ノルマンディーでも、バルジでもなく、東部戦線でもなく、ドイツの一地方での小競り合い。 しかも、ヒトラー死後の降伏に至る僅かな期間の非常に貴重な映画。 総統閣下はすでにお亡くなりになっているのにも関わらず、ドイツ軍の指揮をとる親衛隊の予備役将校は逃げも隠れもせず、見るからに20歳前と思しき少年兵と、第一線を退いたと思しき体型の兵を率いて、旧型戦車で連合軍相手に果敢にゲリラ戦術を仕掛けてきます。 なんとういう愛国精神、軍人精神でしょうか。 狂信的に戦いを挑んできます。 いかにアメリカ・イギリス軍側に降伏しようか腐心していた潜水艦野郎とは偉い違いです。 一方、対する連合軍側は、奇襲を食らって分隊長を失い追い込まれているにも関わらず、 次席の軍曹に対して「黒人の命令は聞けない」と命令拒否します。 アメリカ軍は「自由」を掲げて参戦したはずなのに、黒人には人権がない。 黒人であるがために偏見と闘い、差別と闘う。 国に帰ったらバスの後ろしか座れない・・・。 イギリス人将校はそんなのおかしいよと言ってましたが、事実、 1964年の公民権法まで有色人種はバスの後ろにしか座れなかった「自由の国」アメリカ いろんな戦いがあるものですね。 今作は第二次大戦終結直前のヨーロッパ戦線での戦車戦を描いている。 歴史的に有名な戦いを舞台にしていないので小規模な局地戦で地味ではあるが、登場人物が圧倒的不利な状況の中で知恵を出し合って戦っていくさまは緊張感がある。 また、下手に凝った筋書きにせず、人種差別をテーマにそれが明確に伝わるシンプルなシナリオにした点にも好感が持てた。 差別的な価値観の持ち主が、戦いを通じてそれら偏見を打ち破るのはありがちではあるが納得しやすいものだ。 問題点としてはどうしようもないことだが予算の少なさが感じられることだ。 戦車をはじめ装備がきれいで、使い古された印象がしないのはレンタル品で傷をつけられなかったからだろう。 撮影上、壊せないものの破壊シーンの爆発などが露骨なCGなのも気になる。 軍服などはくたびれた風になっているため余計にそういったものが際立っていた。 もっと予算を感じさせない工夫がほしい。 また、邦題が原題とは全く異なり、ブラピ出演の大作とかぶせている点は小賢しい。 B級やZ級の作品はそもそもどこが見どころなのかわからないものがある。 しかし、今作はどこを楽しんでもらおうかという意図が明確でその要素はうまく機能している。 映画製作者はこのような作品によってキャリアを積み重ね、大作に関わっていくのだなと思わせてくれる作品であった。 時は1945年5月2日、第二次大戦のヨーロッパ戦線がまさに終結を迎えようという場面。 ジャケットは大戦車戦を想像させますが、実際に登場する戦車は都合5台です。 ただし、 M18やパンツァーが出てきます。 なので、タンクマニアにとってはとても楽しい内容と なっています。 それともう一つ、この作品では人種問題を取り上げています。 つい最近まで取り上げ られることのなかった黒人兵への唾棄すべき人種差別の実態が語られています。 戦場では 本国に居る時よりもその差別は過激だ。 どんなに黒人兵が戦場で命がけの活躍をしても、 白人たちは一切その功績を認めようとはしない。 そんな差別を批判すべきストーリーを織り込みながら戦闘シーンは続いていきます。 最初誰が主役なのかよくわからないが、時間とともにその輪郭はハッキリとしてきます。 エンディングで、白人と黒人の兵隊が一つの水筒で水を分かち合うシーンには何か清々しい ものを感じた。 例によって邦題詐欺なので注意。 当時そこそこ売れていたブラッドピット主演のハリウッド映画「フューリー」にのっかりたい一身で名前をつけたのが丸分かりで辛い。 こういう名づけをする担当がどこの会社の誰なのかは知らないが、無能か卑劣かあるいはその両方を合わせ持っているとしか思えない。 本題は「SAINTS AND SOLDIERS: THE VOID」 直訳すれば「天使と兵士:廃墟にて」 あたりだろうか。 SAINTSは聖者達か、もしくは(殉教的 戦死を者のことを差す場合もあるので、そっちかもしれない。 ストーリー 1944年。 第二次世界大戦末期のドイツ。 ヒトラー亡き後も徹底抗戦を続けるナチスドイツ。 それに対して連合軍は着々と侵攻の歩を進めるのだった。 米軍の最新型駆逐戦車M18ヘルキャットに駈る主人公達はある村を中心に抵抗を続けるナチス勢力に揺さぶりをあけるため、僚機と共に2台で威嚇攻撃の任務につく。 任務中は「既に駈った戦い」と呑気なもので、道すがら呼称した車に立ち往生したドイツ国民を助けてやったりと余裕そのもの。 しかし、任務中に突然助けを求めて現れた米軍将校と黒人の下士官は、前線と後方を繋ぐ主要道路でナチスドイツの戦車と歩兵隊が待ち伏せ戦術をとっていることを知り・・・・・・・・ 感想とネタバレ 最終的には戦場でも差別されていた黒人と差別していた白人が手を取り合ってナチスの戦車隊を倒す。 自由を尊び差別を蹴飛ばすちょっと古い形の戦争映画。 「民族を迫害しているナチスをぶっ飛ばしに来た俺達が、何食わぬ顔で黒人を迫害している」 という言葉はなかなかに的を射たものがあるだろう。 戦車映画としてはどうか? とても面白い組み合わせ。 ナチスドイツは追い詰められているので新型の戦車など望むべくもなく、増加装甲をつけた50mm砲?搭載の旧型III号戦車3両と少年兵の歩兵達。 それに対して主人公たちは1944年に投入された新型のM18駆逐戦車2両で歩兵支援なし。 面白いのは、M18は高機動性と火力支援能力を期待されたものであって、装甲は小銃の鉄鋼弾で抜けるほど脆いこと。 普通に考えれば 「火力支援用の高機動新型戦車2両を、森や山岳のある場所に歩兵支援なしで投入」 という半端ない愚行ではあるわけだが、米軍将校達が「既に勝ってる戦い」と油断していたらありえるかもなぁ・・・・・と、思うとありえなくもない。 いや、ありえないけど。 つまり旧型VS新型なのに、新型のほうは全然性能を発揮できない条件で戦わされてるのが面白かった。 英雄的戦闘行動を見せたかったのが丸出しで、そのあたりが残念。 B級戦争映画かと言えばB級だろうが、「バルジ大作戦」だって「レマゲン鉄橋」だって大作だけどB級だ。 B級だから面白く無いと言う訳では無い。 何が言いたいのか良く判らなかった「フューリー」よりエンターテインメントとしてはずっと面白い。 それにしても何でこんな邦題をつけたのだろうか。 これではまるで「フューリー」のパクリ見たいだ。 確かに舞台が大戦末期のドイツで、戦車が主役、訳ありな主人公と似た要素はあるが、「フューリー」に登場する戦車がM4と6号1型と言う定番なのに対してM18と3号と言う組み合わせは本当にマニアックだ。 この一事で単なる「フューリー」のまねで無いことが判る。 M18は本物かも知れないが、3号はレプリカだろうか。 だとしたら本当に良くできている。 M18の内部が見られるだけでも一見の価値はある。 ブラピのフューリーを名前だけパクってあるのとトレイラーで出たIII号戦車がいかにもプロップなので、つまらない低予算映画かなと思ったら、HBO放映クラスの出来。 シナリオも役者も悪くない。 アメリカで土曜の昼間にソファに座って、アイスティーを飲みながら観るのに適した映画。 自分たちの人権と権利を認めさせるため戦った黒人を抑えたトーンで丁寧に描いている。 実はM18は結構中古市場に出ているので、それを使ってドラマを撮りたかったのだと思う。 そこに アメリカの暗部にきちんと向き合って描いた佳作。 ヨーロッパではアメリカほど人種差別は少なかった(数人のヨーロパ人と付き合いがあるだけなので、そうとは言い切るほど材料は無い)。 が、アメリカでのそれは日本での外来人恐怖症的で異常なほどの敵意に比べればマシだった。 日本では個人レベルでも敵兵や被占領地民間人の人権を認めた事例が殆どないのである(そもそも人権という概念も無かったが)。 こういうのはわざわざレンタルしようと思わないので、アマゾンは日本ではまず放映されない、されたことのない作品を今後載っけていただきたい(ジェームス・ガーナーのTANKとか、日本では知られていないだけで良作って結構ある)。 何を見せたいのかがはっきりしているシンプルな作品。 低予算感が随所に見られるものの、戦車や車両の出来は良い。 動いているシュルツェン付きIII号戦車が見られる珍しい映画。 (見栄えと知名度でティーガーばかり) 監督が脚本も兼任しているが、とにかくカットごとの話がぶつ切りでバラバラでダラダラ…。 登場人物の動機づけも雑で話の流れが唐突。 終戦間際なのにピカピカなIII号戦車だとか、オイル漏れ云々言ってるくせにピカピカなヘルキャットだとか、 攻撃を受けたのに傷一つつかない未来兵器もびっくりな装甲板だとか、リアリティには期待してはいけない。 予算的にも軍の協力が得られているとは思えないので、どこかの兵器マニアから借りたのだろうか。 エフェクト類のコンポジットが残念。 特に炎はフリー素材の合成のよう。 カラーグレーディングも効果的とは言えず、彩度を落としてコントラスト上げたらそれっぽいよねって感じ。 本作がその出来以上に悪い評価な理由の一つに、吹替版の翻訳内容がある。 特に目立つのが戦車を戦車と言ったりパンツァーと言ったり、同じ人物の口癖ならともかく、 同じシーンでもバラバラだったりする。 申し訳ないけどこんないい加減な翻訳では字幕版のほうがいい。 声優も棒読みだし。 なお、本作の原題はSaints and Soldiersでフューリーなんて名前はありません。 ブラピのフューリー(原題Fury)と公開年は一緒で、なんならこちらのほうが先に公開されています。
次のディテール アッパー ポンプをつなぐ部分が樹脂っぽいパーツになっていることと、つま先部分が変わっていることくらいの変化でしょうか。 履き心地としては特にアッパーは変わりません。 この樹脂っぽいパーツも若干ゴムっぽい、経年劣化で割れるような心配はないです。 ソール 変更点としてはソール。 パッカン割れていたソールが普通にと思いますが、よく見るとミッドソールがあるってだけで、アウトソールの黒い部分は分かれています。 カーボンファイバーだった部分にミッドソールを入れた感じ。 もともと、当時の技術ではカーボンファイバーが割れやすい弱点があったための策とも思われます。 自転車こぐとき溝にはまるとか色々ありましたから。 クッションは同じヘキサライトが搭載されています。 履き心地 明らかなソールの分かれ、また高さも多少低くなった(だいたいポンプフューリー4㎝、フューリーロード3. 5㎝)ことで安定感を感じます。 逆にゲタソールの面白い履き心地ってあると思うんですけど、それがなくなって普通のスニーカーのように感じます。 個人的には、ポンプフューリーの尖っている見た目と履き心地の方が好きです。 でも、フューリーロードの方が癖が少なく、誰でもすんなり履けると思います。 ちなみに重さはほぼ変わらなく10gほど軽いくらいです。 サイズ感 ポンプフューリーと同じようなサイズ感で大丈夫です。 幅がちょっと狭めで、長さはある感じです。 紐と違いポンプの空気を膨らまして調節するので、調節できる範囲が狭いです。 足のむくみ具合を調節するくらいの機能と思っていた方がいいと思っています。 できればジャストで履いてほしいです。 ポンプの特徴として、もともと柔らかい素材で圧迫するようにできているので、窮屈にちょっと感じるくらいが履いているとジャストと思えると思います。 なので幅がちょっと狭めといってもそれでいい設定と思います。 復刻は今年か?来年か? 1996年発売なので、来年25周年です。 順当にいけば来年復刻と思えますが、前回復刻したのは2015年の19周年。 去年2019年にポンプフューリーが続々復刻されましたが、フューリーロードは今年か来年いずれ復刻されると思われます。 今度はもう一つのオリジナルカラーの黄緑の方が欲しいなと思ってます。
次のリーボックを象徴するポンプフューリー 皆大好きポンプフューリー 、リーボックから90年代後半に出てから25年たった今でも愛される国民的スニーカーです。 見た目のインパクトさることながら、履き心地もとても良いんです。 なのでレビューします。 まず見た目、紐がないけど、、、。 ソールが二つに分かれてる、、、。 と普通のスニーカーとは変わっている部分がいくつかあります。 そういった部分も説明していきたいと思います。 ポンプフューリーのディテール フィット感 、履き心地 このスニーカーには紐はありません。 代わりにあるのがポンプシステムです。 真ん中にあるボタンからぷしゅぷしゅと空気を入れ、溜まっていき、その圧迫で足をホールドします。 紐じゃないのでカチッと固定されることはないです。 空気の圧ですし、パットも厚めにあるので柔らかく柔軟性のあり、気持ちいい履き心地です。 逆にがっちりとホールドされないので、ピッタリのサイズ感がおすすめです。 かといって、抜けるような感じや、脱ぎやすいわけではありません。 結構足首周りが狭くなっており、しっかりホールドしてくれます。 脱ぎ履きがしずらいという意見があったりますが、そういった足首周りの構造が理由と思います。 ちなみに、空気は横のボタンを押すとプシューとすぐ抜けます。 人間の足は一日で大きさが変わります。 朝ピッタリでも夕方にはむくんで大きくなっているので、途中で空気量を変えるのもありです。 サイズ感 サイズ感としては、自分は普通、もしくは少し大きめと思っています。 自分は普段26㎝で全てスニーカーを買います。 このスニーカーは長さは長めでしっかりあって、横幅が少し狭いのかなぁといった感じ。 素材が素材なんで窮屈感はあまりないです。 履き口が狭いので小さいと感じる人が多いのかぁと。 何回も言いますが、ピッタリで履いたほうが、このスニーカーの良さがわかると思います。 ヘキサライトのクッション性 ヒールも特徴的です。 完全に二つに分かれ、なにもない部分はカーボンプレートがしいてあります。 通称ゲタソールなんても呼ばれます。 歩くと、タタッタタッっと二回底が地面に接触する感覚がわかります。 歩いていてちょっと楽しいです。 クッションにはヘキサライトと呼ばれるクッションが入っており、ナイキのエアーともまた違う、ぐむっと沈み込むのが感じられます。 重さ 重さは標準的な片足343g。 エアマックス1だったりゲルライト3と同じくらいです。 インソール内部 あまり他で話している人がいませんが、面白いのはインソールの内部です。 今回の写真のポンプフューリー 、OGカラーのシトロンとサックス。 シトロンが今年2019年復刻の25周年モデル。 サックスが2014年復刻の20周年モデルです。 インソールを取り、中をのぞくと表面は布のような、でもコンクリートかってくらい固いものが、かかとから中心部くらいまで入っています。 これが14年のものだと紙のようなそこまでしっかりしていない素材になっています。 推測ですが、カーボン部分の補強のために途中から作りが変わったのではないかと思います。 14年のものを履いていた時に、脱ぎ履きの際につま先で靴の中心に体重をかけてしまい、カーボンがぐにゃんと曲がって冷や汗をかいたことがあります。 そう、発売当時のポンプフューリーの弱点、壊れやすいの一番がカーボンの割れでした。 今の技術でカーボンの質がかなり上がっているとはいえ、人間の体重かけたら曲がります(ぐにゃんとなったときは、一瞬だけぐにゃんとなって元に戻ったので壊れも曲がりもなかったですが、脱ぎ方気を付けないといけないと思いました。 ) その改善がなされているのだと思います、19年のものだとならないですから ポンプフューリーは素晴らしいスニーカー 全体的にふわっと柔らかく包み込んでくれる履き心地と、この今でも斬新なルックスが世界で愛されている理由です。 値段が定価2万円なので高級ですが、たまに安くなっているのを見かけたら買いですよ、ほんと、サイズ感にはお気をつけて。
次の