堂上君。 私・・・高校の時、貴方の事が好きだったの。 でも、あの時の私は自分に自信がなくて、告白すらできなかった。 でも、今の私は違う。 もう30歳になる。 あの頃のように自信のない私じゃない。 大人の駆け引きも、卑怯な事も覚えた。 だから堂上君。 高校の同級生の久しぶりの再会に胸を少なからず胸を躍らせていた。 (明日は公休日だ。 それに外泊届も出してある。 朝まであいつ等と呑めるぞ) とあの時共に過ごした悪友たちを思い浮かべると、足取りも自然と軽くなっていた。 「堂上久しぶり!!」 当時よりかなり大人びた悪友たちが堂上を出迎える。 「久しぶり!元気だったか!!」 「おう!お前、まだ図書隊か?良化推進委員会の襲撃で死んでるかと思ったが、なんだ元気そうだなぁ」 「うるせー良化隊の襲撃なんぞで死んでたまるか!!」 なんて、歯に着せぬ発言はあの頃と変わらない。 しかし、 「お前の所、子供何歳になった?」 「俺か?俺の所4歳。 お前は?」 「うちは8歳。 もう男だからやんちゃで困るんだよ・・・」 「お前結婚早かったからな・・・」 「ああ。 在学中に出来ちまったからな・・・でも、なんとか離婚せずにやってるよ」 なんて、『家庭』の話をすると、時が過ぎるのを感じられずにはいられなかった。 「で、堂上お前は?もう30だぞ。 結婚とかない訳?だってお前、図書館内業務もあるんだろ?同僚とか利用者とかいないの?」 堂上はビールをあおりながら、まぁ・・・いつかはな。 と一言呟いた。 いつか?ってことは・・・そうか・・・今はいないんだ!その一言で私は行動に移すことにした。 「堂上君。 久しぶり覚えてる?」 「え・・・と?」 「永井、永井美佐江です。 堂上君のいつも後ろにいた永井です」 その名前に堂上は思い出した。 堂上の高校のクラスは席替えなどなく、五十音順に席が並べられていた。 よって、堂上の後ろにはいつも永井美佐江がいたのだ。 「永井・・永井か!久しぶりだな!!お前、あの頃より綺麗になったな。 見違えたよ」 その言葉に美佐江の心が跳ねる。 堂上は高校の時から頭が良く、運動神経も抜群だった。 その上、図書大、図書隊で丹念に鍛えられ、あの頃より数段に格好よくなっていた。 「ど・・・堂上君もあの頃よりその・・・」 とモジモジしてると、 「でも、そうやって、モジモジしてるのはあの頃と変わらないな」 と優しい笑顔を美佐江に向けた。 美佐江の顔が真っ赤になる。 やっぱり・・・私!堂上君が好き!! 美佐江は友人と談笑している堂上のコップが空になるのを見計らって、ビールの準備をする。 その時鞄に隠し持っていた瓶を取り出した。 堂上君とこれで・・・ とビールの中に瓶の中の液体を入れた。 「堂上君。 ビール空だよ。 はい」 と美佐江は堂上にビールを差し出す。 堂上は美佐江に礼を言うと、何の抵抗もなしにビールを流し込んだ。 [newpage] 堂上が身体に異変を感じたのは、同窓会がお開きになる頃だった。 なんだ・・・身体熱い・・・もう酔ったのか? 堂上は酒が強い。 極端の事を言うと、朝まで呑んでも普通に出勤出来るくらい強い。 しかし、今日は違っていた。 身体中が熱く、言う事を聞かない。 「堂上君、大丈夫?」 美佐江が堂上の身体を支える。 「私が、堂上君をタクシーに乗せるから」 と美佐江はメンバーに言うと、堂上美佐江を残し、店を後にした。 そして、項垂れている堂上を見て、美佐江は黒く笑った。 それも下半身の一点が集中して熱い。 なんでこうなった?何が原因だ?と、堂上はまわらない頭をフルに動かしても、結論が出ない。 そういえば、誰が俺を支えているんだ?・・・誰だ?・・・この匂い・・・俺の好きな匂い・・・そうだ・・・郁だ。 郁・・・俺の郁・・・その瞬間、堂上の思考は途切れた。 あんなの・・・初めてだ・・・ シャワーを浴びながら、昨晩の事を冷静に考えていた。 なんか・・・いつもと違う。 激しいのは何回かあったけど・・・あんな・・・ぶつけるような抱き方なんて一度もなかった。 でも・・・好きだ。 愛してる。 堂上が目を覚ますと見慣れない天井だった。 ここはどこだ?と身体を起こしても身体が非常に重かった。 しかし、あの身体の熱さが感じられない。 あの身体の異変の正体がなんとなく分かった。 そうだ・・・永井がくれたビールからだ。 あいつ・・・媚薬を盛りやがったな・・・ 俺は・・・郁の名前を呼びながら・・・誰かを抱いた。 多分、この流れだと、認めたくないが永井であろう。 そして何度も腰を振った・・・俺は・・・最低だ。 堂上は人生で一番落ち込んだと思うくらい落ち込んだ。 これが郁や柴崎にバレたら、絶対嫌われるし、仮に郁が許してくれも、柴崎が絶対に郁との恋人関係を終わらせるだろう。 薬を盛られたとはいえ、8年間想い続け、ようやく手に入れたのに、こんな事で終わってしまうだなんて・・・と堂上は耐えられない気持ちでいっぱいだった。 グッと唾を飲むと喉が張り付いた感触で唾が飲み込めない。 「喉・・・乾いた・・・」 と呟けば、教官どうぞ。 という声を共に冷たいペットボトルの水が差し出された。 堂上は礼を言うと、水を一気に流し込む。 冷たい水が喉を通ると、少し気持ちが落ち着いた。 そして・・・堂上は固まった。 [newpage] い・・・今・・・なんて・・・? と堂上が振り向くと、 「え~500円もするのー!!追加料金幾らになるんだろう~・・・」 と冷蔵庫の水の価格と戦っている・・・バスローブ姿の郁であった。 「教官・・・ホテルの冷蔵庫なんて使ったことないから知らなかったんですが・・・ぼったくりなんですね・・・これから、コンビニで水買ってから行きましょう」 とまじまじと言う郁の襟の隙間から胸元に無数の鬱血がある。 それで昨日、自分が抱いた人間が特定できた。 ここで堂上はようやく冷静になれた。 「郁・・・ちょっと来い」 と堂上が言えば郁はちょこちょこと寄ってきてベッドに腰掛けた。 すると堂上は郁の身体に寄りかかり、そのままベッドの郁を押し込んだ。 郁から短い悲鳴が聞こえる。 「ちょ・・・教官?」 と郁は身体を動かし、堂上から逃れようとするが、堂上はびくともしない。 堂上は郁が大人しくなった頃に大きなため息をついた。 そして、 「いろいろ・・・良かった~!!」 と大きな安堵の声を漏らした。 郁は何が何だか分からずぽかんとするが、その直後、 「い・・・いろいろってなんですか!!」 とさすがにツッコんだ。 「い・・・いろいろは・・・いろいろだ!!」 と、そのツッコミに逆ギレをした。 堂上は郁を胸に閉じ込め、今度は申し訳なさそうに、 「お前・・・身体辛くないか・・・それに俺・・・避妊してないだろう?何かあったら・・・その・・・」 と呟くと、郁は不思議な顔をした。 「え?・・・教官。 ベッドサイドに避妊具があったので、ちゃんとつけてくれましたよ?まさか・・・昨日エッチしたの覚えてない・・・とか?」 と上目使いで堂上を見つめた。 堂上はあんな状態でも避妊をしたのには、正直驚いた。 堂上は郁の身体を抱きしめると、 「同窓会で変な薬を盛られて・・・断片的ににしか覚えていない。 ただ・・・お前の名前を呼びながら・・・その・・・シタのは覚えている」 と申し訳なさそうに呟いた。 「あの・・・好き・・・とか・・・愛している・・・とかは?」 と真っ赤になりがら、郁は堂上に聞いた。 堂上も真っ赤になり、郁から目線を逸らすと、 「言った・・・記憶は・・・ある。 薬のせいで・・・かなり素直になっていたようだ」 郁は堂上の胸に顔を寄せるとへへへ~と照れ笑いを浮かべた。 その行動に堂上の胸が跳ねた。 堂上は郁を閉じ込める力を強くすると、 「あのさ・・・郁?もう一回・・・そのシテいいか?」 と聞いた。 その瞬間、郁の顔が青くなる。 そして・・・ 「え~勘弁してください。 昨日何度もシテ腰が痛いです~」 と今度は郁が申し訳なさそうに呟いた。 堂上は負い目があるせいか、困った顔で笑うと、分かった。 と郁の頭を撫でた。 [newpage] 郁の話によれば・・・ 同窓会がお開きになった後、永井と堂上は二人きりとなった。 なんとか外へは出たものの、永井の力では堂上を抱える事はできなかった。 永井が頭を抱えていたら、たまたま外食に出ていた郁と柴崎が堂上と永井に遭遇した。 永井の挙動不審な態度に郁の野生の勘と、柴崎の魔女の勘が一致し、二人は永井を言葉で攻めるとなんとか堂上を奪還した。 その時の永井の顔はとても怖い顔をしていたそうだ。 明らかにおかしい堂上の姿に柴崎は郁に『外泊届を出しておくから、どこかホテルに行った方がいい』と言い、自分は手塚に迎えに来てもらうと、携帯を取り出し、郁たちを見送った。 郁は、近くがラブホテル街しかなく、仕方なくここに入り今に至る・・・という事だ。 「戦闘職種のくせに危機管理がなってなかった・・・しかし、お前と柴崎のおかげで助かった。 今度柴崎に高い店に連れて行ってやると伝えてくれ。 もちろん手塚にもだ」 と言った。 ここで魔女を買収しておかないと、後が大変だ・・・。 「柴崎にそんなこと言うと、本当に高いお店に連れて行かれますよ」 と郁が言うと、堂上は、承知の上。 金欠で項垂れている堂上を、魔女は黒い笑みを浮かべ見つめていた。
次の誤算 誤算 翌日は通常業務なのに外泊。 電話の向こうで笑いを堪える小牧に、恥を忍んで外泊を捻じ込んでもらった堂上。 少し入ったアルコールで、甘く柔らかく熟した郁を堪能出来るはずだった。 果物の皮を剥くように、一枚一枚着ているものを脱がしていけば、あの美しい身体に触れられる… 心も身体も期待でいっぱいだった。 しかし…今、ふたりはベットの端と端で押し問答をしている。 「ダ、ダメ!見ないで下さい!」 「なんでだ?こっちへ来い」 「いっ、嫌です!」 ホテルの部屋に入って、キスをしながら堂上はいつものように郁をベットに押し倒した。 そして、服を脱がそうと胸元のボタンに手をかけた。 そこまでは良かった。 しかし郁が、何かを思い出したように急に慌てだし、堂上を押しのけベットの端に飛びのいたのだ。 堂上には郁の行動の理由が全くわからない。 思いもよらぬ拒絶に動揺が隠せない。 「郁、……俺に抱かれるのが嫌なのか?」 「ち、違います!」 堂上の言葉に、郁は真っ赤になって俯き、首をぶんぶんと左右に振る。 「じゃあ、どうして…」 自分に抱かれるのが嫌ではないなら… 郁は何を嫌がっているんだ?全くわからん。 堂上はベットの向こうで、固まっている郁を見ながら大きくため息をついた。 泣かせてまで事に及ぶつもりはないが… さすがにここまで来て、何もせずにいるのも辛い。 その時、どうしたもんか…と、腕を組み考えている堂上の耳になにか聞こえた。 「ス…ラ」 「……なんだ?」 「ス…ポ…ラ」 「…?」 郁が下を向いて小声で何か言っている。 「なんだ?聞こえんが」 「だ、だからぁ…今日、まさかこうなるなんて…思わなくて」 まあ確かに…自分だって思ってもみなかった。 「あ、あぁ…?だから?」 郁はキッと顔を上げると、半ばヤケになったのか顔を真っ赤にして怒鳴った。 「今日、あたしスポブラなんですっ!」 その迫力に唖然とし、堂上は一瞬言葉が出なかった。 そして、やっと出た言葉は間抜けな相槌だった。 「そ、そうか…」 「もうぉ〜、こんなのヤダぁ…」 郁は自分の胸を押さえてベットに突っ伏した。 スポブラは郁にとってトラウマだ。 あの初めての時の失敗があってから、デートの際の下着選びには手を抜かなかった。 しかし今日は、業務終了後急いで着替えて同期会へと向かった。 ましてや堂上とこうなることなんて予想すらしていなかった郁は、わざわざ下着を着替るなど考えにも及ばなかった。 堂上との時間が出来たのは嬉しいが…この下着を着替えてこなかったことは誤算だった。 もう一度、業務終了あたりからリプレイ出来るならしたい!と、心底思う。 郁は、ベットに突っ伏しながらそんなことを考えていた。 あの初めての時、Tシャツを脱がすように郁に腕を上げさせて脱がした。 「着脱に雰囲気のかけらもない」と嘆く郁は、それはそれで可愛かった。 しかし、よっぽど懲りたのか、あれ以来いつも可愛い下着を着けてくるようになっていた。 下着なんてどんなものでも構わなかった。 そりゃあ、可愛いものを身に着けている郁は魅力的で可愛い。 でも、一番魅力的なのは郁自身であり、一番欲しいのも郁だ。 堂上は、ベットに顔を伏せている郁に近づくと肩を抱き身体を起こす。 「アホ、前にも言っただろ?そういう価値観は求めてないって」 「でもぉ…」 「いいんだ、下着なんてどうでも。 お前がいいんだから…」 抱き起こした郁の顔は、情けないほどの半べそで。 こんな顔なんかさせたくないけど、どこかその顔も可愛くて。 その目尻にある僅かな涙に、ちゅっと唇をあてた。 「きょうかん…」 そして、胸の前できつく服を押さえている手を優しくほどく。 服の前を開けば、懐かしいシンプルな下着が顔を覗かせた。 可愛い下着もいいが、これはこれで… 何かウブな象徴でもあるような、初めての時を思い出させるような。 若干、エロおやじ的な発想が頭に浮かぶ。 スポブラを恥ずかしがった郁の行動は誤算であったが、この雰囲気のかけらもないという下着も、ある意味新鮮で嬉しい誤算でもある。 「郁、これはこれで…いいぞ」 堂上はスポブラの裾のゴムを指で弾きながら言った。 その言葉と仕草が、いつもの堂上らしくなく郁は思わず噴出した。 「バカ…」 ようやく、気持ちを立て直したようだ。 思いもよらず外泊に至り、思いもよらず横道にそれたが。 「仕切りなおしだ」 堂上は郁の身体を抱きしめると、柔らかい唇に自分の唇を重ねた。 郁の腕が、堂上の背中にまわり、甘い吐息漏れる。 ハプニングはふたりの夜にとって、いいスパイスとなるのか。 本格的な夜はこれからだ。 Fin.
次の『Love me Tender』2話目行きます。 堂上さんと郁ちゃんの愛のささやき合い?いや・・・ ふふ・・戦争の頃の二人再来!? えっと・・・願望と同じでRばかりで申し訳ありません。。。 私がそういう時期?なんだと思ってください! 堂上班みんな結婚してます。 この暗闇に乗じて誰かが見ているかもしれないのに、とんでもなく大胆なことをさせられている。 「そういう郁だって、満更じゃないくせに」 ばかっ・・・身体は貴方を拒否するように出来てないだけよ! 笑生が出来た時のことをふと思い出した。 そうだ、子供が欲しいと言われて、避妊具を封印した後すぐに出来たんだった。 篤さんは効率良くというか、私の周期を知っているせいなのか、私の排卵を知っているかのように、当てて来る。 だから、解禁したら本当にすぐに出来た。 もしかしたら・・・えっと、前の生理最終日が・・・だから・・・あぁ・・・この男は・・・やはり、ある程度の計算してきてる。 まさか、この公休も・・・? そんな事を篤の手が自分の身体に絡まりながらも考えていたものだから、何かを考えている事を見咎められ、増々激しいものになった。 赤外線スコープとか使う奴がいたら、見られるじゃないですか! そう。 我が部隊にもそれを使われる方がいらっしゃる。 しばらくの間だったが、暗闇でも見られる事がある事が解ってしまうと、怖くて外でヘンなことは出来なくなった。 いや、元々外でするのはあんまり好きではない。 「郁は・・・ほんと・・母親になっても変わんないな・・・若い時のマンマだ・・・」 如実に若い時とは違う、母親だけになったことがある女性がその様な形、大きさ・色になる『そこ』を思いっきり吸い上げられると、ヘンな声が上がってしまう。 「やっ・・・そんなに強く・・・」 「もっと鳴けよ。 誰も聞いてないって・・・」 ばか・・・お互い徐々に高まり合っていく。 「入りたい・・・郁・・・」 「うん・・・」 そっと、溢れているその口に硬くそそり立つ男自身を宛てがう。 いつもと違って久々の薄皮なしだ。 ぬるぬるのソコに当てただけで、下半身が痺れそうだ。 「篤さん・・・来て・・・」 その言葉の誘導のままに、奥へと進む。 あああ・・・俺もまだまだ若いってことか? 何度となく入り込んだ郁の中だというのに、薄皮がないだけで、こうも感度が違うとは・・ 前回の笑生の時は結局、子づくりとしては大成功で、そう回数をこなすこともなく、出来た。 まぁ、ある程度郁の周期を知っているから、排卵日と思われる日を狙ってはいたが、こうもあっさりと出来るとそれはそれで悲しい。 授乳期の間はいらないらしいのだが、授乳中の大変な時に郁に負担をかけてはいけないだろうと、言う程の回数はしていない。 そういえば、一度、郁側が我慢できなくなった? ようで、お誘いを受けた事があったが・・・ 今思うと、郁も俺と触れ合えないのは寂しいのだろう。 仕事場で一緒な分余計にってこともあるのかもしれない。 ただ、俺の精子は優秀で、郁の卵子にたどり着いてしまうのだ。 郁の中は文句なく気持ちいい。 風呂の床では痛いので、郁が座っている俺の上に跨がっている。 動き難いが最奥まで貫いている。 ここが暗闇だとしても、外は外。 郁は必死に声を抑えているのだが、その姿が可愛く、意地悪をしたくなる。 下から思い切り突き上げ、郁の肩をぐいっとひっぱる。 やぁっっっ 耐えられなかった声が川面に響く。 ばかっ篤! 顔が真っ赤だと思う。 今はうっすらとしか見えない郁を手探りで感じさせている状態だ。 声と感触だけだ。 感度が増していると思う。 「俺からは見えないんだから、もっと大胆になってもいいと思うがな・・・奥さん? 俺達結婚してもう何年経つと思ってんだ?」 「8年・・・」 「それだけ経てば、飽きるってこともあるよなぁ・・・」 「飽きる!?」 「そうかぁ・・・俺の単調なSEXじゃあ・・・奥さんは満足できないかぁ・・・」 そうわざとだ。 「満足しない訳・・・ない・・・のに・・・」 だんだんと小さくなる声が可愛く。 あぁ・・・やっぱり変わらないなぁ・・・。 なんて思っていると、郁が腰を振り始めた。 !! 「私だって、篤さんをイカせれるんだから・・・」 あ、しまった。 郁が本気をだすと、俺が早々にイカされる・・・。 締め付けがキツいのだ。 さすが、鍛えているだけのことはある。 「悪い、郁、意地悪し過ぎた・・・止めてくれ・・・イっちまう・・・」 「一回イッちゃえばいいんですよ。 篤さんは・・・!!!」 グラインド角度を変えられ、今まで受けてなかった方向での刺激は強すぎた。 締め付けがキツい上のこの動作は俺をイッキに盛り上げた。 くっっ・・・ 郁の尻をぎゅっと握りしめ、放出の快感を受け流す・・・。 くっっ・・・かはっ・・・はぁ・・・ 「1R目は私の勝ちですね」 「そうか、、、勝負だったのか・・・よ〜し解った。 今晩はとことん付き合ってやる。 部屋に戻るぞ」 郁はきっと青ざめているのだろうと思っていた。 だが、郁も一人の女として、、、というか母親になったからなのか・・・ 強くなっていることに気付いてなかった。 「わ・・・私だって・・・負けませんよ。 篤さん・・・」 こうして、九州初夜は明け方までバトルが続いた。 途中、真夜中の露天風呂その2に郁を背負う状態で連れていき、腰を落ちつかせ、お風呂を堪能し、郁をキレイに磨き上げ、ようやく、寝るに至ったのは明け方の5時過ぎだった。 九州は西にあるためか、朝が東京よりも随分と遅い。 今の時期だと6時にはかなり明るい東京で、5時過ぎにはうっすらと明けて来るのだが、こちらではまだ星が瞬いている。 笑生が時々風呂で寝てしまうことがあるが、あの子をあやしているかのように、郁を湯船に浸ける。 温めのお湯が心地いい。 だが、今は禁忌を犯しているので、早々に出なければ・・・男湯側の露天風呂に郁を連れて来ているのだ。 まだ、真っ暗とはいえ、5時過ぎ。 早い人はもう入る頃かもしれない。 6時過ぎには絶対に来る。 温まった所で、郁を抱えて湯船から出る。 身体を拭いてやり、浴衣を着せる。 俺も身支度を済ませ、再び郁を背負い部屋へと戻る。 これだけしても起きないのは、まぁ、そうだろうな。 俺も結構へとへとだ。 まぁ、イった回数から言ったら、郁のほうが断然多いわけで・・・。 こうなるのも無理はない。 くくく・・・くふっ・・・ 妙な笑いが出てしまう。 昔と変わらない向こう見ずな、俺に挑んで来る郁が余りにも可愛くて、つい、本気で当たってしまって・・・ 郁を抱き潰してしまった。 「悪いな・・奥さん・・・俺はまだまだお前を抱き足りないぞ」 寝ている郁の耳元でそう囁いたら、郁の顔色が青ざめたように、見えた。 続きます。 あ〜・・・バトルッた。 そうかぁ・・・双子はこのバトルの成果だったわけだぁ(笑).
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