ふたつの構図を見比べてみよう 読者が一瞬で理解できることを意識して構図を考えると、キャラクターの心情や背景が伝わりやすくなります。 実際に、2つのサンプルを比べてみましょう。 こちらの例ではあまり重要な場面には見えません。 全体を俯瞰しているため客観的に見えます。 このような構図は雑談や重要でないキャラ同士のシーンに向いています。 また、前のコマとキャラクターの向きが異なると読者が混乱しやすくなるので気を付けましょう。 構図B(伝わりやすい構図) 同じシーンの構図を変えてみました。 いかがでしょうか?登場人物の心情や現場の様子がよりわかりやすくなったと思いませんか? カメラアングルから伝わる状況、感情 漫画では 状況や感情を極端に表現した方が読者に伝わりやすいです。 構図とマッチしたシーンをリストアップしました。 このポイントに当てはめていけば、構図で悩む心配が少なくなります。 漫画を描いて、技術の幅を広げよう! 漫画もイラスト制作と同様に、読者が一目見て分かる構図を作ることが重要です。 「漫画も描ける」スキルは絵描きとして強みのひとつになるので、これを機に技術の幅を広げてみるのはいかがでしょうか? [著・画:天川詩月(あまかわしづき)] pixiv Twitter 2002年12月からフリーランスのCGイラストレーターとして活動。 過去にアナログで漫画を描いていた経験を活かし、2013年からCLIP STUDIO PAINT EXを使い始めました。
次のどちらが4 分割して描いた線? 実は Bが4 回に分けて描いたものです。 AもBも差はほとんどないと思います。 では、線Bはどのように描いた線なのか見てみましょう。 こうすることで、線の切れ目が見えなくなり、1本の線として見えるようになります。 このように、線のつなぎ方さえマスターしてしまえば、どんなに長い線でも分割して、綺麗な1本の線として描くことができます。 基準になる線を描く 曲がりはじめがどこになるのか意識しておきましょう。 2 つ目の曲線を描く 曲がりはじめを1で描いた線に沿うようにすると、線のつながりが自然に見えるようになります。 いらない部分を消す はみ出ている部分を消します。 線同士の接続部をより自然に見せるために丁寧に消していきましょう。 完成 完成です。 実際に描く時は線の色を変える必要はありません。 このような線のつなぎ方を覚えておくことで、気構えることなく綺麗な線を引くことができるのです。 また、身もふたもないことを言ってしまうと、完成したイラストを見る人に、「この線は一度で描いたものかどうか?」という視点で評価されることは、基本的にないと言ってもいいでしょう。 線画を描いていく ここでは実際にサンプルのイラストを描く様子を通して、線画の描き方のコツを解説します。 正確な線を描いた後に、その強弱を後づけしていくイメージです。 手順を分けることで、一度に考えなくてはならないことが減らせます。 ラフをもとに線を描く• 顎の輪郭を描く 「体」レイヤーを作って描いていきます。 前髪を描く 3. 前髪以外の髪の毛を描く ラフ線の一部がつながっていないので、その部分の形が崩れないよう注意したり、頭全体の形を確認しながら描きます。 また、顎のラインが髪の毛で見えなくなるところまで描いてしまったので、はみ出てしまった箇所を消しゴムツールで消します。 目の輪郭を描く ここからは表情を描き込んでいきます。 表情は「顔」レイヤーに描きます。 目の輪郭をバケツツールで塗りつぶします この時、下書きレイヤー機能が効果を発揮し、ラフに左右されず塗りつぶすことができました。 目、眉毛、鼻、口を描いていく この時、ラフにはなかった目の下まつ毛部分も描き足しています。 眼鏡を描いていく 「 眼鏡」レイヤーを作って、眼鏡を描きます。 別レイヤーにすることで、後の作業が楽になります。 左側のフレームに小さな鼻あても追加しました。 眼鏡を描く時には、「顔」レイヤーの表情を非表示にすると、より描きやすくなります。 眼鏡に隠れる部分の線を消す 眼鏡と髪の毛や肌の位置関係を考えて、眼鏡で隠れる部分の線を消していきます。 眼鏡を持つ右手を描く 眼鏡を持つ右手を描き、右手で隠れる部分を消していきます。 首から襟、リボンにかけてを描く この時、リボンのラフの形があまり可愛くない感じでしたので、大きさは合わせたまま、丁寧に再度描き起こしました。 カーディガンと左手を描く 胸の位置やバランス、左肩からできる皺の大きさがやや不自然に感じたので、このタイミングで修正しました。 スカートを描く スカートの輪郭はラフから大きく変えていませんが、スカートの皺を少し細目の線で描いています。 足を描く 左右の膝の位置と、左足のももの太さを修正しています。 このように線画を描いた部位の隣り合っている部分を順に描いていくと、全体のバランスを確認しながら描きやすくなります。 ラフはあくまで大まかな目安くらいなものだと思って、線画を起こす時におかしいと思ったら直してしまいましょう。 ラフ通りに描かないといけない、ということはありません。 最終的に納得のできる絵を描くことができればOK なのです。 そこで線画の一部にさらに加筆して立体感を出していきます。 線を加筆する場所は、主に影が落ちる部分に接した線で、例としては、前髪から肌に落ちる影を意識して、前髪の流れの交点に線を描き加えていきます。 反対に、落ちる影がなさそうな後ろ髪や、髪が肩にかかっている部分には加筆はしないほうがよいでしょう。 モノクロの漫画表現としてはこのような線を見かけることもありますが、フルカラーイラストを描く際にはほとんど使わない表現です。 今回の線画に対して加筆を行った場所は下図の赤色で表している部分です。 主に影が落ちやすい部分や、服の皺の交点などを中心に全体的に入れています。 もっと強く線の強弱を出すために、線を太めに加筆してしまってもかまいません。 このあたりのさじ加減は個人の好みによるところが大きいです。
次のスポンサードリンク 漫画の人体の描き方の前に骨格と筋肉のつき方を知る 漫画で人体の描き方に行く前に、まず大前提として知っておくべきことがあります。 それは 人間の骨格と筋肉のつき方です。 漫画で人体を描くとき、人間の骨格や筋肉がどういう形をしていて、どの辺についているかということを知っておくと、それっぽい体が描きやすくなるのです。 漫画で体を描くときに、骨格や筋肉の正確な名称なんて覚えなくてもいいのです 覚えたい人は自由に覚えてください。 しかし腕や足の内部の筋肉のつき方を知っているともっと人間っぽい絵にすることが出来るのです。 漫画の根本は落書き精神なので、体の描き方を知らなくても自由に描けばいいんです。 でも漫画で人間の体っぽく描きたいなら、骨格と筋肉がだいたいどんな感じでついてるのかを把握することは役に立ちます。 人間の体を見たときに外見に影響を与えている筋肉や骨格が分かるだけでも、それっぽい体を描きやすくなるのです。 僕は漫画で人体の描き方の練習をするときは、まず骨格や筋肉のみの絵を何度も描いて練習しました。 骨格や筋肉の絵を何度も描くことで頭の中に、人体の構造の全体像を叩きこんでいたのです。 一度筋肉や骨格の構造が把握できれば、動きのある人体、様々な角度からの人体を描くときにも応用が出来るので、描けるようになります。 人体の描き方を練習するときは、体内部の筋肉や骨が透けて見えるイラストなどを参考に模写すると感覚がつかめてきます。 こちらの本は僕が今でも人体の描き方を練習するときに参考にしている本です。 人体と同時に骨格や筋肉が透けて見えるイラストが載っているので、人体を描く練習に適しています。 漫画の体の描き方:アタリをとる ここから漫画の人体の描き方を見ていきましょう。 人間の体は 4歳が約5頭身、 10歳が約6頭身、 14歳が約6. 5頭身、 18歳が約7頭身くらいだと言われています。 頭身とは全身の長さを、頭の大きさをもとにして測るものです。 漫画の体の描き方 頭身 7頭身というのは、その人の頭の大きさが7個縦に並んだ長さということ。 人間の体を描くときはこの頭身を意識して、まずはアタリ 体のラフ をとっていきます。 これは人体の頭のアタリです。 縦に入っている線が中央を表わしています。 首を描いたら鎖骨のアタリをとります。 上の図のように僕はアタリを取るとき 関節に当たる部分は丸を描いて、線で結ぶようにしています。 体のアタリを描いていきます。 腕と手のアタリを描いていきます。 腰と膝のアタリを描きます。 足のアタリまで描いて完了です。 人体を描くときはアタリから取っていき、体全体のバランスを整えましょう。 漫画で人体を描く時に気をつけること 漫画で人体を描くときは、まずアタリから描いた方が安全です。 アタリを描かないで直に体の細かい部分を描くと、途中で全身のバランスがおかしいと気づいたとき、描き直すことになる危険があるからです。 漫画の体を描くときはアタリを描いて全身のバランスを整えたら、アタリをもとに体の詳細な部分を描いていくとスムーズに作業が運ぶのです。 人体を描くことに慣れている人はアタリを描かずにいきますが、初心者はアタリを取ってから体の細部描写に入った方が安全でしょう。 体のアタリを取るときに気をつけることは、ひじや股の位置です。 ひじの位置を確認するときは、あなたが直立して両手を体にぴったりつけてみて下さい。 おへそのやや上あたりにひじがくるかと思います。 実際に立ってみて両手を体につけると、 手首の線と股の線がだいたい同じ位置に来るかと思います。 ・ひじはへその少し上あたり。 ・股の線と手首の線はだいたい同じ。 ひじと股のだいたいの位置を確認したら、アタリをとるときに目じるしとして描けば良いのです。 漫画の人体の描き方:男女の違い 漫画の人体の描き方で男と女では描き方に若干の違いがあります。 男性は女性に比べて筋肉質な体をしているので、 直線を用いて描く感じ。 女性はまるっこく、 曲線を使って描くようにします。 男っぽく描きたければ肩幅を広めにとり、胸を広く、ウエストを低くして、直線を多めに使って描きます。 女っぽく描きたければ肩幅を狭くとり、胸をせまく、ウエストを高く、できるだけ曲線で描きます。 女性キャラクターを描くときに男の描き方をすると、男っぽい女キャラに見える。 男性キャラクターを描くときに女の描き方をすると、女っぽい男キャラに見えるのです。 スポンサードリンク 漫画の人体の描き方:関節をしっかりとらえる 漫画で人体を描く時のコツは 関節をしっかり捉えること。 人間の体は関節によって手や足が動くようになっており、関節部分を意識して描くことで人間の体っぽく見えるようになります。 人体の構造を知らない人は漫画で体を描くときに、関節を意識せずまっすぐな線で描いてしまうことがあるでしょう。 しかし実際に人の体をみると腕や足はまっすぐな線ではありません。 関節の部分はその他の部分よりふくらんでいるなど、外見に変化があるはずです。 関節や筋肉がどうついているかを意識しながら人体を描くことで人間っぽく見える絵になっていきます。 漫画の人体の描き方:コントラポストを意識する 漫画の体を描くとき、その人物の重心がどこにあるかを意識しながら描くことが大切です。 人間は身体を足で支えているので、立ちポーズを描くにしてもどこが重心を支えているかを考えながら描くということです。 漫画の体を描くときに知っておくと役に立つのが コントラポストです。 コントラポストとは、体の重心を片方の足にかけて立つ人物のことで、視覚芸術に関する言葉です。 コントラポストを描くときは腰と肩の傾きに注意します。 コントラポストで体の重心がかかるほうの腰が上にあがり、重心がかからない方の腰は下がるのです。 コントラポストは体の中心を通る線がS字型になるような感じです。 またコントラポストのかかった体は腰と肩の傾きが逆になります。 ルネサンスの彫刻家ミケランジェロの彫刻や絵画には、コントラポストがうまく施された名作がありますね。 コントラポストをかけると重心のかかった方の腰が上がり、かかってない方の腰が下がる。 また腰と肩の傾きが逆となり、S字型カーブのような体の線になるわけです。 コントラポストを使うことで、 動きを感じさせる立ちポーズにもできるので是非自分の絵に取り入れて見ましょう! 漫画の人体の描き方:アタリをもとに体を描いていく 漫画で体を描くときはまずアタリをとり、アタリをもとに体の詳細な絵を描いていきます。 アタリの線に肉付けをしていく感じですね。 まずはアタリに対して体を描きます。 そして 体の上から服を着せて描くのです。 アタリに対していきなり服を着せて描くのもありでしょう。 体の形に合わせて服を描くことで、それっぽい体に見えてきます。 アタリを先に描いておけばそこに肉体をまとわせるだけなので、体が描きやすくなります。 漫画の体を描く練習をするときは、様々な角度から描けるようにしておきましょう。 キャラクターをあらゆる角度から描けるようになると、 漫画で使えるキャラシーンの幅が広がります。 人体を正面からだけでなく横から斜めから、フカン、アオリと色々描いてみましょう。 人体に角度をつけて描くときも、まずはアタリから描いていきます。 漫画の人体の描き方の練習:動きのある体を描く 漫画の人体を描くときは、動きのある体もたくさん描きましょう。 漫画ではキャラクターは動き、しゃべり、ドラマを展開するので、動きのある体を描くのは必須になります。 体の動きを描くときもアタリから描き始め、アタリに対して体を描いていくようにします。 漫画の人体の描き方の練習:体を部分的に練習する 漫画の体を描くときは、まず体全体を描くことに慣れましょう。 その上で、体の難しいポイントに絞って部分的に練習をすると良いです。 部分的な体の絵ばかり描いていると、体全体を描くときのバランス感が養われずらい。 なので 僕は体全体を描くことに慣れつつ、徐々に部分的な体を描いていく練習をしていました。 体の部分で苦手な場所があれば、集中的に描いて練習しましょう! 漫画の人体の描き方の練習:大きめの紙にのびのび描く 漫画の体を練習するときは、紙を大きく使ってのびのび描いた方が良いです。 ただでさえ人の体全身を描くので、描く範囲は大きくなります。 しかも動きのある体を描くのであれば、紙を大きく使って描いた方が迫力も出るでしょう。 紙の端っこに小さく描く練習をするよりは紙を大々的に使って、人間の体をダイナミックに捉えていきましょう! しかし漫画を描くときは小さなコマに描くこともあるので、大小共に安定して体が描けるようにしておくと融通がききます。 漫画の人体の描き方の練習:絵は描いただけ成長する ここまで色々人体の描き方について書いてきましたが、一番大切なことは 「絵は描いただけ成長する」ということです。 絵が描けない人というのは、絵をそんなにたくさん描いていないことが多いのです。 絵を描いて成長する速さは人によって異なるけど、試行錯誤しながら量を描いている人はやはり描けるようになります。 絵が描けるかどうかというのは、 絵をたくさん描いているかどうかに大きく関係しているのです。 漫画を描くとき人体を描くのは避けて通れないでしょう。 人間っぽい体を描けるようになりたいのであれば、毎日のなかに体を描く習慣を取り入れていみることが大切です。 絵は描き続けて、小さな一歩を積み重ねていくなかで、描けるようになるのです。 漫画の人体の描き方のまとめ 愛野すず 全身 イラスト 漫画の人体の描き方について見てきました。 漫画で人の体を描くときにまず知るべきことは、 人間の骨格と筋肉のつきかたです。 「体を曲げると筋肉はどう変化をするのか?」 「手の関節はどんな風についているのか?」 など 体の外見に影響を与える筋肉や関節について知ることで、人間らしい体が描きやすくなるのです。 そして 人の体を描くときは、アタリから描いていきます。 アタリを元にして詳細な肉体を描き、その上に服をのせていくのです。 人の体を描くときは描きやすい方向だけからでなく、あらゆる角度、動きを描けるようにしておきましょう。 描きづらい角度、動きの絵こそ、たくさん描くべきです! そして人体を描くときは体全体を描きつつ、徐々に苦手な部分的な絵を練習するようにすると、バランスよく体が描きやすくなります。 漫画におけるキャラクターの体の絵は奥が深いですが、千里の道も一歩からなので、是非楽しんで体を描いていきましょう! 以下の本は人体の表面のみでなく骨格や筋肉が透けて見えるイラストも載っており、身体の描き方を練習するときに役に立つ本なのでおススメです! 漫画とアートが融合した「漫画アート」の創作をする、自称「天才漫画アート芸術家」!物心ついた頃には絵を描いており、7歳のときに漫画を描き始め、18歳のときに絵画と出会う。 その後、自分の中で漫画とアートは一つとなり「漫画アート」の創作を始める。 2010年~2013年ころにFC2やSeesaa 無料ブログ でブログを書いていました。 2016年9月にワードプレスでブログ「天才漫画アート芸術家」を立ち上げ、今に至る。 漫画描き、絵描き、ブロガー、漫画アートYouTuber、Webライターなどをしています。 これら全部ひっくるめて漫画アートです。 僕にとって生きること全体が漫画アート!漫画アートは僕にとって表現をこえた宇宙であり、生きることそのもの。 詳細なプロフィールページはただいま作成中。 漫画アートで世界を変える(change the world with manga art)!これが筆者が向かうところです。 1000年に一人の天才クリエーターと確信する漫画アート芸術家は、「漫画アートで人類史上の最高傑作を生みだす!」という目的へ向けて、今日も容赦なく爆進していきます!.
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