「梅毒は危険な病気ですが治せます」(Syphilis is a dangerous disease, but it can be cured) 梅毒の治療を促すこのポスターは、1936年から38年の間のものである。 分類および外部参照情報 - - 性感染症(せいかんせんしょう、 性行為感染症、 性病、: sexually transmitted infections: STI, sexually transmitted diseases: STD, venereal diseases: VD)とは、、、を含むによってするである。 ほとんどの性感染症は感染初期に症状を示さない。 そのため他の人へ感染させやすい。 症状と徴候として膣やペニスの分泌物、性器やその周辺に生じる潰瘍、下腹部痛などが含まれる。 妊娠や出産に伴う感染では新生児の予後不良となりうる。 また、の原因となることもある。 性感染症の原因となる、、は30種以上にのぼる。 細菌性には、、などがある。 ウイルス性には、、などがある。 寄生虫にはなどがある。 性感染症は通常は性交によって伝播するが、汚染した血液や臓器との接触、、など性交以外の接触によって伝播することもある。 診断検査は先進国では利用しやすいが、発展途上国においてはその限りでない。 は感染を回避する最も信頼のおける方法でもある。 予防接種によってある種の性感染症のリスクを低減する事も可能であり、、一部の型のがこれにあたる。 の使用、不特定多数の相手と性交をしないといったの実施も感染のリスクを低下させる。 男性のはある種の性感染症の予防に効果的である。 ほとんどの性感染症は寛解可能あるいは完治可能である。 淋菌などの一部の病原体はある種の抗生物質に耐性を獲得しつつある。 2008年には5億人の人々が梅毒、淋病、クラミジア、トリコモナスのいずれかに感染したと推定された。 さらに少なくとも5. 3億人が性器ヘルペスに、2. 9億人の女性がに感染している。 HIVを除いても性感染症は2013年の一年間で14万2千人の死を引き起こした。 アメリカ合衆国では2010年に1900万人が新たに性感染症に感染している。 歴史的な記述は少なくとも紀元前1550年頃のやまでさかのぼる。 性感染症にはしばしば恥や汚名を伴う。 英語では症状を示さない感染者を含む、sexually transmitted infection の語が、sexually transmitted disease や venereal disease よりも好まれて用いられる。 名称 WHO は1999年から sexually transmitted infection の単語の使用を推奨している。 これは sexually transmitted disease より広い意味を持つ。 (感染)は生物の侵入を意味するが、感染が必ずしも悪影響を与えるとは限らない。 (疾病、疾患)においては infection が機能の異常や障害につながる。 そしていずれにおいても徴候や症状を示さないことがある。 徴候と症状 すべての性感染症がを示す訳ではなく、また症状を示すとしても感染直後にそれが現れるとは限らない。 症例によっては感染症が無症状で保有される事があり、このような場合は他の人を感染させる可能性が高くなる。 感染症の種類によって性感染症はや、さらには死を引き起こしうる。 性感染症に思春期以前の子どもが感染していた場合はの可能性を示すことがある。 なお、性感染症というが、あくまで「で感染することが多い」というだけであり、以外でも感染することはある。 他人のや、のしぶきなどが偶然、やに入ったりしても感染する可能性はある。 病原体 細菌• - 英語版。 次第に全身症状。 - : Chlamydia trachomatis。 以下、主に性器の痒みや分泌物。 - : Neisseria gonorrhoeae• - Mycoplasma genitalium• - Mycoplasma hominis• - 英語版。 日本では少ない、性器の痛みや出血。 () - 英語版。 痛みのない潰瘍。 性器の痒みや分泌物。 ウイルス ()はヘルペス・ウイルスの細胞変性効果を示す。 ground glass nuclear inclusions, multi-nucleation. (B型肝炎ウイルス)- 唾液、性器分泌液から感染し、肝機能に異常を示す。 (とは糞口感染によって伝播、は稀に性交感染 、(B型肝炎との共感染のみ)の感染経路ははっきりしないが、性交感染を含む可能性がある。 (AIDS)()- 性器分泌液、精液、乳、血液から感染。 進行すると免疫不全に陥る。 (、HSV-1、HSV-2)- 皮膚や粘膜から、疱疹の有無によらず感染しうる。 主に性器の水膨れと潰瘍、女性ではそれによる痛み。 (HPV)感染症 - 皮膚や粘膜との接触から。 高リスク型を除くHPVの一部は、イボのの病原体である。 のほとんどが高リスク型HPVの感染によるものであり、さらに一部の、、の原因でもある。 (伝染性軟属腫ウイルス)- 肌に直接触れるなどの濃厚接触による。 水イボ。 寄生虫• () 痒みと吸血跡。 () 痒みと線状の跡。 性器の痛みと分泌物。 検査 感染した細菌によって、血液検査、尿検査、ぬぐい取って染色、または培養して観察など各種の方法がとられる。 同じ細菌に対しても、方法によって検出精度に差があり不適切な場合がある。 検査機関には病院のほか、肝炎に関しては日本では無料で各自治体が行っている場合がある。 エイズ、梅毒、淋病、クラミジアに関しても保健所が無料で行っている場合がある。 こうした無料の検査は月に1~2度である。 ほか、郵送での検査キットが販売されている。 強制検診 日本では、にが施行されると、路上のなどを摘発して保健所に同行させ、強制的に性感染症の検診を受けさせる「狩込み」が行われた時期がある。 この狩込みについては、1950年10月30日に法制意見局から違憲の疑いがあるとして警告が出されて中止に追い込まれている。 診断 梅毒やHIVでは特徴的な口腔の病変が生じ診断の機会となりうるが、淋菌やクラミジアでは症状がなかったり、特徴のない炎症が生じるため見逃されやすい。 梅毒の感染が発覚した場合、HIVの検査も推奨される。 イボではや。 鑑別診断 排尿痛、尿道の痛みや分泌液は、性感染症以外でも起こりうるため鑑別が必要である。 淋菌性尿道炎。 クラミジア性尿道炎 - クラミジアが分離できる。 非クラミジア性非淋菌性尿道炎 - 主にマイコプラズマ、ウレアプラズマ、トリコモナスなどであり、他の多くの細菌では確実な証拠は不足している。 初診時にグラム染色で淋菌の診断が得られれば、クラミジアの検査も行う。 グラム染色で淋菌が検出できなければ、核酸増殖法(SDA法)を行う。 淋病では、3-7日で発症し強い排尿痛と膿を伴い、クラミジアでは1-3週間で発症し軽い排尿痛で粘液性の分泌物を伴う。 非クラミジア性非淋菌性尿道炎では1-5週間である。 予防 詳細は「」を参照 カウンセリングと行動科学的アプローチ 淋菌の保菌者の場合、非罹患者との性行為により一回あたり約3割の確率で相手への感染が生じるとされている。 一切の性行為(肛門性交や口腔性交などを含む)を避けることは性感染症を回避する最も信頼のおける方法となる。 また、性感染症を防ぐ上では「特定の相手とのみ性行為を行う」「を使用する」などのセーファーセックスの実行が重要である。 これは望まない妊娠を防ぐ上でも重要となる。 コンドーム コンドームの使用は効率的に性感染症を予防する事ができる。 ワクチン HPV感染症の一部とはの接種により予防可能である。 さらにHIVとヘルペスウイルスについてもワクチンの開発が進められている。 その他 男性のはHIVをはじめとした性感染症に予防効果がある事が知られている。 また、抗ウイルス薬であるのゲルもHIVの感染予防等に効果があるとされる。 治療 やの診断を受けた人のパートナーの治療選択肢には、初回検査なしで医薬品を提供することも慣行である。 パートナーの検査や治療を放置すると簡単に再感染する。 以下、日本の2016年のガイドラインより説明する。 オーラルセックスの増加により咽喉の淋菌やクラミジアの感染も増えており、咽喉にも有効な治療が第一選択となる。 淋菌のは著しく、薬剤感受性試験も行う。 咽喉では淋菌、クラミジアともに2週間以上開けてから治療判定の検査を行う。 例えば、福岡では2010年の1. 咽喉の淋菌では推奨されるのはセフトリアキソンを1グラムの注射剤のみである。 セフトリアキソンの耐性菌も日本では世界に先駆けて報告されている。 クラミジアではマクロライド系のアジスロマイシンやニューキノロン系やテトラサイクリン系が用いられる。 咽喉のクラミジアでは性器への感染に準じる。 非クラミジア性非淋菌性でも同様である。 トリコモナスではによる治療が一般的である。 梅毒ではペニシリンが第一選択である。 疫学 日本 国立感染症研究所の調査では、2008年のデータでは性感染症の罹患率は年々減少、もしくは横ばいとなっていた が、2010年以降はでは増加傾向にあり 、特に2014年以降急増している。 (AIDS)は2010年以降増加 にあったが、新規報告件数の約80%を占める日本国籍男性は、2013年(1,401件)をピークとし2017年(1,150件)まで4年連続で緩やかな減少が認められ、代わりに外国国籍報告例数は2013年には約150件、 2017年は196件に達し再増加が認められる。 紛らわしい症状 、およびは、発生部位や様態からいかにもなどの性感染症のようにみえるが、性感染症ではない。 他人に感染させることはなく、治療の必要もない。 who. int 2013年11月. 2014年11月30日閲覧。 7th ed. 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次のその男性(40代)は、記者にこう話した数日後に「強制わいせつ」の疑いで逮捕され、その後起訴された。 取材ではあんなに強い意思を語っていたのに、なぜ再び同じ犯罪に手を染めたのか。 大きな衝撃を受けるとともに、立ち直りの難しさを改めて感じた。 それから約5カ月が経った今、男性(以下「石橋さん」=仮名)はどんな思いでいるのか。 2月下旬、受刑者や出所者を支援するNPO「」理事長の弘志さんとともに、石橋さんがいる東京に向かった。 (編集部・吉田緑)「性依存症」と診断され、週6日は治療へ 前回の取材(<「もうから離れたいんです」4回服役した男性、本心打ち明けた後に再び逮捕> )は9月、「」が運営する「」にて行った。 石橋さんは当時、から出所して約3カ月で、を受けながら「」のとして活動していた。 「強制わいせつ」などので4回の服役を繰り返していた石橋さんが、「藁をも掴む思い」で「」につながったのは、同じ年の7月のことだった。 その後、「」で紹介された専門の医療機関を受診し、「性依存症」と診断された。 取材時は、週6日、治療のためのに通っていた。 石橋さんは、内で「再犯防止指導(R3)(再犯などから必要と判断された受刑者が受講する。 主に形式でおこなう)」を受講したことは3回ある。 しかし、こうして社会の中で治療を受けたのは初めてのことだったという。 なぜ再び同じことを…「分かりません」 これまでの面会では「申し訳ない」 さんにとって、石橋さんとの面会は9月の逮捕以降、今回が3度目になる。 これまでの面会で、石橋さんからは「申し訳ない」という言葉もあったという。 しかし、なぜ再び同じことをしたのかと聞くと「分かりません」と答えたようだ。 「本当に分かっていないようにみえました。 石橋には、被害者の痛みはもちろん、自分自身の痛みも分からないのだと思います」(さん) その後もさんは石橋さんに「」が発行している冊子や手紙を送った。 石橋さんから「読みたい」といわれた聖書も差し入れたという。 アクリル板ごしの再会 東京に着いた後、さんと面会の手続きをおこなった。 番号が書かれた紙を受け取り、ソファーで待つこと5分。 病院や役所などの待合室と同じように、電光に紙に書かれた番号が表示され、放送で呼び出された。 ーに荷物を預け、身体検査を済ませた後に面会室に向かう。 面会室に入ると、間もなくして刑務官とともに石橋さんがやってきた。 前回の取材時には「これから性依存のなんです。 病院に行ってきます」と笑顔で去った石橋さん。 アクリル板ごしに再会した彼は、さんを見るやいなや表情が和らぎ、記者にも笑顔を見せた。 「…」孤独だった さんが「体調はどうか」と聞くと、石橋さんは「です」と答えた。 「差し入れ」と元気に話したり、さんの家族を気にかけたりしていた。 石橋さんはさんが面会に来てくれたことに嬉しさを感じている様子だった。 しかし、さんが「性依存症」の話を始めると、石橋さんの目から光が消えた。 まるで「心ここにあらず」で他人事のように話を聞いていた。 ところが、「もうを行き来したり、同じような行為をしたりすることはやめたいんだよね」とさんが念を押すと、前をしっかり向き、力強く「はい」と頷いた。 石橋さんの中で「やめたい」「やめられない」という相反する気持ちが葛藤しているのだろうか。 さんが「前回受刑したときは誰も関わってくれる人がいなかったのでは」と聞くと、これまで「はい」しか言わなかった石橋さんがハッキリした口調でこう切り返した。 「前回だけではないです。 前から…」。 ずっと孤独だったーー。 石橋さんはそう訴えているようにみえた。 「いまは(石橋さんを)心配していたり、気にかけたりしている人がいる」というさんの言葉に、石橋さんの目が潤む。 彼の言葉に耳を傾けてくれる人は今までいなかったのではないだろうか。 4回の服役経験をもつ石橋さんだが、面会や手紙、差し入れは、初めての経験なのかもしれない。 20分間の面会時間を終えると、最後に石橋さんは「」と笑顔を見せ、深々と頭を下げた。 これまでの彼の居場所は「」 「」が受け入れる出所者の罪名は「違反」や「詐欺」「窃盗」などさまざまだ。 何度もを出入りしてきたという人もいる。 再び犯罪をしてしまう人もいるが、「生き直し」の道を歩み続けているも少なくない。 さんによると、石橋さんのように「性依存症」と診断された人を受け入れたのは初めてだったという。 石橋さんとの面会後、「」でを飲みながら、彼を知るたちに話を聞いた。 青木さん(仮名・50代男性)は「特になんとも思っていません。 彼が戻ってきたときは、また今までどおり接するだけですよ」と話す。 一方、宮原さん(仮名・30代男性)は「彼がどうしたら立ち直れるかを自分なりに考えましたが、分からないのが正直なところです」と率直な気持ちを打ち明けた。 「彼の中で何かが変わらないといけないと思います。 彼は自分が性依存症であることを分かっていないようにもみえました。 ただ、仲間と仕事しているときは笑顔でしたし、生き生きしていたんですよ。 川でのが流されたときは、怪我をしてまで取りに行きました。 石橋には、人のために何かをしようという気持ちはあるんですよね」(宮原さん) しかし、石橋さんはの前で「にまた行ってもいい」と口にすることもあったという。 これについて、さんは「彼にとっての居場所は、今までしかなかったのでしょうね」と分析する。 また、石橋さんは母子家庭で育った。 不在がちで、常に優秀な兄と自分を比較していた母親を「恨んでいる」と語ったこともあるという。 前回の取材で、石橋さんは記者に「家族とは絶縁状態にあり、よいはない」と話している。 「彼は母親を求めているのでは…そう思うことがしばしばありました。 母親と同年代のといるとき、彼は落ち着いたような笑顔を見せていましたから」(さん)被害者を生まないために「関わり続ける」 さんは裁判で、石橋さんの情状証人として法廷に立つ予定だ。 また、彼が社会に戻ってきたときは再び受け入れると決めている。 このように考えるのは、さん自身にも服役経験があるためだ。 「立ち直れたのは、私に関わってくれた人たちがいたためです」とさんは語る。 もちろん、石橋さんが起こした事件に被害者がいることは忘れてはならない。 さんによると、被害者は1人ではないようだ。 見ず知らずの人に胸を触られるなどの行為をされれば、恐怖心を感じ、心理的なを負う。 被害者に対する十分なケアや支援が必要であることは言うまでもない。 しかし、新たな被害者を生まないためには、加害者に対する働きかけもおこなっていく必要がある。 これについては、「加害者()に甘すぎる」という声も上がる。 それでも、さんの決意は変わらない。 「彼はいつか社会に戻ってきます。 被害者を生まないためにも誰かが彼に関わっていかなければなりません。 私はこれからも関わり続けます」。 性犯罪で4回服役、再び逮捕の男性「自分でもわからない」「もうやめたい」拘置所で明かした苦悩 関連ニュース•
次の【助けて下さい-子供性被害の現場から】(上) 「小さい水着を用意され、わいせつなポーズをとることを強要された。 怖くて断れませんでした」 つり上がる報酬 かつてジュニアアイドルとして活躍していた小川未菜さん(20)は、中学生のときに複数受けた性的被害についてこう話す。 母親に勧められ、幼い頃に経験したジュニアアイドルの活動を再開した矢先のことだった。 DVD制作会社や出版社、写真家などの主催者から撮影会の様子をブログで発信することを口止めされたこともあった。 通っていた中学校に事実が知れ、「AV女優」といじめられた。 不登校になり、何度も母親に「やめたい」と打ち明けた。 しかし、借金などで、母親は「家計が苦しい。 生活できなくなる」と言い、やめられなかった。 母親は、未菜さんがアイドルを続けることを望んだ。 「どんどん新しいアイドルも増えてきている。 今、中途半端にやめてしまうと後悔することになる」 1回の撮影会の報酬は数十万円。 きわどいポーズをとれば値段はつり上がる。 だが、預金通帳は母親が管理。 お金がどう入ってくるかは知らなかった。 小川さんは結局、高校にも行けず、勉強することすらできなかった。
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