> > 45- レヴィンソンの研究・高齢期理論 ここでは発達理論として下記の理論をまとめます。 レビンソンの / )• マーシャの(アイデンティティ・ステータス)• SOC理論/社会情緒的選択理論/離脱理論/活動理論/持続理論/老年的超越論 レビンソンのライフサイクル研究(過渡期) Levinson,D( レビンソン)は、計画サンプリングした米国中年男性のインタビュー調査に基づき、独自のライフサイクル論を展開しました。 レビンソンは、「人生は約25年つづく発達期が繰り返され、各発達期は互いに重なる約5年の 過渡期でつながっている」としています。 発達期は、4段階で「児童期と青年期」「成人前期」「中年期」「老年期」であるとしています。 そして、過渡期には「内的世界と外的世界」の変化が起こり、今までの発達期で用いてきた生活構造の作り変えが行われるとしています。 生活構造とは、その人の自己と外界の境界にあって、自己と外界をひとつの形にまとめていた構造をさします。 過渡期としては、下記の3つがあります。 「成人」への過渡期(20歳-25歳)• 「人生半ば」の過渡期(40歳-45歳)• それは、中年期には自己の内部だけでなく、外界との関係における葛藤である「若さと老い」・「破壊と創造」・「男らしさと女らしさ」・「愛着と分離」という葛藤が生じるためだとされます。 これらの葛藤が生じることで、アイデンティティの拡散・喪失が生じやすいため、価値観・人生観の転換によるアイデンティティの再体制化が必要となります。 それには、心身ともに変化に対応できるタフネスさや、柔軟性が重要となってくるとされます。 (関連用語:) 思春期危機/青年期危機(adolescent crisis): レビンソンの「」に対して、精神医学において「 思春期危機(adolescent crisis)」または「青春期危機」という用語があります(adolescentの年齢の定義には、15歳〜25歳、10歳〜25歳などがあり、成人・児童とも一部重なります)。 Adolescentは、身体的・生理学的の大きな変化が生じる事や、心理的な独立やアイデンティティの課題とも重なる時期であるため、精神的な不安定を招くと考えられます。 統合失調症、うつ病、社交不安症などの精神疾患の発症が増える時期でもあります。 <身体的・生理学的側面>• 「 二次性徴」の出現(月経・性器発達など)• 思春期の急激な身長の伸び等を表す「成長(発育)のスパート」がみられる、など <心理的・社会的側面>• の発達課題・モラトリアム• 大人とは認められない(未熟な存在)への不安定さや「 心理的離乳」など (心理的離乳とは、両親への依存から離脱し、一人前の人間としての自我を確立しようとする心の動き) マーシャのアイデンティティ研究 Marcia( マーシャ)はについての研究を行い、「 アイデンティティステイタス」(自我同一性の状態)には下記の4つの地位があると示しました。 アイデンティティ確立志向型• アイデンティティ早期完了型• モラトリアム型• アイデンティティ拡散型 4つの地位は、「 危機状態の有無」(迷いや葛藤の時期の有無)と「 コミットメント(傾倒)の有無」(危機状態への積極的関与の有無)の組み合わせで決まっています。 説明 危機状態 コミットメント アイデンティティ確立志向型 危機状態と積極的な関与を経験し、アイデンティティの確立した状態。 有り 有り アイデンティティ早期完了型 自分の本当の希望や判断と向き合っていない不全感の残りやすいアイデンティティ確立。 (両親などの意見に従う) 無し 有り モラトリアム型 自分が何になりたいのか、どういった職業に就きどのような人生を歩んでいきたいのかを模索している状態。 有り 無し アイデンティティ拡散型 自分が何をしたいのか分からなくなり、人生指針の方向感覚を喪失し、アイデンティティ確立に向けた実際的な行動や努力が出来なくなっている状態。 無し/一部有 無し サクセスフルエイジング・高齢期 生涯発達の概念として「サクセスフルエイジング」があります。 サクセスフルエイジングは、医学では「加齢を伴っても疾患や障害がない、またはそのリスク要因がなく社会参加をしていること」であり、心理学では「成長・発達の視点から想定される良好な状態」とされています。 良好な状態とは、「自己受容・人生の意味・環境制御・人間的成長・自律性・肯定的人間関係」の要素を示すとされています。 高齢者が直面する「老い・衰退」に適応し、サクセスフルエイジングを実現するための理論としては下記のようなものが挙げられます。 「補償を伴う選択的最適化理論」(SOC理論:selective optimization with compensation): 加齢による変化に適応するためには、若い頃よりも狭い領域を探索し特定の目標に絞る「選択:selective」、機能低下を補う手段や方法を獲得して喪失を補う「補償:compensation」、そして、目標に最適な方略を取る「最適化:optimization」という理論。 「社会情緒的選択理論」: 人生の残り時間が少なくなると、人々は通常、強い選択を行うようになり、自分の持つ資源を、情動的に満足できるような目標や活動に注ぎ込むようになるという理論。 こうしたモチベーションの変化は、認知の過程にも影響を及ぼす。 よって、加齢により、注意や記憶の過程で、ネガティブな情報よりもポジティブな情報を好んで取り入れるようになる。 「離脱理論」: 高齢者は自ら社会からの離脱を望み、社会は離脱しやすいようなシステムを用意して高齢者を解放するべきだという理論。 「活動理論」: 高齢者は社会から離脱していくのではなく、中年の頃の活動性を維持していくべきだという理論。 離脱理論の逆の考え。 「持続(継続性)理論」: 高齢者は、以前からの自己概念や信念等の内的構造と、役割や社会的等の外的構造を維持すべきだという理論。 離脱理論と活動理論の対立の解とされる理論。 「老年的超越論」: 高齢期に高まるとされる「物質主義的で合理的な世界観から、宇宙的・超越的・非合理的な世界観への変化」を指す。 変化には、「宇宙意識の変化:過去や未来の世代とのつながりを強く感じるようになる」、「自己意識の変化:自身へのこだわりが低下し(あるがままの受容)、こだわりが低下し他者を重んじる利他性が高まる」、「社会との関係の変化:対人関係は狭く深くなり、社会一般的な価値感を重視しなくなる(他者への依存も肯定)」がある。 > 発達 >• 45- レヴィンソンの研究・高齢期理論•
次の・(人生周期)あるいはは、おもにアメリカで活躍した精神分析学者E・H・エリクソンによる人格発達理論のことばで、人は誰でものいくつかの時期に、それぞれ乗り越えるべき課題があるというものです。 いろいろな精神障害も、環境や社会と関連しておこりやすい人生のがだいたい決まっています。 乳幼児期は発達障害や(じへいしょう)、学童期は登校拒否(とうこうきょひ)、行為障害(こういしょうがい)、など、や青年期には統合失調症、境界例(きょうかいれい)、摂食障害(せっしょくしょうがい)、人格障害(じんかくしょうがい)、神経症(しんけいしょう)など、成人期は気分障害(きぶんしょうがい)、神経症、アルコールや薬の中毒、など、には認知症が代表的なものです。 家族の経済生活と以上の過程との間には密接な関係があり、それぞれの段階に応じて家族構造や消費構造などに特色がみられる。 この考え方は、その後家族社会学、家政学、住宅学などに応用され、家庭の長期的な生活設計や福祉計画立案のために活用されるようになった。 すなわち、生涯の各段階において、経済的、社会的な不安を除くための十分な体系的保障を与え、それによって各人の自助の営みを容易にしようとする生涯設計のための計画がそれである。 それは、高齢者、老人、身障者などの生活安定を保障し、さらに世代間の相互扶助の関係を家庭と社会の双方で再構築し、同時に教育や就業の機会を与え、国民各自の自助努力を積極的に促進しようとするものである。 [伊藤善市] 商品のライフ・サイクルライフ・サイクルをプロダクト・ライフ・サイクルに用いる場合もある。 これは製品の寿命をさす。 いかなる商品もライフ・サイクルという現象を宿命的にもち、市場への導入、発展、成熟、衰退の四段階をたどるものであり、一定の時期を越えると流行としての魅力と機能の新奇さが切り崩されるのが常である。 第二次世界大戦後、技術革新と情報化の進展に伴って、新製品の開発や消費者選好の変化が加速化したため、商品のライフ・サイクルが短縮化するようになった。 そのため、企業の盛衰、産業の新しい分野への進出が加速化し、競争者の新規参入が容易となった。 したがって、企業の側では消費者の動向を先取りし、商品の寿命を的確に把握し、衰退期に達する前に、新商品を開発することが不可欠となってきた。 このことは、情報化社会においては、生産とは物をつくることではなく価値をつくることである、ということを示すものである。 また、これとは別に、1990年代後半以降、商品が環境に与える影響を、資源の採取、原材料の加工、商品の生産、消費、廃棄など各過程ごとに評価し、より環境負荷の小さい方法や原料を選択していこうという考え方が一般的になりつつある。 この考え方をライフ・サイクル・アセスメントとよぶ。
次の家族のはじまりから終わりまで。 家族ライフサイクル論とは 家族のはじまりはまず、自分が生まれ育った家族からの巣立ちです。 そして、「この人と生きていきたい」というパートナーを見つけ、2人の結婚のイメージをすり合わせていきます。 結婚後、2人の時間を十分に楽しんだら子どもを持つことを検討し始めます。 子どもが生まれるとそれまでの生活が一変し、色々なことを経験します。 たくさんの葛藤や問題を乗り越えながら、子どもは次第に成長していき、自立します。 自分は老いと向き合いながら、両親の介護や死を対処していく。 家族ライフサイクル論では、7つのステージに分かれます。 それぞれのステージの特徴や課題について説明していきます。 家からの巣立ち このステージでは源家族(自分が生まれ育った家族)から精神的・経済的に自立し、親との適切な距離を置いて親離れを果たします。 現代は高学歴化、生き方の多様化に伴って、源家族から自立する時期が長くなる傾向にあります。 結婚による両家族の結合 恋愛関係にある男女が結婚という人生の一大イベントに踏み切るには、おのおのが築き上げてきた「結婚に対するイメージ」をすり合わせていかなければなりません。 しかし、生まれ育った環境が異なる2人にとって、イメージを照合するのは大変な作業です。 うまく照合できないと、葛藤・離婚などの不和に至る可能性もあります。 また、結婚すると、それぞれの実家との関係を再編成し、適切な距離を保つようにします。 子どもの出生から末っ子の小学校入学までの時期 養育は精神的にも、経済的にも負担がかかります。 そして、どちらが働き、どちらが育てるのかといった役割分担を考える必要が出てきます。 また、 養育する過程で自分中心から他者を中心に据えて、他者の感情や必要性に応じて自分が行動をするようになります。 親に最も必要な資質についてはこちらの記事をご覧ください 子どもが小学校に通う時期 子どもが小学校に通うようになると、子どもの世界が一気に広がります。 それまでの一方的なコミュニケーションから双方向のコミュニケーションに変わり、親としての役割も変化していきます。 親としては多少、手がかからなって楽になるというのもありますが、 子どもの人間関係が外に広がっていくことに不安や寂しさを感じることもあります。 思春期・青年期の子どもがいる時期 青年期は個人のライフサイクルにおける最大の動揺期なので、親子関係にも大きな変化が訪れます。 そのため、子どもとの適切な距離を保ちつつ、子どもが困っているときには寄り添うといった柔軟さが求められます。 子どもの巣立ちとそれに続く時期 子どもが精神的・経済的に自立すると親は子離れをしなければいけません。 また、自分は老いていく親の介護や死を受け入れて対処していきます。 このステージは子どもにとっての家族ライフサイクルのはじまりです。 老年期の家族の時期 子どもは家族を形成し、子どもを持つようになります。 自分たちは祖父母として養育をサポートし、自分たちが培ってきた知識や経験を次の世代に伝えていきます。 そして、友人や配偶者、自分の死を受け入れていきます。 これは家族とその中で生きる個人にふりかかるストレスを家族や個人の中にあるものから、個人・家族が置かれた社会・文化の影響までを複雑に絡み合った要因として捉えています。 影響はプラスのものもあれば、マイナスのものもあります。 ちょっと見ずらいんですが、こんな感じです。 矢印の方向へ行くにつれて時間が経過していく、ということを表しています。 水平的ストレスは時間の経過に伴って、経験するストレスで• ライフサイクルの移行に伴う変化• 不慮の事故・死• 慢性疾患• 自然災害 などがあります。 一方の 垂直的ストレスは遺伝的要因や知的・身体的能力などの個人の資質に関するものから、自分が属する社会や文化など、大小さまざまなものから受けるストレスで• 人種や性別への差別• 社会的偏見・貧困• 過重労働• 家庭内暴力• 遺伝的な障害 などです。 垂直的ストレスと水平的ストレスの両方が高ければ、その個人や家族が不適応に陥る可能性が高くなりますし、両方が低ければ健康を保ちやすいと考えられます。
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