ツムラ芍薬甘草湯の2. 5gの意味について 商品名:ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(医療用)の添付文書には、以下のように表記されています。 本品7. 5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス2. 5gを含有する。 日局カンゾウ・・・・6. 0g 日局シャクヤク・・・・6. 0g 添加物 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物 引用: 本記事では、ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(医療用)の包装に記載されている2. 5gの意味、併せて上記の意味について解説します。 ツムラ芍薬甘草湯の乾燥エキス2. 5gとは? ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(医療用)の乾燥エキス2. 5gとは、添付文書の組成に書かれている割合で混合した原料生薬を煎じて抽出し、生薬の残差(煎じカス)を除去して水分を飛ばして得られたもののことです。 例えば「ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(医療用)」の場合、まず日局カンゾウと日局シャクヤクを、6. 0gずつの割合で混合し煎じます(熱水抽出)。 そして、生薬残差(お茶だと茶がらの部分)を除去して(遠心分離)、最後に得られた液の水分を飛ばし(スプレードライ)、最後に得られたもの、それが乾燥エキス(つまり濃縮物)2. 5gです。 ツムラ芍薬甘草湯の本品7. 5g中とは? 本品7. 5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス2. 5gを含有する。 日局カンゾウ・・・・6. 0g 日局シャクヤク・・・・6. 0g 添加物 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物 引用: 先ほどの手順で得られた乾燥エキス2. 5gに、賦形剤(ふけいざい)である乳糖などを加えて7. 5gにしたもののことです。 1包中に含まれている芍薬甘草湯の量が7. 5g、みたいな意味ではないので注意してください。 例えば「ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(医療用)」の場合、まず日局カンゾウと日局シャクヤクを、6. 0gずつの割合で混合し煎じます(熱水抽出)。 そして、生薬残差(お茶だと茶がらの部分)を除去して(遠心分離)、最後に得られた液の水分を飛ばし(スプレードライ)、最後に得られたもの、それが乾燥エキス(つまり濃縮物)2. 5gです。 この1包が、通常、1回の服用量となります。 ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(医療用)の1包に含まれている甘草の量は? ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(医療用)の1包に含まれている甘草の量は2. 0gです。 ですので、添付文書どおり、ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(医療用)を1日3回処方すると、それだけで甘草が6. 0gにもなってしまいます。 これだけの量を長期間毎日飲むのは副作用の点からもあまりよくありません。
次の芍薬甘草湯の名前の由来は? 芍薬甘草湯は 芍薬(シャクヤク)と 甘草(カンゾウ)の2つの生薬から構成されており、その両者を組み合わせて 芍薬甘草湯と命名されています。 芍薬甘草湯の作用機序と特徴 芍薬甘草湯は筋肉の痙攣に関して多く使用されている漢方薬です。 こむら返りに多く使用されていますが、痙攣や引きつりに伴って発生している腹痛などにも効果があります。 尿路結石による疝痛など、様々な痛みに効果を発揮してくれるのです。 冒頭でお話した通り、含まれている生薬は 甘草と芍薬のみで、配合されている生薬が少ない分、効果の発現も比較的早いタイプの漢方薬です。 漢方薬は証を判断して処方されていますが、この漢方薬に関しては 証を考慮することなく、様々な痛みに対して使用することができます。 関連記事: 添付文書には以下のように記載されています。 効能又は効果/用法及び用量 急激におこる筋肉のけいれんを伴う疼痛、筋肉・関節痛、胃痛、腹痛 通常、成人1日7. 5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。 なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。 ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒 医療用 の添付文書より引用 ・抗アロディニア作用 ・ノルアドレナリン神経系活性化作用 ・子宮筋収縮抑制作用 ・中枢性鎮痛作用 ・末梢性筋弛緩作用 芍薬甘草湯は ノルアドレナリン神経系を活性化することで、痛みが神経を伝わっていくのを抑制しています。 ノルアドレナリン神経系は痛みを穏やかにする機能を持っているため、その神経系が刺激されることで中枢性の鎮痛作用を発揮するのです。 さらに、通常の筋肉の働きを邪魔することなく、筋肉が痙攣するのを抑える効果があります。 通常の筋弛緩薬では筋肉の活動はすべて邪魔してしまいますが、芍薬甘草湯はそういった心配がないことから使用しやすい漢方薬として知られています。 筋収縮は細胞内のカルシウムの濃度の変化によって起きています。 筋肉細胞にカルシウム濃度が高くなることで筋肉の収縮が起き、濃度が低くなれば収縮が収まります。 このカルシウムの働きをスタートさせるためには一定のエネルギーが必要なのですが、このエネルギーを作り出すためにカリウムが働いています。 芍薬甘草湯は含まれている生薬自体の効力は小さいですが、それらが混ざり合って作用することで強い効果を発揮していることが判明しています。 芍薬が筋肉の中でカルシウムが働くのを抑制し、甘草がカリウムの排泄を促進することで筋肉が過度に痙攣しないようにする作用を発揮しているのです。 ・ ミオパチー:ここでは難病である先天性ミオパチーではなく、薬剤性ミオパチーを指しています。 薬剤性ミオパチーは何らかの医薬品の影響で筋肉が痩せていき、力が入りにくいという自覚症状を伴います。 服用を中止することで改善することが可能です。 また、カリウム値の変動によって心臓に負担を掛けてしまった場合、うっ血性心不全や心室細動、心室頻拍、他に薬剤性間質性肺炎についての報告があり、その兆候として呼吸困難、発熱、異常な呼吸音などがあります。 なにか異常を感じた場合には服用を中止し、処方医の指示を仰ぎましょう。 その他の副作用としては発疹、掻痒感。 肝機能検査値の異常や悪心、嘔吐、下痢。 低カリウム血症に伴う動悸などがあります。 芍薬甘草湯の飲み方と注意事項 芍薬甘草湯はもともと液剤だったものを抽出して散剤にしたものです。 ですので、服用時にはそれに即して ぬるめのお湯で服用したほうが効果的だと言われています。 約60度のお湯が最も効果的であり、あまりに熱いお湯では有効成分が揮発してしまうので注意が必要です。 高齢者が服用する場合には、生理機能が低下している可能性から、減量など服用量の調節が必要な場合があります。 自己判断で使用はせず、医師の指示を守るようにして下さい。 妊婦に関して、添付文書では 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒 医療用 の添付文書より引用 と記載されています。 ただ、漢方薬を現代に伝えている 「金匱要略(きんきようりゃく)」では胎児に対して安全な漢方薬と判断されており、日本臨床漢方医会でもその旨を記述しています。 医師が必要性を判断して処方した場合には問題ないものと思われますが、自己判断での使用はせず、医師の指示に従って用いるようにして下さいね。 それでは芍薬甘草湯については以上とさせて頂きます。 最後まで読んで頂きありがとうございました。
次の漢方製剤(概論)• 葛根湯(カッコントウ):ツムラ葛根湯、クラシエ葛根湯など• 大建中湯(ダイケンチュウトウ):ツムラ大建中湯、コタロー大建中湯• 芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ):ツムラ芍薬甘草湯、クラシエ芍薬甘草湯など• 補中益気湯(ホチュウエッキトウ):ツムラ補中益気湯、クラシエ補中益気湯など• 六君子湯(リックンシトウ):ツムラ六君子湯、クラシエ六君子湯など• 抑肝散(ヨクカンサン):ツムラ抑肝散、オースギ抑肝散料など• 牛車腎気丸(ゴシャジンキガン):ツムラ牛車腎気丸• 加味逍遙散(カミショウヨウサン):ツムラ加味逍遙散、クラシエ加味逍遙散料など• 小青竜湯(ショウセイリュウトウ):ツムラ小青竜湯、クラシエ小青竜湯など• 薬剤名 影響 カンゾウ含有製剤 偽アルドステロン症 グリチルリチン製剤 偽アルドステロン症 ループ利尿剤 偽アルドステロン症 フロセミド 偽アルドステロン症 エタクリン酸 偽アルドステロン症 チアジド系薬剤 偽アルドステロン症 トリクロルメチアジド 偽アルドステロン症 カンゾウ含有製剤 低カリウム血症 グリチルリチン製剤 低カリウム血症 ループ利尿剤 低カリウム血症 フロセミド 低カリウム血症 エタクリン酸 低カリウム血症 チアジド系薬剤 低カリウム血症 トリクロルメチアジド 低カリウム血症 カンゾウ含有製剤 ミオパシー グリチルリチン製剤 ミオパシー ループ利尿剤 ミオパシー フロセミド ミオパシー エタクリン酸 ミオパシー チアジド系薬剤 ミオパシー トリクロルメチアジド ミオパシー• 副作用 (添付文書全文) 副作用発生状況の概要:副作用発現頻度調査(2013年10月〜2014年9月)において、2,975例中、33例(1. 1.重大な副作用 1).間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常等が現れた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。 2).偽アルドステロン症(頻度不明):低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム貯留・体液貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症が現れることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行う。 3).うっ血性心不全、心室細動、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)(頻度不明):うっ血性心不全、心室細動、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)が現れることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、動悸、息切れ、倦怠感、眩暈、失神等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。 4).ミオパシー(頻度不明):低カリウム血症の結果として、ミオパシー、横紋筋融解症が現れることがあるので、脱力感、筋力低下、筋肉痛、四肢痙攣・四肢麻痺、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行う。 2.その他の副作用 1).過敏症:(0. 2).肝臓:(0. 3).消化器:(0. 4).その他:(0. 使用上の注意 (添付文書全文) (禁忌) 1.アルドステロン症の患者[これらの疾患及び症状が悪化する恐れがある]。 2.ミオパシーのある患者[これらの疾患及び症状が悪化する恐れがある]。 3.低カリウム血症のある患者[これらの疾患及び症状が悪化する恐れがある]。 (慎重投与) 高齢者。 (重要な基本的注意) 1.本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与する。 なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避ける。 2.本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意し、異常が認められた場合には投与を中止する。 3.他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する。 (相互作用) 併用注意:カンゾウ含有製剤、グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤、ループ系利尿剤(フロセミド、エタクリン酸)、チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド)[偽アルドステロン症が現れやすくなり、また、低カリウム血症の結果として、ミオパシーが現れやすくなる(グリチルリチン酸及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる)]。 (高齢者への投与) 一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意する。 (妊婦・産婦・授乳婦等への投与) 妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。 (小児等への投与) 小児等に対する安全性は確立していない[使用経験が少ない]。 (保管上の注意) 遮光・気密容器。 処方薬事典は医療・医薬関係者向けのコンテンツです。
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