合格率は3~5%といわれる狭き門 ゴルフトーナメントに参加するツアープロになるには、日本プロゴルフ協会が実施するプロテストに合格する必要があります。 男子の場合、2014年度から、その年度に16歳以上なら誰でも受験できるようになりました。 年齢の上限がないため、いくつになっても受験することは可能です。 過去には満70歳で受験した人や、99年には霍本謙一さんが63歳10ヵ月という年齢で合格しています。 また女性でも2010年に鎮西まゆみさんが43歳で合格しています。 しかし、初心者はもちろん、少しゴルフがうまい程度の人が合格するほど甘くありません。 その合格率は5〜9%といわれています。 2019年度の合格率は、男子が483人受験して合格者が51人(合格率9. 5%)。 女子は、631人受験して合格者は21人(合格率3. 3%)でした。 テストが進むほど、実績のある選手が増えてくる プロテストの受験者は、プレ予選(男性のみ)、第1次、第2次、最終の3または4段階からなる実技テストを受験します。 実技テストは全国各地のゴルフコースで行われ、スコアの上位者が次の段階のテストに進んでいきます。 そして、最終テストで、男性が50位タイまで、女性が20位タイまで合格します。 アマチュア時代に実績のない場合、男性はプレ予選から、女性は第1次から受験します。 それに対して、日本アマゴルフ選手権や日本学生ゴルフ選手権などの上位入賞者や関係団体の推薦者、ティーチングプロ、前年度の最終プロテスト進出者などが、個々人の実績に応じて予選を免除され、第1次や第2次、最終テストから受験してきます。 たとえば、プレ予選が免除となり、1次プロテストから参加できるものはPGAティーチングプロや、前年度の最終プロテストに出場した者、日本学生ゴルフ選手権の4~10位、日本アマゴルフ選手権4~8位、全日本パブリックアマ選手権の4~10位などです。 2次プロテストからの参加になるのは、PGAティーチングプロ選考会による出場資格取得者や、日本学生ゴルフ選手権や日本アマゴルフ選手権の2、3位など成績優秀者。 さらに、全日本高校ゴルフ選手権や日本ジュニア選手権の優勝者もこの2次プロテストから参加になります。 もちろん、最終プロテストから参加するアマチュア大会の優勝者などもいますので、最終プロテストで合格するためには、しっかりとした実力のある選手でなければ、難しくなっています。
次のQ スクール Q School とは Qualifying School の略で ゴルフのツアープロになるための 謂わば 認定試験である。 この試験に合格すれば ツアープロとして プレーする権利 所謂 シード権を得られるが その戦いが翌シーズンの権利をかけて 世界のプロ ゴルフツアーで 毎年 シーズンエンドに行われる。 日米ゴルフツアーの Q スクールの現状について ここでは 解説する。 その賞金額は 世界最高であるが、当然、フィールドのレベルの高さにおいても プロ ゴルフ ツアーの頂点に位置するツアーである。 そして、ヨーロッパのツアーが それに近いレベルにあり、その二つが 世界の二大 ゴルフ ツアーだと言える。 また、日本のツアーは Japan Golf Tour として、PGA Tour of Australasia、及び、南アの Sunshine Tour と共に、世界 5大ツアーの一つであるが、ミニ ツアーまでを含めると 世界には 20以上のプロ ゴルフ ツアーがある。 米国 PGAでは 2012年まで Q スクールの成績 上位 25位タイまでの選手に PGA のシード権を与えていたが、2013年の Q スクールからは PGA のシード権は 与えず、PGA の二部リーグである ウェブドットコムツアー Web. com Tour で プレーするためのシード権を与えるシステムに変更した。 つまり、一部リーグでプレーする権利を獲得するための Q スクールはなくなり、二部リーグである ウェブドットコムツアーを最低でも 1 シーズン戦ってからでなければ PGA のシード権を獲得することが 基本的には出来なくなったのである。 引退した名選手を含む多くのゴルフ関係者が そんな新制度に対しては批判的だったが それは 確実に実行に移された。 これによって PGA のシード権は 1 ウェブドットコムツアーのシーズン賞金獲得上位 25人に入るか、 2 シーズン エンドに行われる ウェブドットコムツアーファイナルと呼ばれる 4試合からなる 所謂 入れ替え戦で その上位 50人、正確には 1 の 25人を除く上位 25人に入るかでしか獲得できないものになった。 その二部リーグとも言えるウェブドットコムツアーは 2019-2020年から名称が コーンフェリーツアー Korn Ferry Tour に変更されたが、そのコーンフェリーツアーファイナルが 後述する入れ替え戦になり そこでシード権の獲得競争が行われる訳だ。 ただし、極めて レアケースだが シード権を持たずに出場した PGA の本戦で優勝したり、年間賞金獲得額で上位 125人に入れば話は別だ。 2013年には 松山英樹選手が その年間賞金獲得額上位 125人という道で 2013-14年のシード権を獲得した。 その中から 50人に PGA のシード権 Full Exempt が与えられる。 因みに、英語では限られた試合のみに出られる条件付シード権のことを Conditional Exempt と言い、条件の付いてないシード権は Full Exempt(または Exemption)と言われる。 2013年には年間賞金獲得額が 141位だった石川遼選手が 150位以内で条件付シード権利を確保していたが これに出場し、第 3戦が終わった時点で 全体の 9位というポジションを確保し、2013-2014年の Full Exempt の資格を獲得したが、翌年には上位に入ることが出来なかった。 一般挑戦者の場合、それぞれ 4ラウンドのストロークプレーのテストからなる 何と 3回のテストに合格する必要がある。 即ち、1 予備テスト Pre Qualifying 、2 一次テスト First Stage 、3 二次テスト Second Stage といった具合だ。 ただし、それぞれのテストに不合格になっても、あるレベル以上の成績を残せば、翌年の一部のテストが免除されると言うような恩典が受けられるから、全ての挑戦者がこの 4段階のテストを受けている訳ではない。 毎年、二次テストに進むプレーヤーの数は 500人弱で、その 4ラウンドのストロークプレーの上位、他 160人前後が 最終テストでプレーしていたが、2013年からは 144人前後になった。 ただし、ファイナルでプレーした選手には 最低でも コーンフェリーツアーの条件付シード権が与えられる。 Q スクールで上位になればなるほど 資格 priority ranking position が上位になり、翌シーズンに より多くの質の高い試合に出場できるという仕組みである。 いずれにしても、アメリカの Q スクールは PGA ツアープロでシード権がなくなる選手や外国のツアープロなどが 多数参加するので 極めて難しいテストである。 それでも、最終的に PGAツアーに参加できれば、マネーランキングが 125位でも その年間賞金獲得額は 1億円を超えるので 一攫千金の観がある。 また、アメリカには コーンフェリーツアーの下のレベルのミニツアーと呼ばれるものもあり、トーナメントプロの層は厚く、ほとんど無名だった選手が PGA のツアーで優勝するシーンを見ることも珍しくない。 ただし、Q スクールは かつての男子の方法に類似したシステムだ。 二部リーグの Symetra Tour Volvik Race の前年度の成績上位 10人の選手に加えて、2箇所で行われる Q スクール Sectional Test の それぞれのトップ 30位タイを含む、80人前後の Q スクールファイナル出場選手の中から トップ 40位タイまでの選手に シード権が与えられる。 日本女子ツアー LPGA of Japan も同様のシステムを採用している。 ただし、賞金シードは 上位 50位まで(QT は上位 35位まで)が 翌年のシード権を獲得できるシステムで、下部ツアーは ステップアップ ツアーと呼ばれている。 他方、日本の男子ツアーは 99年に JPGA(日本プロゴルフ協会)から独立した JGTO(ジャパンゴルフツアー機構)と JPGA での資格認定試験があるため そのプロ認定試験は 極めて分かりにくいものになっている。 JPGA が現在認定しているプロ ゴルファー資格には トーナメントプレイヤー(TP)と ティーチング プロ(TCP)の 2種類ある。 トーナメントプレイヤー資格取得のためのテストは 毎年 1回実施されるが、そのテストは 4段階から構成され、最終プロテスト 4ラウンドのトータルスコアで上位 50位までが合格するという形式である。 しかし、実質的に 主要トーナメントの管理、運営を行っている JGTO のプロテストは これとは別に実施されるので そちらのテストに合格することが トーナメント出場権を獲得するテストとしては重要だ。 なお、2015年から JGTO のシード権に関する新たな制度が導入された。 それまでの 賞金ランク 70位までが 翌シーズンのシード権を確保するという制度から 賞金ランク 60位までは「第 1 シード」 、61-75位は「第 2 シード」という制度になり、第 2 シードの選手は 前半戦の多くの試合は出場できるが フォールシャッフルと呼ばれる リランキングの対象になり 中盤までの成績次第では 終盤の試合に出られなくなる制度である。
次の注目のアマチュア・安田祐香(18=大手前大1年)は不安の残る状態で日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の「最終プロテスト」(5~8日、岡山・JFE瀬戸内海GC=パー72)に臨んでいる。 2週前に出場した国内ツアー「NOBUTAグループ・マスターズGCレディース」は26位の成績を残したが、持ち味のショットは乱調。 「調整して良くはなったんですけど、まだショートアイアンが左に行ったり、ミスも出ます」と苦悩中。 また、英国リンクス風の難コースとあって「頭を使うという意味では今までで一番疲れるコースかもしれません」。 風や池、傾斜の強いグリーンと考えることは山ほどあるという。 プロテストではギャラリーはもちろん、家族や関係者もコースには入れない。 「バーディーを取ってもシーンとしてるんで、いつもの試合とは違うなと思いました(笑い)」。 1次、2次は免除だったため、テスト独特の緊張感を味わうのも初めての経験だ。 5日の初日は4バーディー、2ボギーの2アンダーで8位と合格圏内(20位タイまで)で滑り出した。 実績十分の安田がプロの肩書を手にするには乗り越える壁がいくつもありそうだ。
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