右京の憂鬱 2 らんま1/2 「右京の憂鬱」 7 右京はいつものように屋台を引っ張っていた。 これも修行だ。 店は順調そのものだが、屋台の心を忘れてはならない。 日曜日の公園だ。 家族連れが香ばしい香りにつられて屋台に群がった。 あっという間に売れ切れた。 「今日も商売繁盛や」 右京はいい気分で後片付けをしていた。 一人の浮浪者が、じっと右京を見詰めている。 中年の男だ。 もうずっと風呂に入っていないのだろう、数メートル離れているのに、異臭が漂った。 「なんや、おっちゃん、お腹すいてんの」 右京は材料を仕込んだバケツを調べた。 商品にするには足りないが、まったく空というわけではない。 「しゃあない、特別にサービスしたるわ」 右京はまだ熱の残っている鉄板に材料の残りを空けて、手早くお好み焼きを作った。 竹の皮で作った船にお好みを持って、割り箸と一緒に男に手渡した。 男はひったくるようにお好み焼きを取ると、箸も使わずにむしゃぶりついた。 「よっぽどお腹が空いてたんやなあ……」 右京は男の顔を覗きこんだ。 不意に、意識の一部に閃光が走った。 だが、確かにあの時の男だ。 「おっちゃん……」 男は不審そうに右京の顔を見詰めた。 右京を思い出した様子はない。 おどおどしながら、顔を歪ませた。 愛想笑いをしているらしい。 間違いない。 右京の記憶が鮮明に蘇った。 突然、右京の下腹部に異変が起こった。 じんじんと、熱く。 濡れ始めている。 右京は内股を擦り合わせた。 (うち、やっぱり……) ぞくぞくするような期待感が込み上げる中で右京は確信した。 (いやらしい子なんや……) 男はあっという間にお好み焼きを食べ終えた。 指まで舐めている。 「おっちゃん、おいしかったか?」 右京は訊いた。 男はうなずいた。 もっとくれるのか、という期待が眼に現れている。 右京は男を打ち据えたい欲望に駆られた。 「かね払い」 男の顔が引きつった。 右京はさらに言い募った。 「代金を払い、ゆうたんや」 男は首を横に振った。 泣きそうな顔だった。 「かねがないんやったら、うちの言うことをきくか?」 男はうなずいた。 まるで犬のような従順な仕草。 「こっちにきいや」 右京は男を木立の中に誘った。 8 木立の中で、右京は男を見据えた。 「おっちゃん、覚えてへんか?」 右京はゆっくりと服を脱ぎ始めた。 男は茫然として突っ立っている。 口をあんぐりと開いたままだ。 さらしを解いて胸を開いた。 白いふくらみが揺れる。 「あの時よりも大きくなったやろ」 男の瞳孔が開いている。 喉がぐびり、と鳴る。 右京はパンティも脱いだ。 幹に身体を預け、大胆に脚を広げて見せる。 男は跪き、下から覗きあげた。 股間を凝視していた。 発毛は濃いというほどではないが、充分に生え揃っている。 ふさふさと若草が萌えている。 右京は股の間に指を入れ、陰唇を開いた。 その奥に覗く桜色のぬめり。 「どや、触ってみたいやろ」 意地悪く右京は言った。 男はうなずいた。 「触ってもええで」 右京の言葉に、男は弾かれたように伸び上がった。 「ふん」 右京は股を閉じた。 男は呻いた。 腕を挟み込まれていた。 肘関節がたわめられている。 「そんな汚い指で触られてたまるかいな」 右京は意地悪く言った。 「裸になり、おっちゃん」 男は全裸になった。 股間はすでに屹立している。 記憶にあるペニスはもっと巨大だった。 今、目の当たりにするペニスは、笑ってしまいたくなるほどお粗末なものだった。 右京は立木に身をもたせかけ、再び脚を開いた。 「舐めてや、おっちゃん。 指は使ったらあかんで」 男は鼻息も荒く、顔を右京の股間に擦りつけた。 むしゃぶりつくような激しさだ。 「うんっ! あっ!」 右京はのけぞった。 この舌づかい、感触、あの時の感じと一緒だ。 「気持ちええで、おっちゃん。 もっと、して……」 男は、右京の性器に舌の奉仕を続けた。 亀裂を舌先でなぞり、鼻でクリトリスを刺激する。 「ああっ! ええ気持ちや」 右京は自分の掌で胸をこねた。 男は歯を使って器用に右京のクリの包皮を剥いた。 「ひあっ! やあっ!」 右京は声を放った。 鋭すぎる感覚だった。 腰が砕ける。 男は左手で右京の身体を支え、右手を乳房に伸ばした。 右京は拒まなかった。 男の大きな掌が自分の左の乳房を掴み、揉みしだくのに任せていた。 (あの時は自分が垢にまみれていた。 今度は逆や) そう思うと、なんということはない気がした。 それよりも、男が与えてくれる快感の方が重要だった。 男は立ち上がり、右京を抱きしめた。 主導権を奪い返した自信が態度に現れていた。 右京の唇を奪おうとした。 「あかん」 右京は顔をそむけた。 語調は鋭かった。 男は唇はあきらめた。 首筋に舌を這わせた。 「あん……それやったら、ええ」 右京の許しを得て、男は張り切った。 丹念に首筋を舌でなぞり、耳の穴にも舌を差し入れた。 「ん……ああ……」 甘い声を右京はたてた。 男の掌は柔らかく胸を揉んでいる。 時折乳首を指でつまみ、ひねる。 不意に男は顔を下にずらし、乳首を口に含んだ。 乳首は充分に勃起している。 それを男は存分に吸った。 「どうや、うちのおっぱいは? おいしいか?」 「おいしい」 男は呻きながら言い、ふくらみそのものを頬張るように吸い上げた。 ちゅぽ。 ぢゅっ。 左右の乳房を交互に。 右京の乳房から男の唾液の匂いが立ち上る。 9 右京は男の前に跪いた。 目の前にペニスがあった。 さっきよりははるかに膨張している。 だが、記憶の中にある悪魔じみた逸物からすれば、まだまだ小ぶりだった。 「おっちゃん、もっと大きくせな、させたらへんで」 右京は悪戯っぽく笑うと、自分の掌に唾を垂らした。 「きれいにしたるわ」 唾で湿した両の掌で、男のペニスを包み込んだ。 「うおっ!」 男が腰を引いた。 「じっとしとき」 右京は命じると、掌をこねるように動かした。 唾を何度か垂らした。 そうしながら、擦る。 垢がじんわりと浮き出す。 ティッシュペーパーで汚れを吸い取る。 それを丹念に続けた。 垢まみれの男の身体の中で、ペニスだけがピンク色に輝いた。 大きさも増した。 「出したらあかんで」 釘を差すと、充分にきれいになったペニスを右京は口に含んだ。 「うっ!」 男は顔を歪めた。 指で丹念にしごかれただけでもかなり来ているのに、右京の舌がさらに亀頭に刺激を与える。 「だめだっ!」 男は声を放った。 右京の指が男のペニスの根元を握り締める。 「まだ出したらあかんてゆうたやろ」 「ひ、ひい」 射精寸前で止められた男の額には油汗すら浮いている。 れろる。 右京の舌先が、男の反り返った根の裏筋を刺激する。 「うあ、ああ……」 男の目が血走っている。 もう、これ以上の忍耐は不可能のようだ。 「頼む、お嬢ちゃん、入れさせてくれ。 中に、あんたの中に……」 切羽詰まった声だった。 右京は微笑した。 10 右京は四つんばいになっていた。 あの時と同じ姿勢だ。 おしりに男の顔が入っているのも同じだ。 だが、今度は自ら取った姿勢だった。 男は指を右京の膣に埋めていた。 右京がそうするように命じたのだ。 中指と人差し指の二本が入っている。 「指でうちをいかせるんや。 それができたら、入れてもええで」 股間を屹立させたまま、男は指を動かした。 「んっ、あっ! そうや。 その調子や。 おしりとかも舐めてや」 男は命じられた通り、指を動かし、舌を右京のおしりに這わせた。 「……もしかしたら……」 男は呟いた。 指を捻りながら、激しく抽送させる。 右京はおしりを高々と掲げ、振りたくっている。 間断なく声をあげ、無我夢中だ。 「あの時の……少女?」 「思い出した?」 右京は頬を芝生に擦りつけながら、男を下から見詰めた。 「ああ……」 男はうなずいた。 面影が重なったようだ。 「あの頃はおれも定職があった。 だが、幼女を襲っていたことがばれて、職を失ったんだ。 家族からも相手にされなくなった。 それで、こんなになっちまった」 「おっちゃん、どうや。 うち、大人になったやろ? 昔と比べて、どうや?」 右京は少し誇らしげに、男に向かってウィンクした。 「ああ……いい身体だ。 おっぱいも、あそこも」 男は指の動きを再開した。 「んっ! はうっ!」 右京は眼を閉じた。 男の指の動きが速度を上げた。 右京の身体を知り尽くした自信に満ちた動きになっていた。 少女の頃の右京を思い出した男が、完璧に自信を持ったのだろう。 「ここを責めてあげる」 男は舌先を貪欲に右京の後ろの穴に突き立てる。 肛門の入り口を開き、その内部に舌をもぐらせる。 右京の全身に筆舌尽くしがたい快感が疾走した。 「ああうっ! いくぅっ! おっちゃんっ! いくうーっ!」 右京は絶叫した。 身体から力という力が抜け落ちる。 この快感だ。 あの時の快感と同じ。 右京は堪能した。 男は指を抜いた。 右京が分泌した液体がからみついている。 それを口に入れて、吸い上げる。 「約束だ。 入れさせてもらうよ」 右京は荒い息をして、答えない。 男は自分のペニス一度、二度しごいた。 先端から透明なしずくが盛り上がる。 もう限界だ。 精液がそこまで衝き上げている。 「今度こそ、中に出してやるからな」 右京のおしりの山を左右に開いた。 ぐっしょりとそぼった右京の襞に男はペニスの先端をあてがった。 「おっちゃん、あの時、うちの中に入れたんか?」 ふと、右京は訊いた。 男は荒い息をしながら、先端部を右京の襞に押し当て、入り口を探る。 ぐうっ、とその部分を押し込みながら男は答えた。 (A)入れてない (B)入れた.
次の右京の憂鬱 1 らんま1/2 「右京の憂鬱」 1 「乱ちゃん……」 布団の中で右京は小さくため息をついた。 「乱ちゃん、うちのこと、どない思ってんねやろ」 わからない。 嫌われているとは思わないが、はっきりと好意を口にしてくれたわけでもない。 天道家に居候を続けているのも気になる。 ひとつ屋根の下に天道あかねがいる。 若い男と女だ。 乱ちゃんに限って、とは思うが、天道あかねが誘惑しないとも限らない。 「うちかていつでも乱ちゃんにあげられる。 その覚悟はあるんや」 でも、乱馬は抱いてくれない。 いつも、のらりくらりと逃げてしまう。 「してほしいのに……乱ちゃんに」 右京はたまらない夜がある。 切なくて。 身体が熱くて。 そして、そんな夜には思い出してしまう。 幼い頃の記憶を。 2 「おじょうちゃん」 声が頭の上から降ってくる。 右京は声の主を振り返った。 「おじょうちゃん、一人かい?」 右京は首を小刻みに横に振って否定の意志をあらわした。 「おるもん、とうちゃんが、おるもん」 口の中で呟いた。 三日前。 父がいなくなった。 放浪癖のある父だった。 お好み焼きの屋台を曳いて、全国をまわっていた。 その旅に幼い右京をともなっていた。 だが、その父が一人で消えた。 屋台はそのままだった。 右京は一人で屋台を切り盛りしつつ、父の戻るのを待った。 そして三日目が暮れようとしていた。 これまでの二晩、右京は公園で野宿していた。 泊まるためのかねはあった。 昼の売り上げがあるからだ。 十歳とはいえ、右京が作るお好み焼きは絶品だ。 しかし、宿をとることはためらわれた。 その間に父が戻って来るような気がした。 屋台の位置をかえたくなかった。 今夜も野宿しかあるまい、と腹をくくっていた矢先だった。 「もう二日もここで泊まっているだろう」 「そうや」 右京は悪びれず答えた。 男の顔を初めてまともに見た。 父よりも何歳か若いようだ。 三十歳くらいか。 色が白く、顔にはやたらとホクロがある。 そして、金縁の眼鏡をかけていた。 そうとうの近眼らしく、レンズの奥の目が極端に細く見える。 「寒くないか」 右京は黙った。 もう11月だ。 寒くないはずがない。 「暖かいものを買ってやろうか」 「うち、お好み焼き屋やで。 そんなんやったら、自分でこさえるわ」 「プロパンガス、きれたんじゃないのか」 男の指摘に右京は黙った。 プロパンガスのボンベは今日の昼前に尽きていた。 燃料の補給は父の役割だった。 右京は、お好み焼きを作る技術には長けていたが、それ以外のことについてはまったく無知だった。 右京は顔を伏せた。 食材も尽きた。 それは買えばいい。 ガスも、大人に聞けば手に入るだろう。 だが、それをいつまで続けるのか。 父は、戻らないのか。 そのことを考えると、右京の両眼が熱くなった。 右京の肩を男が掴んだ。 「元気を出せ」 「おっちゃん……」 右京は、男の歪んだ笑顔に心和んだ。 3 ベンチに座って話をした。 右京がほとんどしゃべった。 男は自動販売機で暖かい缶コーヒーを右京にくれた。 自分は日本酒の燗を呑んだ。 「これ、飲んでみるか、暖まるぞ」 戯れに男が差し出した日本酒を右京は喜んで口にした。 父親と旅する中で、酒の味には親しんでいる右京であった。 男は右京の手を引いて、植え込みの中に入った。 まわりから遮断され、外からは覗けない場所だ。 右京は酒のせいで、足がふらついた。 頭がぼうっとしていた。 ふと寒さを感じた。 気がつくと、タイツとパンツを引き下げられていた。 股間が露になっている。 むろん、発毛はまだだ。 つるんとした股間には縦線が一本はいっているだけ。 だが、右京のそこは、わずかにまるみを持ち始めている。 「なに、すんのん」 右京は恐くなって男に抗議した。 男は無言で指を右京の股間にいれた。 ぴったりと閉じた右京のスリットを、指をつかって開いてゆく。 「いやや」 右京は男を押しのけて逃げようとした。 だが、足が動かなかった。 男の指の腹が、むりやり開かれた右京のそこを触っていた。 しきりと指に唾をなすりつけ、擦る。 「いやや、いやや、いや」 右京は半泣きで首を横に振った。 膝がガクガクした。 腰が落ちそうになる。 男が股間に顔をいれた。 息が荒い。 右京のあそこを舌でなめはじめた。 風呂に三日入っていない右京のそこを清めるような舌の動きだった。 丹念に、スリットを舌先でなぞる。 「いやや、やあっ……」 右京は耐えきれず、身をよじった。 身体が熱くなる。 酒のせいだけではない。 お腹の底から灼熱した何かが押し上げて来る。 右京はしりもちをついた。 その右京の股間に男は顔を突っ込んでいた。 なめ、続ける。 右京は腰をよじった。 どうしようもない。 ほとばしった。 失禁したのだ。 4 男は右京の服をすべて脱がせた。 服を芝生の上に敷き、その上に右京を横たわらせた。 右京は抵抗はしなかった。 内股はまだおしっこで濡れている。 男は右京の膝を持って、左右に開いた。 上に、のしかかる。 男は、わずかなふくらみすらない胸を、それでもいとおしそうになめ始めた。 小さな乳首を吸った。 「あっ……!」 右京は声をあげた。 幼い性器を同時にいじられている。 指が割れ目をなぞっている。 濡れ、はじめている。 それがどういう意味を持つのか、右京にはわからない。 「濡れてるよ」 男は指先に付着した粘液を右京に見せた。 「これはおしっこじゃないんだ。 右京ちゃんのおまんこ……大阪ではオメコっていうんだよね。 そこが気持ちいいって、ヨダレを垂らしているんだ」 「ほんなん」 右京は抗議をしかけた。 ほんなん、おっちゃんが変なことするからやんか、と。 でも、右京は言葉を続けられなかった。 指が割れ目をえぐっていた。 それでいながら粘膜が気持ちいい。 強い刺激を求めるように右京はお尻を動かした。 男は顔を右京の股間に移動した。 男の指が、右京の幼い合わせ目を開く。 ピンク色の膜が、ねちゃり、という粘質の音とともに広げられ、その奥を男の舌が抉る。 「ひっ!」 右京は股を閉じようとした。 男の頭をはさんだ。 男は構わず舌を動かしている。 ぴちゃぴちゃ、音が聞こえる。 萌芽のようなクリトリスをも舌で愛撫する。 「いやっ! ああん、いやや」 右京は悲鳴をあげた。 なにがなんだかわからない。 心臓が苦しくて、もう。 男は顔を激しく上下に動かした。 小さな右京の身体の底を存分になぶる。 お尻をも舌でいじめる。 きゅっとすぼまった入り口を舌先でつつき、指で入り口を広げる。 内側の粘膜を舌がえぐっていく。 鋭い感覚が右京を襲う。 そんな、汚いところを。 「ああっ、おっちゃん、おっちゃん」 右京はもう、叫ぶしかない。 5 男はペニスを露出させた。 右京の顔の真上に膝立ちになる。 右京は父親の男根を見たことは何度もあった。 だが、屹立している男のものを見たことはなかった。 「おっちゃん、これて……」 「これが、オチンチンだ。 大きいだろ」 男は右京の手を取り、それを触らせた。 「握ってごらん」 男のペニスは小さな右京の手には余った。 まるで木の棒だ。 「口でおしゃぶりするんだ」 命じた。 右京はためらった。 だが、身体の中が熱くて、そのためらいすら溶けた。 右京は首をもたげ、口元に突き出されたペニスに唇を当てた。 汗の匂い? それともなにかが発酵しているのか、異臭がした。 それでも、右京は与えられた新しい玩具に心を奪われていた。 どんどん膨らんでいく。 まるで風船のようだ。 でも形はフランクフルトのようで、薫製イカの味がする。 「うう」 男は呻きながら、腰を前後に動かした。 右京の首も前後につられて動く。 「舌を、舌を動かせ」 男は顔を歪ませた。 右京は言われた通りに舌を動かした。 男の腰の動きが激しくなる。 「う、動かん、といて」 思わず右京は訴えた。 その拍子に歯がペニスに当たる。 「ひうっ」 男は堪えられなくなったようだ。 ペニスを右京の口から抜くと、右京の身体に覆い被さった。 「おっちゃん、なにを……すんのん」 「中に入れさせてくれ、中に」 男は乱暴に右京をうつぶせにさせた。 鋭い恐怖が右京の脊椎を叩き、右京は逃げ出そうとした。 男は右京の腰を背後から抱き、地面に押さえつけた。 おしりだけを高く掲げさせる。 夜気が右京のおしりに当たる。 男の掌が股間を強くしごく。 「ぬるぬるだ。 これなら」 男の声が切迫していた。 右京は激痛に呻いた。 男は指を右京の中に差し入れていた。 「いたいぃ、やめて、おっちゃん!」 男は埋没させた中指をゆっくりと動かした。 何度も出し入れさせて、抽送の感じを確かめている。 右京は歯を食いしばった。 身体が熱い。 あそこが熱い。 男の指の動きが速くなった。 右京の身体が分泌する液がそれを可能にしていた。 「だんだんよくなって来たろう?」 男は指の動きを激しくさせながら、言った。 指を動かしながら、顔を右京のおしりに近付け舌を使う。 「ンッンッンッ」 右京は顔を芝生にこすりつけ、鼻から漏れる自分の呼気を聞いていた。 男の指の動きが直接脳に響いた。 あふれてくる。 なにかが。 「いや、いや、いややあーっ!」 右京は叫んだ。 全身に白熱した何かが漲り、炸裂した。 次の瞬間、右京は飛んでいた。 身体が宙を浮いている。 「いっちゃったか。 じゃあ、おれも」 男は、ぐったりとした右京の尻の山を開き、幼い亀裂を指でひらいた。 そして、そこにペニスの先端をあわせると、一気に…… 気がついた時、側に父親がいた。 父親は、今まで迷子になっていたという。 パチンコ屋をはしごしているうちに、屋台を置いた場所を忘れてしまったというのだ。 泣きながら右京は父親の胸板を叩いた。 父親によれば、右京は公園のベンチで一人寝ていたという。 右京は公衆トイレで身体を調べた。 股間に特に異常はなかった。 夢であったのか、とも考えた。 だが、身体には快感の残滓がまだ残っている。 生々しすぎて、とても夢とは思えない。 右京の心に暗い影が落ちた。 6 布団の中で右京は身体を丸めていた。 指をパンティの中に潜ませていた。 (あの時、うちは……やられてしもたんやろか) 右京は指を自分の入り口に這わせた。 濡れている。 記憶の中の快感が肉体に蘇っていた。 (うち、うち、淫乱なんとちゃうやろか……) 思いつつ、右京は指の動きを速めていった。 (乱ちゃん……) 乱馬の姿を思い浮かべた。 そのたくましい腕が右京の身体を抱きしめてくれている。 (好きや、乱ちゃん……) 乱馬の顔が変じた。 あの時の男の顔になっている。 「いや、いやや!」 右京は全身が硬直した。 自分の指が、いつの間にか男のペニスに変わり、膣を犯しているのだった。 その想像が激しく右京の意識を叩いた。 「いくっ! いくうぅぅ!」 右京の意識が沈んでいく。 無明の闇だった。 つづく.
次の右京の憂鬱 1 らんま1/2 「右京の憂鬱」 1 「乱ちゃん……」 布団の中で右京は小さくため息をついた。 「乱ちゃん、うちのこと、どない思ってんねやろ」 わからない。 嫌われているとは思わないが、はっきりと好意を口にしてくれたわけでもない。 天道家に居候を続けているのも気になる。 ひとつ屋根の下に天道あかねがいる。 若い男と女だ。 乱ちゃんに限って、とは思うが、天道あかねが誘惑しないとも限らない。 「うちかていつでも乱ちゃんにあげられる。 その覚悟はあるんや」 でも、乱馬は抱いてくれない。 いつも、のらりくらりと逃げてしまう。 「してほしいのに……乱ちゃんに」 右京はたまらない夜がある。 切なくて。 身体が熱くて。 そして、そんな夜には思い出してしまう。 幼い頃の記憶を。 2 「おじょうちゃん」 声が頭の上から降ってくる。 右京は声の主を振り返った。 「おじょうちゃん、一人かい?」 右京は首を小刻みに横に振って否定の意志をあらわした。 「おるもん、とうちゃんが、おるもん」 口の中で呟いた。 三日前。 父がいなくなった。 放浪癖のある父だった。 お好み焼きの屋台を曳いて、全国をまわっていた。 その旅に幼い右京をともなっていた。 だが、その父が一人で消えた。 屋台はそのままだった。 右京は一人で屋台を切り盛りしつつ、父の戻るのを待った。 そして三日目が暮れようとしていた。 これまでの二晩、右京は公園で野宿していた。 泊まるためのかねはあった。 昼の売り上げがあるからだ。 十歳とはいえ、右京が作るお好み焼きは絶品だ。 しかし、宿をとることはためらわれた。 その間に父が戻って来るような気がした。 屋台の位置をかえたくなかった。 今夜も野宿しかあるまい、と腹をくくっていた矢先だった。 「もう二日もここで泊まっているだろう」 「そうや」 右京は悪びれず答えた。 男の顔を初めてまともに見た。 父よりも何歳か若いようだ。 三十歳くらいか。 色が白く、顔にはやたらとホクロがある。 そして、金縁の眼鏡をかけていた。 そうとうの近眼らしく、レンズの奥の目が極端に細く見える。 「寒くないか」 右京は黙った。 もう11月だ。 寒くないはずがない。 「暖かいものを買ってやろうか」 「うち、お好み焼き屋やで。 そんなんやったら、自分でこさえるわ」 「プロパンガス、きれたんじゃないのか」 男の指摘に右京は黙った。 プロパンガスのボンベは今日の昼前に尽きていた。 燃料の補給は父の役割だった。 右京は、お好み焼きを作る技術には長けていたが、それ以外のことについてはまったく無知だった。 右京は顔を伏せた。 食材も尽きた。 それは買えばいい。 ガスも、大人に聞けば手に入るだろう。 だが、それをいつまで続けるのか。 父は、戻らないのか。 そのことを考えると、右京の両眼が熱くなった。 右京の肩を男が掴んだ。 「元気を出せ」 「おっちゃん……」 右京は、男の歪んだ笑顔に心和んだ。 3 ベンチに座って話をした。 右京がほとんどしゃべった。 男は自動販売機で暖かい缶コーヒーを右京にくれた。 自分は日本酒の燗を呑んだ。 「これ、飲んでみるか、暖まるぞ」 戯れに男が差し出した日本酒を右京は喜んで口にした。 父親と旅する中で、酒の味には親しんでいる右京であった。 男は右京の手を引いて、植え込みの中に入った。 まわりから遮断され、外からは覗けない場所だ。 右京は酒のせいで、足がふらついた。 頭がぼうっとしていた。 ふと寒さを感じた。 気がつくと、タイツとパンツを引き下げられていた。 股間が露になっている。 むろん、発毛はまだだ。 つるんとした股間には縦線が一本はいっているだけ。 だが、右京のそこは、わずかにまるみを持ち始めている。 「なに、すんのん」 右京は恐くなって男に抗議した。 男は無言で指を右京の股間にいれた。 ぴったりと閉じた右京のスリットを、指をつかって開いてゆく。 「いやや」 右京は男を押しのけて逃げようとした。 だが、足が動かなかった。 男の指の腹が、むりやり開かれた右京のそこを触っていた。 しきりと指に唾をなすりつけ、擦る。 「いやや、いやや、いや」 右京は半泣きで首を横に振った。 膝がガクガクした。 腰が落ちそうになる。 男が股間に顔をいれた。 息が荒い。 右京のあそこを舌でなめはじめた。 風呂に三日入っていない右京のそこを清めるような舌の動きだった。 丹念に、スリットを舌先でなぞる。 「いやや、やあっ……」 右京は耐えきれず、身をよじった。 身体が熱くなる。 酒のせいだけではない。 お腹の底から灼熱した何かが押し上げて来る。 右京はしりもちをついた。 その右京の股間に男は顔を突っ込んでいた。 なめ、続ける。 右京は腰をよじった。 どうしようもない。 ほとばしった。 失禁したのだ。 4 男は右京の服をすべて脱がせた。 服を芝生の上に敷き、その上に右京を横たわらせた。 右京は抵抗はしなかった。 内股はまだおしっこで濡れている。 男は右京の膝を持って、左右に開いた。 上に、のしかかる。 男は、わずかなふくらみすらない胸を、それでもいとおしそうになめ始めた。 小さな乳首を吸った。 「あっ……!」 右京は声をあげた。 幼い性器を同時にいじられている。 指が割れ目をなぞっている。 濡れ、はじめている。 それがどういう意味を持つのか、右京にはわからない。 「濡れてるよ」 男は指先に付着した粘液を右京に見せた。 「これはおしっこじゃないんだ。 右京ちゃんのおまんこ……大阪ではオメコっていうんだよね。 そこが気持ちいいって、ヨダレを垂らしているんだ」 「ほんなん」 右京は抗議をしかけた。 ほんなん、おっちゃんが変なことするからやんか、と。 でも、右京は言葉を続けられなかった。 指が割れ目をえぐっていた。 それでいながら粘膜が気持ちいい。 強い刺激を求めるように右京はお尻を動かした。 男は顔を右京の股間に移動した。 男の指が、右京の幼い合わせ目を開く。 ピンク色の膜が、ねちゃり、という粘質の音とともに広げられ、その奥を男の舌が抉る。 「ひっ!」 右京は股を閉じようとした。 男の頭をはさんだ。 男は構わず舌を動かしている。 ぴちゃぴちゃ、音が聞こえる。 萌芽のようなクリトリスをも舌で愛撫する。 「いやっ! ああん、いやや」 右京は悲鳴をあげた。 なにがなんだかわからない。 心臓が苦しくて、もう。 男は顔を激しく上下に動かした。 小さな右京の身体の底を存分になぶる。 お尻をも舌でいじめる。 きゅっとすぼまった入り口を舌先でつつき、指で入り口を広げる。 内側の粘膜を舌がえぐっていく。 鋭い感覚が右京を襲う。 そんな、汚いところを。 「ああっ、おっちゃん、おっちゃん」 右京はもう、叫ぶしかない。 5 男はペニスを露出させた。 右京の顔の真上に膝立ちになる。 右京は父親の男根を見たことは何度もあった。 だが、屹立している男のものを見たことはなかった。 「おっちゃん、これて……」 「これが、オチンチンだ。 大きいだろ」 男は右京の手を取り、それを触らせた。 「握ってごらん」 男のペニスは小さな右京の手には余った。 まるで木の棒だ。 「口でおしゃぶりするんだ」 命じた。 右京はためらった。 だが、身体の中が熱くて、そのためらいすら溶けた。 右京は首をもたげ、口元に突き出されたペニスに唇を当てた。 汗の匂い? それともなにかが発酵しているのか、異臭がした。 それでも、右京は与えられた新しい玩具に心を奪われていた。 どんどん膨らんでいく。 まるで風船のようだ。 でも形はフランクフルトのようで、薫製イカの味がする。 「うう」 男は呻きながら、腰を前後に動かした。 右京の首も前後につられて動く。 「舌を、舌を動かせ」 男は顔を歪ませた。 右京は言われた通りに舌を動かした。 男の腰の動きが激しくなる。 「う、動かん、といて」 思わず右京は訴えた。 その拍子に歯がペニスに当たる。 「ひうっ」 男は堪えられなくなったようだ。 ペニスを右京の口から抜くと、右京の身体に覆い被さった。 「おっちゃん、なにを……すんのん」 「中に入れさせてくれ、中に」 男は乱暴に右京をうつぶせにさせた。 鋭い恐怖が右京の脊椎を叩き、右京は逃げ出そうとした。 男は右京の腰を背後から抱き、地面に押さえつけた。 おしりだけを高く掲げさせる。 夜気が右京のおしりに当たる。 男の掌が股間を強くしごく。 「ぬるぬるだ。 これなら」 男の声が切迫していた。 右京は激痛に呻いた。 男は指を右京の中に差し入れていた。 「いたいぃ、やめて、おっちゃん!」 男は埋没させた中指をゆっくりと動かした。 何度も出し入れさせて、抽送の感じを確かめている。 右京は歯を食いしばった。 身体が熱い。 あそこが熱い。 男の指の動きが速くなった。 右京の身体が分泌する液がそれを可能にしていた。 「だんだんよくなって来たろう?」 男は指の動きを激しくさせながら、言った。 指を動かしながら、顔を右京のおしりに近付け舌を使う。 「ンッンッンッ」 右京は顔を芝生にこすりつけ、鼻から漏れる自分の呼気を聞いていた。 男の指の動きが直接脳に響いた。 あふれてくる。 なにかが。 「いや、いや、いややあーっ!」 右京は叫んだ。 全身に白熱した何かが漲り、炸裂した。 次の瞬間、右京は飛んでいた。 身体が宙を浮いている。 「いっちゃったか。 じゃあ、おれも」 男は、ぐったりとした右京の尻の山を開き、幼い亀裂を指でひらいた。 そして、そこにペニスの先端をあわせると、一気に…… 気がついた時、側に父親がいた。 父親は、今まで迷子になっていたという。 パチンコ屋をはしごしているうちに、屋台を置いた場所を忘れてしまったというのだ。 泣きながら右京は父親の胸板を叩いた。 父親によれば、右京は公園のベンチで一人寝ていたという。 右京は公衆トイレで身体を調べた。 股間に特に異常はなかった。 夢であったのか、とも考えた。 だが、身体には快感の残滓がまだ残っている。 生々しすぎて、とても夢とは思えない。 右京の心に暗い影が落ちた。 6 布団の中で右京は身体を丸めていた。 指をパンティの中に潜ませていた。 (あの時、うちは……やられてしもたんやろか) 右京は指を自分の入り口に這わせた。 濡れている。 記憶の中の快感が肉体に蘇っていた。 (うち、うち、淫乱なんとちゃうやろか……) 思いつつ、右京は指の動きを速めていった。 (乱ちゃん……) 乱馬の姿を思い浮かべた。 そのたくましい腕が右京の身体を抱きしめてくれている。 (好きや、乱ちゃん……) 乱馬の顔が変じた。 あの時の男の顔になっている。 「いや、いやや!」 右京は全身が硬直した。 自分の指が、いつの間にか男のペニスに変わり、膣を犯しているのだった。 その想像が激しく右京の意識を叩いた。 「いくっ! いくうぅぅ!」 右京の意識が沈んでいく。 無明の闇だった。 つづく.
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