種 [ ] L. chalumnae と、もう1種 の2種のみがいる。 2種は形態的には大差なく、顕著な違いは体色のみである。 chalumnae は黒に近い濃紺色、 L. menadoensis は茶褐色である。 のDNA分析では、2種の分岐が約4000万年前から3000万年前まで、すなわち中期から前期あたりまで遡ることが示唆されている(Inoue et al. 2005)。 2種を同一種と見なす説もある。 発見 [ ] 南アフリカ [ ] のことである。 アフリカ大陸の南端・喜望峰に近い、の市付近のカルムナ川河口沖で、漁船のに大きくてグロテスクな一匹の魚が入った。 イーストロンドン博物館の学芸員だった は、魚類の収集を担当しており、かねてから地元の漁師たちに珍しい魚を捕まえたら知らせてくれるよう依頼していた。 依頼に従って漁船の船長は彼女に連絡し、ラティマーは漁船が魚を水揚げした辺鄙な漁港に向かい、積み上げられた魚の山からこの魚を見つけだした。 それは魚類学者には未知の種で、ラティマーはどの文献に当たってもその魚を同定できなかった。 この魚は学問的に貴重と考えたラティマーは、港で唯一の冷蔵庫の所有者に保管を頼んだが、魚が約1. 5メートルと大きく場所ふさぎな上、すでに腐りかけて異臭を放っていたため保管を拒否されてしまった。 やむなく、ラティマーは魚の頭部と表皮など一部のみを塩漬け標本にし、また魚の全体を描いたスケッチを作成し、南アフリカ・ロードス大学の生物学教授、 ()の元に送って発見を報告する。 スケッチは簡単だったが、白亜紀末に絶滅したものと考えられていた古代魚「シーラカンス」目の特徴がはっきりと描かれていた。 スケッチを見たスミスは現地へ向かい、標本を調べ、この魚はシーラカンス目の現生種であると断定し「 ラティメリア・カルムナエ Latimeria chalumnae 」と命名した。 この発見は科学雑誌『』に発表され世界に知れわたった。 第一の発見以降、スミス教授はシーラカンスの完全な標本を求め、付近の漁港に手配書を配布し、100の懸賞金をかけて捜索を行った。 現生シーラカンスの分布状況 コモロ [ ] 第二のシーラカンスが捕獲されたのはようやく14年後の(のちの「シーラカンスの日」)、最初の発見地から3000km近く離れたコモロ諸島の付近である。 昔からコモロではシーラカンスがごくまれに捕獲されていたが、肉がまずいため食用価値がなく、コモロの漁師たちからは「役に立たない」との語義をもつ「ゴンベッサ」の名前で知られていた。 一刻も早く現地に到着するため、首相に特別機を仕立ててもらったスミスは、はじめて軟組織も保存されたシーラカンスの標本を得ることができた。 しかし今回確保した個体には14年前のものと違って第1背鰭が見当たらなかった。 そこでスミスはこれをラティメリア属とは別属と考え、首相にして Malania anjounae と名付けた。 後に、この標本は事故などにより第1背鰭を失った L. chalumnae であると判明し、コモロ諸島のシーラカンスもまた L. chalumnae であると結論された。 その後現在までに、コモロ諸島周辺で200個体以上が捕獲されているが、南アフリカ沿岸ではほとんど採取されないため、最初の標本はたまたま南アフリカ近海に迷い込んだものと考えられている。 には日本の学術調査隊がこれを捕獲し、日本に持ち帰っている。 このとき捕獲された個体の一尾 雌 はの企画で解剖・試食に供された。 インドネシア [ ] 、でインドネシアの島 Manado Tua を訪れていたの生物学教授 Mark Erdmann は魚市場で、現地で「海の王」と呼ばれていた特徴的な姿の大きな魚を見つけた。 アードマンは外観の特徴から、これがシーラカンスの1種であると同定。 ただし写真は撮ったものの、購入や確保はしなかった。 その後、現地漁民に対する聞き取り調査が行われ、「海の王」は以前からスラウェシ島沖に棲息し、まれに捕獲されていたことが確認された。 7月30日には初の標本が確保されてラティメリア属の新種と確認され、島から L. menadoensis と命名された。 一般に本種は「インドネシア・シーラカンス」とも呼ばれている。 chalumnae [ ] L. chalumnae ラティメリア・カルムナエの (オーストリアの) CRITICALLY ENDANGERED Ver. 1 2001• 附属書I : : : ラティメリア属 : Latimeria chalumnae , Malania anjounae , コモロシーラカンス 英名 West Indian Ocean coelacanth ラティメリア属の模式種。 インドネシア産の種と区別するためコモロシーラカンスと呼ぶ研究者もいる。 形態 [ ] 体格 [ ] 体長は約1-2m、体重は100kgをゆうに超える。 鱗 [ ] 体全体を硬いが覆い、体色は黒に近い濃紺である。 ただしその色は、死ぬと灰色もしくは茶色に変色する。 (うろこ)には淡いピンク色の斑紋があり、その配置パターンは個体によって微細に異なっているため、研究者はこれを個体識別に使用している。 コズミン鱗は denticle (象牙粒、象牙質粒)と呼ばれる歯状の微細な突起物でおおわれていて、(よろい)の一種であるさながらの高い防備性がうかがえる。 骨格 [ ] 彼らは硬骨魚類ではあるが、骨格はほぼ全てによって造られている。 これは顕著な原始的特徴である。 より進化した硬骨魚では硬いがある位置に、頭骨から尾鰭にまでつながる大きな脊柱が通っている。 背骨の代わりを果たしているこの脊柱は薄い軟骨性の管のような器官であり、中空になっている内部は油に似た流動体で満たされている。 また、内臓を保護するためのなどの骨格系を備えていないが、これは、体表面をびっしりとおおう硬質の鱗が内臓系を外的圧力から保護する役割、すなわち、肋骨と同じような役割を担っているものと考えられる。 岩場への衝突やの攻撃から身を守るのに役立っているのであろう。 頭部 [ ] は2つの大きなパーツからなっており、中央にある関節によって連結されている。 これは上下に可動域の広い構造を頭蓋骨の前部に与え、大きく開く口で獲物を捕らえ、飲み込むことを可能にしている。 また、頭蓋骨下部には一対の分厚い筋肉の付着があって強い咬合力(上下の顎を咬み合わせる力)の源となっているが、これも現生の動物ではシーラカンス以外には見られない特徴である。 眼と聴覚器官は頭部前面に、脳とは後方のパーツに納められている。 吻端に位置するの中央にはゼリー状の嚢胞(のうほう)があり、この器官から外部に3つの孔(あな)が開いている。 「rostal 器官」と呼ばれるこの器官は、微弱電流を感知するためのもので、砂地などに隠れた獲物を探し出すのに用いられていると考えられる。 鰭 [ ] ラティメリア・カルムナエの模型 (自然史博物館) 彼らは多くの(ひれ)を有する総鰭類の進化系統であり、10基の鰭をもつ。 頭のほうから順に、胸鰭が一対(2基)、腹鰭が一対(2基)、背鰭は第一・第二・第三の計3基、臀鰭(尻鰭)は第一と第二の2基、そして、尾鰭が1基である。 しかし、第三背鰭・第二臀鰭・尾鰭の3基は最後尾で1基の尾鰭のように見え、これを1基と数えるなら、総計8基である。 胸鰭と腹鰭、第二背鰭と第一臀鰭の計6基には、腕のように骨格の確かな筋肉質の柄が備わっていて、これを用いてシーラカンスは自在に姿勢を調整する。 第二背鰭と第一臀鰭は、主たる推進器官である。 海底での様子が撮影されるまでは、のように大きな胸鰭を使って海底を歩き回るのではないかと想像され、そのようなイラストも盛んに描かれていた。 しかし、観察に十分な映像記録がもたらされている現在では、柄付きの6基の鰭をそれぞれ単独で動かしながら器用に泳ぎ、ちょっとした横移動や後退なども行うことが確かめられている。 生態 [ ] 約200mの海底洞窟を中心として、深度約150-700mに生息するであり、主にコモロ諸島沖に分布している。 水温・水圧の変化に弱い。 卵胎生。 卵は直径10cmを超え魚卵としては非常に大きい。 仔魚もかなり成長が進んでから生まれ、体長30cm近くにもなる。 胃内容物の調査から、魚類、などを捕食しているとされる。 静かな海底で頭部を下に尾を上にした逆立ちのような姿勢で1点に静止している様子も撮影されている。 これは、そのあとの行動が撮影できていないが、おそらくは獲物を待ち受ける独特の捕食行動と思われる。 (ひょう、一般にいう浮き袋)には空気ではなく油脂が詰まっている。 水より軽い油を浮き袋に蓄えることでを得ているのである。 寿命はよくわかっていないが、同一個体が長年観察され続けることから、死亡率が低く100年以上生きるのではないかと推測されている 食味 [ ] 日本のであるによると、シーラカンスの肉は味がなく、歯ブラシのようで水っぽくてまずく、食材には適さない。 『』1983年32号の企画でこれを試食したのは「カニの肉をさらに薄味にしたような」味であるとコメントしている。 また、卵は非常に生臭いともコメントした。 シーラカンスの肉にはが含まれているため、大量に食べるとを起こす。 また、解剖などでシーラカンスにはがいることが判明している。 保護 [ ] のにおいて「絶滅寸前」(CR : Critically Endangered)に分類されている。 附属書 I にリストされていて、商業目的の取引は禁じられている。 menadoensis [ ] の液浸標本 (日本、の) VULNERABLE Ver. 1 2001 : : : ラティメリア属 : Pouyaud et al. , インドネシアシーラカンス 英名 Indonesian coelacanth の沖に分布する。 コモロ産と区別するためにインドネシアシーラカンスと呼ぶ場合もある。 現地でのこの魚の呼称は「ラジャ・ラウト」、「海の王様」を意味するものである。 体色は茶褐色である。 chalumnae との形態的差異は鱗表面の色彩のみとされている。 5月30日(現地時間8時39分)には、自走式水中カメラ などを駆使する日本の()のシーラカンス調査隊が、スラウェシ島沖にて、生きたインドネシアシーラカンスの撮影に成功している()。 2009年10月6日に日本のアクアマリンふくしま(福島県いわき市)のシーラカンス調査隊と現地調査団により 自走式水中カメラでシーラカンスの稚魚を発見し撮影に成功した。 場所はインドネシアの北スラウェシ州マナド湾。 これは世界で初めての事であり映像公開が期待される。 出典 [ ]• 2016年4月18日閲覧• 属名「Latimeria」は発見者のラティマー Latimer 、種小名は発見地のカルムナ川 Chalumna River による• 参考文献、外部リンク [ ]• Inoue, M. Miya, B. Venkatesh, M. Nishida, "The mitochondrial genome of Indonesian coelacanth Latimeria menadoensis(Sarcopterygii: Coelacanthiformes) and divergence time estimation between the two coelacanths," Gene 349, pp. 227—235(2005). シーラカンスの形態、分子系統の説明、タンザニアから検体の移送の様子など• 海響館による特別展向けの資料• 雑誌『生物の科学 遺伝』2006年11月 シーラカンス 〜生態・解剖・ゲノム解析〜• ウィキスピーシーズに に関する情報があります。 ウィキメディア・コモンズには、 に関連するカテゴリがあります。
次のThe well preserved and ancient fossil of a Coelacanth fish displayed on a limestone slab. 出典:123rf シーラカンス目の 化石は世界中で発見されている。 この化石は、かなり保存状態が良く、また、丁寧に展示されています。 26種に分類され、古くは淡水域や浅い海に生息していたことがわかっているが、2種を除き絶滅したと考えられている。 現在は南アフリカのコモロ諸島、タンザニア沖、インドネシアのスラウェシ島周辺で生息が確認されている。 水深200〜700メートルのところで暮らす深海魚である。 大きさ 大きめの人間くらいある。 体長180〜200cmくらいまで、体重90〜100kg弱くらいまで成長する。 絶滅種では、現存する種と体高や体型が異なる種もあり、復元したら全長3メートル程になった種もある。 かなり迫力の大きさなのだ。 手足の様なヒレ 出典:123rf シーラカンスには、他の魚に見られない幾つかの特徴がある。 あの個性的な容貌を形成するヒレは8枚あり、その内の6枚は鱗で覆われた筋肉質の柄を持っているのだ。 これは、 両生類の前足と後ろ足の原始的な形を思わせ、ハイギョとともに四肢動物の進化を知る手がかりとして研究対象になっている。 背骨はなく、油に似た液体が詰まっている脊柱が背骨の役割を果たしており、その他の骨もほとんど軟骨でできている。 肋骨も無く、体表の鱗が体内を保護していると考えられる。 体内の浮き袋には、空気の代わりに脂肪が入っている。 気体だと水圧に耐えられない為らしい。 また、シーラカンスには退化した肺があることが確認され、シーラカンスの祖先は、肺呼吸をしていた可能性があることがわかっている。 あと、脳みそは小さい。 餌の食べ方は大雑把なタイプ 魚や無脊椎動物を餌として食べるのだが、シーラカンスは動きがゆっくりなので、岩陰などで漂いながら獲物を待ち、近くに来たらその大きな口を開けて丸呑みする。 研究の為に解剖された個体からは、 50cm近いアナゴとかサメが3体が丸ごと入っていたそうだ。 脳みそが小さくて動きが遅くても口が大きく開けば獲物にありつける環境だったということなのか。 ちょっとぐうたらな魚らしい。 母は大変 卵胎生。 卵は体内で孵化する。 卵は結構大きく、4cmくらい。 それが30個も入っていた雌が確認されている 体内で孵化後、 30〜40cmまで育ってから産むらしいからお母さんは大変だ。 寿命 シーラカンスの群れを21年間観察した研究チームの試算によると、寿命はおよそ103年となった。 それだけではない。 その間、姿がほとんど衰えないという、 美魔女も羨む 不老長寿魚なのだ。
次のシーラカンスは食べることができるのか? そもそも、シーラカンスって食べることができるんでしょうか? スーパーとか魚屋さんで、シーラカンスの切り身とか見たことないんですけど。 実は、それもそのはず …基本的に シーラカンスは売買を禁止されている魚。 学術的に貴重な魚だから、食べるために売り買いしてはいけないんです。 世界的な特別天然記念物なので。 ( ワシントン条約で指定されている ) とは言うものの、 シーラカンスを食べた人が世の中に一人もいない…なんて事はないんです。 賞味した感想も残っています。 そして、日本人なら皆さんも良く知っている、とある著名人も食べたことがあるようです。 でも、ここまでメジャーになるまでは、 アフリカや インドネシアでは普通に食べられていました。 ま、珍しい魚なので、日常的に食べるという事はなかったんですが、ときどき漁師の網で捕まえられると、現地では普通に料理して食べられていたようです。 さて、このシーラカンス・・・日本人の中にも、食べた記録残っていますよ! まず一個目は、1981年に関西の 調理師組合がシーラカンスを料理して食べた…という記録があります。 これは、日本のシーラカンス研究者が外国( コロモイスラム連邦共和国)からもらった、冷凍のシーラカンス。 あと面白いところだと、漫画家の 鳥山明さん(ドラゴンボール)が出版社の企画で、シーラカンスの試食をしたことがあるそうです。 「ドラゴンボールの作者がシーラカンスの食べた」と聞くと、なんとなく身近に感じますね。 シーラカンス料理は美味しい?お刺身の味は? さっき出てきた「調理師組合がシーラカンスを調理して食べた」という話の続き。 調理師組合は料理人の軍団ですから、腕っこきの職人さんがシーラカンスを調理するわけです。 シーラカンスの 塩焼きとか、シーラカンスの 炒め物 とか、 蒸したシーラカンスなどなど。 あーそうそう…その中には、シーラカンスの お刺身 も含まれていました。 わさび醤油なんかつけて、食べたのかもしれません。 そして、シーラカンスを食べた人たちは、口々に言いました。 まるで、歯ブラシを食べているよな感じ… これは、調理師組合の人だけではなく、鳥山明氏も同じような感想を述べています。 もし、新鮮で脂の乗ったシーラカンスだったら、もうちょっと美味しかったかもしれません? でも、基本的にシーラカンスは「 まずい魚」として定評があります。 かつて、シーラカンスを食べていたコロモ諸島の人々は、 シーラカンスのことを「 ゴンベッサ」と読んでいました。 「ゴンベッサ」とは「 食べられない魚」という意味。 きっと「シーラカンスは、いつ食ってもまずいな~」何て言いながら、食べていたんでしょう。 シーラカンスに近い仲間として「 肺魚」というヤツもいるんです。 肺魚とは、アフリカとかアマゾン川に住んでいる水陸両用の魚。 肺魚は、シーラカンスほど珍しくはないので、 食用 として食べる人もいます。 でも、お味の方はシーラカンスと同じく、イマイチな様子。 めっちゃ水っぽくって味気がないとか、体内にドロを含んでいるので泥臭いなど。 そこで「そんなにまずいなら、食わなきゃいいじゃん」と思うでしょ? ただ、肺魚って水陸両用で死ぬまで腐らないから、アフリカでは旅行の携帯食としては便利なんです。 眠ってる肺魚を、旅のお弁当にしているんですね。 な~んか、不思議な感じがする・・・.
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