マスクがない。 マスクをつけてもインフルエンザ感染を防げない理由(宮坂 昌之)

「マスクの品切れ」が延々と続いている根本理由

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新型コロナウイルスの感染拡大防止の一環で、安倍晋三首相が洗濯して繰り返し使える布マスクを5千万余りある全世帯に2枚ずつ配る方針を表明した。 布マスクの効用をめぐっては、専門家の間でも懐疑的な見方が多い。 九州大学大学院の矢原徹一教授(生命科学)は「国は布マスクの配布に加え、子どもたちのために自作するよう要請しているが、適切ではない」と指摘する。 布マスクは織り目のサイズが大きいため、飛沫(ひまつ)を防ぐ効果が小さい。 また繰り返し洗って使う場合、管理が悪いと雑菌がはびこる可能性があり、かえって不衛生になる可能性も挙げる。 5年前に英国の医学誌に発表された論文では、1607人の医療従事者を、医療用マスクをつける人、布マスクをつける人、マスクをつけたり外したりする人にわけて感染リスクを比べたところ、布マスクをつけた人がもっとも呼吸器疾患やインフルエンザ症状を示した人が多かったという。 WHO(世界保健機関)は、新型コロナ感染拡大期における布マスク使用について「いかなる状況においても勧めない」と助言している。 聖路加国際大学の大西一成准教授(公衆衛生学)も「布マスクには他者からの感染を防ぐ効果はまったく期待できない」と話す。 布マスクとの間に不織布を挟むというアイデアもあるが、顔との間に隙間ができてしまうため、効果は限定的という。 ただ、大きな飛沫をせき止め、のどを保湿する可能性はあるため「他人にうつさないという目的を考えれば、『つけない』という選択肢はない」と話す。 (岡崎明子).

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なぜマスク不足はいつまでたっても解消されないのか メーカーは設備増強でフル稼働、新規参入企業もあるのに・・・(1/4)

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新型コロナウイルスの感染拡大で一時は店頭から消えたマスクだが、この先、簡単に手に入るようになるのだろうか。 コロナ禍以前、日本の流通量の7割近くを支えていた中国の生産状況は、日本のマスク事情を大きく左右する。 現地の業者に現状と見通しを聞いた。 マスク輸出、509億枚 浙江省嘉興市の工業団地の一角にある工場では、フル稼働でのマスク生産が続いている。 エプロンにマスク姿の従業員たちがレーンの上を流れてくるマスクの品質をチェックしていく。 注文増に対応するため、アルバイトも雇用した。 中国税関によると、3月1日から5月16日までに中国から輸出されたマスクは509億枚に上る。 浙江省は1~3月の統計でマスクの輸出額が国内最多の一大生産拠点で、米国と日本が主な輸出先だ。 中国・浙江省の地図 日米向けのマスクを生産する経営者の男性(51)は「世界的に需要が高まっている。 休日なしの態勢が続きそうだ」と話す。 この工場はもともと米国の大手スーパーが主な取引先で、マスクのほか芳香剤や手袋なども作っていた。 だが新型コロナの感染が拡大した1月以降、全ての生産ラインをマスク用に変更。 当初は国内向けだったが、国内の感染状況が落ち着いた2月下旬以降は輸出向けに軸足を移した。 日米などから受注が相次ぎ生産が追いつかなくなったため、20万元(約300万円)かかるラインを新たに3本導入。 年間20万枚程度だったマスクの生産量は、1週間で300万~350万枚にまで増えた。 一時は原材料の争奪戦も起き、マスクのフィルターで最も重要なメルトブロー不織布の価格が高騰。 ウイルスを含む飛沫(ひまつ)などの遮断率が高い高品質なものは最大で通常の50倍に跳ね上がった。 それでも「注文数が大きいので十分採算は合う」と、経営者は話す。 この工場からは5月だけで400万枚のマスクが日本に輸出され、6月もほぼ同量の輸出を予定している。 ただ、日本は飽和状態になりつつあるので、米国に軸足を移そうと思っている」と話す。 中国では自動車メーカー比亜迪(BYD)がマスク生産に乗りだし1日2千万枚という世界最大級の生産体制を築くなど、新規参入が相次いだ。 中小の業者も乱立して供給が過剰気味に。 粗悪品も出回り、中国政府は問題のあるマスクを4月末までに約9千万枚確認したと発表。 輸出先からもクレームが出る事態を重く見て、内外の品質基準を満たさぬマスクの輸出を禁じるなど規制をかけている。 中国で調達の陣頭指揮にあたる衛生用品メーカー・サラヤの稲津貴文・上海代表に聞いた。

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マスク不足、再来しない? 中国の業者は「軸足を移す」 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

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マスクを求め客が殺到「ひと家族1点限り」すぐ品薄に 新型コロナウイルスの感染拡大により全国で広がるマスク不足。 一体どれほど品薄なのか? めざましテレビは現在の状況を緊急調査した。 2月3日午後4時半ごろ、さいたま市のディスカウントストア(ロヂャーズ浦和店)では、入荷したばかりのマスクを求めて行列ができ、店内には「商品が非常に入手困難な状況でございますので、ひと家族さま1点限り…」というアナウンスが響いていた。 急遽マスクを売り出すというアナウンスを聞いて客がマスク売り場に殺到。 マスクを買いに来た男性: 仕事の時も対面で仕事をやってますので… マスクを買いに来た女性: 今、どこにも売ってないですね。 3~4軒回りました そして、ひと家族につき1点限りにもかかわらず、マスクはあっという間に品薄状態に… フリマアプリなどでは、高価での転売が相次ぎ、1箱の定価100円 税別 のマスク5箱が、定価の54倍以上の3万円で出品されるなどしていた。 街からマスクが消えた?ドラッグストア都内50店で調査 街でも相次ぐマスク不足の声… 女性: 子供の分がなくなっちゃうかもしれない。 どこに行ったら買えるんですかね。 知りたいです 今、街でマスクを買うのはどれほど難しいのだろうか? 1月末、中国人観光客がマスクを爆買いしていた銀座エリアの15店舗を独自に調査してみると、マスクの棚がスカスカの店舗がある一方、ガーゼタイプのマスクを10枚ほど販売している店舗を発見。 取材の結果、2月3日正午時点で、銀座の薬局15店舗中、約3割にあたる5店舗がマスクを販売していた。 入荷予定はわからない」 「今までは2日に1度は入荷していたが、確実ではない」 「2月はまだ入荷がない」 入荷しては売り切れを繰り返すドラッグストアのマスク。 午前中に売り切れても午後に入荷し、品切れが解消する店がある一方、何日も入荷がない店もあるという。 都内50店舗でマスクの在庫状況を調べたところ、在庫があったのは19店舗で、全体の4割弱という結果になった。 現在も2~3倍の受注があり、生産が追い付かない状態だという。 こうした状況は別のメーカーでも同様のようだ。 株式会社くればぁ 石橋衣理取締役社長: ほかの部署の製造の人間をマスクの方に回して。 正直、事務所の方の人間も全員、今マスクにかかっているような状況で、それでも追いついていない状況になっています この愛知県の工場では、受注が一時100倍に膨れ上がり、マスク作りに製造部門以外の社員の手も借りるほどだという。 そうした中、こんな方法でマスク不足を解消する人も出てきた。 「自作マスク1号。 最初にしては良く出来ました」 ツイッターより ガーゼなど、材料は手芸コーナーで入手可能なもので自作マスクを作る人がSNSに画像を投稿。 何度でも洗って使える上、自分好みに仕立てる楽しみもあるという。 こうした自作マスクの効果について医師の見解を聞いた。 東京歯科大学市川総合病院 呼吸器内科 寺嶋毅教授: 不織布のマスクに比べると品質は劣りますけれども、全くしないよりは、効果はある程度は期待できると思います。 中国内での需要拡大で輸入は期待薄 また、今回の品薄状態について流通の専門家は… 流通アナリスト 渡辺広明氏: 今のマスクというのは、 中国で大半を生産しています。 日本に輸出するものは(今は) ほとんどないようです。 実は、日本で販売されるマスクの 国内製造分は2割ほど。 中国などの 海外での製造が約8割を占めているのだ。 (2018年度 日衛連調べ) 厚生労働省は「業界団体にマスクの安定供給を要請し、薬局などには買い占めや備蓄目的での過剰な在庫を抱えることのないよう」呼び掛けていて、 「パニック状態でなければ、ある程度の量のマスクを供給し続けることができる」としている。 (「めざましテレビ」2月4日放送分より).

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