ジスロマックはマクロライド系の抗生物質です。 ばい菌をやっつけるお薬です。 qlifepro. jpgより引用) 特にマイコプラズマという種類のばい菌をやっつける目的で使われます。 この記事では副鼻腔炎でジスロマックを使う場合について解説します。 副鼻腔炎でジスロマックを使う時はどんなとき? まず抗生物質を使う時はばい菌が原因だとお医者さんが判断した時です。 抗生物質はばい菌をやっつけるお薬だからです。 風邪をひいたらたいてい透明な鼻水がでて その後、黄緑色の鼻水が続くことが多いです。 あなたもそんな経験があるでしょう。 そんな感じで風邪をひいた後に黄緑色の鼻水がでるときには たいてい副鼻腔炎を起こしています。 黄緑色の鼻水の原因はたいていばい菌です。 ケガをしたときに傷口が膿んでくることがあります。 膿の色は黄緑色です。 ばい菌が傷口に侵入した結果起きています。 傷口の膿と黄緑色の鼻水は同じ成分です。 つまり黄緑色の鼻水はばい菌の感染による膿です。 これを通称「青っ鼻」と言っているわけですね。 そのため、風邪をひいた後などに起こる副鼻腔炎の場合には 抗生物質をお医者さんは処方します。 お医者さんがばい菌が原因で副鼻腔炎が起きていると判断したら たいてい 初めはセフェム系という種類の抗生物質を処方することが多いです。 セフェム系の抗生物質が副鼻腔炎に潜んでいるばい菌に効果があることがわかっているからです。 でも、たまにセフェム系が効かない場合があります。 そんな場合にお医者さんは少し困った顔をしながら 「 じゃ、ジスロマックを処方します」と言います。 ジスロマックはマクロライド系という種類の抗生物質です。 副鼻腔炎だからといって最初からいきなり処方しません。 ジスロマックは記事の冒頭でも書きましたがマイコプラズマという種類のばい菌によく効きます。 でも、ほとんどの副鼻腔炎の原因菌はマイコプラズマではないからです。 だから、副鼻腔炎によう膿が鼻から出ていると思ったら お薬としてはセフェム系という抗生物質を処方し、 もし効かなかったらジスロマックを処方するということです。 関連ページ 子供の副鼻腔炎の治療薬として抗生物質はどうなのでしょうか?わかりやすく解説しました。 ムコダインという薬は副鼻腔炎の症状の何に効果があるのでしょうか?わかりやすく解説しました。 副鼻腔炎にフロモックスというお薬はどうなのでしょうか?わかりやすく解説しました。 副鼻腔炎でクラリスというお薬が使われる理由についてわかりやすく解説しました。 妊娠中に副鼻腔炎になった場合、薬を飲めない場合があります。 そんな場合の対処法についてわかりやすく解説しました。 副鼻腔炎の薬にはどんな副作用があるのでしょうか?わかりやすく解説しました。 副鼻腔炎の薬が効かないことがあります。 それはどうしてでしょうか?わかりやすく解説しました。 副鼻腔炎でジェニナックはどんな時に使うお薬でしょうか?わかりやすく解説しました。 副鼻腔炎でセレスタミンはどんな時に使うお薬なのでしょうか?わかりやすく解説しました。 なぜ副鼻腔炎の薬を飲むと下痢が起こるのでしょうか?わかりやすく解説しました。 メイアクトという薬は副鼻腔炎に有効なのでしょうか?わかりやすく解説しました。 副鼻腔炎の薬とお酒の関係についてわかりやすく解説しました。 副鼻腔炎にアレロックという薬はどうなのでしょうか?わかりやすく解説しました。
次のマクロライド系抗生物質の一つであるAの構造式 マクロライド系抗生物質(マクロライドけいこうせいぶっしつ、以下マクロライド)は、主にとして用いられる一群のの総称。 抗生物質としては比較的副作用が少なく、抗菌スペクトルも広い。 ことに、などのや、に対しては第一選択薬となる。 小児から老人まで広く処方される頻用薬の一つであるが、一方ではその汎用性が一因となってマクロライド耐性を示す微生物が増加しており、医療上の問題になっている。 また、他の薬物とのが問題となる場合もある。 マクロライドの活性は化学構造上の環に由来する。 これは大分子量の環で、1つまたはそれ以上のデオキシ糖(通常はか)が結合されている。 このラクトン環は、14員環、15員環、ないし16員環でありうる。 歴史 [ ] 最初に実用化されたマクロライドはである。 社のマクガイア J. McGuire らによって、の土壌中から分離されたの一種、 Saccharopolyspora erythraea(旧名 Streptomyces erythraeus)から分離された。 1952年にはで、 Ilosoneという商品名で発売された。 薬理作用 [ ] 作用機序 [ ] マクロライドの作用機序は、真正細菌のの50Sサブユニットという部分に結合することによって、のタンパク合成を阻害することによる。 この時、ペプチジル(アミノ酸のキャリアーになっている、アミノ酸の貼り付けられたtRNAのこと)の転位が阻害される。 人間が含まれるドメインのリボゾームは、ドメインのリボゾームとは構造が異なっているので、人間のタンパク合成は阻害されない(なお、ドメインのリボソームも阻害されない)。 同様の、リボゾームの構造の違いを利用した選択毒性を用いている抗生物質には、、がある。 ただし細かな結合部位と作用機序は異なる。 微生物学的には、この作用機序は主に 静菌的、つまり、あくまでも増殖の抑制作用であり、菌の殺滅は宿主の免疫に依存しているが、高濃度では殺菌的にも働きうる。 薬物動態 [ ] 抗生物質を実際に感染症の治療に用いる場合には、その作用が「時間依存性か、濃度依存性か」が本質的に重要であるが、マクロライドは基本的には 時間依存性の薬物と考えられている。 つまり、最小発育阻止濃度(MIC:微生物の増殖を阻止するために必要な濃度)よりも高い濃度を長く保てば保つほど効果を発揮し、それ以上いくら濃度を上げても、基本的にはあまり意味が無い。 一部のマクロライド系抗生物質、例えばクラリスロマイシンには徐放製剤(ゆっくり有効成分を溶け出させることで作用時間を延ばすようデザインされた製剤)も実用化されている。 ただし、日本では認可されていない。 この点では、アジスロマイシンやは少し普通のマクロライドとは異なるようである。 またマクロライドは、宿主の細胞内への浸透性が高く、特にの中に蓄積しやすいという特長を持つ。 このため、細胞内部に寄生する病原体に対しても有効である(を参照)ほか、白血球が感染の病巣に集積することによって薬剤が感染症へ運ばれやすいという、効果を発揮する上での利点がある。 適応 [ ] マクロライドは、例えば系に比べて幅広い抗菌スペクトラムを持ち、呼吸器や軟部組織などの多くの感染症に適応がある。 例として、、、、そしてといった陽性球菌による感染症が挙げられる。 ただし、かなり耐性化が進んでいるものもあり、効果の面からも基本的には・系の使用が優先され、ペニシリンアレルギーなどのある人に対する代替薬である。 特に、他の薬剤に比して特徴的であるのは、、といった、、(ことに非定型抗酸菌)に対する抗菌力を有する点である。 ペニシリン系はペプチドグリカン細胞壁の合成阻害を作用機序とするため、そのものを持たないや、への依存が低い細胞壁を持つなどには無効であるが、マクロライドはこれらに対しても有効である。 またマクロライドは、宿主細胞の内部への浸透性が高いという特長があるため、細胞浸透性が悪いペニシリン系やアミノグリコシド系の効果が低い、リケッチアやクラミジア、抗酸菌などの細胞内寄生体に対しても有効である。 もう一つの、同様な利点を持つ抗生物質の代表であるは、や歯牙の形成に対する悪影響 歯牙黄染 などがあるため、ことに妊婦や乳幼児では処方しにくい。 従って、こうした微生物の引き起こす感染症である、、そして、、肺炎などではマクロライドが第一選択薬として用いられる。 感染症には完全に無効であるので、原則として処方しない。 ただし、例外的に、その病原体がマイコプラズマやクラミジアによるのか、ウイルスによるのか判断に迷うケース(例えば、軽い肺炎・気管支炎で、検査所見などから一般的な細菌が病原体として考えにくい症例)では、臨床的な重症度を考慮して、エンピリックな(起因菌同定前の)治療にマクロライドを用いることが実際にはある。 一方で、(いわゆるかぜ症候群)に対しても無効であり、この場合、マクロライドに限らず抗生物質の投与は一般的には推奨されていない。 抗菌作用のほかに、14員環マクロライド(例:、)は DPB に対して特効的な治療効果を有することが日本で明らかになった。 それ以来、マクロライドの持つ抗微生物作用以外の働きは、興味深い研究対象となっている。 問題点 [ ] 副作用 [ ] マクロライドの副作用は頻度、種類ともに多くはなく、比較的安全な薬物である。 まず、系でまれに問題になるような、重篤なアレルギー反応は少ない。 主な副作用は、、悪心(吐き気)、嘔吐などの消化器症状である。 最初に実用化されたマクロライドであるではこうした副作用の頻度が高い。 などの新しい薬剤ではかなり改善されている。 また様作用を軽減するには錠の併用が効果を示すこともある。 ほか、まれではあるが代表的な副作用に、における異常(QT時間の延長)がある。 薬物相互作用 [ ] 多くのマクロライドはの という特定ので代謝されるうえに、代謝物のニトロソアルカン化合物がCYP3A4の活性中心であるヘム鉄に共有結合するとされる。 そのため、マクロライド自体の副作用よりも、この同じ代謝酵素を利用している、複数の薬物との薬物相互作用(つまり、代謝の拮抗)が問題となることが多い。 この問題を起こす薬物にの治療薬である(商品名テオドール、テオロングなど)があり、テオフィリンと併用することでテオフィリンの代謝が阻害され血中濃度上昇し、副作用のなどが起こりやすくなる。 また、に於いても血中濃度が上昇し危険なレベルの性ショックを引き起こす可能性があるとの報告がある。 もう一つ、上記のようにマクロライドには異常を引き起こす副作用がある。 従って、同様のQT延長作用のある薬物を併用すると、副作用が増悪し、場合によっては致死的なを引き起こすことになる。 この種の薬物の代表は第二世代の(商品名トリルダン)であり、この薬物は代謝拮抗作用も併せ持つため、併用は 禁忌となっている(日本では2001年に販売中止)。 他にも、(商品名デパケン)、(商品名テグレトール)など、マクロライドと相互作用する薬物は複数存在する。 耐性 [ ] マクロライドに対するは比較的起こりやすく、現在、臨床上の重大な問題になっている。 この変異は上で(つまり変異によって)発生することもあれば、介在性で、細菌から細菌へ伝達され得ることもある。 1種類のマクロライドに耐性を持つとほかのマクロライドにも耐性を持つことが多い()。 耐性化に以下のような機序が考えられている。 のマクロライド結合部位が変異する。 細菌の細胞膜で、マクロライドに対する透過性が変化する、ないしマクロライドを外にくみ出す機構ができる。 マクロライドを分解する酵素を産生するようになる。 そのため、非定型肺炎、クラミジア、非定型抗酸菌、ピロリ菌、と適応が狭くなった。 そのほかの問題 [ ] マクロライドの、実地臨床上の重要な弱点は、耐性の問題のほかに、抗生物質の中では比較的高価であることと、 苦味が強いことである。 後者の問題はしばしば軽視されがちであるが、乳幼児や若年者に用いる薬剤としては深刻な問題である。 マクロライドに限らず抗生物質は基本的に、不規則な服薬をすることで耐性菌の発生を助長してしまうので、味が良くないことで患者が薬を飲まなくなることは避けなければならない。 このため、医師や薬剤師はの維持に注意を払っている。 フィルムコートされた錠剤の場合、苦味はほとんど問題とならないが、粉薬ではどうしても苦味が発生しやすい。 しかし近年では甘味のコーティングを工夫したり、苦味を抑える添加物を加えたりして、各薬剤とも改良が行われてきており、以前よりも苦味に対する問題は少なくなりつつある。 また14員環マクロライドに比べて16員環マクロライドは苦みが少ないためこの点では有効になり得る。 経口服用が出来ない場合、注射薬やテトラサイクリン系への変更を考慮することもある。 種類 [ ] 代表的なマクロライド系抗生物質を以下に示す。 薬剤の名称は一般名で表記し、括弧内太字に商品名を表した。 商品名が併記されていないものについては、一般名と同じ名で販売されていることを意味する。 頻用されるマクロライド類• 14員環• (エリスロシン)• (クラリス、クラリシッド)• (ルリッド)• 15員環• (ジスロマック)• 16員環• (ジョサマイ)• (リカマイシン)• そのほかのマクロライド類• (ロイコマイシン)• (ケテック) - 2003年に発売(日本)されたマクロライドの類縁抗生物質。 マクロライド耐性微生物に対する新たな切り札になるのではないか、と期待されているが、日本では意識障害という重篤な副作用(自動車運転中に意識消失し事故発生など)の多発によりが発出され、基本的に他製剤では代替出来ない場合に用いる慎重投与の製品となっており、市場規模が小さい。 リンコサマイド系(リンコマイシン系)• (リンコシン) - 最初のリンコサマイド系抗生物質。 リボゾームの50Sサブユニットを阻害して細菌のタンパク合成を阻害する機序はマクロライド系と同じだが、化学的構造は全く異なる。 (ダラシン) - 誤嚥性肺炎・感染によく用いられる。 抗細菌薬以外のマクロライド• (プログラフ・プロトピック) - 日本(:現)で開発された、きわめて重要な(阻害薬)であるが、構造的にはマクロライドの一つである。 筑波放線菌に由来し、に類似した作用を有する。 WHOの「エッセンシャルドラッグ」リストには、の各種製剤が収載されている。 ただし、「エッセンシャルドラッグ」リストは「途上国でも買える薬」を対象にしているため、エッセンシャルドラッグ即ち「日本で重要な薬」とは限らず、日本で重要な薬が必ずエッセンシャルドラッグに入っている、という訳でもない。 使い分け [ ] よく用いられる薬物としてはエリスロマイシン(EM、商品名エリスロシン)、クラリスロマイシン(CAM、商品名クラリス、クラリシッド)、(AZM、商品名ジスロマック)があげられる。 アジスロマイシンは消化器症状も少なく、薬物相互作用も少なく、さらに一日一回投与で良いので大変扱いやすい薬である。 しかし保険適応では3日間しかない。 細胞内寄生菌がターゲットの場合は3日間の投与で1週間の抗菌効果が期待できるもののそれでも治らないことはエリスロマイシンは少量投与が一部の慢性呼吸器疾患に有効であることが知られているが、抗菌薬として用いることは2007年現在非常にまれである [ ]。 クラリスロマイシンはの除去やの治療にと併用することがある。 エリスロマイシン、クラリスロマイシンは共に副作用としての消化器症状が強く、シクロスポリンやワーファリンとの相互作用があり、更にエリスロマイシンは一日四回投与でクラリスロマイシンは一日二回投与なのでアジスロマイシンと比べると使いにくい。 マクロライド系の親戚としてはケトライド系のテリスロマイシン(TEL、商品名ケテック)とリンコマイシン系の(CLDM、商品名ダラシン)があげられる。 テリスロマイシンはマクロライド耐性の肺炎球菌にも効果があるが意識障害の副作用があり、普及していない。 クリンダマイシンは非定型肺炎には効果がないがグラム陽性球菌(肺炎球菌、レンサ球菌、黄色ブドウ球菌など)や口腔内の嫌気性菌に効果がありに用いられる。 やなどでは、マクロライド系・テトラサイクリン系・ニューキノロン系抗菌薬が用いられることが多い。 百日咳 急性のではマクロライドがよく用いられる。 STD クラミジア感染、淋菌感染やPIDでのクラミジア重感染を疑いアジスロマイシン(ジスロマック)1000mg1日1回投与などが行われる場合がある。 ネコ引っかき病 ほとんどは重篤化せず軽度の腫れでは治療の必要はない。 抗菌薬が使われる場合にはマクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗生物質が第一選択になる。 ただし、は有効ではないとする報告もある ピロリ菌除去 プロトンポンプ阻害薬、クラリスロマイシン、アモキシシリンの同時投与も治療の一つとして行われる。 脚注 [ ].
次の前回は、について解説いたしましたが、今回は抗生物質について解説します。 怪我をした時や歯科治療を受けた時など、いろいろな場面で抗生物質の処方を受けることがあると思います。 また、免疫抑制剤を服用して免疫状態を調整し抑えている場合は、そうでない人に比べると感染のリスクが幾分高くなるため、予防のために抗生物質の処方を受けることもあるかと思います。 今回は、腎移植を受け免疫抑制剤を服用されているみなさんが知っておくべき、免疫抑制剤と抗生物質の相互作用や腎臓と抗生物質について解説します。 (1)抗生物質とは 微生物が産生し、細菌の増殖や機能を阻害する物質の総称です。 ペニシリンは青カビから作られた世界で最初の抗生物質です。 それに対して、人間によって化学的に合成された薬を抗菌薬と呼びます。 どちらも細菌の感染を抑える点では同義語といえます。 抗生物質は、構造や特徴によってペニシリン系、セフェム系、マクロライド系、アミノグリコシド系、キノロン系などいくつかの系統に分類されます。 治療の標的細菌により適切な抗生物質を選びます。 抗生物質は、細菌感染を抑えるというすばらしい効果がありますが、適正な使い方がされないと逆に体にとって以下のような悪い作用をもたらします。 ・薬剤耐性 (*1) 抗生物質を服用し体内で薬剤の暴露を受けた細菌が生き残った場合、その細菌は薬剤耐性を獲得します(耐性菌)。 適正な服用量や服用期間を守らなかった場合や同じ抗生物質を長期間服用し続けることで起こりやすいと言われています。 また、耐性菌に感染すると、抗生物質を服用しても体内では耐性菌だけが生き残り増殖します。 このように薬剤耐性がある場合、治療に難渋することになります。 ・腸内細菌への影響 ヒトの腸内には約3万種の腸内細菌が生息していると言われています。 それらは悪玉菌、善玉菌、日和見菌 (*2)に分類でき、バランスを取りながらある種の生態系を形成し、病気や老化から体を守っています。 抗生物質の服用によりそのバランスがくずれたり、腸内フローラ (*3)が死滅してしまったりすることで有害な作用を引き起こします。 なかでも移植患者さんの場合は、長引く下痢には注意が必要です。 思った以上の脱水が伴うことで、免疫抑制剤の血中濃度が不安定になったり、腎臓への負担を大きくしたりします。 ・感染症の遷延化 抗生物質はウイルスには効きません。 また標的の細菌に対して効果のある抗生物質を投与しないと効き目はありません。 それらに対し無配慮に服用を続けていると、薬の副作用だけを被る場合 があります。 以前処方された薬ののみ残しや家族や知人の薬を服用する時に起こる可能性があります。 (*1)抗生物質の薬剤耐性:細菌が抗生物質に対して抵抗性を持つことにより薬剤が効かない、あるいは効きにくくなる現象のこと。 (*2)悪玉菌:一部の大腸菌、ウエルシュ菌などで健康に悪影響を与える菌の総称。 善玉菌:ビフィズス菌、カゼリ菌などの健康に良い影響を与える菌の総称。 日和見菌:一部の大腸菌、バクテロイデス属の菌などで、体内で悪玉菌と善玉菌の割合の優性な方に変化する作用をもつ菌の総称。 (*3)腸内フローラ:腸内に存在する細菌全体のこと。 (2)免疫抑制剤と抗生物質の相互作用 抗生物質の中には免疫抑制剤の血中濃度に影響を与えるものがあります。 そのため、タクロリムスやシクロスポリンを服用中の人がクラリスロマイシン、エリスロマイシンを服用すると、タクロリムスやシクロスポリンの血中濃度は急に高くなってしまい、免疫状態はとても不安定になります。 (肝臓の薬物代謝酵素については、をご覧下さい。 上記の抗生物質が移植医以外のところから処方された場合は、移植医、薬剤師にお問い合わせ下さい。 上記抗生物質の服用中に、免疫抑制剤の血中濃度を測りにきていただいたり、抗生物質の変更をお願いしたりすることがあります。 (3)腎臓と抗生物質 抗生物質の中には、肝臓での代謝を受けず未変化体のまま腎臓から排泄される薬剤が数多くあります。 腎臓の機能の低下した患者さんにとって、このような薬剤は体外へ排泄されにくく、体内の薬の血中濃度は健常人に比べて高くなります。 未変化体で排泄される薬が体内に長く留まることは、効果が強く出過ぎたり、さらに副作用も強く出やすくなったりします。 このことから腎臓の機能の低下した患者さんでは服用量や服用回数の調節が必要になります。 (腎臓と薬については、をご覧下さい。 移植医以外のところ(歯医者さんから、風邪で近医の内科さんから、耳鼻科からなど)から抗生物質が処方された場合は処方医、薬剤師にお問い合わせ下さい。 重要 しかしながら、一つ大事なポイントとして、上記のような腎臓に負担をかける薬剤であっても、病状から使うことの必要性が、腎臓への負担というリスクよりも上回ると医師が判断した場合は、これらの薬剤が使われることがあります。 服用について自己判断をしないようにしましょう。
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