ガンマ・グロブリンとC型肝炎ウイルス感染について 2007年(平成19年)12月28日の各新聞にフィブリノゲンだけでなく、ガンマ・グロブリンからもC型肝炎ウイルスが検出されたと報じられていました。 ガンマ・グロブリン(免疫グロブリン、IVIG)は、ギラン・バレー症候群の治療にも使われますので、C型肝炎感染の危険性が心配されるわけです。 しかし、記事をよく読みますと、C型肝炎ウイルスが検出されたガンマ・グロブリン製剤は70年代のものであり、その後C型肝炎ウイルスが検出されたため、89年以降は検査が導入され、「92年以降は精度の高い検査法が導入され、危険性はほぼなくなった。 処理方法も進んでおり、安全性は格段に高まっている」とされています。 厚生省(当時)がガンマ・グロブリンをギラン・バレー症候群の治療薬として許可したのは、2000年です。 そこで、皆様におかれては感染の問題ないと思います。 それでもご心配の方は、入院治療を受けた病院あるいは保険所などで肝炎検査を受けられますので、感染の有無を確かめられてはいかがかと存じます。 (私自身(=管理人)は、2001年に3クール(1クール5日間)のガンマ・グロブリン投与と、さらに13回の血漿交換を受けていたため、入院治療を受けた病院で1年ほど前に詳しく検査してもらいました。 その結果、感染してはいませんでした。 ) 12月28日付「朝日新聞」朝刊に本件について詳しく報じられていましたので、下記のとおり転載いたします。 ご高覧ください。 (田丸 務 平成19年12月記) 《 2007年(平成19年)12月28日付「朝日新聞」朝刊1面および30面 》 肝炎ウイルス グロブリンからも検出 70年代製2本から はしかなど治療 はしか治療などに使われた70年代の血液製剤「免疫グロブリン製剤」から、C型肝炎ウイルスが検出されたことが分かった。 薬害C型肝炎訴訟では、フィブリノゲン製剤と血液凝固第9因子製剤を投与された人を対象に救済法案がつくられることが確実になったが、肝炎感染はさらに数種類の製剤で起きた恐れが出てきた。 長井辰男・北里大学名誉教授(法科学)が、約30年前から冷凍保管している旧ミドリ十字(現・田辺三菱製薬)の製剤を調べた。 外部の検査機関でも再確認した。 その結果、77年製造の「人免疫グロブリン」(ガンマグロブリン)製剤2本から、いずれもC型肝炎ウイルスが検出された。 また、臨床試験用の76年「プラスミン」から、C型肝炎ウイルスが出た。 旧ミドリ十字は遅くとも75年にはグロブリン製剤を発売。 適応は広く、当時の使用説明書では、はしかや重症感染症、小児の気管支ぜんそく、水痘、ポリオ、帯状疱疹の治療、輸血後黄疸の予防に使うと記載。 また80年代半ばからは川崎病の子供対し、冠動脈瘤の予防に使用。 A型肝炎治療などにも使われる。 現在も同成分の製剤が複数販売され、今年度の供給量見通しは約3800キログラム。 70年代半ばは千キログラム、もっとも多かった80年代前半は5千キログラム。 C型肝炎ウイルスが見つかり、検査が導入されたのは89年以降。 92年にはより精度の高い検査法となり、感染危険性はほとんどなくなった。 グロブリン製剤は、血液から赤血球などを除いた「血漿成分」にエタノールなどを加え、遠心分離などを繰り返し、徐々に成分を取りだしてつくる「血漿分画製剤」。 凝固第8因子、第9因子、フィブリノゲン、グロブリンなどの順番で抽出され、製造工程を重ねるごとに肝炎ウイルスなどは死滅するとされてきた。 田辺三菱製薬広報室は「当社の知る限り、グロブリンによる肝炎感染の事例は過去にない。 当時最新の安全対策はとっているはず。 現在厚生労働省の指示ですべての血液製剤について調査中なので、詳しいコメントは控える」としている。 (田辺功) グロブリンも感染汚染 問われる「全員救済」 《解説》………(前半部分は、C型肝炎訴訟に関する解説のため、省略) 血液製剤の原料はかつて輸入製剤に頼っていたが、現在はほぼ国内献血で賄う。 92年以降は精度の高い検査法が導入され、危険性はほぼなくなった。 処理方法も進んでおり、安全性は格段に高まっている。 ただ92年より前に手術や治療で輸血や血液製剤の投与を受けた可能性のある人は、保険所など無料で受けられる肝炎検査を受け、感染の有無を確かめた方がよい。 医療機関で、カルテなどで使用を確認できる可能性もある。 ………(以下、省略).
次のガンマGTPが上昇する原因 アルコール お酒、ノンアルコールビールやノンアルコールカクテル、栄養ドリンク、みりんといったものに含まれているアルコールを摂取することにより、ガンマGTPが上昇します。 薬剤 抗けいれん薬、ステロイド薬、抗てんかん薬、向精神薬といった薬剤を使用している人の場合、ガンマGTPが高まってしまいます。 油脂 ガンマGTPの検査を受ける前に食事で油脂を摂取し過ぎたことが原因で、ガンマGTPが上昇するケースがあります。 胆道系の病気 胆石、胆道系のがん、原発性胆汁性肝硬変といった胆道系疾患を引き起こしている場合、ガンマGTPが高まります。 すい臓がん すい臓がんを引き起こしている人の場合、ガンマGTPの数値が上昇しています。 肥満 太り過ぎになっている人は、ガンマGTPが高値を示しやすい傾向があるでしょう。 運動不足 体を動かす習慣がない人は、ガンマGTPが上昇しやすいのが特徴です。 ガンマGTPが高いのは問題なのか 数値自体が高くなっていることで悪影響が及ぶことはありません。 しかしながら、健康に悪い生活習慣、病気、薬剤の使用といった具合に、ガンマGTPを高める原因が必ずあることが問題なのです。 治療のための薬の使用はやむを得ませんが、それ以外のものは自分で改善したり、適切な治療を受けて、数値を改善することが大切といえるでしょう。 ガンマGTPが低い場合の問題・病気 ガンマGTPが正常値を上回っている場合は当然、肝臓などの病気の疑いがあるため改善しなければいけません。 しかしながら、正常値を下回っている場合は何か問題はないのか、病気をしていないのかと心配になっている人もいるでしょう。 今回はガンマGTPが低い場合、どんなことを考えられるのか、問題の有無も含めて解説します。 ガンマGTPが基準値を下回った場合の問題・病気の有無 基準値を下回るとなると一桁になりますので、極端に低いと不安に感じる気持ちは理解できます。 ただ、現状の医学では低い分には全く問題がない、病気の可能性もないといわれています。 どういう場合にガンマGTPが低くなるのか ガンマGTPはお酒に敏感に反応するため、アルコールを摂る機会が少ない人は基準値を下回ることがあります。 とくに一滴も飲まないような人の場合、基準値より低い数値を示すことが少なくありません。 また、女性は元々女性ホルモンの関係でガンマGTPは低くなりますし、基準値も正常値、異常値共に男性と比べると低めに設定されています。 さらに妊娠している場合、これも女性ホルモンの影響でガンマGTPが低くなりやすいのです。 該当しない場合には 中にはお酒を飲んでいるにも関わらず数値が低いなど、ここで取り上げた低い数値を示す原因に該当しない人もいるでしょう。 低くてもとくに問題はないといわれていますが、心配だという人は医師に問題はないのか、病気をしていないのか話をしてみてはいかがでしょうか。 ガンマGTPが高い場合の問題・病気 ガンマGTPの正常値をわずかにでも上回ると、なんらかの病気を引き起こしている可能性があり、より詳しく調べなければいけなくなります。 中にはどういう病気を引き起こしている可能性があるのか、知りたいという人もいるでしょう。 ここで解説していますので、興味のある人はチェックしてみてください。 ガンマGTPが基準値を上回った場合に引き起こしている疑いがある病気 ガンマGTPが正常値より高くなっている人の場合、まずはさまざまな肝臓の病気を引き起こしている可能性があります。 具体的な病気の名称としては、脂肪肝、急性肝炎、慢性肝炎、薬剤性肝炎、アルコール性肝障害、原発性胆汁性肝硬変といった肝機能障害が挙げられます。 また、肝臓関連の病気以外にも引き起こしている可能性があり、胆道が圧迫されていたり、閉塞が起こっていることによって、ガンマGTPが血液中に流出している疑いもあります。 ガンマGTPのセルフチェックはできるのか ガンマGTPを調べずに、自分で肝機能をチェックするのは困難です。 というのも、肝臓の病気などを引き起こしていたとしても、これといった症状が深刻な状態になるまで起こらないのが肝臓の厄介なところだからです。 ただし、まったくセルフチェックする方法がないかというとそうではなく、肝臓が悪いと食欲がわかなくなったり、お酒がおいしくない、酔いのまわりが悪いと感じたりします。 また、顔面が黄色みを帯びてくる黄疸(おうだん)の症状も自分や周囲が見てわかる変化ですので、注意深く観察してみるとよいでしょう。
次の【免疫グロブリン】高値だと肝硬変かも!基準値を知ろう 肝臓でつくられるたんぱく質のひとつにグロブリンがあります。 NK細胞やT細胞、B細胞などが免疫機能を果たすのがリンパ球でした。 抗体は、抗原 たとえばアレルゲンやウイルスなど を強固にブロックする役割がありました。 これからその関係性について、具体的にお話していきたいと思います。 肝臓でつくられるかどうかは関係ありません。 この検査では「」や「」も参照します。 その結果、以下のような肝機能障害、肝疾患のリスクが考えられます。 同時に、それぞれの基準値を記しておきます。 免疫グロブリンの5種中、もっとも多く血中に存在する。 感染が起こった後、初期段階で産生される抗体。 喉の表面、腸の内側、気管支の内側の壁など、粘膜の表面に常駐する。 現在のところ、このクラスの免疫グロブリンの詳細まで解明されているわけではない。 判明していない IgE アレルギー反応に主要な役割を果たす アレルゲンを攻撃。 アレルギー性疾患、寄生虫感染症などで増加。 血中の量が最も少ない免疫グロブリン。 「Y」の字の血中成分をイメージすると、ますます抗体に思い当たる人もいるでしょう。 まあそんなことよりも特に重要な意味を持つのが、「基準値」です。 上でもすでに触れたように、 基準範囲を逸脱しているときには、何らかの肝機能障害が起こっている可能性が高いと考え、さらなる精密な検査や治療など、できる限りの対処を講じる必要があります。
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