冬のインナーウェアの代名詞といえば ヒートテックだ。 しかし、条件次第では使用しないほうが良い場合がある。 寒い時期に、ランニングやフィットネスで汗をかいてしまうスポーツを行う場合、 ヒートテックを使わない方がいい。 理由は、北アルプス周辺の山岳ガイドから教えてもらった意外な(しかし生死を分ける)インナーウェアの話である。 私は過去に9年間ほど、冬山の山岳ガイドを手伝っていた。 普段わたし達が生活する町中とは違い、冬の雪山はまったく条件が異なる過酷な環境だった。 冬場の雪山で数多くの経験をしたが、先輩たちから様々な知恵と教えを教えてもらった。 そこで知ったのは、たった1枚の身につけるウェア次第で生死を分けてしまうということだった。 ここから私がお話することは、もしかしたら今の生活に必要ではない話かもしれない。 もう一方で、寒い環境下で大量に汗をかく人たちにとっては知っておいたほうが良い情報かもしれない。 さまざまな読者が存在するわけだが、この話を頭の片隅において頂けていたら幸いだ。 インナーひとつが、生死を分ける 冬の山に入ると文明の利器は何もない。 いまでは雪山と言えど携帯電話が繋がるようになったが、そんな野暮なものは緊急時以外は使わない。 娯楽がないので人と人とが会話をするわけだが、毎回話題になるテーマがある。 それは体に身に着ける「装備」についてだった。 生死分ける山の装備はいつも話題になるし、みな常に気を使っている。 残酷だが何も気にせず、何気なく身に付けているもの、そして身につける素材の違いで生死があまりにも簡単に分かれてしまうという話だった。 特に重要な装備といえば、体に最も密着しているインナーウェアだ。 極端な話だが、普段おこなうようなランニングやサイクリングといった活動量が多いスポーツ程度で「凍死する」事はまずありえない(余程の寒冷地に行かなければ)。 しかし、冬山の場合は、発汗後の汗冷えが問題になってくる。 山 夏冬問わず)において、汗冷えによる体温の低下は死活問題だ。 その際、肌に密着しているインナーウェアの素材が影響してくる。 昔からよく使われていたインナーウェアの素材は「ウール」だった。 しかし近年の装備の進歩は目覚ましく進んでおり、身体を保温し、汗を排出し、かつ体温を低下させず体を守るインナーウェアの開発が進んでいる。 私もヒートテックを使っていた そんな雪山の事をよく知っているような私も、初めはインナーウェアの重要性などこれっぽっち知らなかった。 今だから正直に言ってしまえば、私も ヒートテックが出始めたころ(CMでも盛んに見ていたので)雪山で愛用していた時期があった。 私の中では「命を守る装備」だった。 ある日、冬山に行く際にいつものように装備の話になった。 その時に私の装備を聞いた先輩はこう言った。 「え、なに、 ヒートテック使ってんの?、君、素人か?」と、言われたこと今でも覚えている。 これから入山する、という準備段階の時だった。 もちろん「ヒートテックだから温かいし、大丈夫です」と反論した。 しかし、自分よりもさらに経験豊富な先輩は、言い続けた。 「 ヒートテックは、使用にむいていない条件がある」と。 どのような条件かと言えば、「気温が低い環境で発汗を繰り返す場合」だという。 ヒートテックはそれらの条件下では、非常に不向きなインナーウェアであるということだった。 しかし、なぜだろう。 暖かいはずのヒートテックを発汗を繰り返す条件で着用してはいけない理由は。 ヒートテックの素材に理由がある 各社から様々なインナーが販売されているが、素材に注目してみよう。 まずはユニクロヒートテックの素材だ。 ヒートテックは様々な製品が存在しているが、これから紹介するのは一般的なアンダーシャツタイプを掲載している。 ユニクロ ヒートテックに使われている素材は以下の通り。 34%ポリエステル• 34%レーヨン• 27%アクリル• 5%ポリウレタン 「レーヨン」という素材に着目してほしい。 このレーヨンは人工繊維で植物繊維から作り出した天然素材が原料だ。 レーヨンの特徴としては「肌触りが良い」という利点がある。 しかし、吸水性が高いという繊維の性質があり、発汗が大量に行われると「吸水率が飽和」してしまう欠点が存在している。 結果的に汗の乾きが遅くなってしまう。 この「乾くのが遅い」というのが外気温の影響で汗冷えを起こす。 そして次第に体温の低下につながっていく。 したがって3割もレーヨンが入ったユニクロのヒートテックは、特に汗を多くかくスポーツや、体温の低下が生死を分けるようなシチュエーションで使うのに適していないのだ。 パールイズミというウェア専業のメーカに「ヒートテックセンサー」というヒートテックの類似製品がある。 ユニクロの製品を模造したインナーウェアかと思ってしまうがどうやら違うようだ。 パールイズミの「ヒートテックセンサー」の素材を確認してみよう。 ポリエステル89%• ポリアクリレート系繊維11% キャッチコピーとして、「汗をスムーズに拡散し、ウェア内部の蒸れを防ぎ、身体を冷やしにくくする効果もあります」とある。 ヒートテックという名前はついているものの、こちらはまったくレーヨンは全く使われていない。 教わった山用インナー 冬場に発汗を繰り返すと問題になるのは、「汗冷え」による体温を低下だ。 では今、私が何を使っているかというと、ガイド時代に教えてもらったモンベルのジオラインだった。 10シーズン使ったが、現在は更に良いインナーが登場してきており、改良されたミズノのブレスサーモも使用している。 高機能インナーは汗冷えが極端に少ない。 ただ、ここで色眼鏡なしにインナーウェアを評価するならば、汗をほとんどかかない普段の日常生活であれば、ヒートテックでも良いと思う。 しかし、高機能なミズノブレスサーモであってもユニクロと価格面はそれほど変わらないのだ。 スポーツをする人が使う条件は「汗をかく普段以上の活動量」であり発汗も当然多い。 山も登ると、活動量が増え発汗し体はあたたまる。 ここまではいい。 問題は休んでいるとき、下山しているときだ。 汗が蒸発せず衣類に留まったままだと汗冷えしてしまう。 これがとても寒く、一番つらい。 冬でも汗をかくスポーツをされる人は、環境が異なれば使用するインナーも使い分けなければならないことを知っておいて損はないと思う。 特に冬山では人一倍「汗冷え」について対策と知識が必要になってくる。 活動量が多ければ、自身の経験からヒートテックよりもモンベルジオラインやミズノブレスサーモをおすすめしたい。 私は過去の経験から、冬場のインナーとして実際にこれらを使用している。 モンベルジオラインやミズノブレスサーモは同じように3つのグレードから選べる。 ラン、サイクリングであれば一番薄手で問題はない。 普段の生活のインナーウェアとして使ってももちろん十分だ。 インナーウェアは非常に重要な装備だ。 だからこそ、素材にまでしっかりと目を向け、自身が使用する条件に適したインナーウェアを選択して欲しい。
次のヒートテック系発熱インナーの特徴・しくみ 近年、さまざまなメーカーから発売されているヒートテック系発熱インナー。 見た目は薄手の肌着・長袖Tシャツのようですが、一体どのようなしくみであたたかさを得られているのでしょう? ここでは、ヒートテック系発熱インナーの特徴やしくみについてご紹介します。 水蒸気を利用して発熱する ヒートテック系発熱インナーは、 水蒸気を生地が吸着することで発熱し、あたたかく過ごすことができます。 そもそも人間はスポーツなどで意図的に汗をかく以外にも、普段の生活上で水分を発しています。 こうした水分が水蒸気となり、繊維とふれあうことで効率よく発熱するのが特徴です。 水蒸気を効率よく逃がす 発熱するために使用した水蒸気は、そのままインナーに残っていれば人間の体は冷えてしまいます。 結果として肌寒く感じてしまうことでしょう。 ヒートテック系発熱インナーの素材はさまざまな機能を備えており、 吸収・吸着した水蒸気を生地の外側に移動させて効率よく蒸発させるしくみを持っています。 そのため、生地内部に水分が残ることなく、さらっと快適な状況に保つことができます。 発熱した空気は洋服内部に保つ 水分は蒸発させながらも、あたたかい空気は生地の内部に保つことが重要です。 ヒートテック系発熱インナーは、生地の内部に空気の層ができるような構造になっており、 発熱した空気を逃がさず保温できるような機能を持っています。 たとえばユニクロのヒートテックもこうした保温機能によってあたたかさを保つ工夫がなされているのが特徴です。 ヒートテック系発熱インナーの選び方・ポイント ヒートテック系発熱インナーはさまざまな種類があります。 どれがいいのか悩んでしまう人も多いのではないでしょうか?ここでは、ヒートテック系発熱インナーの選び方やポイントについてご紹介します。 発熱性がいいものを選ぶ それぞれのメーカーによって名称が異なるかもしれませんが、インナーの素材が水分を吸収して発熱する機能を 「吸湿発熱」などといいます。 この機能が高いと、汗をかいた状態で室外へ出ても、生地がしっかりと汗・水蒸気を吸収してくれます。 結果として風邪をひくことなく、しかもあたたかく過ごすことができるのがポイントです。 たとえば 「アクリレート系繊維」や綿・ウールなどは、吸湿発熱性が高いことで知られています。 メーカーではさまざまな繊維を組み合わせて生地を作っており、それぞれの配合割合も微妙に異なります。 各社のホームページなどで生地の詳細などを確認し、選んでみてはいかがでしょうか? 素材の種類によって選ぶ 生地の素材は、吸湿発熱以外にもさまざまな機能に影響するものです。 たとえば手入れ方法や着心地なども若干異なるでしょう。 たとえばやわらかめの素材がいい、しわになりにくいなど、それぞれの生活や好みにマッチしたヒートテック系発熱インナーを選ぶのもおすすめです。 ヒートテック系発熱インナーでよく使われている素材には、 コットン・ウール・シルクといった天然の繊維をはじめ、 レーヨン・ポリエステル・ポリウレタン・アクリルといった科学繊維などがあります。 デザイン性のよさや好みで選ぶ 冬季に着用するインナーであるものの、 ニットなどアウターにひびかないデザインや色を選ぶことが重要です。 たとえば色であればホワイト・ベージュ・ブラックなどがよく購入されています。 首元のデザインは、Vネックや一般的な丸首などが多いです。 また、長袖・半袖・ランニング・キャミソールなどがランナップしているメーカーもよく見受けられます。 この他、素材の厚い・薄いや質感などがメーカーによって異なったり、複数種類が選択できたりする商品もあるのがポイントです。 お気に入りの洋服を着こなせるインナーであれば、利用頻度も自然と高くなり、長く愛用できるでしょう。 動きやすさやフィット感で選ぶ 生地の素材のひとつに、ポリエステル・ポリウレタンなど伸縮性がある素材があります。 生地のなかに少しでも入っていれば、ストレッチがきいて動きやすく感じるでしょう。 体にフィットしている感覚がより一層味わえることも。 動きやすいインナーであれば、肩やひじを動かす際にも違和感がありません。 ビジネスシーンでもプライベートでも活用しやすいインナーとして重宝するはずです。 におい抑制・抗菌などの機能面で選ぶ ヒートテック系発熱インナーは、汗をかくことなどによって発生した水蒸気を活用し、発熱するしくみです。 そのため汗のにおいが気になる人にとっては、何となく不安に感じる人もいるのではないでしょうか? ヒートテック系発熱インナーの一部商品では、においを抑える機能や抗菌機能などを持つものもあります。 たとえば ユニクロのヒートテックは、特殊な加工によって抗菌機能がついているのがポイントです。 このようなにおいに対する機能は、ついていない商品もあります。 気になる人は選ぶポイントのひとつとしてチェックしておきましょう。 ヒートテック系発熱インナーを購入する際の注意点 さまざまな種類のヒートテック系発熱インナーから、自分にぴったりの商品を選び購入する際、注意しておきたい点があります。 ここで、大きく3つに分けて見ていきましょう。 サイズは「体にぴったり合うもの」がベスト ヒートテック系発熱インナーは、繊維が汗を吸収することで熱を発します。 そのため、 体によりぴったり合うサイズを選び、購入することが重要です。 そもそもヒートテック系発熱インナーは薄手素材で作られているものが多く、肌に密着しやすい形をしています。 いつも何となく大きめを選んでしまう人は、できるだけフィットするサイズを選ぶように気をつけるといいでしょう。 フィット感がなくなったインナーは買い替えの時期 ヒートテック系発熱インナーの1枚当たりの価格は、1,000円前後~2,000円以内で購入できるものが多いです。 かなり高額ということではないので、複数枚購入してローテーションで着回す人が多いのではないでしょうか? はじめのうちは体にフィットしているものの、いつかは生地が伸びてしまうものです。 何となくフィット感を得られなくなった場合、肌寒く感じやすくなるケースもあります。 フィット感が少なくなったものは、買い替えの時期と思って新しく購入しなおすといいでしょう。 外気をシャットアウトできるようなアウターを着ること 「ヒートテック系発熱インナーを着ていればあたたかいから、薄着でいても大丈夫!」というわけではありません。 あたたかい空気の層を衣類の内側に作ったとしても、冷たい外気が入ってこれば自然と冷えてしまいます。 ヒートテック系発熱インナーを着ていても、外気はしっかりとシャットアウトできるようなアウターを着込むことは必須です。 インナーに風が通らないようにしておきましょう。
次の冬のインナーウェアの代名詞といえば ヒートテックだ。 しかし、条件次第では使用しないほうが良い場合がある。 寒い時期に、ランニングやフィットネスで汗をかいてしまうスポーツを行う場合、 ヒートテックを使わない方がいい。 理由は、北アルプス周辺の山岳ガイドから教えてもらった意外な(しかし生死を分ける)インナーウェアの話である。 私は過去に9年間ほど、冬山の山岳ガイドを手伝っていた。 普段わたし達が生活する町中とは違い、冬の雪山はまったく条件が異なる過酷な環境だった。 冬場の雪山で数多くの経験をしたが、先輩たちから様々な知恵と教えを教えてもらった。 そこで知ったのは、たった1枚の身につけるウェア次第で生死を分けてしまうということだった。 ここから私がお話することは、もしかしたら今の生活に必要ではない話かもしれない。 もう一方で、寒い環境下で大量に汗をかく人たちにとっては知っておいたほうが良い情報かもしれない。 さまざまな読者が存在するわけだが、この話を頭の片隅において頂けていたら幸いだ。 インナーひとつが、生死を分ける 冬の山に入ると文明の利器は何もない。 いまでは雪山と言えど携帯電話が繋がるようになったが、そんな野暮なものは緊急時以外は使わない。 娯楽がないので人と人とが会話をするわけだが、毎回話題になるテーマがある。 それは体に身に着ける「装備」についてだった。 生死分ける山の装備はいつも話題になるし、みな常に気を使っている。 残酷だが何も気にせず、何気なく身に付けているもの、そして身につける素材の違いで生死があまりにも簡単に分かれてしまうという話だった。 特に重要な装備といえば、体に最も密着しているインナーウェアだ。 極端な話だが、普段おこなうようなランニングやサイクリングといった活動量が多いスポーツ程度で「凍死する」事はまずありえない(余程の寒冷地に行かなければ)。 しかし、冬山の場合は、発汗後の汗冷えが問題になってくる。 山 夏冬問わず)において、汗冷えによる体温の低下は死活問題だ。 その際、肌に密着しているインナーウェアの素材が影響してくる。 昔からよく使われていたインナーウェアの素材は「ウール」だった。 しかし近年の装備の進歩は目覚ましく進んでおり、身体を保温し、汗を排出し、かつ体温を低下させず体を守るインナーウェアの開発が進んでいる。 私もヒートテックを使っていた そんな雪山の事をよく知っているような私も、初めはインナーウェアの重要性などこれっぽっち知らなかった。 今だから正直に言ってしまえば、私も ヒートテックが出始めたころ(CMでも盛んに見ていたので)雪山で愛用していた時期があった。 私の中では「命を守る装備」だった。 ある日、冬山に行く際にいつものように装備の話になった。 その時に私の装備を聞いた先輩はこう言った。 「え、なに、 ヒートテック使ってんの?、君、素人か?」と、言われたこと今でも覚えている。 これから入山する、という準備段階の時だった。 もちろん「ヒートテックだから温かいし、大丈夫です」と反論した。 しかし、自分よりもさらに経験豊富な先輩は、言い続けた。 「 ヒートテックは、使用にむいていない条件がある」と。 どのような条件かと言えば、「気温が低い環境で発汗を繰り返す場合」だという。 ヒートテックはそれらの条件下では、非常に不向きなインナーウェアであるということだった。 しかし、なぜだろう。 暖かいはずのヒートテックを発汗を繰り返す条件で着用してはいけない理由は。 ヒートテックの素材に理由がある 各社から様々なインナーが販売されているが、素材に注目してみよう。 まずはユニクロヒートテックの素材だ。 ヒートテックは様々な製品が存在しているが、これから紹介するのは一般的なアンダーシャツタイプを掲載している。 ユニクロ ヒートテックに使われている素材は以下の通り。 34%ポリエステル• 34%レーヨン• 27%アクリル• 5%ポリウレタン 「レーヨン」という素材に着目してほしい。 このレーヨンは人工繊維で植物繊維から作り出した天然素材が原料だ。 レーヨンの特徴としては「肌触りが良い」という利点がある。 しかし、吸水性が高いという繊維の性質があり、発汗が大量に行われると「吸水率が飽和」してしまう欠点が存在している。 結果的に汗の乾きが遅くなってしまう。 この「乾くのが遅い」というのが外気温の影響で汗冷えを起こす。 そして次第に体温の低下につながっていく。 したがって3割もレーヨンが入ったユニクロのヒートテックは、特に汗を多くかくスポーツや、体温の低下が生死を分けるようなシチュエーションで使うのに適していないのだ。 パールイズミというウェア専業のメーカに「ヒートテックセンサー」というヒートテックの類似製品がある。 ユニクロの製品を模造したインナーウェアかと思ってしまうがどうやら違うようだ。 パールイズミの「ヒートテックセンサー」の素材を確認してみよう。 ポリエステル89%• ポリアクリレート系繊維11% キャッチコピーとして、「汗をスムーズに拡散し、ウェア内部の蒸れを防ぎ、身体を冷やしにくくする効果もあります」とある。 ヒートテックという名前はついているものの、こちらはまったくレーヨンは全く使われていない。 教わった山用インナー 冬場に発汗を繰り返すと問題になるのは、「汗冷え」による体温を低下だ。 では今、私が何を使っているかというと、ガイド時代に教えてもらったモンベルのジオラインだった。 10シーズン使ったが、現在は更に良いインナーが登場してきており、改良されたミズノのブレスサーモも使用している。 高機能インナーは汗冷えが極端に少ない。 ただ、ここで色眼鏡なしにインナーウェアを評価するならば、汗をほとんどかかない普段の日常生活であれば、ヒートテックでも良いと思う。 しかし、高機能なミズノブレスサーモであってもユニクロと価格面はそれほど変わらないのだ。 スポーツをする人が使う条件は「汗をかく普段以上の活動量」であり発汗も当然多い。 山も登ると、活動量が増え発汗し体はあたたまる。 ここまではいい。 問題は休んでいるとき、下山しているときだ。 汗が蒸発せず衣類に留まったままだと汗冷えしてしまう。 これがとても寒く、一番つらい。 冬でも汗をかくスポーツをされる人は、環境が異なれば使用するインナーも使い分けなければならないことを知っておいて損はないと思う。 特に冬山では人一倍「汗冷え」について対策と知識が必要になってくる。 活動量が多ければ、自身の経験からヒートテックよりもモンベルジオラインやミズノブレスサーモをおすすめしたい。 私は過去の経験から、冬場のインナーとして実際にこれらを使用している。 モンベルジオラインやミズノブレスサーモは同じように3つのグレードから選べる。 ラン、サイクリングであれば一番薄手で問題はない。 普段の生活のインナーウェアとして使ってももちろん十分だ。 インナーウェアは非常に重要な装備だ。 だからこそ、素材にまでしっかりと目を向け、自身が使用する条件に適したインナーウェアを選択して欲しい。
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