アンドリュー・クオモ州知事は先月、定例記者会見でこのように話した。 「我々は1人あたりの検査数を全米のほかのどの州より、そしてどの国よりも多く行っている。 検査を多くの人が受ければ受けるほど、陽性結果が増えるのは当然だ」 現在も1人あたりのテスト数は他国より多い。 クオモ知事の4月18日の会見より。 世界中から人々が集まる観光地 またクオモ知事は会見で「あくまでも個人的な見解だが」と前置きし、このようにも述べている。 「世界中から大勢の観光客が集まるというこの街の特性も、感染拡大の要因になっているのではないか」 アメリカが過去2週間中国滞在歴のある外国人の入国を禁止したのは1月31日、そして中国からは2月2日、ヨーロッパからは1ヵ月以上も遅れ3月13日(UKは16日)にそれぞれ入国を禁止した。 特にヨーロッパからは今年1月以降に約220万人が訪れるなど、規制措置まで実に多くの人々が入国した。 礼拝所、葬儀、老人ホーム、介護施設でのクラスター ニューヨーク州で初めて感染者が確認されたのが3月1日だが、それからすぐに問題になったのは、郊外のニューロシェル市にあるシナゴーグ(礼拝所)での集団感染だった。 自宅待機が始まってからも、ユダヤ教などの葬儀に参加した大勢の人の間でソーシャルディスタンシング(社会的距離)が保たれていないことが確認されている。 また州内には老人や身体障害者を受け入れている特別介護施設が600以上あり、ここでの集団感染や死者数増加も深刻だ。 満員電車? 最近、マサチューセッツ工科大学のジェフリー・ハリス教授の調査をもとに、混み合った地下鉄が原因ではないかというニュースが報じられた。 では、3月中旬まで平日の地下鉄利用は1日500万人だったとある。 確かに3月22日に自宅待機令が出るまで、ラッシュアワーの地下鉄車両は混んでいた。 しかし満員電車が要因なら混雑がもっとひどい東京での感染者数が、より早い時期から急増していそうだがそうではない。 初動体制の遅れ? トランプ大統領は当初「恐れることは何もない」と、新型コロナウイルスの封じ込めに自信を持っていた。 イタリアでは2月にすでにウイルスが大流行していたが、ヨーロッパからの入国禁止措置に踏み切ったのは3月13日のことだ。 記者会見を見ながら、筆者も高を括っていた。 政治家の発言を鵜呑みにした多くの人が自分事と捉えなかったことで油断し、ソーシャルディスタンシングの意識が遅れたのではないだろうか。 実際のところ、人々はつい4週間までリラックスしていた。 しかし「このウイルス、本当にヤバイかも」と自分事として誰もが危機感を持つようになったのは、3月半ば以降だ。 道ゆく人々がマスクを着け始め、お互いをあからさまに避けるようになり、1日中救急車の音が聞こえ、崩壊しつつある医療現場の惨状がソーシャルメディアで流れ、「全米で100、200万人規模の死者が出る」可能性を大統領自らが言及したあたりだ。 マスクの習慣がないから? 実際のところ、3月末までマスクを着けている人はそれほど多くなかった。 今でこそ政府主導でマスクもしくはバンダナによる顔のカバーが指導されるようになったが、この国ではこれまで「健康であればマスクは不要」と言われてきたのだ。 人々が自宅待機し、避けられない外出時にマスクを着用してソーシャルディスタンシングを保つようになってから、入院患者数を表す曲線が平坦になってきた事実がある。 人口密度の高い街で人々がこれまでマスクを着けていなかったことは、もしかすると感染拡大の要因と結びつくかもしれない。 貧困や移民の多さが関係? 高所得者は早くから在宅勤務にシフト、もしくは郊外の別荘へ避難している。 一方いくつかのデータで、感染者は移民や低所得者が多く住むエリアに多いことがわかってきた。 またそのような人々はエッセンシャルワーク(スーパーや薬局など)従事者であることも多く、日々の顧客対応や地下鉄出勤により感染の危険に晒される機会が多い。 医療現場で優先を決める選別。 例えば、救急医療で誰を先に診察するかや、人工呼吸器が1器のみで2人の患者が必要とする場合に行われる。 医療崩壊? 医療崩壊は当初から恐れられていたが、最悪の事態は回避できた。 州では常に、CDCやホワイトハウスのタスクフォースが発表した感染者数や死者の予想数値をもとに、大型展示会場を仮設病棟にしたり、連邦政府からを派遣してもらったりしながら、病床や人工呼吸器を事前に確保し準備を重ねてきた。 また州内の全医療機関を提携させ合い、ある病院で足りない医療用具がある場合にほかの病院から調達できるシステムを構築した。 この結果4月半ばになり、入院患者数やICU患者数は予想数値より大きく下回ったため、病床に空きができたり余った人工呼吸器を必要とする他州に提供するなどしている。 これらは医療従事者が防護具が不足する中、身を削る思いで働いてくれているおかげだ。 無保険や医療費が関係? 日本の報道やソーシャルメディアでは「アメリカは健康保険未加入者が多く、医療費が高いから受診できないのでは」という憶測があるが、それについては筆者は疑問だ。 クオモ知事は「健康保険未加入を理由に新型コロナの検査や治療を受けられない事態は避けるべき」と、早くからサポート体制を整えた。 またあまり知られていないが、通称オバマケアでおなじみの収入額に応じて無料もしくは低額で健康保険に加入できるシステムがまだ残っている。 仕事もやることもない人ほど平日の朝から近所の診療所に来て井戸端会議をしているものだ。 また数年前、筆者はER(救急センター)を利用したことがあるが、ものすごい混みようで、待合室では明らかに暇つぶしに来た人が立ったままテレビを観ていて憤りを感じたことがある。 (その結果、筆者は4時間も待たされた) もちろん、低所得者が病院で暇つぶしができるのは「健康保険の申請手続きをしていれば」の話である。 以上が在ニューヨーク視点を盛り込んだ、「世界最多の新型コロナ感染都市になった」考えられる要因だ。 なぜこの街で感染が拡大したのかについて、答えはおそらく1つではなく、ニューヨークという大都市ならではのさまざまな要因が重なり合ったものによるのではないかと考えている。 死者数の多さについても同様に。
次のアンドリュー・クオモ州知事は先月、定例記者会見でこのように話した。 「我々は1人あたりの検査数を全米のほかのどの州より、そしてどの国よりも多く行っている。 検査を多くの人が受ければ受けるほど、陽性結果が増えるのは当然だ」 現在も1人あたりのテスト数は他国より多い。 クオモ知事の4月18日の会見より。 世界中から人々が集まる観光地 またクオモ知事は会見で「あくまでも個人的な見解だが」と前置きし、このようにも述べている。 「世界中から大勢の観光客が集まるというこの街の特性も、感染拡大の要因になっているのではないか」 アメリカが過去2週間中国滞在歴のある外国人の入国を禁止したのは1月31日、そして中国からは2月2日、ヨーロッパからは1ヵ月以上も遅れ3月13日(UKは16日)にそれぞれ入国を禁止した。 特にヨーロッパからは今年1月以降に約220万人が訪れるなど、規制措置まで実に多くの人々が入国した。 礼拝所、葬儀、老人ホーム、介護施設でのクラスター ニューヨーク州で初めて感染者が確認されたのが3月1日だが、それからすぐに問題になったのは、郊外のニューロシェル市にあるシナゴーグ(礼拝所)での集団感染だった。 自宅待機が始まってからも、ユダヤ教などの葬儀に参加した大勢の人の間でソーシャルディスタンシング(社会的距離)が保たれていないことが確認されている。 また州内には老人や身体障害者を受け入れている特別介護施設が600以上あり、ここでの集団感染や死者数増加も深刻だ。 満員電車? 最近、マサチューセッツ工科大学のジェフリー・ハリス教授の調査をもとに、混み合った地下鉄が原因ではないかというニュースが報じられた。 では、3月中旬まで平日の地下鉄利用は1日500万人だったとある。 確かに3月22日に自宅待機令が出るまで、ラッシュアワーの地下鉄車両は混んでいた。 しかし満員電車が要因なら混雑がもっとひどい東京での感染者数が、より早い時期から急増していそうだがそうではない。 初動体制の遅れ? トランプ大統領は当初「恐れることは何もない」と、新型コロナウイルスの封じ込めに自信を持っていた。 イタリアでは2月にすでにウイルスが大流行していたが、ヨーロッパからの入国禁止措置に踏み切ったのは3月13日のことだ。 記者会見を見ながら、筆者も高を括っていた。 政治家の発言を鵜呑みにした多くの人が自分事と捉えなかったことで油断し、ソーシャルディスタンシングの意識が遅れたのではないだろうか。 実際のところ、人々はつい4週間までリラックスしていた。 しかし「このウイルス、本当にヤバイかも」と自分事として誰もが危機感を持つようになったのは、3月半ば以降だ。 道ゆく人々がマスクを着け始め、お互いをあからさまに避けるようになり、1日中救急車の音が聞こえ、崩壊しつつある医療現場の惨状がソーシャルメディアで流れ、「全米で100、200万人規模の死者が出る」可能性を大統領自らが言及したあたりだ。 マスクの習慣がないから? 実際のところ、3月末までマスクを着けている人はそれほど多くなかった。 今でこそ政府主導でマスクもしくはバンダナによる顔のカバーが指導されるようになったが、この国ではこれまで「健康であればマスクは不要」と言われてきたのだ。 人々が自宅待機し、避けられない外出時にマスクを着用してソーシャルディスタンシングを保つようになってから、入院患者数を表す曲線が平坦になってきた事実がある。 人口密度の高い街で人々がこれまでマスクを着けていなかったことは、もしかすると感染拡大の要因と結びつくかもしれない。 貧困や移民の多さが関係? 高所得者は早くから在宅勤務にシフト、もしくは郊外の別荘へ避難している。 一方いくつかのデータで、感染者は移民や低所得者が多く住むエリアに多いことがわかってきた。 またそのような人々はエッセンシャルワーク(スーパーや薬局など)従事者であることも多く、日々の顧客対応や地下鉄出勤により感染の危険に晒される機会が多い。 医療現場で優先を決める選別。 例えば、救急医療で誰を先に診察するかや、人工呼吸器が1器のみで2人の患者が必要とする場合に行われる。 医療崩壊? 医療崩壊は当初から恐れられていたが、最悪の事態は回避できた。 州では常に、CDCやホワイトハウスのタスクフォースが発表した感染者数や死者の予想数値をもとに、大型展示会場を仮設病棟にしたり、連邦政府からを派遣してもらったりしながら、病床や人工呼吸器を事前に確保し準備を重ねてきた。 また州内の全医療機関を提携させ合い、ある病院で足りない医療用具がある場合にほかの病院から調達できるシステムを構築した。 この結果4月半ばになり、入院患者数やICU患者数は予想数値より大きく下回ったため、病床に空きができたり余った人工呼吸器を必要とする他州に提供するなどしている。 これらは医療従事者が防護具が不足する中、身を削る思いで働いてくれているおかげだ。 無保険や医療費が関係? 日本の報道やソーシャルメディアでは「アメリカは健康保険未加入者が多く、医療費が高いから受診できないのでは」という憶測があるが、それについては筆者は疑問だ。 クオモ知事は「健康保険未加入を理由に新型コロナの検査や治療を受けられない事態は避けるべき」と、早くからサポート体制を整えた。 またあまり知られていないが、通称オバマケアでおなじみの収入額に応じて無料もしくは低額で健康保険に加入できるシステムがまだ残っている。 仕事もやることもない人ほど平日の朝から近所の診療所に来て井戸端会議をしているものだ。 また数年前、筆者はER(救急センター)を利用したことがあるが、ものすごい混みようで、待合室では明らかに暇つぶしに来た人が立ったままテレビを観ていて憤りを感じたことがある。 (その結果、筆者は4時間も待たされた) もちろん、低所得者が病院で暇つぶしができるのは「健康保険の申請手続きをしていれば」の話である。 以上が在ニューヨーク視点を盛り込んだ、「世界最多の新型コロナ感染都市になった」考えられる要因だ。 なぜこの街で感染が拡大したのかについて、答えはおそらく1つではなく、ニューヨークという大都市ならではのさまざまな要因が重なり合ったものによるのではないかと考えている。 死者数の多さについても同様に。
次の「GettyImages」より 全米のコロナ感染者82万人、死者4. 2万人。 全米パンデミックのエピセンター(爆心地)であるニューヨーク市に限ると、感染者14万人、死者1. 5万人(いずれも2020年4月22日付)。 ニューヨーク市で初の感染者が出たのは3月1日だった。 1人目はイランから帰国した医療従事者、2人目はニューヨーク市に隣接するウエストチェスター郡に住み、マンハッタンに通勤する弁護士だ。 以後、感染は市内全域に驚異的なスピードで広がった。 日々発表される感染者と死者の数を見るのが怖いほどだった。 4月に入り、ニューヨークの1日の死者数が400人、500人と増えていく中、メディアが「全国的に感染者と死者に黒人の率が高い」と報じ始めた。 現在もまだコロナ禍の最中であり、詳細なデータは未揃いながら、「なぜ黒人なのか?」と様々な推測がなされた。 だがアフリカン・アメリカン・コミュニティに住む当事者たちは疑問を持つことなどなかった。 理由はすべて明白だからだ。 一言で括るなら貧困が理由であり、その貧困は人種差別から生まれている。 以下、具体的な理由を挙げていくが、日本の低所得者や移民にも当てはまる事象ばかりである。 1)職業 ロックダウン下にあり、エッセンシャル・ワーカー(必須業務従事者)以外は自宅待機、リモートワークとなっている。 毎日前線で命を賭けて働いているのは医療従事者だが、その他のエッセンシャル・ワーカーの多くはサービス業だ。 スーパーマーケットや食料品店の従業員、テイクアウトとデリバリーのみとなっているレストランの配達員など、客と対面する仕事だ。 他者との接触が多いほど感染率は上がる。 彼らの多くは低所得家庭の出身であり、高学歴ではないがゆえにサービス業に就いている。 黒人にはこうした業種が多いのである。 また、病院勤務者は医師だけではない。 看護師や各種の医療技師には黒人が少なくなく、さらには病院の清掃員にも多い。 2)基礎疾患 新型コロナウイルスによる死亡者は75歳以上の高齢者が圧倒的に多いが、中壮年であっても基礎疾患があれば重症化しやすく、死亡も起こる。 米政府コロナ対策チームの最重要メンバーであるファウチ博士は、「糖尿病、高血圧、肥満、喘息」がコロナ重症化に繋がると語っている。 米国の黒人は奴隷であった時期の生活環境、そこから定着した生活習慣により上記の基礎疾患を持つ者が多い。 一例として、地域に健康的な食材を売る店がなく、不健康な食生活を強いられ糖尿病、高血圧、肥満を招く。 食育が十分になされていないことも拍車をかける。 また住居の適切な修繕がなされておらず、ネズミ・ゴキブリが発生し、カビなどにより小児喘息となる。 低所得者地区の周辺にはバスデポやゴミ集積場といった施設が作られ、大型車両の通過により粉塵が舞い、大人になっても喘息が続く。 3)医療保険の欠如 アメリカの医療保険は公的皆保険ではなく、かつ非常に複雑な仕組みとなっている。 前オバマ大統領が皆保険を目指して作った通称オバマケアも成立のために共和党と妥協せざるをえず、完全な皆保険とはなっていない。 そのため昔から現在に至るまで低所得者には加入資格なし、または加入資格があっても敷居を高く感じ、加入しない者が多い。 現在、ニューヨーク州ではコロナの検査と治療はすべて無料となっているが、その情報を得られていない、または病院に出向く習慣がなく、症状が出ても自宅に留まっているケースがあると思われる。 4)差別と偏見 これまで日常生活でマスクをする習慣のなかったアメリカにもマスク着用が広がっている。 ニューヨーク市は市民に「他者と6フィート(180cm)離れる」を徹底的に浸透させ、かつ「店舗内など6フィート離れられない場所ではマスク着用必須」としている。 だが、これまで黒人男性にとってマスクはタブーだった。 目出し帽やフーディーなど顔を隠すものを着けて店舗に入ると強盗と疑われ、場合によっては射殺もあり得る。 黒人男性は店舗に入る際は「顔を出す」ことを心がけてきたのだ。 さらに行政は「不足している医療用マスクは医療従事者に回すために使わないこと」「マスクがなければハンカチやバンダナでも可」としている。 誰が見てもそれと分かる医療用マスクならまだしも、バンダナを巻いて店に入るなど、黒人男性にとってはほとんど自殺行為と言えるのである。 イリノイ州のウォルマート(量販店)でマスクを着けていたために、警官によって店を追い出された黒人男性 5)ホームレス/受刑者/H. ブロウは黒人男性に「ホームレス」「受刑者」「H. 全米各地の刑務所の中でパンデミックが起こっていることはすでに報じられている。 初期に大問題となったクルーズ船と同じく、外界と遮断された完全密室に大量の人間が閉じ込められているからだ。 最初は刑務官がウイルスを持ち込み、あっという間に受刑者に広まってしまう。 路上で寝起きするホームレスは入浴や洗濯はおろか、手を洗う場所すらなく、ウイルスに対してもっとも無防備と言える。 そもそも黒人男性にホームレスと受刑者が多いのは最初に挙げた低所得、低学歴に由来する。 必要なのは貧困の解消 現状を鑑み、行政の長たちは医療改革を訴え始めている。 誰でも公平に受けられる医療はもちろん必須だ。 だが、医療はあくまで感染、発症した後に必要となるもの。 そもそも感染しないで済む、感染率を低く抑えられるライフスタイルを誰にでも提供しなければならない。 一言で言えば、貧困の解消だ。 貧困を無くせば、子供が生まれる前の母体の健康状態の改善がなされる。 親が教育を受け、中流もしくはそれ以上の生活が送れる収入を得ていれば、子も教育を受けられ、高収入となる。 そうした中流の人口が増えるほど、黒人への偏見や差別も多少は軽減されていく。 今、全米各州でトランプ支持者たちがロックダウン解除を求めてデモを繰り返している。 アメリカで感染が広がり始めた当初にトランプが「コロナなど大したことではない」「奇跡のように消える」などと言い続けたため、それを信じてしまった者たちだ。 ロックダウンは大統領ではなく、各州の知事によって発令されるため、州知事の自宅前に押し寄せたデモもある。 そうした群衆に向かい、トランプは「ヴァージニア州を解放せよ、そして憲法修正第2条を守れ」とツイートした。 憲法修正第2条は銃の保持を保障する。 ほとんどの州ではロックダウン下にあっても銃砲店は必須業務として営業しており、閉鎖となっているのはごく一部の州だ。 だが、これを見たトランプ支持者たちはアサルトライフルを抱えてデモを行った。 トランプは大統領再選に向け、支持者の気炎を上げさせているのだ。 そのために州知事の身辺に危険が及ぶことも、感染がさらに広がることも一切気はかけていない。 Gretchen Whitmer said. — The Daily Beast thedailybeast 国を分断させるトランプ ペンシルバニア州でも同様のデモが行われた。 このデモに対し、数人の看護師が「(感染して)私の病院のICUに来るようなことはしないで、家にいてください」などのプラカードを掲げた。 するとロックダウンで失業したと思われるデモ参加者が「あんた達は仕事があっていいよな!」と罵声を浴びせた。 看護師の一人は涙を流して街頭に佇んだ。 その看護師はアフリカン・アメリカンだ。 デモ参加者はそのほとんどは白人である。 先にも書いたように黒人には医療従事者も少なくない。 コミュニティでは家族共々感染の危機にさらされ、職場でも命の綱渡りをしながら職務を全うし、あげくに無知なトランプ支持者に罵声を浴びせられるのである。 アメリカはどんな事象も背後に必ず人種問題が絡んでしまう。 それも命にかかわるレベルの深刻さだ。 トランプは無能なだけでなく、国を分断させる害悪以外の何物でもない。 アメリカはコロナ禍を乗り越え、その後の復興を果たすためにも、11月に行われる大統領選に厳粛に臨み、トランプを駆逐せねばならない。 (堂本かおる).
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