イカナゴの旬は3~5月です 北海道では3か月遅れが旬となります。 稚魚も成魚も美味 イカナゴはスズキ目イカナゴ科の魚で、日本各地に生息しています。 成魚の体長は15~20cm、体は円筒形で細長く、腹びれがありません。 動物性プランクトンを主食としています。 イカナゴは水面を長い群(玉)になって泳ぐ性質があり、そのため漢字では「玉筋魚」と書きます。 イカナゴの稚魚は東日本では「コウナゴ(小女子)」、西日本で「シンコ(新子)」と呼ばれ、生後1年以上のものを「フルセ」といいます。 イカナゴのくぎ煮に使うのはシンコの方で、フルセは釜揚げや天ぷらなどで食されます。 5~5. 0㎝ほどの深さに身を隠してそのまま夏を過ごします。 尖った下顎は、この砂にもぐるときに役立つようです。 仮眠中はエサを食べませんが、体内(消化管)に脂質状物質を蓄えており、極端に痩せ細ることはありません。 秋になって水温が下がると、砂中から出てきて再びエサを食べはじめ、しばらく経つと産卵期に入ります。 なぜ夏眠をするのかは明らかになっていませんが、大事な産卵期を前に敵から身を守り、 体力を温存しているのではないかといわれています。 海底が砂質かきれいな砂泥質でないとイカナゴが生育できない理由は、砂地がないと夏眠ができないためなのです。 「くぎ煮」発祥の地は神戸 イカナゴのくぎ煮の発祥地は、神戸市垂水区といわれています。 イカナゴの醤油煮は、瀬戸内海沿岸地方に古くからあったものですが、それを佃煮として完成させ、くぎ煮と名づけたのが垂水の漁業関係者とのこと。 JR垂水駅北側広場にはイカナゴをかたどったモニュメントがあり、「いかなごGO!GO!」というイカナゴ応援歌が流れているとか。 淡路島や兵庫では、2月下旬から3月初頭にイカナゴ漁がはじまります。 漁は日の出前の早朝から午前中行われます。 船のエンジン音、船上の漁師さんたちの威勢のいい掛け声、網にかかったイカナゴが飛び跳ねる音、漁船に群がるカモメの鳴き声。 垂水漁港のイカナゴ漁の音は、環境省の選定する「残したい日本の音風景100選」に認定されています。 この地方の各家庭では、早春に獲れるイカナゴの稚魚シンコで、くぎ煮を作ります。 特に発祥地、垂水漁港に近い商店街や魚屋さんは、この時期、イカナゴ一色に染まります。 商店街などでは「イカナゴ祭り」を催し、くぎ煮発祥の地をアピールします。 ホームセンターや金物店ではイカナゴの特設コーナーを作り、くぎ煮を作るための大鍋と保存容器を販売します。 デパートやスーパなどの食料品売り場でも、イカナゴ専用コーナーを設け、鍋、保存容器はもちろん、醤油、砂糖(ザラメ)、水飴、ショウガ、山椒など、くぎ煮作りに必要なものを並べます。 最近ではイカナゴのタレまでが登場するようになりました。 イカナゴの主な栄養成分 骨を丈夫にするカルシウム 骨ごと食べられる魚なので、カルシウムがたくさん摂れます。 また、骨の生成に欠かせないリン、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富です。 カルシウムは精神を安定させ、イライラの解消にも役立ちます。 鉄分の補給に 鉄分を多く含んでいますので、貧血を予防してくれます おいしいイカナゴの選び方 目の透き通ったものを選びましょう。 鮮度が落ちやすいので、買ってきたらすぐに調理してください。 イカナゴの下ごしらえ&保存のポイント 傷みやすい魚なので、買ってきたらすぐに調理しましょう。 くぎ煮などにして、冷蔵庫で保存します。 イカナゴの調理のポイント 天ぷら イカナゴはかき揚げにするととてもおいしくいただけます。 水でさっと洗い、ざるに上げて酒を少し振りかけ、生地をまとわせます。 フルセの釜揚げ イカナゴの成魚は釜揚げされたものがよく出回ります。 そのままでも食べられますが、さっと焼いてレモンをしぼり、醤油をかけて食べると一層おいしくいただけます。 また、ニンニクをきかせたオリーブオイルで焼いても美味です。
次の分布と生態 [ ] 北半球の寒帯域から温帯域を中心に熱帯域まで、世界中に5属18種が分布する。 沿岸の粒径0. 5mmから2. 0mmの砂泥底に生息し、主にを餌としている。 日本産イカナゴは移動性が小さく各地に固有の系統群が存在している。 北方系の魚であるため温暖な水域では夏には砂に潜って夏眠を行う。 水深10-30mの砂底に粘着質の卵を産卵する。 産卵期は冬(12月)から翌年春(5月)で寒冷な水域ほど遅くなる。 1歳で10cm程度まで成長し、成熟する。 3年から4年で20cm程度まで成長する。 漁獲 [ ] 日本では沿岸漁業の重要な位置にあり、集魚灯を用いた敷網漁や定置網漁、船曳網により捕獲され、生食や加工用のほか養殖用飼料としても利用される。 しかし、乱獲や生息環境の悪化および海砂の採集による生育適地の破壊 により、日本各地で漁獲量は激減している。 や瀬戸内海では年ごとに生育度合いや推定資源量を調査しその年の漁獲量を決定している。 特に、では夏眠に適した粒度分布の海砂がの骨材にも適していたため夏眠水域の海砂が建設資材として大量に採取され、多くの漁場は壊滅的被害を受けた。 青森県における禁漁 [ ] での漁獲量は1973年に1万トンを越える漁獲であったが、乱獲により1980年代に100トン以下に激減。 1990代後半に1000トンを越えるレベルまで一旦回復したが、その後減少をつづけ、2012年には1トンまで減少した。 漁獲量の減少に対し青森県が2007年から実施してきたイカナゴ資源回復計画 に基づき漁期短縮などを行い資源量の回復を目指したが、回復に失敗し、2012年の親魚量は約1000万尾程度と推定され、適正水準の3億尾 を大きく下回っている。 そのため、2013年漁期から資源回復のために「集魚灯を使った漁や小型の定置網漁の全面禁漁」を決定した。 2019年2月に陸奥湾湾口周辺海域で実施された調査では、稚仔が全く採集されなかった。 伊勢湾における禁漁 [ ] では冬季に資源調査を行い春の漁獲実施を判断している が、2016年及び2017年は前年末から2月にかけて行われた資源調査の結果、稚魚の捕獲数が著しく少なかったため愛知県及び三重県で禁漁となった。 大阪湾のシンコの不漁 [ ] のイカナゴ(のシンコ)漁は、2016年まで毎年1万トン以上の漁獲があったが、2017年以降には極端な不漁に陥り、2019年1月の仔魚採集調査では1998年以降で最も少ない漁獲であった。 実際の漁においても2019年には3日で漁を打ち切るほど低迷した。 なお、以西ではそれなりの漁獲量は維持されている。 調理方法 [ ] いかなごの釘煮 [ ] 市販化されているイカナゴの釘煮 で撮影 兵庫県やからにかけての瀬戸内海東部沿岸部(・)ではイカナゴは いかなごの釘煮というで親しまれている。 の一種で、水揚げされたイカナゴの幼魚(新子)を平釜でや、、などで水分がなくなるまで煮込む。 この際、箸などでかき混ぜると身が崩れ、団子状に固まってしまうため一切かき混ぜない。 炊き上がったイカナゴの幼魚は茶色く曲がっており、その姿が錆びた釘に見えることから「釘煮」と呼ばれるようになったとする説が有力である。 「くぎ煮」は神戸市長田区の珍味メーカーである株式会社(ごぎょふく)の登録商標である。 解禁と同時に水揚げされた2cmほどのいかなごの幼魚は、鮮度が落ちないように収穫後ただちに釜揚げにされ、店頭に並ぶ。 これを新子または新子ちりめんと呼ぶ。 釜茹でした後に乾燥させたものはカナギ(小女子)ちりめんと呼ばれる。 これより大きいもの、およそ4-5cmの大きさのものを釜茹でしたものはカマスゴと呼ばれ、そのまま酢醤油やからし酢味噌で食べる。 この際、一度炙ると香ばしさが出ておいしくなる。 阪神地区、播磨地区では春先になると各家庭でイカナゴの幼魚を炊く光景が見られる。 また毎年3月末頃、出荷された釘煮が阪神地区、播磨地区のスーパーに山積みされるようになると、春の訪れとして消費が盛り上がる。 のたもとにあるや・、、、などの土産物店でもイカナゴの釘煮は販売されており、味のほか味、味のものもみられる。 なお、近畿地方のなかでも、前述の地域を除く他の地域ではイカナゴの釘煮はあまり食されない。 例えば京都市ではいかなごの釘煮よりもちりめん山椒が主流である。 年配者の中にはイカナゴ自体を下魚として嫌う傾向も散見される。 また、前述の通り、一般にいかなごのくぎ煮は、幼魚である新子を調理したものであるが、淡路島などでは成魚であるフルセを調理する地域もある。 フルセを調理したものはくぎ煮と明確に区別するため、佃煮の名称で扱われる。 日本国語大辞典 第二版「こうなご」の項(漢字表記なし)。 広辞苑第5版• 四国新聞社 記事:2009年4月26日 閲覧:2013年2月18日• 三重県水産研究所• 大西正明; 古田忠弘; 山田明広; 泉川誉夫; 山下淳二 1999年12月6日. 香川県. 2011年5月7日閲覧。 2011年4月14日. 2011年5月7日閲覧。 平成17年度青森県水産総合研究センター事業報告 2006年• 東奥日報 記事:2013年2月13日 閲覧:2013年2月18日• jp 記事:2013年2月14日 閲覧:2013年2月18日• 青森県産業技術センター水産総合研究 平成31年3月1日• 三重県• 愛知県• 大阪府立環境農林水産総合研究所 平成31年2月15日発表• 神戸新聞. 2019年3月8日閲覧。 関連項目 [ ] ウィキメディア・コモンズには、 に関連するカテゴリがあります。 外部リンク [ ]• 広島大学生物生産学部紀要 : Journal of the Faculty of Applied Biological Science, Hiroshima University Vol. 30 no. 2 page. 135-192 19911200• 落合明・尼岡邦夫『』 -• 『』 -• 兵庫県漁連• 垂水観光推進協議会• - いかなごのくぎ煮振興協会・くぎ煮検定ほか• - 香川県さぬき市 この項目は、 に関連した です。
次のいかなご 「いかなご」自体は全国で水揚げされていますが、瀬戸内海沿岸は良質な「いかなご」が獲れる漁場で知られており、兵庫県淡路島や沿岸地域の阪神、播磨地域では郷土料理の「くぎ煮」として広く普及しています。 「いかなご」は地方により呼び方が異なりますが、兵庫では稚魚は「新子」、成魚を「古背」と呼びます。 また、関東では「いかなご」を「小女子(コウナゴ)」、宮城では「女郎人(メロウド)」、九州では「カナギ」と呼ばれています。 「いかなご」の名前の由来 「いかなご」は「いかなる魚の子なりや」という意味が名前の由来です。 カマスに似ていて区別がつきにくい事から、「いかが(如何)」、「いかなる(如何なる)」、「魚(な)」の「子(ご)」なのかという意味で「いかなご」と呼んだそうです。 「いかなご」は水温が高くなる夏には砂に潜って休眠する習性がある事から、その生態が不明な点を指して「いかなる魚なのか」という意味合いがあります。 また、漢字では「玉筋魚」と書きますが、「玉」の様に群れて「筋」の様な形の「魚」であるという意味で使われています。 又、英名では「sand lance」と呼び、「砂の槍」という意味です。 「くぎ煮」の由来 「いかなごのくぎ煮」がなぜ「くぎ煮」と呼ばれるのかは、佃煮にした「いかなご」の身が折れ曲がった様子が錆びた古釘に似ているからです。 「くぎ煮」の発祥は諸説ありますが、まずは神戸市垂水区のジェームス山異人館街に「いかなご発祥の地」の石碑があります。 さらに神戸市長田区の駒林神社にも同様の石碑があります。 また、神戸市長田区の網元が「いかなご」を醤油と砂糖で煮たのが「くぎ煮」のはじまりともいわれています。 毎年「いかなご新子漁」が解禁になると地元の鮮魚店やスーパーで「いかなご」の「新子」が並びますが、できるだけ鮮度の良いものを入手する必要があります。 地元では大鍋で大量の「いかなご」を醤油、みりん、砂糖、生姜などで水分がなくなるまで煮詰めます。 タレがなくなるまで煮るのですが、焦げ付かない様に火加減を調節しながら慎重にしなければなりません。 タレには醤油、みりん、生姜、砂糖を使いますが、他にも柔らかくするために酒を使ったり、保存性を高めるために水飴を加える事もあります。 尚、煮詰めているときはかき混ぜると身が崩れてしまうので、鍋全体を振るなどして焦げ付かない様に気をつけます。 いかなごのくぎ煮の通信販売【楽天市場】• いかなごのくぎ煮関連動画 — 作り方・レシピ、イカナゴ漁.
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