それでは対になってるキャラのサイドストーリーを紹介していきます 第1話 片羽の蝶 胡蝶姉妹の話 ネタバレ 鬼に襲われて両親を亡くした 胡蝶姉妹の幼少時代のお話です。 両親は助からなかったけど、胡蝶姉妹の命を救ったのは鬼殺隊であった悲鳴嶼でした。 姉の胡蝶カナエ、妹の胡蝶しのぶは悲鳴嶼にお礼を言いに訪問したその日から3人で同居生活を始めます。 両親を失った悲しみや怒りから鬼狩りになりたいという2人に対して、悲鳴嶼は自分を慕うカナエやしのぶに対して過去の呪縛から気持ちを解放できずにいました。 まだ子供である胡蝶姉妹に危険な道を歩ませたくないという感情もあったからとも感じます。 ところが、2人の揺るぎない熱い想いに悲鳴嶼の気持ちに少しづつ変化が現れ試練を設けることになりました。 最終選別を潜り抜けた胡蝶姉妹ですが、本編で描かれたように姉のカナエは亡くなってしまいます。 カナエの死を境に しのぶの性格やイメージは180度変わった理由も描かれていました。 そして話は本編シーンへと飛び、鬼と対峙する胡蝶しのぶに話掛ける悲鳴嶼がしのぶの死の前兆を予感した描写もありました。 誰よりも鬼を憎んでいたはずですが、体格に恵まれず非力な胡蝶しのぶは鬼の頸を切ることができないという設定がなんとも言えない気持ちにさせられます。 タイトル「片羽の蝶」とはそういう意味だと悟ると一段と泣けてくるのです。 しのぶが花柱を蟲柱として昇華させた努力の重さを感じさせられました。 そしてある日突然、「温泉を掘り当てろ」という無茶な指令を出されるのでした。 これには全力で嫌がる善逸に対して宇髄は3人の自分の美人嫁の忍も裸で湯に浸かる事を告げる。 その途端下心丸出しの善逸は温泉を掘る事を決意するという安易な男心を描いたお話が笑えます。 善逸は小説でもあのテンションなので第1話の胡蝶姉妹のシリアスは話から脱線した感があって別のコミカルストーリーを読んでるように錯覚しました。 善逸は鬼滅の刃の陽の部分を表現してくれるので漫画でも大好きです。 そして善逸はあの手この手で伊之助に温泉掘りを手伝わせるのも面白かったです。 冒頭から「脳内彼女」という単語が出てきたり柱の女子を妄想してるトークも希少性が高いです。 — かほ obamitsulove 宇髄天元が善逸に温泉を掘らせた真の理由が最後に明かされますがタイトル「正しい温泉のススメ」に繫がったとハッとしました。 第3話 甘露寺密林の隠し事 おばみつ ネタバレ おばみつの関係がしっかり描かれている貴重な小説だと実感できる第3話です。 胡蝶しのぶに対して伊黒小芭内は甘露寺蜜璃の様子がおかしいと相談を持ちかけます。 しのぶが「様子がおかしいと感じた箇所は?」と問うと甘露寺の細かい変化や異変を感じた時期など突っ込みたくほど把握している伊黒小芭内はかわいいです。 そして甘露寺蜜璃と伊黒小芭内が文通してる設定まで入れてくるのはおばみつファンの心を分かっていますよね。 蜜璃のチャームポイントである「食欲」が無くなってしまったのです。 蜜璃は ある事をきっかけに「 もっとちゃんとしなくちゃいけない」と思い始めてしまい、 〇〇を封印したからだったのです。 最終的には 甘露寺蜜璃らしさを失ったら大事な物も守れないと気付かされ胡蝶しのぶに背中を押されるエピソードです。 2人は鬼殺隊に入った理由も違うし接点が無いようだけど信頼関係があるんです。 不死川玄弥は炭治郎の鬼殺隊で、最終選別を突破した後のシーンでは「刀を早くよこせ」と荒れていたのが印象的! 不死川兄弟が幼い頃、 鬼化してしまい家族を襲ってしまった母親を兄の実弥が手に掛けたのです。 幼かった玄弥はそんな兄に言ってしまった「 ある一言」から確執が生まれた経緯が描かれています。 本編では風柱である実弥は弟の玄弥に対して冷たい視線を向け、幼少の頃の兄弟愛が感じられなくなった事で玄弥には寂しい気持ちが混沌と渦巻いているように思います。 優しかった兄へのイメージが強かったので今でも寝言で兄が出てしまうほどに・・・。 不死川兄弟のファンが多い理由として表面的にはツンケンしながらも本質では兄弟愛がほのかに感じるギャップではないかな〜と思います。 第5話 笑わない君へ ぎゆしの ネタバレ 胡蝶しのぶと富岡義勇の関係性を掘り下げたエピソードが描かれているのは面白いです。 お館様の指令で富岡義勇を笑わせる?という計画を悲鳴嶼が柱に提案します。 本編で「柱からの嫌われ者」とふっかける胡蝶しのぶが印象的ですが、富岡義勇の事が嫌いなのは柱の中に2人居る事実が明らかに。 読者からは人気がある富岡義勇ですが柱には気に入られてないご様子。 そしてその理由も明らかに・・・! 寡黙な義勇に対して愛情を持ったいじりが笑える内容なので、本編で悲しみを感じながらもこんな一面や心理描写があったのね〜とニヤけてしまいます。 第6話 キメツ学園物語〜パラダイス・ロスト〜 ネタバレ 本編の流れをしっかり踏まえているサイドストーリーなので鬼滅の刃の世界観を一段と膨らませる事ができます。 小説版「キメツ学園物語」〜パラダイス・ロスト〜として収録されているので鬼滅の刃の明るい部分も存分に楽しめる公式本です! 煉獄先生がめちゃくちゃ面白かったので片羽の蝶のキメ学を読んで 煉獄ファンが増えたのでは?と思っています。
次の「まぁまぁ困ったわぁ!」 そうとは思えない伸びやかな声が街の一角に響いた。 胡蝶しのぶは聞き覚えのある声に「あれ?」と買い出し途中の足をとめる。 周りをぐるりと見渡せば、桜餅のような髪色を三つ編みにした女性の後ろ姿があるではないか。 「やっぱり蜜璃さんじゃないですか。 どうしてこんな薬屋通りに?」 「あ〜! しのぶちゃんだわ! お休みの日に偶然会えるなんてとっても嬉しい! 素敵ね!」 ギュウとしのぶは蜜璃に抱きしめられ、はちきれんばかりの豊かな胸が押し付けられる。 薄緑の毛先に桃色の奇抜な髪色を持つこの女性は鬼殺隊の恋柱の甘露寺蜜璃という。 なんでも昔は黒髪だったらしいが、大食漢な彼女が桜餅を何日も食べ続けた為に髪が変色したと、眉唾には信じがたいエピソードをもっている奇特な方である。 そんな彼女、今日は黒い隊服を脱ぎどこにでもいる可愛らしい女学生といった服装であった。 桃色の髪も高い位置で結われ、赤色の大きなリボンが座している。 その蜜璃は嬉しそうに頬を染め「素敵!素敵だわ!」と私との会合を心から喜んでいる様子だ。 膨よかな胸に埋もれるしのぶは小さく苦笑を浮かべた。 しのぶの問いかけた質問は右から左へと流されてしまったようだ。 「先ほど何か悩まれている声が聞こえましたが、なにかここで探し物でも?」 「あっごめんなさい!わたしすっかり舞い上がっちゃって……。 」 「いいえ気にしないでください。 休みが合うことは珍しいですしね。 」 「そうよね〜! しのぶちゃんとたくさんお話したいけど、こればっかりは贅沢言ってられないものね。 あッ!そういえばね! この先に美味しいお店を見つけたのよ! なんでもふわふわの洋菓子が美味しいらしくてね……」 おっとまた話が脱線してきた。 しのぶがコホンと咳をすれば、蜜璃はまたやっちゃったわ!と両手を広げ顔を真っ赤にする。 「ご、ごめんなさいしのぶちゃん!私ったらついつい話をおかしくさせちゃって……。 そうそう! ここにきた理由よね! それはね、私がおつかいを頼まれたからです!! 」 どーん。 えっへんと腰に手を添え、蜜璃は何故か自慢げだ。 一方、しのぶは大きな黒目をぱちぱちと瞬くとすぐにその表情を曇らせた。 「おつかい…ですか?柱である蜜璃さんに?」 「あっ違うのよ!鬼殺隊とは関わりない人だから!」 眉をひそめたしのぶに蜜璃は両手を広げ慌てて否定する。 柱を足にするなんて階級の乱れに繋がりかねない御法度である。 今回は違ったものの、蜜璃さんならひょいひょいと言葉に乗せられてしまいそうだ。 優しい彼女に甘える隊員が今後現れるかもしれない。 (……あぁ、でも彼が許さないか。 ) しのぶの脳裏にネチネチと粘着質……いや、注意深く慎重な男の顔が浮かぶ。 彼が同じ柱である甘露寺蜜璃を特別気にかけているのは周知の事実だ。 その彼にそれとなく話してみようか。 多少暴走するかもしれないが、抑止には最適だろう。 「しのぶちゃん? 突然考え込んだみたいだけど大丈夫かしら? 」 ハッと意識を戻しあわてて謝れば、蜜璃に「いいのよ気にしないでー」と気遣われた。 失態に頬の熱を高めたしのぶはコホンと咳をしなおす。 「それで…おつかい?でしたよね。 」 「そうよ!! でもコレは食べ物ではないみたいだし、とりあえずここに売ってるって言われてきたのだけど、でもお店がたくさんありすぎて迷ってしまったの。 」 がっくりと蜜璃は肩を落としている。 喋るたびに表情がコロコロと変わりとても表現豊かだ。 しのぶはふむと顎に手を添える。 おおよその事情は分かった。 蜜璃さんは誰かしらから買い出しを頼まれたが、買う場所も肝心の物すら把握できていないのだ。 おかしな頼まれごとだ、効率が悪すぎる。 「どういった品目なんですか? よろしければお手伝いします。 」 「えっ!!ほんと…アッ!でも…………う……ごめんなさい!!ひとりで探してきてほしいって頼まれてるのよ。 」 だからごめんなさい。 そう心底申し訳ないと言ったように更に蜜璃は肩を落とした。 おや、少しキナ臭くなってきた。 しのぶは可憐だといわれる笑顔を引っ込め細い眉をたらりと下げるとため息を吐いた。 「そうですか……お手伝いできないのは残念です。 」 「うっ…ごめんなさい。 ほんとは、ほんとはとっても手伝ってほしいのだけど……」 「いいえお気になさらないでください。 ……ところで、その頼まれたお方はどなたなんですか?」 「え? えっとねぇ、三つ先角を曲がったところにある大きな商家の息子さんよ。 少し前に甘味処で知り合ったの。 」 あそこの息子といえば、色魔のボンクラ息子として有名ではないか。 嫌な話の流れにしのぶは目線を鋭いものとさせる。 蜜璃は続いて語った。 「それでね、今日たまたま街で会ったらお困りになっているようでね、この品物どうか買ってきてほしいって頼まれちゃって。 突然だったから驚いちゃったけど、困っている人は助けないとね!!」 この品物と言う蜜璃の手には一枚の紙片がある。 見せてほしいと言ったところで蜜璃を困らせるだけだ。 どうにかして見れないものか。 そんなしのぶの思いが伝わったのか、突然強い突風が辺りに吹き荒れた。 蜜璃の細い指で摘んでいた紙片が風に煽られ飛ばされてゆく。 「あったいへんだわ!紙が!!」 このまま無くなったのを理由にどうにか蜜理を言いくるめておつかいを断念させようか。 だが紙の飛んで行った方向に蛇のようにネチッこい人を見つけ、これは運が良いとしのぶはにっこり笑った。 いつもは屋敷近くにいる虫や鼠を食べているのだが、前回の任務で彼も傷を負ってしまい。 その詫びとして少し高めの餌を買いに来たのだ。 予想以上に良いものが手に入って伊黒はご機嫌だった。 勿論表情には一切出ていない。 これはアイツも満足するだろう、そう鏑丸の待つ屋敷へと足を進めようとした。 その時突如突風が吹いた。 ビュウウと大きな風の音にのって伊黒の顔に小さなものが飛んできた。 流石の反射神経でそれを受け止める。 ぐしゃり、片手に潰してしまったそれはなにやら文字が書かれた小さな用紙だ。 「きゃ〜〜!すみません!!それ私のもので……ってアラァ!伊黒さん!」 「……!か、甘露寺!!」 目に毒な大きな胸を揺らし現れた彼女は、見慣れた隊服姿ではなく、見慣れない私服姿を身に纏っている。 いつものおさげは頭頂で纏められているのか、首筋はスッキリとしており甘露寺の愛らしさを強調させる赤い髪留めが鎮座していた。 なるほどこういうものも好きなのか。 そして、その少し背後には薬屋の紙袋を抱えた蟲柱胡蝶しのぶが涼しい顔で立っていた。 「…と胡蝶もいたか。 」 「うふふ私はついでですか?」 含みのある言葉に眉をひそめる。 だが蜜璃からぎゅっとその手を握られれば、あっという間にしのぶの存在は彼方に消える。 「あーん伊黒さん!素敵!ありがとう拾ってくださって!」 「……あぁ。 甘露寺のものだったのか。 それは良かった。 」 「それ、竹田屋の息子さんから渡された用紙ですものね。 無くならなくて良かったです。 」 竹田屋とは色魔のボンクラ息子の商店である。 スキンシップに気張っている彼にしのぶがそう言えば、メモを返そうとした伊黒の動きが止まった。 「……あの噂の商店の息子か。 」 「? うわさ?」 首をひねる甘露寺の背後からしのぶが答える。 「ええ、そうらしいです。 なんでも偶然会ってわざわざ蜜璃さんにお声かけされたようで。 」 「偶然、わざわざと。 ……なるほど理解した。 」 「え、えっと何のお話かしら?」 オロオロとしのぶと伊黒の顔を交互に見る蜜璃に、しのぶは名案だとばかりに手をポンと叩いた。 「そうです、伊黒さんに頼まれごとをお手伝いしてもらうのはどうですか?」 「え、でも私一人で買ってきてって頼まれているのよ?」 「それはきっと気恥ずかしいからですよ、蜜璃さんが頼るのは女性だと思ったのでしょう。 同じ男性である伊黒さんならなにも問題はないですよ。 」 つらつらと述べてゆけば蜜璃は困った顔で「そうなのかしら…?」と唸る。 腕を組んで思案している蜜璃を横目にメモを持っている伊黒に目線を送る。 そうすれば伊黒は蜜璃が頑なに内緒にしていたメモを開封した。 うんうんと唸っている蜜璃をいいことにしのぶもそれを覗き込む。 そこには綺麗とは言い難い乱雑な筆跡で、いわゆるマニアックな性具の名称が記されていた。 「うわ……。 」 「…………。 」 思わずといった様子でしのぶから声が漏れた。 ビリィッと伊黒の手のひらの中で紙が細切れになる。 紙の断裂音にさすがの蜜璃も目をまんまると開き啞然とした。 「えっえっ!紙が?えっどうしたの伊黒さん!?」 「あら蜜璃さん。 伊黒さんが代わりに行ってくださるようですよ。 」 「そ、そうなの? でもわたしが頼まれたから最後まで……」 「いや、これは俺の方が良いだろう。 悪いな甘露寺、奪ってしまう形になって。 」 「え! そんな!! じゃあお願いしようかしら…???」 伊黒の常にない強引な物言いに蜜璃はたじろいだ様子だったが、首を傾げている間にあっという間に話がついた。 しのぶは伊黒の背から滲み出る怒りを視界の端にフゥと息を吐いた。 とんでもない輩がいたものだ。 女性に対する酷い侮辱で、嫌がらせである。 なまじ豪家の息子であるから周りも止められらずやりたい放題なのだろう。 蜜璃がこの手に関しておぼこくて良かったものだ。 しのぶと伊黒が各々の静かな怒りに身を焦がしていると、蜜璃は「あぁ!これも伝えないとね!」と突然叫んだ。 「あとね!こちらの品物を買ったらご自宅まで運んできてほしいって言われてるの。 」 どうしてかしらね?人差し指を唇に添え蜜璃は可愛らしく首を傾げる。 しのぶは思わず白目になりかけた。 ズキズキと痛む頭に眉間を抑える。 なるほど男はそのままパクリと蜜璃を頂くつもりだったらしい。 正に鴨がネギを背負ってくるというわけだ。 うまく言いくるめられる蜜璃も蜜璃である。 危機管理がなってないに過ぎる。 いつか場を作ってしっかりと説かねばなない……いちおうカナヲにもしておこうか。 「……ほぉ…。 」 (これはフォローのしようがないです……。 ) 伊黒から漏れ出る感情がピリピリと肌を粟立たせた。 流石は柱である抑えられてもその殺気は一級品だ。 周囲の空気が徐々に重くなっていく。 ほんとうにこの伊黒さんにこの件を任せていいのだろうか心配になってきた、主に男の安否が。 一方、蜜璃は肝が座っているのか抜けているのか。 伊黒の殺気をものともせずに「でも流石に殿方の家に一人で行くのはふしだらよねぇ」と呑気に独り言を言っている。 鬼滅隊が守るべき一般人を傷つけるなんて本末転倒である。 この場合、しのぶは隊員として伊黒に「落ち着いてください」と釘を刺さなければいけない。 けれど、これは、立派な変態行為。 個人的には報復、万々歳だ。 しのぶは甘露寺蜜璃の友としてにっこり笑みを伊黒に向けた。 「伊黒さん、患者は蝶屋敷に連れてきてくださいね。 」 「……あぁ了承した。 」 苛立ち気にこちらを見た伊黒は、胡蝶の背中を押す台詞に驚いたようだったが、直ぐに目に爛々と光らせ怒りの表情に戻った。 要は結果として怪我人を出さなければいいのだ。 結果良ければ全て良し。 ボロボロになった男をどう治療してやろうか、しのぶはとびっきりの笑顔を浮かべた。 蛇と蟲が密かに共同戦線を張っていたところ、そんなことをつゆも知らない蜜璃はくるりと振り向いた。 「ところでその品物っていったい何だったの?」 ゲフゥッと激しく隣の男が咳き込んだ。 あらあらとしのぶは頬に手を添える。 爆弾を放った蜜璃は私何か変なこと言ったかしら?といった表情で大きな目をパチパチと瞬いていた。 こちらに「どうにかしろ!」との視線が刺さるが、それを黙殺しコテンと首を傾げた。 「さあ私もさっぱり…なんでしょうね?」 素知らぬふりをしたのは、淑女がいかがわしいものを知っているのが恥ずかしいからだ、決して面白そうだからではない、決して。 伊黒の怒りがしのぶに突き刺さるがすぐに霧散した。 蜜璃が伊黒に曇りない目を向けたのだ。 真っ直ぐな愛しい娘の眼差しに伊黒はタジタジである。 戦闘中でも聞かなさそうなグゥと情けないうめき声をあげている。 「伊黒さん?」 愛らしい蜜璃の顔が伊黒に近づく。 視界の暴力に言葉を詰まらせていた伊黒は限界だと言わんばかりに声を張り上げた。 「……甘露寺はまだ知らなくていい…いや一生知らなくていい…っ!!」 「い、一生ぉ!?」 顔を隠し真っ赤な耳で叫ぶ伊黒と、ガーンとショックを受けて青ざめる蜜璃。 そんなふたりを見て「あはは」と無意識にしのぶは笑っていた。 後日、運悪く包帯大けがを負ったという一般人を伊黒が蝶屋敷に保護してきたそうだ。
次のおしながき• 恋愛 鬼滅の刃の恋愛要素。 そういう漫画ではないと言ってしまえばそこまでなのですが、あると面白い組み合わせもありますよね。 この中から、私が気になったモノだけピックアップしています。 中には実弥と禰豆子でさねねずや、伊之助と禰豆子でいのねずなど、面白い組み合わせも掲載されていました。 これは二次創作の要素も含まれているようなので、そこには今回触れていません。 あくまでも、鬼滅の刃本編の内容から考えていくものとなります。 いくつかの経緯を経てカナヲにとって炭治郎は、特別な存在になっていきました。 コミックス7巻では胡蝶カナエが「カナヲにも好きな人ができたら変わる」と発言しています。 そして、そのセリフが書かれたコマには炭治郎の姿が。 これが示すことは「ゆくゆくカナヲは炭治郎の事を好きになるのであろう」という事です。 今の状態はというと、LIKEからLOVEの間といったところでしょうか。 カナヲにとって炭治郎への気持ちは、生まれて初めての気持ちだと思います。 なので、それが恋だという事にすら、気付いていない可能性があります。 一方の炭治郎はどうかというと、まだカナヲに対して意識しているという事はないでしょう。 炭治郎は誰にだって誠実で、優しい男です。 そこに誰かを特別愛する気持ちが芽生えるとしたら、全ての戦いが終わり、禰豆子が人間に戻った後の事になるのではないでしょうか。 ぎゆしの ここに恋愛要素はないように思えます。 でも、ここだけはお似合いだったなぁと思っています。 年齢も柱になった時期も義勇の方が先で、しのぶよりは先輩です。 しかしながら、しのぶは義勇を「天然ドジっ子」だと思っていました。 この二人は、柱として任務を共にこなしている時期がありました。 そこでは仲良くご飯を食べている姿も。 生きてさえいれば…。 平和な時代であれば…。 二人が今後結ばれる事もあったかもしれません。 意味深柱絵が現実になってしまい義勇が倒れるとするならば、二人は天国で…。 それはちょっと複雑ですね。 狛恋 これは「はくこゆ」でいいのでしょうか? 猗窩座の人間時代の名前「狛治」と、恋雪ちゃんの組み合わせです。 猗窩座の回想は何度見てもいいですよね。 病気がちな女の子って鉄板です。 この二人は悲しい別れ方をしてしまったけど、今は地獄で仲良くしてるのかな…? 狛治は確実に地獄行きだろうから、恋雪ちゃんも一緒に地獄に行くのでしょう。 累の親と同じように。 コミックス18巻ではやっとこの二人が見られるので、12月の発売が楽しみです。 さねカナ 個人的にかなり好きな組み合わせです。 カナエに関しては、ぎゆナエ・煉カナ(炎花)・ひめカナと、色々なカップリングが掲載されていました。 というのも、実弥の柱入りの際に、この人達が集合していたからなのでしょう。 この人達のいずれかの組み合わせが、当時あったのではないかと。 その中でも特に私が好きなのは「さねカナ」の組み合わせです。 それは何故か。 実弥がお館様に食ってかかるシーンで、そっと実弥の腕をつかむカナエがいたからです。 そして、優しく実弥を諭すカナエ。 こちらもしのぶと同様生きていれば…。 悲しい。 おばみつ 最後はこのカップリング。 もうこれは、正式にカップリングと呼んでもいいのではないでしょうか。 間違いないのは、小芭内は蜜璃にべた惚れだという事です。 公式でも小芭内は、蜜璃に一目惚れしたと公表されています。 そして、蜜璃の中でも小芭内は、少し特別なようです。 この二人に関しては「あとはタイミングだけ」といったところでしょう。 私が今回恋愛事情について考える事になったのも、この二人の行く末を案じてのものでした。 今まさに、おばみつ対鳴女の決戦が始まろうとしています。 無限城に入ってから二人は行動を共にしており、二人の距離はグッと縮まっていると思います。 ここから鳴女と無惨さえ倒してしまえれば、あとはゴールインを待つのみとなるでしょう。 しかし、ここでも意味深柱絵が立ちふさがります。 意味深柱絵では、小芭内も蜜璃も死亡してしまうという示唆が出ています。 どちらかが残されるよりはいいものの、死亡してしまうのはやはり悲しい。 できればこの世で二人、結ばれる事を願いたいものです。 でも、ワニ先生は甘くない。 ここは物語を盛り上げるために、綺麗な恋愛感情が描かれる可能性もありますよね。 狛治と恋雪のように。 死ぬと分かっていながら、結ばれる二人。 そんな展開が想像できてしまいます。 まとめ的なもの もしも、カナヲとおばみつが亡くなるような事があれば、私のお気に入りの恋愛事情は全滅です。 全て悲しい末路となってしまいます。 それだけは何とか防いでほしい。 小芭内の覚醒と蜜璃のギャグ補正で、何とか乗り切ってほしい。 カナヲはもう戦わなくてもいいのではないでしょうか。 ワニ先生、頼みます。
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