・左右の耳の、トラブルが起きている側の血管をほぐして血流を良くし、バランスを整える ・めまいや耳鳴りの原因となる異常な神経興奮を抑え、ノイズを遮る という二つの作用によりめまいを治します。 セファドールはメリスロンと同様、内耳循環改善の薬で、内耳の血流を良くするという意味では同じですが、メリスロンとは全く異なる成分で出来ているため、その働きも異なっています。 メリスロンについてはこちらの記事をご参考下さい。 三半規管 さんはんきかん というのは、多くの方が耳にしたことのある言葉ではないでしょうか。 耳の鼓膜の内側を内耳 ないじ と呼び、カタツムリのような形の機関があります。 そのカタツムリの渦巻きから上に伸びる太い部分が前庭、更に上の部分が三半規管で、前庭神経は脳へと繋がる部分です。 三半規管は体の動きをとらえ、前庭の内側にある耳石器が重力を感知します。 これらの部分に障害が生じるとフワフワとしたり、回っているような感覚が生じ、めまいとなって表れます。 特に前庭神経は脳へと体の動きを伝える部分であるため、ここが萎縮したり異常興奮を起こすと、体の動きを正常に伝えられなくなり、強い回転性のめまいを起こしたり、耳鳴りといったノイズを感じ取ってしまいます。 セファドールは左右の耳の、患部側の血流を良くし、三半規管や前庭部分の働きを正常に戻しめまいを取り除きます。 また、前庭神経で生じる異常興奮を抑えノイズを遮断したり、血管をほぐすことによって脳への伝達を正常化します。 スポンサードリンク セファドール錠25mgについて セファドール錠25mgは日本新薬が出している薬で、直径7,1mm、厚さ3,2mmの錠剤です。 ジフェニドールとは主成分でジフェニドール塩酸塩というものです。 また、後発であるジェネリックには ・ジフェニドール塩酸塩錠25mg ・トスペラール錠25mg ・サタノロン錠25mg などがあります。 用法・用量 1~2錠 25mg~50mg を一日三回服用するのが一般的な用法です。 しかし使用量は、症状や年齢によって増減されますので、服用時は必ず医師の指示や服用法を守るようにしましょう。 飲み忘れてしまった場合は、気がついた時に早めに飲むようにしましょう。 ただし、次に飲む期間が近いのであれば、飲み忘れた分は飛ばしてもかまいません。 飲み忘れたからと言って、2回分を一度にまとめて飲む事は厳禁です。 もし、誤って多く摂取してしまった場合は医師に相談するようにしましょう。 副作用 さて、気になるの副作用ですが、一番多くみられるのは 口の渇きです。 その他には、 ・食欲不振 ・不安定感、浮動感 ・頭痛 ・眩しさ、目のかすみ ・尿が出にくくなる ・動悸 ・発疹、じんましん などが、一部の人にはみられるようです。 気持ち悪さやフワフワした感じなどは、元々のめまいの症状であるのか副作用によるものであるのかが気になるところではありますが、実際に、かえって更にめまいを感じてしまうという場合もあるとの事です。 スポンサードリンク 抗コリン作用と注意点について セファドールを使用するにあたって、 緑内障の方や、 前立腺肥大、 腸閉塞 等の 閉塞性疾患のある方は注意が必要です。 セファドールの主成分であるジフェニドール塩酸塩は、抗コリン作用という、副交感神経を抑制する働きを持っています。 副交感神経が働くことによってリラックスした状態が出来上がるのですが、抗コリン作用によって、リラックスできない状態になると考えると分りやすいかも知れません。 やる気を司る交感神経とリラックスの副交感神経は、目や消化器等も含めた体全体の正反対の働きをコントロールしています。 大まかには、交感神経で縮んで緊張し、副交感神経で緩むと考えると良いでしょう。 副交感神経の抑制によって唾液の分泌が妨げられ口が渇き、食べ物の消化が抑えられ、腸の働きが弱まり、排泄もされにくくなります。 また、目は涙が分泌される穴が縮まり、眼圧が上がるので眩しく感じたり、目が乾くといった状態を招きます。 抗コリン作用の強い薬は、頻尿改善、汗を抑制し多汗症改善、下痢止めなどに用いられるため、その必要のない状態や逆のトラブルがある場合には要注意となります。 まとめ セファドールは問題が起きている側の内耳の血流を良くしたり、前庭神経の異常興奮を抑えて耳鳴りをシャットアウトする薬です。 メニエール病やその他の、内耳のトラブルが原因のめまいに用いられますが、人によっては合う合わないがあります。 かえってめまいを強く感じてしまう事もあるので、医師と相談して使用するのが良いでしょう。 関連記事としてこちらもご参考下さい。
次のセファドールとは? 名前の由来ですが、頭部を意味する Cephaloと一般名の ジフェニドール:Difeni dolの下線部を抜き出し Cephadol:セファドールと命名されています。 セファドールの作用を簡単に説明すると 「内耳内の血流を改善し、神経興奮を抑制することでめまいを改善する」になります。 それでは作用機序についてもう少し詳しくみていきましょう。 セファドールの作用機序と特徴 冒頭でお話しましたが、セファドールは 「内耳障害にもとづくめまい」に適応があります。 内耳障害とは、人間の平衡感覚をつかさどる内耳に何らかの不具合が生じ、それによってぐるぐると周囲が回転しているようなめまいが発生している状態を指しています。 内耳障害となる場合に多いのが、 内耳内にリンパ液が過剰に溜まってしまっている状態です。 つまりリンパ液をなんとかできれば症状の改善が期待できることになります。 セファドールは 内耳内の血流を調節し、血流の流れが滞っている部分を緩和し、スムーズに血流循環させる効果を持っています。 血流循環が促進されることでリンパ液の代謝も促進され、内耳障害が改善されるのです。 さらにセファドールは、 めまいによる過剰な神経興奮を抑制する効果も持ち合わせています。 めまいによる神経興奮を抑制することで、早期にめまいから回復することができるとされており、血流改善効果も相まって効果的にめまいを改善させることが可能になるのです。 セファドールの副作用 セファドールには重篤な副作用の報告はなく、比較的使用しやすい医薬品といえるでしょう。 ただし、 抗コリン作用を持つためにそれに伴った副作用は発生しやすくなります。 眼症状では調節障害や散瞳等の発生報告があり、消化器症状としては口渇が投薬したうちの4%ほど報告され、副作用の中でも発生頻度が高いものとなっています。 実際私が患者様とお話しても口渇を訴える方は結構いますね。 他に報告されている副作用としては以下のようなものがあります。 ・精神神経系症状:浮動感・不安定感・頭痛・頭重感、幻覚、錯乱など ・皮膚障害:発疹・蕁麻疹等 ・肝臓症状:肝機能異常(肝機能検査値の上昇等)など ・消化器症状:口渇、食欲不振、胃・腹部不快感、胸やけ、悪心・嘔吐、胃痛など ・その他の症状:傾眠、動悸、顔面熱感、口内違和感、排尿困難など 副作用のなかでも、眼症状と皮膚症状が発生した場合には投与の中止が必要となり、幻覚や不安定感が発生した場合には減量や中止を考慮する必要があります。 速やかに医療機関を受診するようにして下さい。 スポンサーリンク セファドールの注意事項 セファドールには服薬してはいけない禁忌が存在します。 この成分に過敏症の既往歴がある患者では禁忌となり、 重篤な腎機能障害のある患者でも、排泄遅延による副作用発現の危険性があるために禁忌とされています。 慎重投与としては、緑内障の患者、薬疹・蕁麻疹等の既往歴がある患者、前立腺肥大等尿路に閉塞性疾患のある患者、胃腸管に閉塞がある患者があげられます。 これらは先程お話した セファドールが持つ抗コリン作用に起因します。 抗コリン作用により眼圧の上昇が起きれば緑内障が悪化する可能性がありますし、排尿困難の悪化や胃腸管の閉塞が悪化してしまう危険性も考えられます。 唯一、薬疹・蕁麻疹の既往歴という患者に関しては、副作用としてそれらの症状が誘発されてしまう危険性があるためのもので、その他の慎重投与とは異なるものと考えていいでしょう。 セファドールには 制吐作用があるため、ジギタリス中毒や脳梗塞などが原因で起きる嘔吐を抑制してしまう場合があります。 早期に対策することで予後(病後の経過)の改善が期待できる場合が多いものですので、こういった可能性があることを考慮して使用する必要があります。 セファドールとメリスロンの違い どちらも内耳障害によるめまいを改善することが期待できる医薬品ですが、両者には違いがあります。 まず作用機序ですが、メリスロンは 内耳の血流量の増加と毛細血管の透過性の亢進により、リンパ液の過剰を改善する効果をもちます。 これによりめまいに対して効果を発揮しますので、メニエール病によるめまいに対して特に効果的と考えられています。 一方セファドールは 内耳の血流量を調節し、不足している側には供給を促します。 さらに、 めまいによる神経の過剰興奮を抑制することで、めまいからの早期回復を促します。 似た効果をもつ2剤ですが、その作用機序の違いから併用も可能であり、実際に処方されるケースもあります。 また副作用においても、メリスロンは構造がヒスタミンに似ているため、ヒスタミンに似た副作用が発生しやすくなります。 胃酸の分泌亢進や気管支の収縮が発生する可能性があり、消化性潰瘍や気管支喘息などの既往歴のある患者には慎重投与となっています。 一方のセファドールではそういった副作用はありませんが、抗コリン作用による副作用が発現する可能性があります。 適応だけでなく、副作用の観点から両者を使い分けることもあります。 剤形についてはメリスロンは錠剤のみ。 セファドールは錠剤に加え、顆粒があります。 それではセファドールについては以上とさせて頂きます。 最後まで読んで頂きありがとうございました。
次の【禁忌】 次の患者には投与しないこと• 重篤な腎機能障害のある患者[本剤の排泄が低下し、蓄積が起こり副作用の発現のおそれがある。 本剤に過敏症の既往歴のある患者 副作用 注意 慎重投与 次の患者には慎重に投与すること 緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧を上昇させるおそれがある。 ] 薬疹、蕁麻疹等の既往歴のある患者 前立腺肥大等尿路に閉塞性疾患のある患者[抗コリン作用により排尿困難を悪化させることがある。 ] 胃腸管に閉塞のある患者[抗コリン作用により症状を悪化させることがある。 ] 適用上の注意 薬剤交付時 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。 [PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。 ] 高齢者への投与 一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。 [妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。 ] 薬物動態 血漿中濃度 低胃酸の健康成人10例に本剤1錠(ジフェニドール塩酸塩25mg)を絶食時に経口投与した場合,血漿中ジフェニドール濃度は投与後約1. 6時間で最高値に達し,その後約6. 5時間の半減期で消失した。 39 59. 8 6. 日本新薬株式会社 薬剤一覧•
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