかと思えるのです。 身体を密着させる割合や、作中の2人だけのシーンの多さを見ていると、明らかに 相思相愛と受け取られても、おかしくはない。 カヲル自身もまんざらではなかったようで、本当の目的は「シンジに接触してNERVに侵入する」ことだったにもかかわらず、それがうまくいかず、シンジの操縦するエヴァ壱号機に捕獲されると、命を絶つように懇願します。 つまり、自分が好きだった碇シンジに殺されるなら本望だと言う、カヲルの気持ちが明らかになっているシーンなんです。 そして、シンジ自身もカヲルの要求に悩みますが、数分間悩んだ後に、エヴァの掌の中で、カヲルの首を跳ね、苦しむことなく死にいたるようにして、 カヲルの要求を満たすことになります。 この時点でカヲルが使徒と言うことが明白になっていたにもかかわらず、この行動です。 今まで目の前に魅力的な女性が存在していたにもかかわらず、結局シンジが一番好きだったのは、渚カヲルだったというのは、断言しても怒られないでしょう。 まとめ 碇シンジという14歳の少年が、エヴァンゲリオンに乗っているのは、 正直恐ろしいです。 ちょっと拗ねたらエヴァに乗らないっていうし、乗ったはいいけど綾波レイとシンクロしそうになったり、なぜかシン化してサードインパクトを起こしそうになるとか、とにかく危ういったらありゃしない。 こう考えたら、碇シンジって少年は、ただの中二病少年にしておくと、本当に危険(笑)かもしれないです。 でも、そんなシンジが徐々に成長して、大人になっていくのだろうと思えるのが、このエヴァンゲリオンと言う作品でもあるんですよね。 父親である碇ゲンドウに認められたいがゆえに行動に突っ走ることもあるし、最終的には「エヴァに乗らなきゃ僕じゃない」なんて言えるぐらい、役割と責任を見極められるようになっているので、 立派な企業戦士になることは間違いないですよ。
次の学校帰り 学校帰り Written By こめどころ 桜の花が咲き終わって葉桜になりつつある。 入学式が終わり、大学では学生がシラバス片手に頭を抱え、始業式の遅い高校生もそろそろ学校に通い始めた。 アスカとシンジの通う高校も、今日はオリエンテーションだけだったので、随分早く終わった。 ふたりが駅の階段を降りてくると、黄色い帽子の小さな子供たちの集団とすれ違った。 「わ、わわわ。 」 あたふたとカバンを持った両手を挙げて子供たちを避けて背伸びをするアスカ。 そのまわりをぞろぞろと黄色い流れが行き過ぎていく。 甲高い声が駅舎に響く。 黄色い花畑の真ん中で踊っているみたいなアスカを見て吹き出してしまうシンジ。 「なによぅ。 笑うなんて!」 「ごめんごめん。 今年の小学校の新入生達だねえ。 」 アスカの様子に昔飼っていた犬を思い出す。 結構強もての近所でも有名な大きな秋田犬だった。 ところがある日、隣りのうちの犬が子犬を産んだ。 生け垣の穴を通ってその怖いもの知らずの5匹の子犬たちはシンジの大きな秋田犬のところにたかってくるのだった。 最初のうちは、威嚇して近寄らせないようにしていたようだが、ある日ふと見ると子犬たちは彼の腹や背中にまとわりついたまま 安心しきって眠っていた。 そして、彼はというとあきらめきった表情でじっとしている。 シンジに気がついて彼は「くおーーーん。 」と情けない声を上げた。 「何とかしてくださいよ、この細かい奴等。 」 と言ったつもりだったのかもしれない。 普段無表情なシンジの笑い声におじさん一家も何事かと飛び出してきて、一緒になって大声で笑った。 秋田犬はふてくされたように、向こうを向いてしまったっけ。 シンジはそんな事を思い出して暫く声をかみ殺して肩を震わせていた。 「なんだってのよっ!まったく!!」 アスカはなぜ笑われているのか分からない。 不機嫌そうに叫ぶとドカドカト足音を立てんばかりの勢いで、先に立って歩いていった。 「まぁーーったく、何で日本人ってのは、おそろいで集団で歩くのかしらねえっ。 あんな細かい頃から・・・っ。 」 その態度と台詞が更にシンジを笑わせるのだけど。 そのとき、ぱたぱたと黄色い帽子の子がもう一人駆け下りてきた。 きょろきょろと、あたりを見回している。 どうもぼんやりしててみんなからはぐれてしまったらしい。 シンジが集団の行った方を見回すと、最後尾の子が今まさに、ロータリーの角のビルを曲がっていくところだった。 でも、小さな一年生の視界には到底届かなかったようだ。 見る見るうちに大きな目に涙がもりあがってくる。 バンバン! いきなり重いカバンと手提げ袋を投げ渡された。 「え?」 アスカがもうその子のそばに走りよっている。 と思ったとたん、その子を小脇に抱え上げると、ダッシュでさっきの集団を追って走り始めた。 「はやいっ!」 シンジはあわててカバンや何かを抱え上げると、アスカを追って走り始めた。 シンジが角を曲がってさらに追いかけていくと、向こうの方で引率の若い先生にアスカが子供を渡しているところだった。 先生は恐縮してぺこぺこしている。 一年生たちが周りを取り囲んでいる。 たんぽぽ畑の中で、立っているように、シンジには見えた。 アスカは、身を翻してこちらに向かって駆け戻ってくる。 目がニコニコしている。 照れくさかったらしくて顔が真っ赤だ。 「お疲れ様、アスカ。 」 「もう、手がかかってしょうがないわよね、小さい子っていうのは!」 シンジが差し出したカバンと手提げを引っ手繰るようにとって、髪の毛をバサッと振り払う。 「放っておくわけにもいかないしね。 」 「そ、そうよ・・・。 なんであんたがさっさとやってやらないのよっ。 おかげであたしが・・・・。 」 「わかった、わかった。 」 「だから、なんかおごんなさいよ!」 「ええ〜〜っ。 」 いつもの帰宅路を、ぽてぽてと歩いていく。 ソフトクリームを舐めて、ご機嫌のアスカ。 荷物はその間全部シンジが持っているのだ。 ずいっ。 顔の前に突き出される、ピンクと白のソフトクリーム。 「暑いんでしょ。 ひ、ひとくちあげるわっ。 」 「いいの?」 「食べるなら、早く食べなさいよ。 溶けちゃうじゃないのっ。 」 先っぽをぱくっと一口かみとる。 「あ、あーーーっ。 こんなに食べたあっ。 あんたには遠慮ってもんがないの?」 「だって、アスカが食べていいって言ったんじゃないか。 」 「こんなに食べていいなんて、だれも言ってません〜〜っ。 」 「わかったよ。 わるかったよ。 」 「わかればよしっ。 だから明日もおごりねっ。 」 にぱっと笑うアスカ。 シンジはがっくりと首を落とす。 「は、はめられたっ。 」 コンフォートマンションの下はグリーンロード地区になっていて、結構植物が植えられている。 その斜面に、冬の間耐えていた草が一面に茂っているのだが、今日の陽気に、一斉に花を開いていた。 小さなすみれの群落。 木陰のカタクリの集団。 その一角に二人が良く立ち寄る空き地がある。 街路のバス停から20mくらい行ったところを、左にトウヒの生け垣を割って入る。 ほんの数mの間、低い3m足らずの雑木が幾重にか重なる中を身体を横にしてカバンを胸に抱えて通り過ぎる。 その向こうのぽっかりと周囲を木に囲まれた空き地にでる。 ここには、たんぽぽの大群生がある。 ついこの間までは土筆がびっしり生えていた。 それをシンジがせっせと摘む。 アスカもそのうち面白がって摘む。 「こんな物が食べられるの?」 「まあ、いまは酒のつまみかなあ。 でも油揚げを刻んでいれて甘辛にして炒めると、結構美味しいんだよ。 」 「ふーん。 今夜作るの?」 「そう、食べるのは明後日かな。 あく抜きもするから。 」 アスカは興味津々で袴脱ぎも手伝った。 その後、胞子で手がみどりいろになって、散々文句を言われたけれど。 苦いと言いながらアスカはご飯を土筆だけで2杯も食べた。 その晩は遅くまで、ミサトの歓声が部屋の中に響いていた。 「うわあ、すごいたんぽぽねえ!この前まではつくしばかりだったのに。 」 アスカが歓声を上げ、靴を脱ぎ捨てて、たんぽぽの上を飛びまわる。 黄色いたんぽぽの絨毯の上でくるくると踊っているアスカは、 まるでさっきの小学生の中で踊っているように見えて、シンジは優しい気持ちでそれを眺めていた。 シンジはカバンを投げ出してこの小さな空き地に寝転がる。 その前は芝生がびっしり生えていたのにいつのまにか粗柴になり、たんぽぽやスギナが大部分を占めるようになった。 真っ青な空が視野いっぱいに広がる。 「奇麗な空。 まるで、アスカの目の色みたいだなあ・・・。 」 その視野の中にアスカが顔をにゅっと突きだした。 「なに?なんか呼んだ?」 びっくりして、慌てて起き出そうとするとアスカに両肩を押さえつけられた。 そのまま馬乗りになって、いたずらをする直前の顔になる。 「ふふふ、動けまい!」 かーっと顔が赤くなるのがわかって、シンジは思いきり腰を突き上げて、体を捻って逃れようとする。 だが、格闘技を身につけているアスカは、両腿でシンジの脇を挟み込んでびくともしない。 「無駄無駄ぁ!!きりきり白状せい!」 ぼくがこんなに意識してるのにアスカったらどうしてこんなに平気なんだ?恨めしくさえなるシンジだった。 「アスカの・・・目がさ。 」 「うん。 」 「空一杯に広がっているみたいで、とってもきれいだなって。 」 「・・・・!」 今度はアスカが真っ赤になる番だった。 「ま、まあね・・・。 あんたはどこにいても私の監視下にあるっていうか、さ。 」 支離滅裂な事を言っている。 そう思ったとたん、自分のしている格好が取っても恥ずかしい格好である事を意識する。 あ、あ、あたしってば・・・。 でも・・・。 アスカが突然真っ赤になって俯いてしまったので、シンジは困惑していた。 恥ずかしいのはぼくの方じゃないか・・・。 でも、次の瞬間、シンジは今度こそ心臓が痛くなるような想いをした。 アスカの上半身が、自分の方に向かって倒れてきたからだ。 ぺったりと、制服のままのアスカが自分の上にかぶさっている。 シンジの目からはアスカの少し赤い金髪と、汗ばんだおでこしか見えなかったけれど。 アスカは、シンジの鼓動を聞いていた。 どく、どく、と打つ拍動が、自分の心臓の音とかぶさっている。 すこしずつ、動いていく手がシンジの手のひらに触れたとたん、シンジの手はアスカの手の腹に合わせられたまま、ぎゅっと握られた。 そうして、もう片方の手も、同じように。 「はあ・・・。 」 万感の思いを込めたため息が、ふたりの口から同時に漏れた。 しかし、自分のため息と相手のため息が同じ意味だなんて事がありえる事だとは思っていないのがこの二人だった。 「な、なによっ。 今のため息はっ!!私がそんなに重いって言うのっ!!」 「ア、アスカこそっ!! ぼくがおこちゃんだとかなんとか、また言うつもりだったんだろっ!!」 一転、怒鳴りあい。 「もうしらないっ!!シンジって最低!!」 「アスカのバカッ。 すぐに怒って、もう知らないからなっ!」 カバンを掴んで飛び出していったアスカの後ろから罵声を浴びせるシンジ。 「小さいんだ・・・な。 」 自分よりずっと小さいサイズの、きゃしゃな女の子用の靴。 シンジはそれを持って、ごそごそと通りに出る。 ちょっと先のガードレールに腰を半分かけるようにして、白い靴下のままのアスカがいた。 カバンを膝の前に持って、ちら、とこちらを不安そうに見る。 シンジは、苦笑いをしながら靴を持ち上げてみせる。 そして、アスカの白い靴下の前に黒い革靴を、きちんと並べて置く。 「ご、ごめ・・・。 」 「ごめんっ!!アスカっ!!」 遮って先に頭を下げるシンジ。 上げた顔がにっこりと笑っている。 アスカの胸の奥が、またきゅうっ、と音を立てる。 そして思わず自分も極上の笑顔を見せる。 「かえろ。 」 「うんっ。 」 ミサトはそんな二人の様子をさっきからずっとマンションのベランダから眺めていた。 アスカとシンジはどこからも見えていないと思っていたが、実はあの空き地はここから丸見えなのだ。 「やれやれ・・・・なーにやってんだかねえ、あの子達。 抱き合ってみたり甘えてみたりケンカしてみたり忙しい事・・。 」 こちらに向かって、指の先をつないで歩いてくる二人が見える。 「お姉さんには目の毒なのよねえ。 此れが飲まずに・・。 」 ぷしゅっ!! 「いられますかって。 」 まあ、いい飲む口実ができたというものですな。 ミサトさん。 あの空き地がこのマンションから丸見えだって言う事にシンジとアスカが気がついたのは、 何と二人が結婚してミサトのところに遊びに来た時だったそうで。 めでたしめでたし。 学校帰り:おわり あとがき: いったいこのSSは何を書いたのでしょうか・・・・。 (@@)?? 特に何の事件もない。 ある日の帰宅路の出来事を並べただけ。 いちおう開設お祝いで書いたのですが・・・・。 お祝いになるのでしょうか? Parlさん、HP開設おめでとうございます。 あなたの開設記念SS「桜の花が舞う夜に」を読んで、じゃあ、この二人はいつもどんな暮らしをしてるのかとつい思ってしまいまして、 筆の向くまま書いてしまいました。 春になって、またEVAーSS界に新しい息吹が・・・。 Parlさん、これから先、期待しております。 頑張っていっぱい作品書いて下さいね。 こめどころ チルドレンの座談会 レイ :「こめどころさんから、投稿作品『学校帰り』を頂いたわよ。 このサイトへ初めて投稿作品を掲載できたわ」 カヲル:「それは、めでたいねぇ。 投稿は、リリンが生み出した文化の...」 レイ :「やめなさい。 いつもそればかりで、芸が無いわ」 カヲル:「......」 いじけているようです。 シンジ:「あ、あの...作品について話した方が良いんじゃないかな」 レイ :「それもそうね。 碇君はどうだった?」 シンジ:「うん。 なんか、暖かくて良かったよ」 アスカ:「そうね。 平和になったあと、アタシ達が幸せそうに暮らしているのは、ナイスね」 シンジ:「アスカ。 アスカも気に入ったんだ」 アスカ:「まあね」 カヲル:「芸が無い...しかし、あれは僕の存在意義...でも、飽きられている...だけど......ブツブツ」 アスカ:「それにしても、アンタって手が早いわね」 シンジ:「僕?」 アスカ:「そう、アンタ。 しっかりアタシのことをモノにしちゃってさ」 シンジ:「モ、モノにしたって?」 アスカ:「アンタ馬鹿。 最後にしっかり結婚したってあったでしょ」 シンジ:「う、うん」 アスカ:「結婚したってことは、アタシの唇とか、純潔とかも、アンタに奪われたってことでしょ」 シンジ:「ア、アスカ!! な、なに言ってんだよ!!」 レイ :「唇を奪ったのは、アスカの方よ。 暇潰しと言って、碇君を挑発してたじゃない」 アスカ:「レイ、アンタは黙ってなさい。 それより、シンジ、認めるわね?」 シンジ:「認めるって、なにを?」 アスカ:「アタシの唇や純潔を奪ったってこと。 認めるわね!!!」 シンジ:「は、はい!」 カヲル:「リリンの生み出した文化...これは、捨てられない...では、どうすれば......ブツブツ」 アスカ:「よろしい。 じゃあ、ここでは、アタシ達....その....あれって事よね」 シンジ:「???」 アスカ:「だ、だからさ...ここでは、ふ、ふふ、夫婦ってことなのよね」 シンジ:「え? あの、その...」 アスカ:「それで...その...夫婦らしくしたいなって...」 シンジ:「アスカ...うん、分かったよ」 アスカ:「じゃあ、お食事にします? それとも、お風呂にします?」 シンジ:「食事は、リスクが大きいから......お風呂にするよ」 アスカ:「分かったわ。 すぐ準備するね。 あっ、でもその前に......ただいまのキスを忘れていたわ(ニヤリ)」 シンジ:「え? むぐっ!!」 アスカさんが、シンジ君の唇を塞いでいます。 レイ :「やっぱり、唇を奪ったのは、アスカの方ね」 カヲル:「新たなネタ...僕の存在意義......ブツブツ」.
次の見つけた。 御身こそ我らの望みし偉大なる・・・・・ 「起きろ!バカシンジ!」 第一話 碇シンジ18歳 「うわあ!」 耳をつんざくような大声にシンジは思わず飛び起きた。 「やっと起きたわね。 バカシンジ」 こめかみにピクピクと血管を浮き上がらせて肩にかかった金髪の美女がシンジの視界に入った。 「なんだ、アスカか・・・驚かさないでよ」 「なんだとはなによ!今日は収穫の日でしょ!?時間があるなら手伝いに来てほしいってアンタが言うからこの私が!ワザワザ!手伝いに!来てみれば!呑気に木陰のハンモックで寝ている姿を見る私の気持ちになりなさいよ!」 「仕方ないじゃないか。 朝から昼過ぎまで訓練だったし、剪定してたら眠くなっちゃったんだよ。 いいじゃないか。 アスカだって自分用のハンモック作って寝たりしてるじゃないか」 「それとこれとは話が違うでしょ!?」 いつものように口喧嘩をし始める二人、今彼らがいるのはネルフジャパン本部のジオフロントの畑。 言い換えれば元加持農園と呼ばれていたスイカ畑跡地である。 公務に忙しくなった加持はシンジに畑を譲った。 シンジなら自分が育てた畑を大切にしてくるという確信があったからだ。 確かにシンジは加持の心に見事に応えた。 誤算なのはスイカ畑が普通の農園に変わったことだ。 シンジは時間があればジオフロントの畑に来て手入れなどをしている。 アスカもシンジと一緒に手入れをすることが多い。 その頻度は畑の近くにある木にハンモックと机が備わっているほどだ。 シンジが手入れをしている畑は茄子やトマト、ゴーヤやジャガイモなど多数の野菜が育てられており、それらの野菜はネルフ職員に分けられている。 無農薬、有機栽培で育てられたこれらの野菜はネルフで働くスタッフに大人気なのだ。 「はあ、口喧嘩したら疲れちゃったわ。 さっさと収穫して帰りましょ」 「それはいいけど、アスカその恰好でやるつもり?」 「なによ?なにか文句ある?」 シンジは思わず苦笑いを浮かべるのも無理はない。 下はオーバーオールを履き腰の所に服を巻きつけ、上はスポーツブラなのだ。 これで農作業をやると言われても目のやり場に困る。 「あの、さ・・・虫、つくかもよ?」 「はあ?アンタバカァ!?ここはジオフロントなのよ。 虫なんてこんな場所にいるわけないでしょ!?それより早く終わらせないと、暑くなって汗かいちゃうわ」 アスカの言う通り、日当たりのよいこの畑で半日作業しているだけで夏場は汗だくになる。 すぐに畑に水を撒けるようにと側に地下水を使った人口の小川が流れて気温の上昇は幾分かマシかもしれないがそれでも暑い。 それもそうかと思い直し彼らはいつも通りに収穫を始めた。 収穫をしながらシンジはアスカを横目で見る。 腰まで伸びていた長い髪を肩のラインまで切り、赤みのかかった彼女の髪はCMでも使えそうなくらい見事な金髪へと変わった。 そしてくびれた腰はそのままに、より大人の女性らしい体つきになった。 彼女は大人の女性へと変貌をしているのだということにシンジは改めて気づかされる。 なによりも嬉しいことはトラウマを克服した彼女の笑顔が本当に眩しくなったことだ。 一緒に住んでいた時はアスカに対して特に興味が沸かなかった。 しかし、お互いがお互いの家族と過ごすようになるとシンジはその生活に物足りなさを感じ始めたのだ。 家で空いた時間があるとふとアスカのことが気になり始める。 もし自分の知らない男性とデートにでも行っているならと考えただけでも胸が張り裂ける思いがした。 最初はそれがなんなのかわからなかったが次第に彼女を意識し始めるようになり、それが恋心であるとようやくわかった。 太陽の様に明るい笑顔を見せるアスカ。 向日葵という花が彼女ほど似合う女性をシンジは知らない。 だからこそ彼女の笑顔を独り占めしたいと思う。 一番近い場所にいたいと思う。 でも、そのことを彼女は許してくれるのだろうか?わからない。 シンジは心の奥で湧き上がる衝動に目を逸らすと何事もなかったかのように作業を進めた。 収穫をしながらアスカはふとシンジを見る。 女性のような中性的な顔立ちから大人の男性らしい顔つきに変わった。 以前ユイから見せられた若かりし頃のゲンドウに似ている。 そして、身長もアスカが見上げるほど伸び、線の細かった体は鍛え上げられ頼もしい体つきになった。 学力も同学年ではアスカには敵わないものの常に上位にいる。 本当に魅力的な、そして理想的な男性に変わった。 そんな生まれ変わったシンジを周りにいる同級生や他校の同世代の女性がほっておくわけがない。 ラブレターから始まり、中にはストーカー紛いの行為をする女の人もいた。 その中にはアスカが危機感を覚えるほど魅力的な女性も少なからずいる。 だからこそ歩いてすぐというアスカが頻繁に足を運ぶ僅かな家と家の距離感でさえアスカはもどかしさを感じてしまう。 アスカはいつもシンジとつかず離れず夫婦のような距離感を保っている。 シンジは誰に対しても優しい。 それは彼なりの蘇生術だからだ。 少なくても昔はそうだった。 しかし自分に向けられている優しさは他の人たちに向けられる優しさとは違う。 そんな気がする。 そう思いたい。 その特別な優しさを受けられる座がひとりだけならその座は自分が是が非でも欲しい。 でも先に進むのが怖い。 それはシンジの前だといつも高圧的な態度を取ってしまい素直になりきれないから。 自分は嫌われているのでは?と考えるだけで涙が出てくる。 そんな可愛くない自分の近くにいつもシンジはいてくれて微笑んでくれる。 それはアスカにとってとてもとても特別な自分の居場所だから。 今はまだこのままでいい。 誰よりも近い場所で、丁度いい距離感で。 アスカは漠然とした不安感とほんの少しの安心感を抱きながら目の前にある野菜を籠に詰めていった。 二人は収穫が終わると長いエスカレーターの前に置かれている長机に収穫された野菜を並べていく。 これじゃあまるで農家の無人販売だと誰もが口を揃えて言う。 それを並べている彼らは夫婦そのものだ。 それはネルフにいるスタッフ全員の総意だ。 「ねえ、アスカはここへどうやって来たの?」 「決まってるでしょ。 公共交通機関よ」 「ええ!?」 「なっ!いきなり大きな声出さないでよ!びっくりするでしょ!」 もう一度彼女の服装を振り返ろう。 アスカはオーバーオールを履き腰に巻きつけ上はスポーツブラである。 「・・・その恰好で来たの?」 「アンタバカァ?そんなわけないでしょ。 Tシャツを着てきたわよ」 「だったらその服装で作業すればいいじゃないか」 「汗かくから嫌なの!それに今更アンタに見せたところで減るものでもないわ」 「あっそ」 「そういうアンタはどうなのよ?今日もバイク?」 「うん、送っていこうか?」 「そうしてくれると助かるわ」 アスカは野菜を並べ終わるとシャワーを浴びたいと言ってその場を離れる。 アスカと一緒に帰る約束をしている以上シンジがその場を離れるわけにはいかず、どうしたものか考えようとしたがあることを思い出した。 「そうだ、今日は母さん夕飯間に合うか聞かないと・・・最悪キョウコさんの分も作らないといけないからな」 シンジは携帯電話を取り出すとユイのところに電話をかけた。 「こうもエヴァが揃う所を見るとさしずめ巨人の国ね」 「なに変なこと言っているのキョウコ。 始めるわよ」 ユイは発令所で実験を見守っている。 その隣にはキョウコがいる。 今彼らはロールアウトしたばかりの新型エヴァンゲリオンのダミープラグを使った起動実験を行っている最中だ。 「ダミープラグ、第一次接続開始」 「主電源接続。 全回路動力伝達」 「起動開始します。 初期コンタクト異常なし」 続々と報告があがる。 今の所順調である。 しかし、ユイ、キョウコは元よりオペレーターたちの緊張は緩むことはない。 「シンクロ率、上昇・・・シンクロ率35%で安定。 ハーモニクス誤差0. 5%以内。 実験は成功です!」 その報告に発令所は歓喜の声に包まれる。 ユイは肩をなで下ろした。 「ふーっなんとか無事成功したわね」 「ユイ、本番は明日よ?こんなことで安心してもらっちゃ困るわ」 そう言いつつもキョウコも安堵の笑顔を浮かべる。 そこへマヤが嬉しそうに近づいてくる。 「博士!実験は成功ですね!流石は三賢者のお二人です」 ユイとキョウコは思わず苦笑いを浮かべる。 「何言っているの。 これはリツコさんが残してくれたデータを基に作り上げたものよ。 彼女のデータがなければこんなに早くここまでこぎつけなかったんですもの」 「ユイの言う通りよ。 三賢者なんて御大層な呼び名をされているけど、その名前がふさわしいのは赤木リツコ。 彼女よ」 ユイもキョウコも手放しでリツコを褒め称える。 マヤは思う。 もし、この場に彼女がいたらどういう反応をしたであろうかと。 きっと軽く笑みを浮かべただけで照れ隠しに煙草に手を伸ばしていただけだろうと。 「実験成功おめでとう。 碇博士。 惣流博士」 今度は強面の軍人の雰囲気を纏う屈強な男が話しかけてくる。 「いえいえ、まだまだこれからですよ。 菅原副司令」 「いえ、そうは言っても初めが肝心といいますからね」 そう言って菅原は彼女たちに微笑んだ。 ネルフジャパン副司令、菅原ヨウジ。 元特戦群隊長の経歴を持つ生粋の軍人である。 そして箱根事件においてネルフ本部を襲撃した部隊を引いた張本人でもある。 そんな曰くつきの彼が何故ネルフジャパンの副司令になれたのか?それは箱根事件の後の彼の処遇のひどさだ。 彼から出された報告書があまりにも支離滅裂すぎたため精神の疾患を疑われた。 カウンセリングを受けたが結果はシロだった。 しかし、戦略自衛隊は彼を異常者であると決めつけ彼を除隊処分し精神病院に強制入院させたのだった。 銃殺刑にされないだけありがたくおもえという嫌味も添えて。 そんな彼に愛想を尽かすように妻が離婚。 子供の面会権すら奪われた。 全てを失った菅原に手を指しのべた人物がいる。 他でもない葛城ミサトだ。 彼女が彼をスカウトしたのは軍人としての能力の高さだけでなく、彼の軍人にしておくにはもったいないほどの政治的手腕の高さと日本政府関係閣僚、及び武官としての国際的な顔の広さだ。 それともうひとつある。 菅原はネルフジャパンに転職後すぐに頭角を現し全職員の支持を勝ち取ったのだ。 「碇博士、話は変わりますが本当にこのエヴァンゲリオンは子供しか動かすことができないでありますか?」 「ええ、その件に関しては以前お答えした通りですが。 よもや副司令は私をお疑いに?」 「いえいえ、滅相もありません。 ただ、資料を読む限り博士たちの開発した新しいエントリーシステムなら誰にでもシンクロできると書かれてあったものですから、それならば大人でもシンクロするには可能ではないかと」 確かにそのとおりである。 新型エヴァンゲリオンは基本的には誰でもシンクロできるように開発されたのだから。 しかし、エヴァを動かせるのは子供だけなのです」 「何故ですか?あのロボットは・・・」 「ロボットではありません。 人造人間です。 だからですよ。 エヴァは機械で造られたロボットではなく人造人間だから心があります。 子供ならその心を受け入れてくれるでしょうが、固定概念が形成されてしまった大人がエヴァに心を開けるとお思いですか?」 「なるほど、そういうことですか」 菅原は納得したように頷いた。 しかしその顔は苦渋に満ちている。 「現在の技術ではエヴァを遠隔操作することも不可能であると惣流博士より伺っております。 ゼーレの意志を継ぐ者が現れた時に対抗できるのはチルドレンとエヴァだけであるということも・・・しかし、私は元とはいえ自衛隊の人間です。 軍人であります。 軍人である以上は我が国の国民を守る義務が、とりわけ子供は国の宝であります。 故に、致し方がないこととはいえ子供を乗せて死地へ送ることに私は納得ができません」 それは菅原の軍人であるという矜恃である。 ユイとキョウコは彼の言葉を聞いて何故ミサトが周囲の反感を買ってでも彼を副司令に置いたのかわかった。 菅原ならミサトができなかった方法を使っても、外道に落ちるようなことをしてでも子供たちを守ろうとするからだ。 その分敵が女子供でも一切の容赦はしない。 決して能力の高さのみなら彼をスカウトしなかったであろう。 彼女は自分ができなかったことを彼に託したのだ。 ユイとキョウコは嬉しそうな顔をしてお互いの顔を見合わせた。 「もちろん、それは私もユイも歯がゆく思っています。 できることなら変わりたいくらいです。 ですが、私たちは彼らをサポートすることしかできません。 ふふっ・・・最高の皮肉だわ」 ドールシステム。 ユイとキョウコが開発したシンクロシステムである。 エヴァと直接シンクロすると大変危険なのは前のモノと同様である。 しかし誰かをコアに入れるなどという非人道的な行為など今できるはずもない。 そこで目についたのがダミープラグの元であり、保存用として一部冷凍保存されていたレイの素体だった。 レイの素体をベースに幼児なみの心をデジタル化することに成功。 それがドールシステムである。 心が幼い故に受け入れてくれれば誰でもシンクロは可能なのだ。 どんなに偉そうなことを言っても自分たちのやっていることは綾波レイをお人形として扱っている旧ネルフのトップと変わらないのだ。 自分たちはそういうクソみたいな人間と大差ないのだという皮肉からその名がつけられた。 このことはネルフジャパンでもユイとキョウコしか知らない。 ユイが自傷気味の笑うと彼女の携帯が鳴った。 相手はシンジからだった。 「もしもし。 シンジ?ええ、大丈夫よ・・・・・ええ、・・・そうね・・・」 チラリとキョウコを見るユイ。 キョウコは首を横に振る。 「ごめんね。 今夜は遅くなりそうだから夕飯はいらないわ。 ええ、レイのことお願いね」 ユイは携帯を切ると呆れた顔をキョウコに向ける。 「キョウコ。 本気なの?」 「当たり前でしょ?明日はシンジ君の誕生日。 仕込みバッチリ。 この手を利用しない手はないわ!」 「だからって・・・アスカちゃん大丈夫かしら」 「大丈夫よ。 一生懸命練習してたから。 それに秘策も用意してあるわ」 「なによ秘策って・・・」 キョウコは鼻で笑う。 「裸にエプロンをさせるわ!!名付けて『夕飯食べたらもれなく私も食べなさいよ作戦』よ!」 「あんた自分の娘に何させようとしてくれやがるの!!」 シンジがアスカを待っていると聞き慣れた声が近づいてくる。 「お、碇じゃないか。 どうしたんだこんなところで」 「ケンスケ~そんなん聞かなくてもええことやないか~」 トウジとケンスケだ。 二人は如何にもわかっちゃいるけど聞いてみたというニヤニヤした顔だ。 「アスカを待ってるんだ」 シンジは苦笑いしながら答える。 二人はやっぱりねというシタリ顔だ。 「センセーそろそろケジメつけたほうがええんちゃうか?」 「そう言うなって。 周りが言うだけ野暮ってもんだ」 二人はシンジがアスカに好意を持っていることは十分わかっている。 お前ら両想いなんだからいい加減にくっつけよというのが本心だ。 しかしアスカとシンジの距離感は一向に縮まない。 そして離れることもない。 はっきり言えばじれったい。 それはここにはいないトウジの恋人の洞木ヒカリも同様である。 密かに3人でいつ付き合うかトトカルチョしている始末である。 そのトトカルチョも何度も更新しており、いい加減終了してしまいたい。 シンジは改めて二人を見る。 トウジは体中に痣と絆創膏だらけでまるでリンチを受けた後だ。 ケンスケもまた右目の周りが円形に内出血している。 「訓練大変そうだね」 二人を労わるかのようにシンジは呟くがトウジとケンスケはそれを鼻で笑う。 「へっ何言っているんだよ。 お前に比べたらこんなの大したことじゃないさ」 「せや、使徒とやりあってた時なんぞシンジは素人やったやないか。 ワシらは2年続けてこの程度や。 訓練を積めば積むほど遠くなるシンジが末恐ろしいくらいや」 二人はチルドレンとして登録してからほぼ毎日訓練に明け暮れている。 ネルフジャパンとしては彼らの戦力アップが急務であったために鬼軍曹なみのブートキャンプが組まれたが、トウジとケンスケはそれ以上の訓練を自らに課して現在に至る。 彼らの体に生傷が絶えない日などない。 トウジは持ち前の腕っぷしの強さからボクシングを習い毎日保安部のリンチと見られるような攻撃を受けきっている。 もしボクシングのリングに上がらせたら間違いなくプロアマ問わず国内で上位に食い込む。 ケンスケは元々素質があった射撃訓練を受けており、その腕前は国体で優勝できるくらいの腕前を持つ。 それだけの腕がありながら毎日宙吊りの状態から気絶する直前までアサルトライフルを撃ち続けているだ。 彼らは間違いなく命を削って訓練をしている。 それは強くなりたいとかカッコいいからとかではない。 二人とも今度こそシンジの役に立ちたいと切に願っているからだ。 トウジはシンジが自分に取り返しのつかない傷を負わせたという罪から解放させるため。 ケンスケはシンジが壊れかけていた時、シンジを見捨てたことへの罪悪感から。 今度こそ自分が認める親友の手助けをしたいと二人は思っているのだ。 「そういえば、新型エヴァンゲリオンが今日ロールアウトされたってな。 さっきデーミッツ作戦本部長に会った時に聞いたぜ」 「明日テストらしいのぉ」 「え?そうなの?母さんから何も聞いてないよ」 「お前の母ちゃんもボケっとしとるのぉ」 「後で言うつもりだったんじゃないのか?家に帰った時にでもさ。 それより早く行こうぜトウジ。 こわ~い赤鬼に会ったら俺たちまた嫌味言われるぜ」 「せやの、シンジもあの性格ババのどこがいいのか。 考え直したほうがええんちゃうか?」 「そんなこと言うなよ。 アスカは表現の仕方が下手なだけだってば」 トウジの一言にシンジはムッとした表情を浮かべる。 「まあまあ、碇が良いって言うならいいじゃないか。 俺たちは草場に隠れて見守るだけさ。 じゃあな碇」 「センセーまた明日な~」 「うん、またね」 トウジとケンスケが入れ替わるようにアスカが帰ってくる。 「お待たせ。 うん?誰かと話してたの?」 「うん、トウジとケンスケ。 二人とも帰るところでさ」 「あっそ。 それより早く帰るわよ。 レイのお迎えいくんでしょ」 「うん、そうだね。 夕飯の準備もあるし」 「あ、あのさ・・・シンジ」 「なに?」 シンジがアスカを見る。 アスカはいつものようにどこか不機嫌な顔で横を向いており赤く染まっている。 「今日はさ・・・私の家に食べにきなさいよ。 いいでしょ?」 「え?」 アスカが料理をしているのをシンジは知らない。 それもそのはず、キョウコが家に帰ってくる時以外はシンジの家でご飯を食べているからだ。 キョウコが帰ってきてもシンジの家に夕飯をたかりくることも多々ある。 その疑問は当然口にされる。 「アスカ、料理できるの?」 「できるわよ!失っ礼ね!」 「なに言ってるんだよ!いつも僕の家にたかりに来ているんだからそう思うだろ!?」 「もう頭来たわ!今夜はウチに来てご飯を食べる!いいわね!」 「わかったよ。 レイも連れて行くから」 何を食べさせられるのか正直不安でしかない。 しかし昔のミサトの殺人料理よりは幾分かマシなものは出てくるだろう。 そこだけは安心できた。 (胃腸薬あったかな?母さんに頼んで買ってきてもらおうかな・・・) アスカはというとこれから起こりうることに胸を躍らせていた。 (まずは第一段階クリア!明日はシンジの誕生日!その前にまずは胃袋を掴む!やるわよ!アスカ!) シンジはアスカを乗せて自宅マンションに帰るとその足で保育園にレイのお迎えに行く。 園内に入ると保育士がシンジの姿を見て駆け寄った。 「あら、碇君いらっしゃい。 レイちゃんのお迎え?」 「はい、お願いします」 保育士は施設内に入るとすぐにレイを連れて来た。 「にぃに~!おかえり~」 「おかえりじゃないよレイ。 これから一緒に帰るんだよ」 「えへへ」 愛らしく微笑むレイ。 シンジはレイと手を繋いで家路を急ぐ。 「レイ、今夜はアスカの家でお夕飯だよ」 「あしゅかねぇねのおついでごはん?うん!いいよ~」 シンジが保育園からレイを連れて帰るとレイを着替えさせてからその足でアスカの住む部屋へと行く。 ドアが開くとエプロン姿(裸ではない)のアスカが出迎えくれた。 「さ、上がってシンジ。 いらっしゃいレイ」 「アスカ、手伝うことある?」 「ないわよ。 椅子に座って待ってなさいよ。 こら~レイ、余所様のお家に入ったら言うことあるでしょ?」 「えっと・・・たのもー!」 「・・・違うから」 ダイニングの席に座り待つこと数分。 匂いだけで腹が鳴りそうないい匂いが部屋中を包み込みアスカの手料理が振舞われた。 「ふっふっふ、これぞ惣流家一子相伝の豚の生姜焼きよ!」 肉厚の生姜焼きが彼らの前に堂々と鎮座する。 恐る恐る一口食べてみると・・・ 「おいしい!アスカこれすごくおいしいよ!」 「でっしょ~~」 その味は老舗の定食屋クラスの味だ。 一子相伝は伊達ではないということか。 満面の笑みを浮かべながら食べるシンジ。 それは本当に美味しいものを食べた時でしか見ないリアクションだ。 その表情を見てアスカも嬉しくなる。 ただ、レイは浮かない顔だ。 「どうしたのレイ。 ご飯さめちゃうわよ」 「・・・れいちゃんおにくきらい・・・」 肉が嫌いなのは相変わらずのようだ。 「好き嫌いしたら大きくなれないわよ。 おいしいから食べないさいよ」 「むー」 「むー、じゃない」 レイは顔全体を使って不満を表す。 アスカは思う。 やはりそこには人として育てるか、物として扱うかの違いであろう。 同じはずなのに同じに見えない。 それがどこか嬉しい。 しかしレイがシンジに弱いのは変わらないようだ。 シンジは諭すようにレイを促す。 「レイ、アスカの言う通り好き嫌いしちゃダメだよ」 「う~わかった」 渋々フォークをお肉に刺して一口。 「おいひい!」 そのかはすぐに満面の笑みになった。 「ねぇね!おいひい!」 おちょぼ口を一生懸命動かして食べるレイ。 その光景は若い夫婦とその子供に見えるというなんとも微笑ましい光景だ。 3年前の辛い戦いの対価がこのありふれた、そして自分たちが喉から手が出るほど望んだものであるとするならそれも悪くはない。 3人は和気あいあいと食事を楽しんだ。 食事が済みレイはジュース。 シンジとアスカはお茶を飲んでいる。 するとレイの頭がふらふらと揺れ始めた。 どうやら眠いみたいだ。 「レイ、眠い?」 「うん・・・」 「アスカ、レイが眠くなっちゃったみたいだけど・・・」 「ええ、早くベッドで寝かせなさいよ。 風邪ひいちゃうわ」 「ごめんね」 シンジはレイをだっこすると部屋を出ていく。 「アスカ、ご馳走様。 おいしかったよ」 「ま、まあ、私だって料理くらいできるんだから。 アンタが言うならまた作ってあげてもいいわよ」 「うん、頼むよ」 シンジが部屋を出ていこうとした時。 「あ、あのさ・・・明日なんだけど・・・」 「明日?ああ、僕の誕生日会の話?」 「そうそう、2バカとヒカリ。 あとミサトと加持さんとで盛り上げてあげるわ。 楽しみにしててね」 「うん」 シンジはいつものように優しい笑顔をアスカに送るとドアを閉めた。 アスカは自室に戻ると机の上に置かれたプレゼントの箱を大事そうに手に取る。 「アイツ、喜んでくれるわよね?」 そこにはアスカが買ったペアルックの腕時計が輝いていた。 6月6日 AM10:15 ネルフジャパン 格納庫 横に並んだ最新型エヴァンゲリオンを眺める人物がいる。 「エヴァをこんなに近くで、しかも4体並べると壮観ね」 「デーニッツ作戦本部長。 本日午前11時よりシンクロテストをエヴァを使って行います」 「わかってるわ。 準備は?」 「既に終了してます。 最終チェックも終わりました。 問題ありません」 「わかりました。 チルドレンは?」 「作戦会議室で待機してます」 「わかりました。 行きましょう」 眼鏡をかけ長いブロンドを後ろで束ねて黒のネルフジャパンの制服に身を包む女性。 ネルフジャパン作戦本部長エミリー・デーミッツ。 ミサトがドイツにいた頃の友人であり、彼女が自らの後釜にドイツネルフ作戦補佐官から引き抜いた人物である。 ミサトとは真逆のタイプであり、ミサトが大胆不敵ならデーミッツは用意周到。 慎重派でありながら常識に捉われない柔軟な対応を取り、まるで詰将棋のような指揮を取る。 能力は間違いなく一級品だ。 デーミッツは華麗に身をひるがえすと格納庫を離れ作戦会議室へと急いだ。 作戦会議室。 既にチルドレン達4人は気を付けの姿勢のまま動かず、彼らの前にはデーミッツ、ユイ、キョウコの他に菅原副司令官、日向司令官もいる。 デーミッツが一歩前へ出る。 「ブリーフィングを始めます。 各チルドレンには割り当てた新型のエヴァに搭乗してもらいます。 それがこちらです」 画面に4体のエヴァンゲリオンが映し出される。 初号機のように角を生やし紫色の機体。 赤の弐号機を思わせる機体。 真っ白で腕、肩の部分が異様に大きい機体。 そして一つ目でありながら頭の部分はエイリアンのように細長くアンテナが張られた青色の機体。 共通するのはその大きさだ。 明らかに前のエヴァより一回り小さい。 「紫色の初号機改。 汎用性に特化したオールラウンダーです。 これはシンジ君。 白兵戦に突起したスピード重視のピーキーな作りになっています。 これはアスカさん。 白の新型エヴァDタイプ。 パワーと装甲重視の作りになっているわ。 これは鈴原君。 主に囮ね。 そして青の頭が大きいのはタイプSの索敵型、スピードもパワーも劣るけどその分遠距離からの支援や敵の索敵に向いているわ。 これは相田君。 この違う4つのエヴァを使って君たちにはチームを組んで任務にあたってもらうわ。 チームリーダーはシンジ君がお願い」 シンジが手を上げる。 「あの、リーダーは僕よりアスカのほうが向いていると思いますが」 「そうね、でも彼女の能力を生かすには、いえ、みんなの能力を生かすにはこれが一番なの。 もちろん彼女にリーダーの素質がないわけじゃないわ。 ただ、アスカは感情の起伏が激しすぎてそれが原因で判断を鈍らせることがある。 それは彼女が一番わかっているとは思うけど・・・その点シンジ君は詰めの甘さはあるけど状況判断能力はあるしその決断も早いそして何より冷静に全体像を見据えることができる。 そう私が判断したからよ」 アスカはグッと唇を噛み締めた。 シンジがリーダーに選ばれたのが悔しいからではない。 自分が自覚する弱点をこうも的確に指摘されたことに対して不甲斐なさを感じたからだ。 シンジはいまいち納得していない顔をする。 そこへキョウコが援護射撃する。 「デーニッツさんが選んだのだから間違いないわ。 シンジ君にはリーダーとしての素質があるの。 それに・・・アスカちゃんはシンジ君の言うことしか素直に聞かないしね!」 「ママ!?」 「にゅほほほ」 真っ赤になるアスカ、口に手を当てながら厭らしく笑うキョウコ。 それは天然がなせる技なのか、それとも計算なのか。 「惣流博士!お願いですからパイロットの精神に影響を与えるような発言はやめてください!」 「はーい」 デーニッツに怒られて不満そうに口をとがらせた。 そのあまりにも幼い行動にアスカは頭を抱える。 「本部長、シンクロテストはいつまでかかる予定ですか?できる限り早めに今日は切り上げたいのですか」 「そうね、予定ではお昼過ぎくらいかしら。 相田君何か外せない大切な用事でもあるの?」 「今日は碇の誕生日ですから」 「なるほどね・・・」 碇シンジが関わっているなら致し方ない。 誕生日くらい大目にみてあげよう。 デーニッツは心の中でそう思った。 「なら、必死でテストを受けることね。 十分な結果が出たら早めに切り上げても構わないわよ」 デーミッツの提案にチルドレン達のテンションは一気に急上昇した。 意気揚々にエントリープラグに乗り込む4人。 その様子をユイ、キョウコ、デーミッツはモニター越しに見ている。 デーニッツはしみじみと呟く。 「今日、シンジ君は誕生日だったのですね」 「ええ、18になります」 「新型のエヴァンゲリオンは彼へのネルフジャパンからの誕生日プレゼントになってしまいましたね。 碇博士」 「そんなの・・・あの子もそして彼らもが喜ぶはずがありません。 皮肉なものです」 「ユイ。 早く終わらせてパーティーに私達も参加できるようにしないと。 今日は大所帯なんだから。 ミサトさんもリョウジ君も子供を連れてくる予定よ」 「それじゃこのテストを終わらせて買い物に行かないとねキョウコ」 「ミサト達も来るの?碇博士、そのパーティー私も参加しても良い?」 「ええ、是非に」 今日の記念すべきシンジの誕生日会は大いに盛り上がりそうだ。 ユイは自分の息子がこうも周りから愛されていると思うと涙が出そうになるほど嬉しくなる。 それと同時に人類のためという大義名分で幼いシンジになんと辛い思いを自分はさせてきたのだろうかと罪悪感も生まれる。 故にエヴァの呪縛から解放されて再び戻ったときに自分を受け入れ、まっすぐに育った彼と支えてくれた仲間たちに感謝が絶えない。 実験はまるで神聖な儀式の様に厳かに進められる。 続々と上がる報告。 進行状況は極めて順調だ。 「シンクロ率安定。 シンジ君が81. 2%アスカ君が79. 5%鈴原君が56. 4%相田君が55. 9%です」 「予想通り・・・かな」 「鈴原君も相田君もよくここまで上げてきたわね。 感心するわ」 ユイ、キョウコの言葉にオペレーター達も頷く。 「碇博士。 今は実験中ですよ。 彼らがどこまでできるかストレステストもしないと」 「あ、そういえばそうね。 デーミッツさんごめんなさい。 それではハーモニクスレベルをそうね、15まで上げて」 トウジとケンスケが少しだけ苦しそうな表情を浮かべる。 シンジとアスカに変化はない。 「鈴原君と相田君のシンクロ率低下。 それでも50を切ることはなさそうです。 シンジ君とアスカ君は変化なし」 「まったく、大した子よ。 あなたたちは」 キョウコはにんまりと微笑む。 ユイは続けて指示を飛ばす。 「OK。 それじゃあ次は・・・」 その時だ。 オペレーターが置いたコーヒーカップがカタカタと音を立てて揺れ始めた。 「ん?」 心なしかいつもより雑音が多い気がする。 そして、ソレは起きた。 大きな音を立てて建物全体に大きな揺れが襲い掛かったのだ。 「な!地震!?」 「実験中止!実験中止!電源落として!」 ユイがオーダーをオペレーターに飛ばして机の下にもぐるように指示する。 そしてユイ自身も机の下に潜り込んだ。 「けっこうでかいですね」 「震源はどこなのでしょうか・・・」 菅原と日向は職員が避難するのを確認してから自分達も避難する。 だが・・・ 「おおおおおおおおのおおおおおおおおおおお!へえええええええええええええるぷ!」 デーミッツが大泣きしながら叫んで腰を抜かしていた。 揺れが収まるとスタッフは状況確認のためにすぐに動き始める。 デーミッツは目を開けたまま失神していたが放置されている。 「チルドレンの安否確認は?」 「まもなく確認が取れます。 あ、今、格納庫のモニターが回復しました。 出します」 発令所のモニターいっぱいに格納庫の様子を監視カメラが映し出す。 その映像を見てその場にいる誰もが唖然とした。 口をポカンと開けて声を出すことすらできない。 ただ、映し出された画面を見ている。 映し出されているのは3体の新型エヴァンゲリオン。 初号機改の姿は忽然と消えていた。 『御身こそ、我らが求めた偉大なるメシアなり』 その声はシンクロテストが始まってしばらくしたころからだ。 耳元で囁かれている。 というよりは頭の中に直接入ってくる感じだ。 どこかで聞いたことあるような。 そんな声。 ふと妙な不快感がシンジを襲う。 それは一瞬の出来事だがなんとも言えないものがある。 集音マイクから聞こえる外の様子が随分と騒がしい。 何人もの人が右往左往し混乱しているようだ。 (なにかトラブルでもあったのかな?) シンジが目を開けると・・・・ 彼の目にはまるでヨーロッパの古城のような建物と、石造りの家々と取り囲むようにそびえたつどこまでも続く高い壁。 そして、その壁が崩れた先には倒したはずにグロテスクな化物。 第三使徒サキエルと酷似した巨大な化物がこちらを睨んでいた。 あとがき あぐおです。 今度は異世界モノに挑戦です。 構想自体はROE終了の時から漠然と頭の中にありましたが、全然纏まらずに設定だけメモ書きしてそのまんまのを再び着色しました。 そんなに長い話にはならないと予想しています。 またよろしくお願いします。
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