千葉県ヒートアイランド対策ガイドライン 本県においては、ヒートアイランド現象の発生状況やそのメカニズムの詳細、地域の熱環境や対策技術の適性等の情報はいまだ十分ではありませんでした。 そこで、平成22年度から県内129地点で気温観測を行うとともに、23年度からヒートアイランド対策検討調査として、ヒートアイランド現象の要因の実態把握、モデルシミュレーションによる熱環境の解析、対策効果の試算等を実施してきたところであり、このたび、これらの調査結果を取りまとめました。 本編 第1章千葉県におけるヒートアイランド現象の状況 本県の気候やヒートアイランド現象の発生状況、地表面被覆・都市形態・人工排熱などヒートアイランド現象の要因について記述しています。 夏季において、太平洋岸では気温が低く、内陸部と東京湾岸では高温化しています。 これは、都市部のヒートアイランド現象の影響だけではなく、海水温や内陸の気候の影響を受けた結果と考えられます。 ヒートアイランド現象は、千葉市から市川市にかけての東京湾岸地域で顕著ですが、この地域では、夏季の日中には海風が卓越し、日中の高温化は緩和されています。 都市部にも比較的緑地が残されており、建物の密度は比較的低く、人工排熱は建物や自動車からの排熱に比べ工場排熱が大きくなっています。 第2章ヒートアイランド対策の必要性 本県の熱環境、既存都市緑地の重要性、人工被覆・人工排熱対策の効果について記述しています。 熱環境について県全体で見ると、地表面から大気への熱移動では、対流顕熱が少なく、蒸発潜熱が大きくなっています。 これは残された豊富な緑地によるもので、これによりヒートアイランド現象が緩和されていると考えられます。 都市緑地の存在により、昼夜とも広域に高温化が緩和されていることが確認されました。 被覆の高反射化は日中の高温対策として、人工排熱対策は熱帯夜の対策として有効であることが確認されました。 第3章ヒートアイランド対策の概要 対策技術を、以下の6つに分類し、概要・効果の特性等を記述しています。 風を活用した対策、緑を活用した対策、水を活用した対策、反射を活用した対策、人工排熱対策、普及啓発 第4章優先対策地域と熱環境マップ ヒートアイランド現象の要因の存在量が大きく、かつ対策効果が大きいと予測される地域を抽出し、23市町域にわたる優先対策地域を設定しました。 また、当該地域をヒートアイランド現象の要因等の状況から5種類の地域に類型化し(熱環境マップ)、類型毎に各種対策技術の適性を評価しました。 参考資料 優先対策地域内の県や市町のヒートアイランド対策の実施状況(主に都市緑地保全・緑化)を取りまとめました。 また、市町毎に拡大した熱環境マップを掲載しました。 参考資料1 参考資料2 概要版.
次のヒートアイランド対策 ヒートアイランドとは、都市部の気温がまわりの地域に比べて高くなり、等温線を描いたときに、ちょうど島のように見える現象のことです。 吹田市は、第2次環境基本計画の重点プロジェクトとして、ヒートアイランド対策に取組んでいます。 この気温上昇はヒートアイランド現象によるものと考えられています。 気象庁:都市化の影響による気温上昇等の解析結果について~ヒートアイランド監視報告 平成23年 ~より引用 大阪府ホームページ より引用) 私たちの生活感覚でも、例えば、このような変化にお気づきでしょうか。 最近、猛暑や酷暑などと呼ばれる日が多くなった。 昔は窓を開ければ寝られたが、最近はクーラーなしでは寝られない。 今の吹田の子どもたちは、雪遊びをしたことがほとんどない。 これらとヒートアイランド現象との因果関係はわかりませんが、夏冬とも、気温が高くなっていることはデータだけでなく、すでに体で感じられるほどになっています。 ヒートアイランド現象の原因 ヒートアイランド現象の原因としては、以下の3つが考えられています。 建物のコンクリートや、道路のアスファルトなど、人工的な構造物が増加したことにより、太陽からの熱を貯めやすくなっている。 建物の増加により、放射冷却が妨げられるとともに、空調機器からの排熱が増加している。 緑地や水面が減少したことにより、熱が冷めにくくなっている。 涼しく過ごすための工夫や知恵 どうしたら涼しく過ごせるか、簡単にできる方法を具体的に解説するパンフレットを作成しました。 PDFファイル; 2942KB お役立ち情報満載のパンフレットですので、ぜひご覧ください。 吹田市の取組み ヒートアイランド現象は、私たちの快適な生活環境を損なわせ、熱中症の発生と相関があり、また空調にかかるエネルギー消費量を増加させるため地球温暖化対策を困難にさせることにもつながります。 そこで吹田市は、ヒートアイランド対策を、第2次環境基本計画の重点プロジェクトとして位置付けて、施策に取り組んでいます。 ヒートアイランド現象の実態把握 本市におけるヒートアイランド現象(特に地表面温度)を調査しました。 本市の夏季高温化(地表面温度)の状況 平成23年度 2011年度 に、航空機搭載型赤外センサーを用いて、吹田市全域の地表面温度を撮影しました。 地表面温度が高いところは赤く、低いところを青く示しています。 昼間の地表面温度の状況 ビルや集合住宅が多い江坂周辺、JR以南地域、吹田サービスエリア周辺 五月が丘、佐井寺南が丘など ほかで、地表面温度が高くなっています。 特に屋外駐車場、人工芝、建築物の屋根は温度が高くなっています。 一方、神崎川などの河川や、千里緑地・万博公園などの大規模な公園・緑地は、地表面温度が低くなっています。 夜間の地表面温度の状況 戸建住宅が多いJR以南地域は、夜間になると地表面温度が下がりますが、江坂周辺、吹田サービスエリア周辺ほかは、夜間になっても温度が下がらないところがあります。 特に、道路や屋外駐車場が高い温度を維持しています。 夏季昼間の地表面温度 夏季夜間の地表面温度 平成23年 2011年 8月11日 12時00分~12時30分 平成23年 2011年 8月10日 23時07分~23時38分 画像をクリックすると、別ウィンドウに大きい画像 約2MB を表示します。 熱環境(地表面温度較差)マップ 地表面温度データをメッシュ単位で集計し、昼夜とも相対的に温度が高い地域を把握しました。 相対的に温度が高いところは赤く、低いところを青く示しています。 ビルや集合住宅が多い江坂周辺、吹田サービスエリア周辺 五月が丘、佐井寺南が丘など 、大規模駐車場がある場所などは、昼夜とも相対的に地表面温度が高くなっています。 画像をクリックすると、別ウィンドウに大きい画像 約1MB を表示します。 報告書 PDFファイル; 3323KB まちづくりにおけるヒートアイランド対策の推進 環境まちづくり影響評価(環境アセスメント)・環境まちづくりガイドライン【開発・建築版】での活用 吹田市のヒートアイランド現象の実態調査から得られたデータを、実際の開発事業におけるヒートアイランド対策の検討に使用しています。 大規模建築物・駐車場の所有者への啓発 大規模建築物・駐車場の所有者に、パンフレットを使って、ヒートアイランド現象とその対策を啓発しました。 PDFファイル; 2942KB みどりのカーテンの設置 公共施設で、しています。 また、市民と協働して、みどりのカーテン講座を開催しています。 ドライ型ミストの設置 吹田市は、平成21年度(2009年度)に、国の交付金(地域活性化・経済危機対策臨時交付金)を活用し、JR吹田駅周辺まちづくり協議会に補助金を交付して、旭通商店街と錦通商店街への国内最長(全長1,044メートル)のドライ型ミストの導入を支援しました。 7月から9月まで午前10時から午後6時までの間、自動制御(気温30 度以上、湿度70%未満で自動散布)により、ミスト(濡れを感じない微細な霧)を散布し、商店街一帯の気温上昇を抑制しています。 緑が少ない中心市街地のヒートアイランド対策となるだけでなく、買い物客は衣服を濡らすことなく快適に買い物を楽しめるため、中心市街地の再活性化にもつなげています。
次の掲載日:2020年6月18日 ヒートアイランド現象と気候変動 ヒートアイランド現象は、地表面被覆の人工化や人工排熱の増加、気象条件など多くの要素が絡み合って、都市部の気温が郊外に比べ高くなる現象です。 また、ヒートアイランド現象とは別に、温室効果ガスに起因する気候変動により、地球規模で気温の上昇(地球温暖化)が観測されており、今後も上昇が予測されています。 そのため、都市部においては、ヒートアイランド現象による気温上昇に、気候変動による気温上昇が重なることで、熱中症・睡眠障害などの健康への影響、空調負荷の増加によるエネルギー消費量の増加など、さまざまな影響が懸念されています。 神奈川県では、「神奈川県地球温暖化対策計画」において、ヒートアイランド現象の緩和を気候変動の影響に対処するための施策(適応策)の一つに位置付けて、取組を推進しています。 神奈川県のヒートアイランド現象 神奈川県では県や市町村におけるヒートアイランド対策の円滑な推進のため、横浜市、川崎市と連携し、県内全域の気温観測によるヒートアイランド現象の実態把握を行っています。 県内の8月の気温観測結果 県内の公立小学校に設置されている百葉箱等に、温度ロガーを設置し、毎年8月の気温を測定しています。 3 16 217 112 4 25 18 107 H26 26. 8 2 134 194 1 17 14 97 H27 26. 8 7 140 200 2 18 17 98 H28 27. 1 6 120 152 2 20 11 98 H29 26. 5 5 110 244 2 16 11 97 H30 28. 0 11 194 119 4 22 20 90 R1 28. 3 6 185 71 3 24 20 92 神奈川県内の平均気温・真夏日日数などの分布(令和元年8月) 平均気温の分布 令和元年8月の平均気温は、過去数年の中では、比較的高温であり、前年(平成30年)や平成25年とおおむね同程度でした。 熱帯夜日数の分布 熱帯夜の日数の分布から、夜間から朝にかけては、川崎市・横浜市・横須賀市の臨海部および相模湾東側の沿岸部が暑いことがわかります。 なお、年により気温の絶対値は異なるものの、相対的な分布傾向は類似しています。 令和元年度の調査結果のまとめは、こちらのをご覧ください。 また、平成30年度以前の調査結果などは、「」をご覧ください。 神奈川県内の市町村におけるヒートアイランド対策に係る施策・事業調査結果について 神奈川県では、県内の市町村におけるヒートアイランド対策実施状況について、調査しました。 本調査結果については、調査結果の概要及び一覧表をご覧ください。
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