方言「たちまち」は広島弁で使われる方言です。 方言「たちまち」の意味は「とりあえず」という意味になります。 実は「たちまち」という言葉は標準語でも使われますが、標準語と広島弁の方言では「たちまち」の意味が大きく異なります。 今回は方言「たちまち」の意味や使われる地域、例文を紹介します。 「たちまち」の意味や使われる地域 「たちまち」は広島県で使われる方言で、意味は「とりあえず」という意味になります。 「たちまち」広島県全域で使われる方言で、広島弁を代表する方言の1つです。 通常日本国内では「とりあえず」という言葉は多くの地域で使われていると思います。 その「とりあえず」を違う意味の方言、 「とりあえず」という意味で「たちまち」という方言を使うのは日本でも広島弁に限られるので、「たちまち」は広島に初めて来た人などは驚くことの多い独特の方言です。 「たちまち」の標準語の意味は? 「たちまち」は標準語でも使われますが、標準語の「たちまち」は「すぐに」という意味になります。 現在では日常会話で「たちまち」という標準語は時々使われますが、 最も「たちまち」の意味がわかりやすいのは、本や演劇など文章に使われる文語体や口語体で使われる表現ではないかと思います。 例えば、演劇の台本に「魔法使いが杖を振ると、この犬はたちまち美女へと変化した」と書いてあると、「魔法使いが杖を振って魔法を使って犬が元の美女へと変化したんだな」という意味がなんとなくわかりますよね。 逆に「あの人は、たちまちどこかに行きましたよ」(あの人はすぐにどこかに行きましたよ)のように、標準語の「たちまち」は時々は今でも日常会話で使われることもあります。 広島弁は独特な方言がたくさんある 広島弁は「たちまち」のように独特な方言がたくさんあります。 TVでは2001年に「かばちたれ」というドラマが放映され、豊富な広島弁が話題になりましたよね。 ちなみに「かばち」とは広島弁で「口が達者な」という意味を持つ方言で、さらに語尾に「たれ(る)」=「言う」が付くことで「かばちたれ」は「文句を言う」「屁理屈を言う」という意味になります。 広島では多くの人が使う「じゃけん」「じゃろ」 「じゃけん」や「じゃろ」は広島では男女を問わず多くの人が日常会話で使います。 「じゃけん」の意味は「だから」で「じゃろ」の意味は「だろう」です。 「じゃけん」は「だ」が「じゃ」に訛り、「~から」「~ので」の意味を持つ九州地方で使われる方言「けん」を組み合わせた方言です。 ちなみに「けん」は語尾につくと「~だよ」とか「~だ」となりますが、文中にくると「~から」や「~ので」と意味合いが変わります。 そして「じゃろ」は「じゃ」が「だ」で、「ろ」が「~ろう」を省略した言葉になり、この2つを組み合わせて「じゃろ」という方言になります。 「たちまち」の例文 広島弁で「とりあえず」という意味で使われる「たちまち」ですが、標準語とは意味が異なる反面、広島県では非常に良く使われる方言です。 ここで例文を3つ紹介しますので、方言の意味を簡単で良いので理解しておきましょう。
次の忽ちの意味とは 「忽ち」は、短時間で状況がに変化した際に用いられる言葉で、すぐに・瞬く間・突然・すぐさま・たちどころ・等々と、同じような使い方をされます。 また、今昔物語集では、現に・実際に等の意味として使われていたので、時代と共にその意味合いも変わっていた事になります。 現在は、「忽ちに売り切れた」や「忽ち雨が降ってきた」などの使い方が一般的です。 忽ちの由来 諸説ありますが、「立ち待ち」が時代経過によって「忽ち」として定着されたとするのが、一般的です。 「立ち待ち」は「立ち待ち月」の略で、立って待っている間に出てくる月となります。 時期は陰暦17日の夜の月とされ、夕方に待っている一時でも、あっという間に月が出てくる事から、意味が付けられたとされています。 忽ちの文章・例文 例文1. 彼女とケンカをしたが、一時間もしないで忽ち仲直りをした。 例文2. 忽ち天気が変わり豪雨となった。 例文3. セミの一生は忽ちに終わってしまう。 例文4. 留学生が短期間で忽ちに日本語を覚えてしまった。 例文5. 新人アイドルが忽ち、国民的アイドルとしてお茶の間の人気者に上り詰めた! 状況が一気に変化する際に「忽ち」を使うと、より強調されるようになります。 「忽ち」には、このような使い方が相応しいと思います。 忽ちの類義語 「忽ち」の類義語には、「すぐに」「不意」「逸早く」などの言葉が挙げられます。 忽ちまとめ すぐに、あっという間などと同じ意味で、代用する言葉として便利なのが「忽ち」です。 より強調しているのが伝わり、情景が思い浮かびやすいのも特徴です。 一方、口に出しやすい言葉ですが、読み書きが難しい面もあるのできちんと覚えておく必要があります。 あまりビジネスで多用することはありませんが、小説などで書かれることがあるかもしれません。 そのときにこの表現を覚えておくと辞書を引く手間が省けますね。
次のたちまちに八名が、その場へ叩き伏せられ、 悶絶 もんぜつしてしまったものだ。 池波正太郎『剣客商売 03 陽炎の男』 より引用• もう何の容赦も遠慮もなしに、抜いた刀をむやみに振りまわして、手あたり次第に斬りまくる。 たちまちに四五人はそこに斬り倒されたので、流石の大勢もぱっと開く。 その隙をみて侍は足早にそこを駈け抜けてしまいました。 … 岡本綺堂『三浦老人昔話』 より引用• 彼女は 荷 にないの棒を投げ出すと、それがたちまちに小さい蛇となった。 客はふところから粉の固まりのような物を取り出して、地面に二十あまりの輪を描いて、自分はそのまん中に立った。 … 岡本綺堂『中国怪奇小説集』 より引用• 海の近いヴァラキア生まれの昔をしのぶように、若々しい声をはりあげてイシュトヴァーンが叫び、そして剣をふりあげると、イカダを岩につなぎとめていたナワを一撃のもとに叩き切った。 たちまちに早い流れが五人をのせたイカダをゆりあげ、河の中ほどへ運んでゆく。 イカダは暗黒の河ケスに乗り出したのである。 … 栗本薫『グイン・サーガ 002 荒野の戦士』 より引用• 時は夏の日盛りで、旅行はすこぶる難儀であるので、彼は路ばたの大樹の下に寝ころんでいるうちに、いつかうとうとと眠ってしまった。 たちまちにそこへ一人の僧があらわれた。 かれは褐色の法衣を着て、その顔も風体もなんだか異様にみえたが、石にむかって親しげに話しかけた。 … 岡本綺堂『中国怪奇小説集』 より引用• 私には、無論、その合図の意味はわからなかった。 が、それを聞くとたちまちに私の恐怖が目覚めて来た。 もっとたくさん人がやって来るのだろう。 … スティーブンソン・ロバート・ルイス『宝島』 より引用• 妻とむすめへやさしく声をかけ、寝所へ入ると、たちまちに深い眠りへ落ちて行った。 池波正太郎『剣客商売 07 隠れ蓑』 より引用• 古の命、たちまちにをえまし、また、 御軍 みいくさもみなをえて伏しぬ。 柳田国男『遠野物語』 より引用• 高慢で超然としてみんなの仲間にはいらず、世辞に耳をかたむけないことがわかったからで、こうなるとダービシャの大きな領地をもってしても人をよせつけない、不愛想な顔つきをしていて、ビングリー氏とは比べものにならないという評判からダーシーをすくいだすことはできなくなりました。 ビングリー氏は会場にいるおもだった人々とたちまちに知り合いとなりました。 快活で、遠慮がなく、ダンスというダンスを踊り、しかも会がそんなにも早くおひらきになることをふんがいし、じぶんの家でも舞踏会を催したいものなど話しました。 … オースティン/伊吹知勢訳『高慢と偏見(上)』 より引用• 六時近くになって、彼はツァルスコエ線のプラットフォームにやって来た。 孤独ということがたちまちに堪えがたいものになってきた。 新しい熱情が胸に湧いてきて、今まで魂を痛めつけていた闇が一瞬にして輝かしい光に照らされた。 … ドストエフスキー/中山省三郎訳『白痴(上)』 より引用• 立っていたインド兵に太った頤をふるわせて、にっこり笑って会釈をして、門を入りました。 たちまちに日本兵がそのまわりをとりまきました。 「おい、お婆さん、このシャツでそのバナナをくれ」 「はいよ」とお婆さんは上手な日本語でいいました。 … 竹山道雄『ビルマの竪琴』 より引用• そこに古寺があったので、彼はそこに身を忍ばせていると、ある夜、風清く月明らかであるので、彼はやるかたもなき思いを笛に寄せて一曲吹きすさむと、嚠喨の声は山や谷にひびき渡った。 たちまちにそこへ怪しい物がはいって来た。 かしらは虎で、かたちは人、身には白い着物を被ていた。 … 岡本綺堂『中国怪奇小説集』 より引用• たちまちに二人の侍が腕を切られ、刀を 放 ほうり落してよろめいた。 池波正太郎『剣客商売 10 春の嵐』 より引用• 男は前世紀か、またはそれに似たような服を着ていたが、その襞の付いた襟や、レースや、帯どめの細工をこらした旧式の美しい服装が、それを着ている死人のような男と不思議の対照をなして、いかにも奇怪に、むしろ怖ろしいようにも見られた。 男の形が女に近づくと、壁の黒い影も動き出して来て、この三つがたちまちに暗いなかに包まれてしまったが、やがて青白い光りが再び照らされると、男と女の二つの幽霊は、かれらのあいだに突っ立っている大きい黒い影につかまれているように見えた。 女の胸には血のあとがにじんでいた。 … リットン・エドワード・ジョージ・アール・ブルワー『世界怪談名作集』 より引用• 躍りあがるようにして斬り割り、前へ走って、また一人、今度は掬い斬りに斬って倒した。 夜の闇の中でたちまちに三人、一瞬の間に斬り捨てた大治郎を見て、曲者どもが、ぱっと散った。 おどろいたらしい。 … 池波正太郎『剣客商売 12 十番斬り』 より引用• だって、領主であるというのは、けしてつまらないことではありません。 たちまちにその家屋敷は裕福になり、その人自身も一段と栄誉を受けるわけですから。 それにしても、アカイア族の領主というのは、ほかにもまだ、この海にとり巻かれたイタケ島にも、多勢おります、若いかたにしろ、年長のかたにしても。 … ホメロス/呉茂一訳『オデュッセイア(上)』 より引用• 日はほとんど静止して見える水の上にまるくうかんだかと思うと、つぎの瞬間には小さな渦に形を掻き乱されて、四方に光をちらしてしまう。 しかし渦が下流に移ると、たちまちにまた、まるく 眩 まぶしい光の玉になって元の場所にもどって来る。 水に映る日は、休みなくそういう動きを繰り返していて、信次郎の目は、どうかすると釣糸や浮子の動きよりもそっちの方に奪われがちになる。 … 藤沢周平『玄鳥』 より引用• 弱音は芝居だとたちまちに判る上機嫌な声であった。 後輩の小説家が編集する雑誌に原稿を渡すのに、いささかの照れがあったのかも知れない。 … 高井有一『立原正秋』 より引用• たちまちに小松原はその両頬を涙でぬらした。 半藤一利『ノモンハンの夏』 より引用• 御息所はまだこのことを少しも知らずにいた。 物怪に煩っている病人は重態に見えるかと思うと、またたちまちに軽快らしくなることもあって、平常に近い気分になっていたこの日の昼ごろに、日中の加持が終わり、律師一人だけが病床に近くいて 陀羅尼 だらに経を読んでいた。 … 与謝野晶子『源氏物語』 より引用•
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