さっと読むための目次• きめ細かい肌とは?写真つきで解説 まずは、私のきめ細かい肌をご覧ください。 きめ細かい肌とは、 お肌の網目状の部分の溝が深く、三角や四角の網目が均一で規則正しく並んでいる肌のことです。 顔のキメがこんなに整っていたらどんなに素晴らしいことでしょう・・・>< きめの細かさを決める皮溝と皮丘 お肌の断面図を見てみると、盛り上がっている部分と溝の部分があるのが分かります。 肌の表面に走っている溝を皮溝(ひこう)といい、それを囲むように盛り上がっている部分を皮丘(ひきゅう)といいます。 皮丘の三角や四角の形が均一で規則正しく、そして網目が小さいことがきめ細やかさの条件です。 きめ細かさについては、布で例えると分かりやすいです。 シルクの様な繊維が細かい布は肌触りがつるっとして、なめらかですよね? 一方で、麻のような粗い布はザラっとして肌触りはイマイチです。 お肌もこれと同じということです。 きめが細かい肌のメリット 皮丘の模様がキレイに並ぶことで、 肌表面がつるんとして見え、光をキレイに反射するためキラキラと輝くような美肌に見えます。 化粧ノリもよくなり、毛穴が目立ちにくいというメリットもあります! つまり、 きめ細かいお肌=美肌なんです! きめ細かい肌になるための条件 腕や二の腕の内側のようなキメ細かさが顔にもあったら・・・と思いますが、現実の私の顔のきめはこんな感じ。 頬の部分をマイクロスコープで撮影したものですが・・・ 「キメどこいった--!!」と叫びたくなります(涙) きめが乱れるのはなぜ?きめが乱れた肌のデメリット 私の写真を見れば分かる通り、きめが乱れると 毛穴もかなり目立ってしまうというデメリットがあります・・・>< きめが乱れる原因には、• 紫外線• 外部刺激による炎症• メイクやクレンジングなど• 乾燥 などがあり、大人の女性のほとんどが、顔のキメが乱れていると言われています。 乾燥してきめが細かいシワのようになっている状態を「きめが流れている」とも言ったります。 実は、 きめの細かさは遺伝や体質なども関係しているため、生まれ持ったキメ以上に細かくなることはありません。 とはいえ、子供のお肌はふんわりして柔らかく、きめ細かい肌ですよね? つまり、個人差はあるものの、誰しもが、子供の頃はきめの細かい美しい肌なのです。 大事なのは、二の腕の裏のような 元々のきめに戻る様に整える、ということ。 では、どのようなことが必要なのでしょうか。 きめ細かい肌を取り戻すために必要なこと 角層のバリア&潤い機能が整っている お肌の角層は、約20層もの細胞が積み重なって、内側が傷つかないように肌を守っています。 その細胞の間をぴたっと埋めているのが セラミドなどの細胞間脂質です。 外的刺激からお肌を守るのと同時に、セラミドなどの保湿物質によりお肌の潤いは保たれています。 このバランスが崩れた状態が続くと、 外部からの刺激を受けやすくなり、慢性的に炎症を起こした状態になってしまいます。 微弱炎症はセラミドの産生を止めてしまったり、異常だと察知してメラニンを大量産生してシミになったり・・・ とっても厄介な状態なのです。 こんな状況を食い止めようと、最近は 微弱炎症に着目するスキンケアも増えてきています。 肌表面の常在菌バランスが整っている 私たちのお肌の表面は、もともと水分と皮脂のバランスがとれるようになっています。 バランスのとれた水分量油分量であるためには、表皮のすぐ下にある角質層が元気であることももちろん大切。 そして、 肌表面にいる菌のバランスも大事! 肌表面の水分と皮脂を混ぜ合わせて天然のクリームを作ってくれているのが常在菌だからです。 ですが、現代女性は 防腐剤入りの化粧品を10代の頃から使い続け、顔にほとんど常在菌がいない状態です。 男性と比べると半分以下・・・なんて場合も多いのです。 ターンオーバーが規則正しい 健康的なお肌は約28日周期で生まれ変わっています。 これをターンオーバーと言います。 肌の内側の真皮部分から新しい細胞が上がってきて、角層部分に達し、 いらなくなったものは垢として剥がれ落ちるのです。 このターンオーバーのサイクルが、老化などが原因で遅くなってしまうと、くすんだり、肌がごわついたりします。 つまり、きめも乱れて粗くなってしまいます。 遅くなったターンオーバーを正常に戻すためにピーリングは効果的ですが、やりすぎは禁物です。 きめを整えるおすすめスキンケア化粧品 先ほども説明した通り、本来生まれ持ったキメ以上にキメを細かくすることはできません。 ですが、 その人が持つ一番いいキメの状態(二の腕の裏)などに近づけることは可能なんです! 乱れてしまったキメを整えるのにおすすめのスキンケアを3つ厳選しました。 常在菌や微弱炎症に着目!HANAオーガニック• 敏感肌の人だけでなく、 季節の変わり目やストレスなどで一時的に肌が敏感になってしまう「ゆらぎ肌」にもおすすめのスキンケアです。 私たちの目に見えているお肌の表面は、肌の下側の毛細血管や真皮層、表皮、角質層と全て関係しているからです。 根本的に肌をよくするためには何が大切か? もちろんスキンケアも大切ですが、細胞や真皮部分が元気になるような、食事、睡眠、運動などが必要なのを忘れてはいけません。 毛細血管や真皮、表皮、角質層、 全ての状態が素晴らしかったら絶対的にきめが整った美しい肌であるはずです。 ですが、私たちは紫外線も浴びちゃうし、ストレスもあるし、日々メイクもしなきゃいけません。 なので、それに応じたスキンケアをしてあげて、少しでも二の腕裏の肌に近づけることが大事です。 自分の肌と好みの使い心地にぴったりのスキンケアでキメ細かい美肌を目指してみてくださいね!.
次の横浜の地に暗室を設けて早くも40年の歳月が過ぎた。 暗室から生まれた写真はヴィンテージプリントとなり、時間と空気をたっぷり吸って粒子の粒を際だたせる。 横須賀からスタートした写真の行方は、固有の気風をのせて歴史と身体と遺されたもの達が一体となり、肌理 きめ を整え、未来へ向けて発信する。 石内 都 石内都(1947年生まれ)は、2014年にアジア人女性として初めてハッセルブラッド国際写真賞を受賞するなど、現在、国際的に最も高く評価される写真家のひとりです。 多摩美術大学で織りを学んだ石内は、1975年より独学で写真を始め、思春期を過ごした街・横須賀や、日本各地の旧赤線跡地の建物などを撮影した粒子の粗いモノクローム写真で一躍注目を集めました。 80年代以降は、目に見えない時間の在処としての身体に関心を寄せ、同い歳の女性の手足を接写した「1・9・4・7」や傷跡を写した「Scars」など数多くのシリーズを発表。 近年は、広島平和記念資料館に寄贈されたワンピース、制服、眼鏡など、被爆者の遺品を被写体とする「ひろしま」や、メキシコの画家フリーダ・カーロの遺品の撮影などに取り組み、その活動は多くの注目を集めています。 2017年は、石内が個展「絶唱、横須賀ストーリー」で写真家としての実質的なデビューを果たしてから40年を迎える年にあたります。 本展は、この節目の年に、石内自らが「肌理 きめ 」というキーワードを掲げ、初期から未発表作にいたる約240点を展示構成するものです。 住人のいなくなったアパート、身体の傷跡、日本の近代化を支えた大正・昭和の女性たちが愛用した絹織物、亡き母や被爆者らの遺品の写真をとおして、存在と不在、人間の記憶と時間の痕跡を一貫して表現し続ける石内の世界を紹介します。 作家プロフィール 石内 都(いしうち・みやこ) Ishiuchi Miyako 1947年群馬県桐生市生まれ。 神奈川県横須賀市で育つ。 1979年に「Apartment」で女性写真家として初めて第4回木村伊兵衛写真賞を受賞。 2007年より現在まで続けられる被爆者の遺品を撮影した「ひろしま」も国際的に評価され、近年は国内各地の美術館のほか、アメリカ、オーストラリア、イタリアなど海外で作品を発表している。 2013年紫綬褒章受章。 2014年には「写真界のノーベル賞」と呼ばれるハッセルブラッド国際写真賞を受賞。 作品は、横浜美術館をはじめ、東京国立近代美術館、東京都写真美術館など国内主要美術館、ニューヨーク近代美術館、J・ポール・ゲティ美術館、テート・モダンなど世界各地の美術館に収蔵されている。
次の1975年、石内さんは横浜の自宅に暗室を構え、写真家として活動をはじめました。 以来、デビュー作である「絶唱、横須賀ストーリー」から「Mother's」に至るモノクローム作品のほぼ全てが、横浜の暗室で制作されたそうです。 横浜という地は、石内さんにとっての貴重な被写体でもあり続けました。 会場には「Apartment」、「連夜の街」、「yokohama 互楽荘」、「Bayside Courts」など、今となっては失われてしまった風景や建物が展示されており、石内さん自身が撮影する行為を通して、自分の記憶に、住人たちの想いを刻み込んでいるような印象を受けました。 また、横浜美術館コレクション展内の写真展示室では「絶唱、横須賀ストーリー」のヴィンテージブランドが展示されているので、ぜひそちらにも足を伸ばしてみて下さい。 その写真作品を鑑賞してこそ、石内さんが歩みが理解できると思います。 銘仙は、ヨーロッパの新鋭美術の動向を取り入れた斬新なデザインと鮮やかな色彩が特徴で、日本の近代化を支えた大正・昭和の女性が普段着として愛用していた着物です。 石内さんは絹の歴史を紐解き続けています。 会場では目を奪われる色彩豊かな着物の写真作品だけでなく、絹糸の源となる蚕がうごめく映像作品も上映されています。 そして、1990年代から2000年代に渡り継続している傷跡を捉えたシリーズも展示しています。 このシリーズの制作は、石内さん自身が生きることへの根源的な意味を問い直す作業だったそうです。 まるでからだに傷跡がある女性たちの悲しみや苦しみを分かち合ったような作品です。 存在しつづける遺品たち 母の死と向き合うために撮影された「Mother's」は、石内さんが遺品を撮るキッカケとなった作品です。 その作品を通して、その後の写真の方向性を決定づけたと言われています。 1つ目のブロックでも紹介した、被爆者の遺品を撮影した「ひろしま」や、女性の痛みや苦しみを主題に作品を描いたフリーダ・カーロの遺品を捉えたシリーズなど。 持ち主の身体が消滅した後も残される物を、時間の堆積として被写体を捉え、撮影するあり方を提示しています。 作品に収められている洋服のシワやシミ、装飾が剥げ落ちた指輪や、微かにヒビが入っている櫛…その全ての持ち物には当事者がいたことの証であり、生命の痕跡からどんな人物だったのかを想像してしまいます。 そして、それは鑑賞者である私たちに当事者を連想させることで、その記憶が忘れ去られないようにしているかのようにも思えました。 優しさの眼差し 会場を巡りながら写真作品を鑑賞していると、風景、人物、遺品…それぞれテーマは違うはずなのに、どの被写体に対しても慈悲の眼差しで捉えられているように感じました。 石内都さんはそんな被写体自身でさえも気付いていないような、微かな痛みや傷にさえも敏感に感じ取り、そっと優しく寄添うことのできる人物なのだと思います。 そんな視点を持ってして様々な物事を見れるようになれたら、きっと視野が広がって既存とは違う見方ができ、日々の暮らしで本当の意味での優しさに気づけることでしょう。 また、会期中は学芸員によるギャラリートーク、夜のアートクルーズが開催されます。 その他にも、石内都さんが銘仙を撮影していることから、着物の来場者には割引が適用されたりと、面白い試みがされているのでぜひ足を運んでみてください。
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