原因菌により治療法が抗真菌薬かゲンタシンか分かれる 皮膚に異常があらわれたときには、それが細菌によるものかどうか見極める必要があります。 水虫などを引き起こす白癬菌はカビの一種であり抗真菌薬なら有効性がありますが、アミノグリコシド系抗生物質であるゲンタシンは効きにくいことが多いため、塗り続けても効果が期待できなくなるからです。 病院では患部の皮膚を採取し顕微鏡で調べたり、血液検査などでも原因菌が何なのか知ることができます。 ゲンタシンは昔から細菌感染症に使われてきた薬で、ブドウ球菌やレンサ球菌などに有効性があり、ニキビや緑膿菌感染で皮膚に異常が出たときの治療にも用いられています。 ゲンタシンは塗り薬のため、副作用がないと勘違いする人もいますが、薬の影響で発疹やかゆみが出ることがありますし、広範囲に塗ることで耳鳴りやめまいを感じる人がまれにいるので、元々薬に弱い人は使用する際に配慮する必要があります。 抗真菌薬もゲンタシンも古くから使われてきているため、耐性がついてしまっている菌も多くいます。 1週間程度塗り続けても皮膚の異常が変わりない状態であれば、別な薬に変えてもらうなどの対応をしてもらいましょう。 勝手な考えで長期使用すると悪化することもあるので、一度処方されたらもう病院に行かないのではなく、何日か経過したらもう一度診てもらった方が安心です。 水虫に抗真菌薬を塗布した後は、なるべく乾かしておくことが求められますが、ゲンタシンはガーゼなどに伸ばして塗って、患部に貼るなど使い方が違っているので、混同することが無いようにします。 目の近くなどに使うことはできないため、塗布した後は手を綺麗に洗うようにして、薬が付いたままの手で目をこすらないように注意することが不可欠です。
次のゲンタシン(成分名:ゲンタマイシン硫酸塩)はアミノグリコシド系の抗生物質です。 病院などで処方される医療用医薬品で、塗り薬としてはゲンタシン軟膏0. ゲンタシンは細菌の正常なタンパク質の合成を阻止して効果を発揮する抗菌薬です。 ただし大部分の嫌気性菌(酸素を嫌う細菌)には抗菌力を示しません。 ゲンタシンの軟膏とクリームは何が違う? ゲンタマイシンの塗り薬には軟膏とクリームがあります。 軟膏とクリームの違いは以下のようになります。 季節や症状、生活のスタイルで使いわけることが多いです。 剤形 利点 欠点 軟膏 ・長くもつ ・患部の保護作用が高い ・ベタつく クリーム ・伸びがいい ・塗り心地がいい ・水洗いで落としやすい ・汗などで流れやすい ゲンタシンの効果 ゲンタシンは細菌の増殖を防ぎ、部分的な感染症を治します。 主に皮膚の感染症の治療に用いられます。 すり傷、切り傷、化膿した部分・傷、とびひ、やけどの水泡が破けてジュクジュクした傷などに処方されます。 また、虫刺されやあせもを掻きむしってしまった場合、掻きむしった傷からの感染を予防するために処方されることがあります。 ただし、ゲンタシンにはかゆみや炎症を抑える効果はないので、かゆみ止めと合わせて処方されることが多いです。 〈適応菌種〉 ゲンタマイシンに感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属(肺炎 球菌を除く),大腸菌,クレブシエラ属,エンテロバクター属, プロテウス属,モルガネラ・モルガニー,プロビデンシア属, 緑膿菌 〈適応症〉 表在性皮膚感染症,慢性膿皮症,びらん・潰瘍の二次感染 ゲンタシン軟膏0. 耐性菌(ゲンタシンが効かない菌)を作らないために、医師の指示なしに自分の判断で塗るのを止めないでください。 陰部に使える? ゲンタシンは刺激となるものが入っておらず陰部(デリケートゾーン)にも使うことができます。 下着などを汚さないためにガーゼなどを使う必要があります。 顔に使える? ゲンタシンは顔や唇にも使う事はできますが、目に入らないように気をつけてください。 もし入った場合はすぐに水で洗い流してください。 |ゲンタシンと同じものはないが抗菌薬の軟膏はある! 2017年8月現在、ゲンタシンと同じ成分(ゲンタマイシン硫酸塩)の市販薬はありません。 ゲンタシンが必要な方は医師の診断を受ける必要があります。 ゲンタシンと同じ成分の市販薬はありませんが、抗菌薬は市販薬としてドルマイシンなどがあります。 ドルマイシン軟膏はコリスチン硫酸塩とバシトラシンという2つの抗菌薬を配合した軟膏です。 外傷ややけどの化膿予防、毛嚢炎や湿疹などに使用できます。 急ぎで使いたい方におすすめです。 ニキビには効く? ゲンタシンにニキビへの効果は期待できません。 ゲンタシンの適応菌種の中に、ニキビの原因菌であるアクネ菌はありません。 ニキビ治療の塗り薬としてはクリンダマイシンリン酸エステルを成分とするダラシンTゲル1%などがよく処方されます。 ただし、ニキビが化膿してしまっている場合や皮膚に細菌が感染して起こる毛嚢炎(もうのうえん)では、細菌感染への治療としてゲンタシンが処方されることがあります。 毛嚢炎は見た目がニキビに似ているため、「ニキビにゲンタシンが処方された」と勘違いされてしまうこともよくあります。 【薬剤師がおすすめするニキビの市販薬】 ニキビ治療薬の市販薬ではアクネ菌を殺菌する成分イソプロピルメチルフェノールが配合されたペアアクネクリームWがあります。 カンジダには効く? カンジダも「細菌」ではなく「真菌」の仲間です。 細菌感染の治療薬であるゲンタシンでは直接的な効果はありません。 ただし、二次的な感染を防ぐためにカンジダの治療薬に加えて処方される事があります。 腟のカンジダの治療薬としてはオキナゾール膣錠やアデスタン膣錠などが処方されます。 病院で腟カンジダの診断を受けた事のない方、腟カンジダ以外のカンジダの方は使用できません。 【薬剤師がおすすめする膣カンジダの市販薬】 市販薬の腟カンジダ治療薬としては腟坐剤のメディトリートや外陰用クリームのメディトリートクリームなどがあります。 ただし、メディトリートは過去に医師の診断・治療を受けた事がある腟カンジダの再発の治療に限られます。 メディトリートは腟坐剤と外陰用クリームを併用できる特徴があり症状のある部位によって使い分けます。 カンジダ症状がある部位 適切な薬 腟 (外陰症状はないか、外陰病変は腟口部のみの狭い範囲に認められる場合) メディトリート(腟坐剤) 腟及び外陰 ( 外陰病変は腟口部より広い範囲に認められる場合) ・メディトリート(腟坐剤) ・メディトリートクリーム(外陰用クリーム) 外陰 (外陰病変は腟口部より広い範囲に認められ、腟症状はない場合) ・メディトリートクリーム(外陰用クリーム) 【ただし、腟内にも原因菌が増殖している可能性があるためメディトリート(腟坐剤)との併用が望まれます】 使用上の注意 ・ゲンタシンはゲンタシンを含めたアミノグリコシド系の抗生物質やバシトラシンに対し過敏症を起こしたことのある方は使用できません。 ・ゲンタシンの使用は耐性菌の発現等を防ぐため、原則として治療に必要な最小限の期間にとどめてください。 ・目には使用しないでください。 副作用 ゲンタシンの副作用はめったに起こるものではありませんが、主な副作用には発疹、かゆみ、発赤、腫れなどが報告されています。 また、腎障害、難聴の副作用が出る可能性があるため、長期間の連用を避けてください。 もし、発疹、かゆみ、発赤、腫れ、音が遠い、聞こえにくいなどの症状が出た場合は使用を中止して、医師の診療を受けてください。 ゲンタシンとよく比較される塗り薬がリンデロンVGです。 リンデロンVGはゲンタシン(ゲンタマイシン硫酸塩)にステロイド(ベタメタゾン吉草酸エステル)を加えたものと言えます。 Strong(強い)に属しています。 リンデロンVGは抗菌薬にステロイドが加わることにより、かゆみや炎症を抑えることができるようになりました。 虫刺されやあせも、皮膚炎、湿疹、やけどのジュクジュクなどのかゆみや炎症を伴う部分の感染予防には、ゲンタシンよりもかゆみや炎症も抑えられるリンデロンVGがおすすめです。 ただしステロイドは免疫を下げるためゲンタマイシン硫酸塩の効果が薄い細菌や真菌などに使うと、症状が悪化してしまう場合があります。 まとめ ゲンタシンは切り傷や化膿など幅広く使うことができます。 しかし、先にあげたように効果がないものも多くあります。 効果がないものへ使用していると、その間に症状が悪化してしまうことも考えられます。 薬を使う時は症状に合う薬を使うことが一番大切なことです。 もし何を使ったら良いかわからない方は、病院を受診するか薬局・ドラッグストアなどの薬剤師・登録販売者や薬剤師のいる質問サイト(ミナカラなど)でどの薬を使ったら良いか聞くようにしてください。 出典:独立行政法人医薬品医療機器総合機構ホームページ.
次のゲンタシンの陰部への使用 ゲンタシンは、やけどやニキビをはじめ、いろいろなできものにも効果があります。 ゲンタシンは抗生物質なので、その炎症の原因となる菌を直接退治してくれます。 また、刺激も少なく、副作用も比較的少ないので、陰部へ使用しても問題ありません。 ゲンタシンは無色透明で無臭なので、安心して使用することができます。 ただし、傷ができていたり、できものができている場合は、使用を控えたほうがいいでしょう。 また、かなりべたつくので注意が必要です。 あまり多量に塗りすぎると、べたべたになってしまいかなり不快だと思うので、使用する量は患部に薄く塗る程度にしましょう。 使用頻度は、1日に2、3回程度が適切です。 たくさん塗れば、早く治るというわけではないので注意してくださいね! ゲンタシンの副作用 用法容量を守って使用すれば副作用がでることはほとんどありませんが、その人の体質や体調によっては副作用がでることがあります。 副作用としては以下の症状があります。 かゆみ• できものができる このような皮膚への副作用が現れたら、すぐに使用を中止して病院へ行くようにしてください。 また妊娠中、授乳中の方の使用は控えるようにしましょう。 ゲンタシンは市販されている? ゲンタシンはとても使いやすく、良い効果が期待できる塗り薬ですが、薬局やドラッグストアなどで 市販はされていません。 したがって、病院で処方してもらう必要があります。 皮膚科で症状を伝えれば、適切な治療薬を処方してもらえるはずです。 ただし、陰部の使用などにより病院で受診するのはちょっと、、という人は成分が似ている塗り薬が市販されています。 それは、 ドルマイシン軟膏という治療薬です。 この薬も同じように、皮膚の炎症作用を抑えてくれます。 この二つの薬の違いは含まれる抗生物質の成分が少し違うだけです。 厳密にいうと炎症を起こしている原因となっている細菌の種類によって、二つを使い分けるのがいいのですが判断が難しいと思うので、症状が軽い場合は市販されているドルマイシン軟膏を試してみるといいと思います。 その後、症状が悪化したり、なかなか治らない場合は病院で診察を受けて適切な治療薬を処方してもらいましょう。 他にも市販はされていませんが、有名なステロイド薬として アンテベート軟膏や リンデロンvg軟膏があります。 こちらで詳しくお伝えしているので、ぜひ参考にしてみてください。 【】 【】 まとめ ゲンタシン軟膏は、刺激が少なく、体に悪影響を及ぼすこともほとんどないのでとても使いやすい薬です。 ただし、市販されていないので病院へ行くことができない場合はドルマイシン軟膏を代用として使ってみるといいと思います。 さらに、ゲンタシン軟膏で治療することができる病気についてはこちらで詳しくまとめています!ぜひ参考にしてみてください。
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