ファンが主役のアイドルアニメ!? 原作は月刊COMICリュウで連載中の漫画作品。 製作はエイトビット、監督は山本裕介。 些細なきっかけで「アイドル」にはまり「推し」に殺されかかる。 アイドルアニメにおいて、本来主役は「アイドル」だ。 アイドルたちのそれぞれの物語を描くのがアイドルアニメだ。 しかし、今作はやや異色とも言える。 なにせ物語の主役たる女性は「ファン」だ(笑) 収入のすべてを推しに貢ぎまくり、私服すら高校時代のジャージという 「ガチ勢」すぎるファンだ。 この作品はアイドルアニメでありながらアイドルではなく、 ガチ勢すぎるファンを主人公にした作品だ。 彼女はライブ中に応援していて興奮のあまり鼻血を出すほど 推しに熱心なファンだ。 アイドルアニメが多く生まれる中で「ファン」を描写する作品は 「ミリオンドール」などの作品もあったものの、 あの作品は色々と問題も多く、正直駄作でしか無かった。 しかし、この作品は1話からそんな「ミリオンドール」ができなかった 「アイドルファン」の面白さをひしひしと感じさせてくれる。 ファンの多いアイドルとファンの少ないアイドルのファンが 1話から取っ組み合ってるようなアニメだ。 美人では20歳な女性がガチ勢なファンという面白さもあり、 そんな主人公と典型的なオタクが一緒に同じファンとして仲良くしている 違和感が笑いにつながっている。 しかし、そんな主人公が推している「舞菜」は塩対応だ。 ファンが少ない彼女は同じグループの事比較しても明らかに人気がない。 唯一のファンと言ってもいい主人公が最前列に居座っても 目線すら合わせてくれない。 握手でも主人公に笑顔すら向けてくれない。 「なぜ彼女は塩なのか?」という部分が気になりつつも、 この作品がどういう方向に話が進んでいくのか?というのが気になる。 エンディングテーマが「桃色片想い」のカバーなのも、 アイドルを題材にして、なおかつ片思いなファンを描く この作品にマッチしている。 ただそれと同時に「桃色片想い」がわかるのは20代後半以上なのでは? という疑問は生まれる(笑) 塩対応をしてるはずなのに楽屋では主人公に対しての思いをつのらせている。 典型的な気持ち悪いとも言えるオタクなファンたちの生態を描写しつつ、 そこに美人では20歳な女性が紛れ込むことで、 この作品はしっかりとした面白さが生まれている。 主人公が応援している「まいな 」は主人公があまりにも熱心に応援するため、 逆にファンが増えない原因にもなっており、グループの中では人気が低い。 逆に主人公と同じアイドルグループのファンでもある「くまさ」が推してるのは グループでも1番人気の子だ。 同じグループでも応援しているメンバーによってはファンの立場にも違いが出る。 イベントに出演となれば当然人気のメンバーは優先される、 応援している「くまさ」もそれを当然と思い、逆に人気のないメンバーを 応援している主人公も「どうせ私が推しているアイドルは出る可能性が低い」と やさぐれる。 そんな「ファン同士」の立場による会話がきちんと描かれており、 彼らが喫茶店でだべってるだけのシーンも多い。 だが、そんな「だべり」がこの作品はしっかりとした面白さがあり、 「アイドルのファン」という「アイドルのファン」を知らない人にとっては 未知の世界をどこか生々しくリアルに描いてるからこそだ。 特に「くまさ」は見た目こそ、いわゆる「キモオタ」だが、 彼がある意味でアイドルのファンの鑑ともいえる行動や、 名言とも言えるような台詞を放つ。 「僕は誰の1番になれないって分かってますから、 せめて僕が1番レオのことを好きでいたいんです。 」 自分自身の外見や性格、世間から見た自分の評価をわかっているからこその 自己評価の低さではあるものの、そんな自分自身を自覚している中で 彼がなぜ「アイドル」を応援するのか。 そんな彼の生き様が少し涙腺を刺激されるほどだ。 全身ブランドで固めてもダサい、そんな「くまさ」というキャラクターが ある意味で主人公より主人公をしている時がある。 彼がアイドルのファンとして「報われる」シーンは、 涙なしに見れない人は少なくないだろう。 本来は自分だけを見てくれてる主人公に 対して想いがある。 そんな態度であるからこそ主人公も自分のことを 「好きじゃない」と勘違いしている。 この互いの気持ちの勘違いが 「すれ違いコメ ディ」のような会話劇を生み出している。 それがギャグにもなっているのだが、この作品の場合はどこか切ない。 シチュエーションが、性格が、ありとあらゆる要素が二人の想いを ストレートに通じあわせてくれない。 他のファンとの関係性に嫉妬を抱いたり、推し変したんじゃ?と不安になったり。 自分の気持ちに素直になれないアイドルと、素直すぎる主人公。 そんな二人の通じない想いのすれ違いを笑えるのと同時に、どこか切ない。 なかなか実らない青春ラブコメでも見ているような感覚だ。 この作品はギャグアニメでもありつつ、 日常アニメでもありつつ、恋愛アニメでもある。 アイドルのファンである主人公たちの立場、アイドルとしての彼女たちの立場、 そんなそれぞれの立場には渡れそうで渡れない川が流れている。 そんな切なさに主人公たちは時折気づいて絶望するものの、 それでも主人公たちはアイドルたちを応援し続ける。 例え自分の思いが伝わらずとも、例え塩対応されても。 「アイドルのファン」とはなんなのか、 この作品で描きたいことが徐々に見てくる。 アイドルである彼女たちはある意味で「理想的」なアイドルだ。 アイドルとしてファンとの恋愛は考えておらず、同じグループの子と 人気を争うことはあるものの、陰鬱な展開になるわけではない。 ファンが願う理想的な仲がいい岡山のアイドルだ。 主役たるファンたちが必死に応援するアイドルだからこそ、 見ている視聴者も応援したくなるようなアイドルでなければならない。 そんなことは百も承知だと言わんばかりの、理想的なアイドルである彼女たち。 そんな理想的なアイドルたちである彼女たちもアイドルとして ファンの想いに答えようとしている。 そんな理想的で思いに答えようとしてくれているアイドルたちが ファンの想いに必死に答えようと頑張り、アイドルとしてアイドルであろうと する彼女たちの姿にも不思議と涙腺を刺激される。 アイドルたちもアイドルとして思うことがあり、 そんなアイドルの物語も描かれるからこそこの作品は面白い。 ファンの推し変に悩み、自分の立場や立ち位置に悩む彼女たち、 ファンにとっての1番になるにはどうすればいいのか。 アイドルたちの中にもアイドルに対するあこがれがあり、 アイドルとして「理想」な彼女たちの行動や台詞、 応援したくなるアイドルがこの作品には存在する。 一人一人にきちんと物語がある。 アイドルとは物語だ。 そういわんばかりの「物語」をきちんと描き、 最初は印象が薄かったアイドルたちが一人一人きっちりと掘り下げられることで、 主人公たちと同じように彼女たちを応援したくなる。 アイドルであろうとする彼女たちはプロだ。 この作品はアイドルアニメであり、主人公はファンであるものの、 きちんとアイドルアニメとしてアイドルを描いている。 アイドル同士の関係性が「百合」っぽいのもある意味でファンの理想だ(笑) そんな百合なアイドル同士の関係性をニヤニヤしてみてしまうのも オタクであるがゆえの性だ。 それぞれのアイドルの物語を描きつつ、そんなアイドルを応援するファンを描く。 アイドルはなにか、ファンとはなにか。 そんなことをこの作品は描いている。 ローカルアイドルである彼女たちにとっては遠い夢であり、 現実味を感じてないメンバーも居る。 だけど、ファンにとっては純粋な願いだ。 応援しているアイドルが「武道館」に行く。 アイドルを応援している彼らにとって「武道館」は特別なものであり、 そんな特別なものだということがこの作品では痛いほど伝わる。 推しが武道館に行ってくれたら死ぬ。 1話ではギャグにしか聞こえなかったそんな台詞が、 話が進めば進むほどギャグではなく、彼らの本意であることが伝わる。 推しに対する想い、イベントなどでの行動、 「アイドルファン」というものを知らないからこそ、 この作品で初めて知るようなことも多い。 そんな中で彼らや主人公の台詞が光る。 「なんで私は舞菜を生んでいないんだろう」 もはや意味不明だ(笑)愛が深いがゆえに、全てを知りたい。 そんなファンの重すぎる愛をセンスのある台詞でさらっとつぶやき、 そこに笑いが生まれている。 ローカルアイドルだからこそのファンとアイドルとの距離感の近さが、 よりアイドルとファンの関係性をより強固にする。 これが全国的なアイドルならこの作品の物語が描けない。 ローカルだからこそのシチュエーションをうまく活かしている作品だ。 1つの通過点だ、武道館に向けて避けては通れないフェス。 彼女たちは決して人気がすごいアイドルではない。 だが、フェスには多くの人気アイドルたちが出る。 だからこそ比べてしまう、自分たちと人気のアイドルの差を。 かつて同じグループだった子が「武道館」に出るという事実を聞いて 打ちひしがれることもある。 だけど、彼女たちは諦めない。 「努力が必ず報われるわけじゃない、でも… 全部がムダになっちゃうわけないと思う」 1クールで見ている側も彼女たちのファンになっている。 そんな彼女たちの「努力」が最終話で描かれる。 いつも以上に大きな舞台、多くの観客たち。 だけど、いつものファンも居る。 彼女たちの精一杯のライブ、そんなライブを精一杯応援するファン。 アイドルとファンが一体になった「ライブ」シーンは 思わず声を上げて応援したくなるほどだ。 アイドルもファンも「最高だった」といえるライブ。 それが最終話で描かれる。 アイドルの物語と、 ファンの物語を最終話でも感じさせてくれる。 そして最終話に思いが通じる。 すれ違いっぱなしだった主人公と「舞菜」の握手は 見てるこちらも笑顔になってしまうほど幸せな空間だ。 なぜアイドルを応援するのか、この瞬間のためなのかもしれないと 感じさせてくれるラストシーンだ。 アイドルアニメに置いて本来は主人公はアイドルなのが主流だが、 この作品は「ファン」に主軸を置くことでアイドルの物語に厚みを出している。 アイドルたちの物語を描きつつ、そんなアイドルたちを応援するファンの 物語も描くことで、より「アイドル」というものを好きになれる。 いや、地下アイドルグループ「ChamJam」が好きになれる作品だ。 アイドル一人一人に悩みや葛藤があり物語がある。 そんな物語を支えるのがファンだ。 彼らの熱心な思い、一途な気持ちがあるからこそアイドルは存在する。 ファンがあってのアイドルであり、アイドルあってこそのファンだ。 そんなアイドルとファンのつながりをこの作品では強く感じられる。 アイドルアニメでありながら主人公はアイドルファン。 そんな異質な設定のはずなのに、この作品はきっちりとアイドルアニメだ。 他のアイドルアニメに負けていないくらい「アイドル」というものの 本質まで描こうとしている。 だからこそ、ずっと彼らと彼女たちの物語をもっと見ていたくなる。 彼女たちが「武道館」に行くまで、彼らとともに見ていたい。 応援したい。 そう感じさせるほど「アイドルアニメ」としての完成度が高く、 見てるうちに地下アイドルグループ「ChamJam」のファンになる作品だ。 なぜアイドルを応援するのか、なぜファンになるのか。 そんな疑問に答えてくれるような「アイドルを応援することの楽しさ」を しっかりと感じさせてくれる作品だった。 個人的な感想:アイドルアニメはやっぱり良い。 アイドルアニメの場合、多くは「3DCG」による描写だ。 しかし、今作品はそんな3DCGに頼らずに描いている。 そこに制作側の強い愛情を感じる作品だった。 1話の時点では主人公がファンであることを主軸にしたギャグアニメか? と感じたが、話が進めば進むほどいろいろな要素にあふれている作品だった。 アイドル同士の百合、アイドルの物語という青春、 ファンのセンスあふれる台詞や行動でのギャグ。 1つ1つの要素がきっちりと描かれており、それが1つの作品としてまとまってる。 笑える作品はある、泣ける作品はある。 だが笑って泣ける。 そんな作品は意外と少ない。 この作品はそんな笑って泣ける作品だ。 キャラクターも、製作も、声優も、物語も、この作品は愛に溢れてる。 最終話のエンディングで涙腺が崩壊する。 そんな作品を是非見ていただきたい。
次の推しが武道館いってくれたら死ぬ ジャンル 、 漫画 作者 出版社 掲載誌 レーベル RYU COMICS 発表号 2015年8月号 - 巻数 既刊6巻(2019年10月12日現在) アニメ 原作 平尾アウリ 監督 シリーズ構成 キャラクターデザイン 下谷智之、米澤優 音楽 日向萌 アニメーション制作 製作 推し武道製作委員会 放送局 TBSテレビほか 放送期間 1月 - 3月 話数 全12話 - プロジェクト ・ ポータル ・ 『 推しが武道館いってくれたら死ぬ』(おしがぶどうかんいってくれたらしぬ)は、によるの作品。 略称は『 推し武道』。 『』()にて、2015年8月号より連載中。 を舞台に活躍するとある女性グループと、彼女らを応援するファン(アイドルオタク)たちの様子を描いたコメディ作品。 2017年には「」オトコ編第12位 、第3回「」コミックス部門第11位にランクインした。 あらすじ [ ] のえりは、岡山県で活動している7人組の地下アイドルグループ「ChamJam」の人気最下位メンバー・舞菜の熱狂的ファンで、自他ともに認める舞菜トップオタ。 そんなえりに対して舞菜も好意を抱いているのだが、押しが強すぎるえりと不器用な舞菜の間では上手く会話が成立せず、結果としてだと勘違いされている状態が続いていた。 お互いに想い合っているのにすれ違い続けるえりと舞菜の様子を軸に、ChamJamに加入する前かられおを応援していたくまさ、ファンになったのは最近ではあるものの空音に対して本気で恋をしている基など、様々なアイドルとファンの様子が描かれる。 登場人物 [ ] 声は特記ない限りテレビアニメの。 パン工場でアルバイトをしているの女性。 ある日偶然、ChamJamの野外ライブを観たことがきっかけで熱狂的な市井舞菜オタとなり、収入のほぼ全てを舞菜のファン活動に充てるようになる。 「自分の人生には舞菜の1分1秒が必要」「舞菜にはもっとファンが増えるべき」「舞菜が武道館いってくれたら死んでもいい」と豪語し、実質1人で推し支えている舞菜トップオタだが、その熱狂的すぎるファン活動が逆に周囲の人間を引かせてしまい、舞菜にファンが定着しないという本末転倒な事態を招いている。 一方で、基の妹・玲奈が舞菜のファンであること(「玲奈」の項参照)が判明したときには、やっと舞菜のよさを分かってくれる人物が現れたとたいそう喜んだが、握手会で玲奈には自分からにこやかに話しかける舞菜を見て「私以外に笑いかける舞菜を見るの いやだ」と複雑な心境を独白する。 TPOを問わず、常に高校時代の赤い指定ジャージ姿で活動しているが、これはファン活動費を工面するために私服を全て売り払ったため。 手先は不器用で、メッセージカードなどを可愛くデコレーションするセンスは壊滅的に無い。 また料理もできない。 イノシシに跳ね飛ばされて足を骨折するという不運に見舞われることもあった。 くまさ 声 - 30代半ばの太り気味で眼鏡を着用した男性。 元は会社員だったが、ファン活動に時間を割くために現在はフリーターをしている。 ChamJamの野外ライブを見ていたえりに声をかけ、アイドルファンになるきっかけを作った人物。 れおのことをChamJam結成前から応援しているれおトップオタで、れおの生誕祭の委員なども務める。 かつて推し(れお)が所属していたグループが突如解散してしまったという経験をもつことから、「いつが最後の生誕になるかわからない」等の考えを持ち、常に全力でれおを応援している。 その人柄、れおオタとしての在り方ゆえ、えりぴよを始めとするChamJamオタたちから一目置かれる存在である。 なお、作者はインタビューでくまさのことを「アイドルオタクの考える最高の良オタ」として描いている旨を語っている。 基(もとい) 声 - 20代前半の男性。 塾でアルバイトをしている。 空音推しの新参に分類されるファンだが、トップオタのえりやくまさと交友を持つ。 推しとの交際や結婚を真剣に夢見ている「リア恋勢」と呼ばれるタイプのファン。 体が弱いらしく、初詣では自分の健康祈願していた。 玲奈(れな) 声 - 基の妹。 原作第6話から登場。 空音に顔立ちが似ている美少女。 基と一緒に行った岡山ガールズフェスタで舞菜を観てファンになった。 初登場時からしばらくは受験生であったため、ChamJamのライブなどにはあまり足を運べなかったが、えりぴよ以外のファンとして、舞菜にとても喜ばれている。 ChamJam [ ] 岡山県で活動している7人組の地下アイドルグループ。 メンバーに具体的なモデルはいないが、顔に関してはれおは(元)、眞妃はモデルの、優佳は(元)、ゆめ莉は長谷川愛里(元)、舞菜は女優のを意識して描いていると作者の平尾がインタビューで公言している。 ファンはグループ内で最も少ないが、原因の一端はえりの精力的すぎるファン活動にある。 高校生。 内気で人見知りな性格。 趣味は散歩。 好きな食べ物はパンで、メンバーカラーとしてあてがわれているサーモン=は好きでも嫌いでもない。 えりに対してはになっていることが多いが、実際にはえりのことを嫌っているということは全くなく、むしろ好意を抱いており、親しくなりたいと思っている。 と同時にアイドルであるために自分の気持ちは抑制しなければならないと考えているため、えりとの接し方にしばしば悩んでいる。 ツインテールがトレードマーク。 以前は別のアイドルグループで活動していたが、突然の解散により行方知れずとなり、現在の事務所に所属してChamJam結成の際の主柱となる。 キャリアが長いこともあり、アイドルとしての実力・人気ともに高いにもかかわらず、いたって謙虚な性格で大変な努力家でもある。 また、自分では自分の容姿をあまり良くないと思っている(空音いわく「無自覚美少女」)。 ChamJamのメンバーを大切に想っており、彼女らを精神的に支えて導く存在でもある。 趣味はくまグッズ集め。 趣味はテニスで部活にも所属している。 ファンを大切にしており、ファンレターをくれた基には一目で気づいた。 そのため人気も高く、1巻時点でいわゆる前列組で、れお・眞妃と共にトップ3に入っていた。 アイドルになったのは、野外ライブ中のれおを見て興味を抱き、叔母(声 - )が応募したのがきっかけ。 そのため、れおに対し「理想のアイドル」として尊敬の念を抱いている。 テニス部のチャラいというイメージなどもあり、一時は彼氏がいるのではないかと噂になり人気が落ちたが、これは人違いによるデマであった。 よくエゴサーチをするが何かと誤魔化している。 メンバーで最も仲が良いのはゆめ莉というのは周知だが、それ以上に非常に親密な関係であることが窺える。 曰く「ゆめがどこにいたってわかる」。 従姉妹に香川でアイドルをしている夏未がいる。 眞妃と非常に親密である。 人気投票の際には積極的に前列や人気上位になりたいとは考えず、むしろ眞妃の順位を気にしていたが、彼女の取り組みや計らいにより、ファンのために努力することを決意する。 本名は久賀 夢(くが ゆめ)。 しかしダンスなどは得意。 メンバーでは最年少。 空気が読めないタイプだが、その裏表のなさから一定の人気を持ち、人気投票では3位になった。 趣味はソーシャルゲーム。 妹キャラでロリ枠と言われるように、年齢の割に小さくて幼い雰囲気を持つ。 趣味はアニメ鑑賞。 好きな食べ物は大葉。 メンバー内では優佳と仲が良い。 自ら応募してアイドルになっただけあり、上昇志向が強く、常にセンターを目指して努力してる。 それだけに自身の人気順位の低さが悩みであり、前列組であった空音に対しては一時期、冷淡な態度を取っていた。 また同じく前列組であるれおのことはライバル視していると同時に尊敬の念も抱いており、内心では叶わないと感じている。 そのため元々はれおと同じだった髪型(ツインテール)を、れおと被らないように位置を低く変えている。 努力家だけありダンスの技量は高い。 オフはでアルバイトをしており、そこにはしばしばえりとくまさが訪れている。 その他 [ ] 村井 夏未(むらい なつみ) 香川のアイドル「ステライツ」のメンバー。 眞妃の従姉妹であり、彼女に執着している。 れおが以前所属していたアイドルグループの元メンバーでもある。 美結(みゆう) 声 - えりが働いているパン工場の同僚。 当初はオタク活動について否定的であったが、ふとしたことからアニメのキャラクター・冬太郎(声 - )にハマり、オタクとなる。 吉川、三崎、室田 声 - (吉川)、(三崎)、(室田) ChamJam運営事務所のスタッフ。 書誌情報 [ ]• 平尾アウリ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』 徳間書店(発行)、〈リュウコミック〉、既刊6巻(2019年10月12日現在)• 2016年2月13日発売• 2016年9月16日発売• 2017年6月13日発売• 2018年5月11日発売• 2018年12月13日発売• 2019年10月12日発売 テレビアニメ [ ] スタッフ 原作 監督 シリーズ構成 キャラクターデザイン 下谷智之 、米澤優 サブキャラクターデザイン 西畑あゆみ CGディレクター 生原雄次 色彩設計 藤木由香里 美術監督 益田健太 美術設定 藤瀬智康 撮影監督 浅村徹 CGディレクター 生原雄次 編集 内田恵 音響監督 音響効果 音楽 日向萌 音楽プロデューサー 寺田悠輔 横尾勇亮(キャラソン) プロデューサー 、寺田悠輔 岩中亜梨沙、長谷川嘉範 アニメーションプロデューサー 松尾陽子、大友寿也 アニメーション制作 製作協力 、 製作 推し武道製作委員会、 『月刊COMICリュウ』2018年7月号にてアニメ化することが発表された。 1月より3月まで『』枠ほかにて放送された。 ナレーションは。 制作 [ ] スタッフィング [ ] 監督には、アニメーション制作にはが起用されるなど、TVアニメ『』シリーズのスタッフが多数起用されている。 山本にはエイトビット社長の葛西励から監督へのオファーが来ている。 山本は以前にも別の原作でアイドルを取り扱う作品のオファーが来たが、その時には自身にアイドル作品への適性がないと考えていたため断っていた。 しかし、本作はアイドルだけではなくオタクもメインにしており、地下アイドルを扱う点やコメディ要素があるなどアイドル作品の中でも異色の内容であったため依頼を引き受けた。 キャラクターデザインに下谷智之が起用されたのは端正な絵が描け、絶対に下品にならない絵を描けるため。 本作の内容でデザインを下品な方向にしたら目指すべき作品から大きく脱線する可能性があったため、端正なデザインが描ける下谷が起用された。 シナリオ・演出 [ ] 原作者のは初期段階の打ち合わせから参加しており、担当編集を通してのシナリオ監修や、アフレコにもほぼ毎回参加している。 また、アイドルのコスチュームデザインやキャラクターの私服などは平尾のイメージを最優先にしており、第1話冒頭のえりぴよの私服は当初、原作に忠実な色設定をしていたが、平尾の方から「この頃のえりぴよはもっと派手でパンクな感じ」と別の色を提案され、採用されている。 山本は演出面で、えりぴよのギャグに見えつつも推しに対する真剣な思いを強調するようにしており、ギャグではあるけれどエモーショナルな方向にもドラマが振れる原作の魅力を表現できるように心がけている。 また、えりぴよの過激な言動や行動が視聴者に嫌われないように気を付けている。 原作の雰囲気をアニメーションでも守るため、山本を中心に映像演出からアフレコ、編集に至るまで丁寧な制作が心掛けられた。 山本は本作の制作にあたり実際の劇場(ライブハウス)や地下アイドル、周辺のオタクについて取材をしている。 だが、あまりにも深いところまで描いて生々しいドラマにしてしまわないように、リアルな見せ方を目指しつつオタクと地下アイドルの理想的な関係性をある種のファンタジーとして描き、双方のバランスを大事にして描いている。 また、取材の際に自身の素性はなるべく明かさずにライブや握手会などのイベントに参加し、それで得た雰囲気を作品に取り入れている。 ライブシーン [ ] 作中のアイドル「ChamJam」のライブシーンに関しては近年のアイドル作品で主流となりつつある3DCGでは描かずに、手描きの作画で表現している。 その際の参考映像として、実際のステージでChamJamに見立てた7人のアイドルやダンサーによる踊りを収録し、その映像を参考に作画する手法を取り入れている。 集められた7人はChamJamメンバーの実際の身長比に近いアイドルやダンサーが集められ、髪型やルックス、ダンスの技量も含めてキャスティングされている。 例としてダンスが上手い設定である水守ゆめ莉のダンス担当は実際にダンスの技量が高いダンサーが起用された。 ダンスシーン以外の様子も含め、この収録で得た参考資料や雰囲気はライブシーン以外でも生かされている。 音楽・楽曲 [ ] 作中の音楽・楽曲関連はが担当しており、本作のプロデューサーである寺田悠輔が音楽プロデューサーとして劇伴をメインに担当し、横尾勇亮がキャラクターソングプロデューサーとして劇中歌を担当している。 劇伴では通常の楽曲制作の方法とは別に第3話など一部のシーンにて映像に合わせて音楽を制作するフィルムスコアリングという手法が採用されている。 作中アイドル「ChamJam」が歌う挿入歌に関しては原作者の平尾から「ローカル感を大切に」という希望が出されたため、アニメらしさとローカルアイドルらしさのバランスを探りながらの楽曲制作となった。 ChamJamの曲は劇中歌「ずっと ChamJam」から制作が開始された。 平尾から曲のイメージと参考曲が提供され、それをベースに寺田と横尾が第1話劇中歌の楽曲コンペを実施。 複数の楽曲の中から作詞協力も務めた平尾やアニメスタッフの確認も得たうえで、原作漫画の歌詞やコールが再現されたヒザシ作詞・作曲の「ずっと ChamJam」が採用された。 本楽曲をベースに雰囲気の違う曲が2曲制作され、劇中歌3曲を制作した後にオープニング制作が始まった。 オープニングテーマの「Clover wish」は劇中歌と異なり、今より力をつけていて、もしかしたら武道館にいけるぐらいになっているかもしれない「未来のChamJam」をイメージして制作。 曲調として「ChamJamらしい可愛らしさを残しつつも洗練された感じ」というイメージを表現するため作詞・作曲にが起用された。 エンディングテーマはの「」をえりぴよ役のがキャラクター名義でカバーしている。 本作はオタクを主人公とした物語であるため、えりぴよが歌唱を担当することは早期の段階から決められていた。 当初はオタクの心の叫びを表現するロックな曲になる予定であったが、脚本制作が進むにつれて本編に直結する主題歌として、しっとりとした曲調が物語に合うという判断になった。 また、本作を「人を応援するドラマ」としてみせるために「既存の恋愛ソングをカバーして、そこに推しを想うオタクの感情を重ねる」というコンセプトが決まった。 また、カバー曲を起用することで、オタク以外の人にも「推しを想う」感情を伝えるという狙いもあった。 これらのコンセプトに当てはまる楽曲として「桃色片想い」が選ばれた。 また、舞菜のメンカラーがサーモンピンクであることから「鮭桃色片想い」として解釈できる点、作中の舞台が岡山であり桃とも重なりそうな点など、作品要素と重なりそうなところが多かった点も起用の理由となっている。 歌詞もえりぴよが舞菜を想う気持ちと舞菜がえりぴよを想う気持ちに、双方から解釈できる。 この曲のCDジャケットに描かれたえりぴよは、舞菜に出会って片想いに落ちた瞬間のえりぴよが描かれており、曲自体もこのときの心情で歌われている。 主題歌 [ ] 「Clover wish」 劇中アイドルグループ「」が歌うオープニングテーマ。 作詞・作曲は、編曲は。 「」 主人公のえりぴよ()が歌うエンディングテーマ。 2002年ののシングルのカバーであり、作詞・作曲は、編曲は。 最終回はえりぴよと舞菜()のデュエットとなった。 「ずっと ChamJam」 ChamJamが歌う劇中歌。 作詞・作曲はヒザシ、作詞協力は、編曲は。 作詞は、作曲は、編曲はFunta7。 「Fall in Love」 ChamJamが歌う劇中歌。 作詞は、作曲・編曲はFunta7。 作詞・作曲・編曲は篠原花奈。 「私たちが武道館にいったら」 ChamJamが歌う第12話劇中歌。 作詞は、作曲・編曲は日向萌。 作詞は、作曲・編曲は石倉誉之。 このマンガがすごい!WEB 2017年2月20日. 2019年1月15日閲覧。 コミックナタリー 2017年8月23日. 2019年1月15日閲覧。 ナターシャ. 2019年7月12日. 2019年7月12日閲覧。 コミックナタリー ナターシャ. 2017年4月3日. 2018年2月10日閲覧。 コミックナタリー ナターシャ. 2019年9月2日. 2019年9月2日閲覧。 MANTAN. 2019年7月12日. 2019年11月28日閲覧。 このマンガがすごい!WEB 2017年2月20日. 2020年1月25日閲覧。 アニメ! アニメ! 2019年10月11日. 2019年10月11日閲覧。 2020年2月16日閲覧。 2018年5月19日閲覧。 2020年2月16日閲覧。 2020年2月16日閲覧。 2019年11月28日. 2019年11月28日閲覧。 TVアニメ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」. 2019年12月15日閲覧。 TVアニメ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」. 2019年10月12日閲覧。 テレビ放送対象地域の出典:• 2009年10月9日. 2018年10月24日閲覧。 告示第六百六十号. 1988年10月1日. 2018年10月24日閲覧。 2018年10月24日閲覧。 TBS CS[TBSチャンネル]. 2019年12月2日閲覧。 TVアニメ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」. 2020年1月10日閲覧。 外部リンク [ ]•
次の熱烈なアイドルオタクのリアルなオタ活動とその推しメンとの関係性を如実に描いたアニメ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(TBSほか)が2020年1月より放送され、多くの共感、反響を呼んでいる。 主人公のえりぴよは、岡山県を拠点に活動する7人組の地下アイドルグループ「ChamJam」のメンバー・市井舞菜に熱狂的な思いを寄せるトップオタ。 そんな彼女を取り巻くオタク仲間と推しメンの舞菜との関係性が、オタクの視点で描かれているのが特徴の作品だ。 アイドルアニメという括りで見れば、2014年のTVアニメ放送以降一世を風靡した『ラブライブ!』が記憶に新しいが、近ごろは『だから私は推しました』(NHK総合)などアイドルファンが主人公のドラマも登場し、その様相が変わってきている。 こうした趣向の変化を及ぼしている要因と、その中で『推しが武道館いってくれたら死ぬ』の作品としての魅力を探っていきたい。 振り返ってみると、2010年代には音楽業界でのアイドルブームに影響されるかのように、『ラブライブ!』や『THE IDOLM STER』などグループアイドルを主体に置くアニメ作品が増えた。 2010年代に限らず、これまでのアイドルアニメは、アイドルを主人公にその成長を描く物語が主で、決してそのアイドルを応援するファンにフォーカスが当てられることはほとんどなかった。 しかし、2010年以降『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 』や『冴えない彼女の育てかた』に代表されるように、オタクの偏愛や生態を描いた作品が登場し、陰と陽でいえば陰の部分にスポットライトが当たるようになってきた。 この段階で、偏見を持って語られやすいオタクというものが徐々に一般化してきたともいえる。 そして、ここ最近のアイドル作品にその波が表れ始めている。 それが、アニメ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』だ。 アイドル主体で語られることが多かったアイドル作品が、ついにオタクの目線で描写されるようになった。 そういった流れをふまえ、『推しが武道館いってくれたら死ぬ』はまさにアイドルオタクの活動に全振りしたアニメとなっており、これまでのアイドルアニメのような歌唱パートは最小限に抑えられ、えりぴよたちアイドルオタクの活動が大部分を占めている。
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