1.リンデロンVG軟膏とは? まずは、リンデロンVG軟膏の基本的な知識を解説します。 1-1. リンデロンVG軟膏の成分と作用 リンデロンVG軟膏は、細菌の感染の可能性がある、又はそのおそれのある湿疹、皮膚炎、乾癬(かんせん)などの治療に使用します。 リンデロンVG軟膏の主な成分は2つあります。 湿疹、皮膚炎、かぶれ、虫刺されなど、様々な皮膚疾患に対して、幅広く使用されます。 ただし、明らかな感染症があるときは、別途感染症に対する治療も必要です。 医師とよく相談しましょう。 最も強い(Strongest) 2. とても強い(Very Strong) 3. 強い(Strong) 4. 普通(Medium) 5. 弱い(Weak) 皮膚の炎症の重症度によって、ステロイドの強さを選びます。 炎症がひどいほど、強いタイプのステロイド塗り薬が候補に挙がります。 しかし、全く同じような症状でも、本人の年齢・体質などの背景によって、適したお薬は変わります。 また、使用する場所によっても、どのステロイドの塗り薬が適しているかは変わります。 この数値が高いほど、お薬の作用が強いとされ、作用の強さを示すひとつの指標となります。 1-2. リンデロンVG軟膏の使い方 リンデロンVG軟膏は、伸びがよく、ほとんど匂いもないため、塗りやすいお薬です。 症状に応じて、医師から適量や塗る回数などの指示があると思いますので、医師の指示を守って、患部を清潔にしてから塗るようにしましょう。 万が一、指示されている時間帯に塗り忘れたことに気づいた場合には、気づいたときに塗って問題ありませんが、その場合には、次に塗るタイミングをずらすようにしましょう。 塗り薬は、局所的に作用をするため、副作用の心配はほとんどありません。 しかし、長期にわたって使用したり、広範囲にわたり使用を続けたりすると副作用のリスクが高まるため、必ず医師と都度相談しながら使用するようにしましょう。 顔面、頸、わきの下、陰股部は皮膚がうすく、副作用が出やすいので、効果の弱いステロイドを用いるか、塗る回数を工夫することが必要です。 また、本来、医師に指示されている場所以外で使用すると、塗布できる場所に適していない場合があり、副作用を引き起こす可能性があります。 必ず、医師の指示どおりに使用するようにしましょう。 2.その他のリンデロンシリーズとの違いと使い分け リンデロンと名前がつく塗り薬として、リンデロンVG軟膏の他に、リンデロンV、リンデロンDP、リンデロンAの塗り薬があります。 名前の最後のアルファベットに違いがあり、含まれている成分やステロイドの強さが違ってきます。 また、軟膏の他にも、クリーム、ローションのタイプもあるため、その使い分けも解説します。 2-1. 抗炎症作用のみを期待したい:リンデロンV リンデロンVの主な成分は、ステロイド成分のみです。 疾患・症状によっては、比較的皮膚が薄い部分(顔まわりや外陰部など)にも使用することがあります。 2-2. より高めの抗炎症作用を期待したい:リンデロンDP リンデロンDPの主な成分は、ステロイド成分のみにです。 ステロイド成分のみになるので、抗炎症作用を期待して、湿疹、皮膚炎、かぶれ、虫刺されなど、様々な皮膚疾患に対して使用されます。 一般的には、やや強めのタイプですので、皮膚が薄い部分(顔まわりや外陰部など)には使用せず、手足や体幹など皮膚の厚い部分に使用します。 2-3. 目や耳、鼻などに使用する:リンデロンA リンデロンAの主な成分は、2つあります。 眼・耳科用の軟膏、点眼・点鼻用の液のタイプがあります。 2-4. 軟膏・クリーム・ローションの使い分け 主に、軟膏、クリーム、ローションのタイプがあります。 それぞれの特徴について説明します。 また刺激性が少ないのも特徴です。 その反面、べたつき感やテカテカ感があります。 潰瘍やびらんなどジュクジュクしている患部から、アトピーやかさぶたなど乾燥している患部まで、幅広く使用することができます。 伸びがよく、軟膏ほどべたつきが少ないため、広範囲に塗りやすいです。 また、皮膚への浸透性が良いことも特徴です。 その反面、刺激性があり、潰瘍やびらんなどジュクジュクしている患部には適していません。 使用感が良いため、露出のある肌に塗る場合に好まれたり、足のかかとなど皮膚が硬い患部に使用することがあります。 即効性はある一方で、持続力がありません。 軟膏やクリームでは対処しづらい、頭部などの毛が多い部位に対してよく使用されます。 3.リンデロンVG軟膏の副作用と注意点 3-1. リンデロンVG軟膏の副作用 塗り薬は、 局所的に作用をするため、広範囲への使用や長期にわたって大量に使用せず、短期間で正しく使用する分には、副作用の心配はほとんどありません。 但し、稀に次のようなステロイド特有の副作用症状が出ることもあります。 詳しくは、添付文書を確認していただくか、医師や薬剤師に確認するようにしましょう。 乳幼児では効果が成人に比べてつよく出やすいので、成人より1つランクの低い弱いステロイドをすすめられることもあります。 代表的な副作用症状(一部) ・毛細血管拡張・・・血管が浮き出てみえる ・皮膚萎縮・・・皮膚が薄くなる ・皮膚に赤みがでる ・にきび ・皮膚感染症 ・過敏症、接触性皮膚炎・・・発疹・発赤、かぶれ など 又、稀に、まぶた周辺に使用したときや、大量又は長期にわたって広範囲に使用すると下記のような副作用が出ることもあります。 ・眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障 目が見えにくい、目がかすむ、目の痛み、まぶしいなど、目に異常を感じた際は、早めに医療機関を受診しましょう。 通常は、その塗り薬の使用を中止することや使用方法を変更したりなど行うことで症状は回復します。 万が一、このような症状がみられた場合には、直ぐに医療機関を受診し、医師の判断を仰ぐようにしましょう。 その一方で、皮膚の症状が改善したら、塗る回数を減らしたり、ステロイドの強さを弱くしたりすることがありますが、やめるときも、自分で勝手に急に使用を中止すると皮膚の炎症が再燃する可能性もあるので注意しましょう。 またそのため、症状の変化を見逃さないように定期的に医療機関を受診することも大切です。 3-2. 使用上の注意点 自己判断で勝手に使用すると、思いもよらない副作用を引き起こす可能性があるため、必ず医師や薬剤師の指示を仰ぐようにしましょう。 というのも、今回の説明のとおり、リンデロンと名がつくお薬だけでも、種類によって、作用の強さや適した患部などには特徴があります。 そのため、同じリンデロンだから良いかと自己判断で使用した場合、思いもよらない副作用を引き起こしてしまう可能性があります。 家に余った塗り薬があったとしても、必ずその処方元の医師や薬剤師にまずは相談するようにしてください。 また、 お薬には、使用期限があります。 一般的に塗り薬の場合、パッケージ(軟膏の場合は、チューブの端の部分)を確認していただくと、使用期限の記載があります。 高温になるような場所で保管をしておらず、未開封のものであれば、その期限を参考にしてもらって大丈夫です。 しかし、開封してしまっている場合や、混合された塗り薬などで別の容器に移されてもらっている場合には、早めに使いきるようにしましょう。 古いものは、正しい効果が期待できないことや、悪影響を与える可能性もあるため、使用せずに破棄するようにしましょう。 4. リンデロンVG軟膏は市販で購入できる? リンデロンVG軟膏と全く同じ2つの成分ではありませんが、同じステロイド成分を含んだ市販薬が販売されています。 購入を希望される際には、店頭にて相談するようにしましょう。 5.おわりに 今回は、リンデロンVG軟膏について効果・副作用を解説するとともに、リンデロンシリーズの使い分けや市販で購入することができるのか?に関してもあわせて説明しました。 リンデロンVG軟膏は、ステロイド成分と抗生物質を含み、様々な皮膚疾患に対して使用されるお薬です。 また、同じリンデロンとつく名前のお薬でもアルファベットによって、含まれている成分やステロイドの強さが変わってきます。 市販でも、リンデロンVG軟膏と全く同じものはありませんが、似たような塗り薬は購入することが可能です。 ぜひ、本記事を参考に正しいお薬の知識を深め、安心安全に使用するようにしましょう。
次のゲンタマイシン軟膏(正式な名称としては「ゲンタマイシン硫酸塩軟膏」)は1970年から発売されている「ゲンタシン軟膏」というお薬のジェネリック医薬品になります。 ゲンタマイシン軟膏は皮膚に外用する(塗る)お薬で、抗菌作用(細菌をやっつける作用)を持っています。 外用抗生剤の中でも「アミノグリコシド系」というタイプの抗菌薬が含まれています。 外用剤は病変部にのみ作用するため、飲み薬のように全身には作用しにくく余計な副作用が出にくいというメリットがあります。 しかしあくまでも局所に対する効果になるため、皮膚の深い場所の感染や広範囲の感染には向きません。 塗り薬はたくさんの種類があるため、それぞれがどのような特徴を持つのかは分かりにくいものです。 ゲンタマイシンはどんな特徴のあるお薬で、どんな患者さんに向いているお薬なのか、ここではゲンタマイシンの効能や特徴・副作用について紹介していきます。 1.ゲンタマイシン軟膏の特徴 まずはゲンタマイシン軟膏の特徴をざっくりと紹介します。 ゲンタマイシンはアミノグリコシド系に属する抗菌薬になります。 抗菌薬とは菌(細菌)をやっつけるお薬の事ですので、塗り薬であるゲンタマイシン軟膏は主に皮膚の細菌感染に対して用いられます。 細菌には様々な種類に分けられますが、大きく分けると• グラム陽性球菌(ブドウ球菌、連鎖球菌など)• グラム陽性桿菌(リステリア菌、クロストリジウムなど)• グラム陰性球菌(淋菌、髄膜炎菌など)• グラム陰性桿菌(大腸菌、クレブシエラなど) の4種類があります。 このうち、ほとんどの菌はグラム陽性球菌かグラム陰性桿菌に属し、その他のグラム陽性桿菌やグラム陰性球菌は多くは見かけることはありません。 アミノグリコシド系は主にグラム陰性桿菌に対して強い抗菌力を持ち、またグラム陽性球菌に対しても多少の抗菌力を持っています。 主要な菌に幅広く効くという特徴があります。 しかし皮膚の感染症の8割ほどはグラム陽性球菌になるため、グラム陽性球菌に対してそこまで強い抗菌力を持たないゲンタマイシンは、重症の皮膚感染症には力不足となる事もあります。 抗菌薬は種類によって効く菌が異なります。 幅広い菌に効果を示すお薬もあれば、特定の菌のみにしか効かないお薬もあります。 一見すると多くの菌に効く抗菌薬の方が良いようにも思われます。 確かにどの菌が原因かどうか特定できないような感染症では、多くの菌に効く抗菌薬を使った方が治る確率は高いでしょう。 しかし、だからといって一概に幅広く効く抗菌薬が良いとは言えません。 なぜならば多くの菌に作用してしまう抗菌薬は、様々な菌に中途半端に作用してしまう事で耐性菌を作ってしまいやすいというデメリットがあるからです。 【耐性菌】 特定の抗菌薬に対して耐性を獲得し、その抗菌薬が効かなくなってしまった細菌の事。 細菌が様々な抗菌薬に対して耐性を獲得してしまうと「多剤耐性菌」となり、治療をする事が困難になってしまう。 ゲンタマイシンも抗菌薬である以上、耐性菌のリスクもあるお薬です。 実際ゲンタマイシンの先発品である「ゲンタシン軟膏」は1970年から長く使われているため、現在はゲンタマイシンに耐性を獲得している菌も少なくありません。 ゲンタマイシンは皮膚感染症の主要な原因菌であるグラム陽性球菌に対しては穏やかに作用するため、不十分な作用となり細菌を耐性化させてしまう事もあります。 ゲンタマイシン軟膏を用いる際にはこのようなリスクも理解し、ゲンタマイシンによる治療を継続していても改善が不十分な場合は漫然と使い続けることは避けなくてはいけません。 ゲンタマイシン軟膏は外用剤であるため、その副作用は多くはありません。 健常な皮膚においては、ゲンタマイシンは角質をほぼ通過せず体内に吸収されないため、皮膚の表面にいる菌はしっかりとやっつけてくれる反面で、体内に入って副作用を起こす事は少ないお薬です。 しかし角質が壊れた状態の湿疹や皮膚炎・潰瘍といった部位に塗ると多少体内に吸収されてしまう事が分かっています。 ゲンタマイシンをはじめとしたアミノグリコシド系抗菌薬は、体内に入ってしまうと身体に負担をかけてしまう事があります。 特に内耳と腎臓に負担がかかりやすく、これにより難聴・腎障害といった副作用が生じる事があります。 外用剤のゲンタマイシンでこのような副作用が生じる事は極めて稀ですが、絶対に生じないとは言えないため、一定の注意は必要になります。 以上からゲンタマイシン軟膏の特徴としては次のような事が挙げられます。 【ゲンタマイシン軟膏の特徴】 ・アミノグリコシド系の抗菌薬(細菌をやっつけるお薬)である ・グラム陰性桿菌に強い効果を示し、グラム陽性球菌にも穏やかに効く ・古くから使われており、耐性菌(ゲンタマイシンが効かない菌)も多くなってきる ・長期・大量使用による副作用の難聴・腎障害に注意 ・ジェネリック医薬品であり薬価が安い スポンサーリンク 2.ゲンタマイシン軟膏はどんな疾患に用いるのか ゲンタマイシン軟膏はどのような疾患に用いられるのでしょうか。 添付文書には、次のように記載されています。 【効能又は効果】 <適応菌種> ゲンタマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属(肺炎球菌を除く)、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌 <適応症> 表在性皮膚感染症、慢性膿皮症、びらん・潰瘍の二次感染 ゲンタマイシンが効果を示す菌は、上記のような菌が主になります。 細菌には、• グラム陽性球菌• グラム陽性桿菌• グラム陰性球菌• グラム陰性桿菌 の4種類がいます。 このうち、グラム陽性球菌とグラム陰性桿菌の2種類がほとんどを占めます。 ゲンタマイシンはグラム陰性桿菌(大腸菌、クレブシエラ、緑膿菌など)に強い効果を発揮します。 またグラム陽性球菌(ブドウ球菌、レンサ球菌など)にも穏やかに効くお薬になります。 そのためゲンタマイシンが使われる疾患としては、上記のような菌が皮膚に感染している状態になります(上記のブドウ球菌・連鎖球菌はグラム陽性球菌であり、その他はすべてグラム陰性桿菌になります)。 またびらんや潰瘍といった、皮膚が傷ついている状態だと細菌が巣食いやすいため、このような皮膚に細菌が二次感染してしまった状態の治療にも用いられます。 【びらん(糜爛)】 表皮の欠損で、皮膚の一番上の皮が浅くえぐれてしまっているような状態。 ゲンタマイシン軟膏はジェネリック医薬品であるため有効率の詳しい調査は行われていませんが、先発品である「ゲンタシン軟膏」の有効率は、• 表在性皮膚感染症への有効率は82. 湿疹及び類症の二次感染への有効率は69. 慢性膿皮症の二次感染への有効率は64. びらん・潰瘍の二次感染への有効率は57. 9% と報告されており、ゲンタマイシン軟膏も同程度の効果だと推測されます。 ただし、最近は耐性化も進んでいるため有効率は低下してきている印象があります。 3.ゲンタマイシン軟膏にはどのような作用があるのか ゲンタマイシンはどのような作用機序によって細菌をやっつけているのでしょうか。 まず抗菌薬は「静菌作用」を持つものと「殺菌作用」を持つものに分けられます。 静菌作用というのは「細菌の増殖を抑える作用」です。 細菌を殺すわけではなく、それ以上増殖させないようにすることで、穏やかな抗菌作用だと言えます。 対して殺菌作用というのは「細菌を殺す作用」です。 直接細菌にダメージを与えることで、強力な抗菌作用を示します。 どちらも抗菌作用ですが、殺菌作用の方がより強い効果である事が分かります。 ゲンタマイシンはと言うと「殺菌作用」を持つお薬になり、強力に菌をやっつけてくれる作用を持ちます。 ではゲンタマイシンはどのようにして細菌を殺すのでしょうか。 ゲンタマイシンをはじめとしたアミノグリコシド系抗菌薬は、細菌の細胞内にあるリボソームという細胞内小器官に結合し、リボソームのはたらきを邪魔する事でその作用を発揮します。 リボソームというのは、DNA情報を元に種々のタンパク質を合成するはたらきを持ちます。 ゲンタマイシンがリボソームのはたらきをブロックすると、細菌は必要なタンパク質を合成できなくなってしまいます。 すると細菌が生きるために必要なタンパク質の合成も行えなくなってしまうため、細菌は死んでしまうのです。 例えば細菌の細胞の壁の原料もタンパク質ですから、リボソームのはたらきが邪魔されると、細菌は自分の細胞の形状を保てなくなります。 このような作用によってゲンタマイシンは次のような菌に殺菌作用を示します。 グラム陰性桿菌は、• 大腸菌• クレブシエラ属• エンテロバクター属• プロテウス属• セラチア• モルガネラ・モルガニー• プロビデンシア属• 緑膿菌 などが挙げられます。 ただしゲンタマイシンは嫌気性菌には効果がないことが多いため、• バクテロイデス属(グラム陰性桿菌) には効きません。 具体的には、• 黄色ブドウ球菌 への効果は比較的しっかりしています。 実際、皮膚の細菌感染症の多くは、表皮ブドウ球菌などのグラム陽性球菌であるため、このような菌に対して効果を示すゲンタマイシンは、皮膚感染症によく用いられているのです。 ただし、• レンサ球菌 はゲンタマイシンが効かない事も多いため、注意が必要です。 例えば、「伝染性膿痂疹(とびひ)」はブドウ球菌やレンサ球菌が原因となりますが、ゲンタマイシンが効かないレンサ球菌の可能性もありますから、ゲンタマイシン以外の抗菌薬を選択するのも手でしょう。 スポンサーリンク 4.ゲンタマイシン軟膏の副作用 ゲンタマイシン軟膏の副作用にはどのようなものがあるのでしょうか。 また副作用はどのくらい多いのでしょうか。 ゲンタマイシンはジェネリック医薬品である事もあり、副作用発生率の詳しい調査は行われていません。 しかし全体的に見れば外用剤であるゲンタマイシンの安全性は高く、副作用は少ないと言って良いでしょう。 生じる副作用もほとんどが軽度のもので、• かゆみ• 水疱、湿疹 などです。 いずれも重篤となることは少なく、多くはゲンタマイシンの使用を中止すれば自然と改善していきます。 また注意すべき副作用としては、• 腎障害• 難聴 があります。 ゲンタマイシンをはじめとしたアミノグリコシド系は内耳や腎臓といった臓器に負担をかけることのあるお薬ですので、長期間・高用量のゲンタマイシンが体内に入ってしまうとこのような副作用が生じる事があります。 これは主に注射剤のアミノグリコシド系で注意すべきもので、外用剤のゲンタマイシンで生じることは極めて稀です。 実際、角質が破壊されていない皮膚にゲンタマイシンを塗っても、ゲンタマイシンはほとんど体内に吸収されない事が確認されていますので、ゲンタマイシンが内耳や腎臓を傷めるという可能性はかなり低いと考えられます。 しかし皮膚の角質バリアが破壊されているような状態(皮膚に潰瘍や皮膚炎などがある場合)では、ゲンタマイシンは体内に多少吸収される事が確認されています。 重症熱傷例にゲンタマイシンの先発品である「ゲンタシン軟膏」を3日間塗布した研究においては、尿からゲンタマイシンが検出されており、ここから体内に吸収されている事が分かります。 また同じくゲンタマイシンの先発品である「ゲンタシン軟膏」を皮膚に塗布したところ、排泄率は0. 4~5. 2%と報告されており、ここからもある程度は体内に吸収されているという事が言えます。 5.ゲンタマイシン軟膏の用法・用量と剤形 ゲンタマイシンの外用剤には、 ゲンタマイシン軟膏(0. ゲンタマイシンの使い方は、 1日1~数回患部に塗布するか、あるいはガーゼなどにのばしたものを患部に貼付する。 と書かれています。 実際は皮膚の状態や場所によって回数や量は異なるため、主治医の指示に従いましょう。 また抗菌薬は、大量・長期間使っていると耐性菌を出現させてしまうリスクになります。 そのためゲンタマイシンをはじめとした抗菌薬は必要な期間のみしっかりと使い、漫然と長期間使い続けないように注意が必要です。 6.ゲンタマイシン軟膏の使用期限はどれくらい? ゲンタマイシンの使用期限って、どのくらいの長さなのでしょうか。 「家に数年前に処方してもらった外用剤があるんだけど、これってまだ使えますか?」 このような質問は患者さんから時々頂きます。 これは保存状態によっても異なってきますので一概に答えることはできませんが、適正な条件で保存されていたという前提(室温保存)だと、「3年」が使用期限となります。 7.ゲンタマイシン軟膏が向いている人は? 以上から考えて、ゲンタマイシンが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。 ゲンタマイシン軟膏の特徴をおさらいすると、 ・アミノグリコシド系の抗菌薬(細菌をやっつけるお薬)である ・グラム陰性桿菌に強い効果を示し、グラム陽性球菌にも穏やかに効く ・古くから使われており、耐性菌(ゲンタマイシンが効かない菌)も多くなってきる ・長期・大量使用による副作用の難聴・腎障害に注意 ・ジェネリック医薬品であり薬価が安い というものでした。 ゲンタマイシンは細菌をやっつけるお薬になりますので、細菌感染している皮膚や細菌感染が強く疑われる皮膚に塗るお薬になります。 メリットとしては1970年から使われており使用実績が多いお薬だという点があります。 多くのデータがあるため、安心して使う事が出来る外用抗生剤です。 使い慣れている先生も多いため処方される事も多いお薬ですが、近年では耐性菌も多くなっているため、漫然と長期間使うべきではないでしょう。 皮膚の感染症の多くはグラム陽性球菌ですが、ゲンタマイシンがもっとも得意とするのはグラム陰性桿菌です。 つまり、皮膚感染症はゲンタマイシンはある程度の効果は期待できるものの、本領が発揮できないこともあります。 そのため、ある程度の期間使用しても効果が得られない場合はゲンタマイシンが効かない菌であるか、ゲンタマイシンに耐性を持った菌の可能性もありますので、ゲンタマイシン以外の抗菌薬に変更する必要があります。 またゲンタマイシンはジェネリック医薬品であり、薬価が安い点もメリットになります。 薬価は先発品の「ゲンタシン軟膏」と比較すると約6割程度となっており、経済的負担が少なく済みます。 カテゴリー• 247•
次のこの記事の目次• ゲンタシン軟膏について では、まずはゲンタシン軟膏がどういったものなかを知っておきましょう。 ・用途 ゲンタシン軟膏の用途は、皮膚で起きた細菌の感染症を治すために使用する薬です。 アミノグリコシド系抗生物質の薬なので皮膚で起きた炎症全般的に効能があります。 擦り傷や切り傷、肌荒れ、ニキビなど多くの皮膚症状の問題に対して効果があります。 下記で更に詳しく症状の無いようについて紹介していきたいと思います。 ・どんな症状に効果があるのか では、ゲンタシン軟膏が処方されるのはどういった症状の時に処方されるのかを紹介します。 多くの症状に効果があるので、常に1本を常備していてもいいでしょう。 家庭に1本は持っておきたい薬でもあります。 ・細菌による炎症 まずは、細菌による皮膚の炎症に効果があります。 様々な細菌に対応しており、肺炎球菌以外のレンサ球菌属、大腸菌、エンテロバクター菌、クレブシエラ菌、プロテウス菌など、多くの菌に効能があるので炎症が起きた際に処方されることが多くあります。 炎症などの皮膚症状を引き起こしてる問題に対して、薬の効果で菌の殺菌と除去を行い、赤身や腫れなどの炎症の症状を改善します。 ・ニキビ ニキビにも効果があるので、治療薬として処方されることがあります。 ニキビを悪化させてしまう原因となる菌を殺す作用があります。 そのため、ニキビが今以上に症状が悪化するのを防ぐために処方されます。 しかし、ニキビが悪化するのを防ぐ効果はありますが、改善させるためには、肌を清潔な状態に保つ必要があります。 ストレスを溜めない生活や、食生活の改善などをして肌を健康にしましょう。 特に効果があるのは赤ニキビや化膿ニキビなどの色の白いニキビもしくは赤紫色になってしまっているニキビに有効です。 それ以外の吹き出物やニキビには基本的に進行を食い止める効果はありますが治癒効果はありません。 万能薬ではありますが、ニキビや吹き出物の原因であるアクネ菌により効果を求めるのであれば他のニキビ専用薬を使用するのがいいでしょう。 詳しくは、の記事に書いてあるので読んでみてください! ・ヘルペス ヘルペスに一度はなったことのある人も多いのではないでしょうか。 ヘルペスウイルスに感染したことが原因となって、小さな水ぶくれの様なものが発生する病気です。 多く発生する場所は、唇・口周り・外陰部などです。 ヘルペスに効果的な薬としてゲンタシン軟膏が処方される場合があります。 ゲンタシン軟膏を塗ることで二次感染が起きるのを防ぐことができます。 口にできてしまった場合は、食後などのタイミングで口の周りを清潔にしてから患部に塗るようにしましょう。 また、陰部などの部分に使用する場合も、清潔にすることを先に行ってから使用しないと効果が薄れてしまうので使用方法はしっかり守って注意しましょう。 ・擦り傷 擦り傷や切り傷が起きた場合にも、ゲンタシン軟膏を処方される場合があります。 近年になって、かさぶたの下に発生する体液が治療を促進する効果があることが判明しました。 そのため、傷が発生した場所にゲンタシン軟膏を塗って、その上から絆創膏を貼るのが一番切り傷の治療には効果があります。 特に強い臭いもなく、なめらかな塗り心地なので、気持ち悪さを感じることもなく使いやすいので傷を早く治したいときには有効です。 ただし、あまり過度に塗らないように注意してださい。 ・使える部位について ゲンタシン軟膏がどの部位の皮膚に使えるのか紹介します。 基本的には、どの部位の皮膚のも使用することは可能です。 ただし、部位によって皮膚が薄い場所もあるので、副作用が出やすかったりする場合があるので塗る量などに注意する必要があります。 さらに、他の皮膚と重なったりする場合は、付着しないように注意してください。 特に陰部や顔の皮膚は非常に薄くなっていますので、問題につながりやすくなります。 痒みがひどくなったり、かぶれの症状がひどくなてしまう場合は即座に使用を中止し、医師に相談するようにしましょう。 使用できないところについては、眼に近い部分になります。 皮膚には使用する事ができますが、目の粘膜部分や眼球には使用できないので、目に付着しないように注意しなければいけません。 目に入ってしまう危険性のある部分には使用しないようにしましょう。 また、誤って目に付いてしまった場合はしっかり流水で洗い流すようにしましょう。 手の皮膚に使用する場合でも目をかく時に目に入ってしまうこともありますので、そのような危険性のある場合は上から布をかぶせたり、絆創膏を張るなどの処置を施しておきましょう。 睡眠中などに誤って目を掻いてしまうこともありますので、睡眠中は綿の手袋を装着するなどの対策法を行って使用するようにしましょう。 ・ベタつきは? ゲンタシン軟膏は、とてもベタつきが激しいので注意して使用する必要があります。 なので過度に塗ってしまうと、気持ち悪さを感じてしまうこともあるので、幹部に薄く塗るようにしてください。 基本的には、1日に2,3回塗るのが良いとされているので、たくさん塗ることが早く治るのに繋がるわけではありません。 適量を守って使用しましょう。 ベタつきの問題により、手などに使用した場合は食器や使用する道具などにベタベタと成分が付着し、汚してしまうこともあります。 上から包帯を巻いたりして、外部の物にベタつきがつかないように対処する必要があるでしょう。 また、衣服などにも付着してしまいます。 色がついてないのでシミなどの問題にはなりませんが、ゴミなどが付きやすくなったり品質の低下につながってしまいます。 お気に入りの服などが汚れてしまわないように注意しましょう。 服などへの付着で患部の軟膏やクリームが取れてしまい効果がなくなってしまうこともありますので、摩擦の影響が大きい部分には患部を布で隠すなどの方法で対策しましょう。 ゲンタシン軟膏の副作用について ゲンタシン軟膏にも副作用があります。 副作用を知っておかないと、症状が出だした時に焦ってしまう場合があるので把握しておきましょう。 ・かゆみ どの薬でも発生する可能性のある問題です。 代表的な副作用として殆どの薬に注意喚起の説明書きが記載されています。 元々ある痒みの症状がひどくなる場合や、収まらない場合、もしくは関係ない部分に皮膚に付着してしまった場合に痒みなどの皮膚症状が発生する場合は使用を即座に中止し医師に相談しましょう。 ・赤くなる 赤くなる症状も皮膚の弱い人には非常に起こりやすい傾向があります。 薬用成分には少なからう刺激がります。 皮膚の変色は異常現象の一つになりますので、引き起こってしまった場合は痒みなどの問題が発生していなくても注意する必要があります。 赤くなる以外の症状が併発していない場合は、そこまで危険性は高くありませんが、異常反応であることには変わりないので医師に相談しましょう。 ・発疹が出来る 発疹はかなり酷い異常反応で、非常に肌が弱い場合もしくは何かしらの成分に対してアレルギー反応などの症状が発生している場合があります。 即座に使用を中止するとともに、患部に付着した軟膏を洗い流しましょう。 そのままの状態で使用を継続してしまうと更に成分が皮下にまで侵食し症状がひどくなってしまう可能性が高いです。 今まで使用してもこれらの副作用が出てこなかったのに長期的に使用したり、広範囲に使用することで更にこれらの問題が引き起こってしまうこともあります。 その場合も使用頻度や長期間の使用が原因で成分が体内に吸収されこれらの皮膚症状が出てしまうことがあります。 ・その他の症状 さらにひどい副作用だと、耳鳴りやめまいが発生してしまうこともあります。 決められた量と規定を守れば副作用が出ることは滅多にありませんが、人によっては発生する場合もあります。 また成分の侵食が原因で腎障害が引き起こってしまう危険性も示唆されています。 もし、規定を守っても副作用が発生する場合は、一度使用を中断して医師に相談した方が良いでしょう。 また、薬には使用期限というものがあります。 薬の裏側などに使用期限を記載していますが、未開封の場合の使用期限になります。 一度開封してしまうと、薬の成分が酸化してしまい効果を得られないうえに、アレルギーなどが発生して症状が悪化してしまう恐れがあります。 長期間保存していた場合は、処方してもらった所に確認をした方が良いでしょう。 ゲンタシン軟膏に含まれている成分 ゲンタシンの中に含まれている成分についてその主な効果などを紹介していきます。 またステロイドが含まれているかどうかなどの問題も紹介していきたいと思います。 日局ゲンタマイシン硫酸塩 有効成分である日局ゲンタマイシン硫酸塩を主成分として含んでいます。 効果のある菌についてはエンテロバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌、ブドウ球菌属、レンサ球菌属(肺炎球菌以外)、大腸菌、クレブシエラ属などの菌に有効性があります。 これらの菌が原因の皮膚症状の潰瘍、慢性膿皮症、表在性皮膚感染症、びらんなどの症状が基本的な対応症状になります。 その他の添加物 パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、流動パラフィン、白色ワセリンなどの成分をかけ合わせて作られています。 パラオキシ安息香酸メチルは防腐剤して化粧品などに使用される他、飲料向けの防腐剤としても使用される成分になります。 パラオキシ安息香酸プロピルはカビ、細菌などの繁殖を予防し食品などの保存性を向上させる成分です。 菌の繁殖抑制と保存剤としての効果を併せ持った添加物になります。 流動パラフィンは水に溶けない性質を持っており、クレヨンやろうなどの製品でも利用されています。 またベビーオイルにも含まれていて、製品の酸化による成分の劣化を防ぐ他、乳化しやすいので商品の伸びや浸透性が向上し、皮膚につけたときの使用感を向上させます。 白色ワセリンは皆さんご存知のワセリンよりも更に不純物を取り除いたものになります、薬品などの性質を変えずに混ぜられるので医薬品との相性が良い保湿効果の高い油になります。 ステロイド成分は含まれているのか 外用抗生物質という括りに入る処方薬で中毒性や強い副作用が危険視されているステロイド成分は含まれていません。 なので、ステロイドよりかは安全に使用することが出来ます。 成分が強くないので、ステロイドほどの即効性や広い治療効果はありませんが、十分皮膚症状に対しては効果的に治癒を促すことが出来ます。 ゲンタシン軟膏の入手方法について 上記で様々な効果を紹介したように、ゲンタシン軟膏はかなりの効果が期待できる薬ですがドラッグストア・薬局で買うことが出来ません。 入手方法としては、病院で処方してもらう方法しかありません。 病院で診察を受けていれば、使用方法や塗るタイミングなどを教えてもらうことが出来ます! どうしても病院以外で手に入れたいという方は、 「ドルマイシン軟膏」という薬を薬局で買いましょう。 ゲンタシン軟膏と比べて含まれる成分は多少違いますが、こちらも同じような効能を得ることができます。 細菌の種類によっては、あまり効果を得ることができない事もありますが、ニキビには有効なので試してみる価値はあります。 薬局で買う際は、薬剤師に相談することで症状に適しているかどうかを教えてもらうことが出来ます。 しかし、痛みやかゆみなどを激しく感じる場合は皮膚科へ行った方が適切な処置を受けられるので、無理に自分の判断で薬を塗るのは避けましょう。 市販品で代用品として使用できる商品としてはドルマイシン軟膏、テラマイシン軟膏a、フルコートf 軟膏、オロナインH軟膏などを購入すればいいでしょう。 どこの薬局でも簡単に手に入れられるので、手に入れられずに困ることは少ないでしょう。 ネット販売などでも購入できるので利用してみましょう。 ジェネリック医薬品 ゲンタシン軟膏0.1%は先発薬として販売されいるもので、最初に販売されている商品なので金額が割高になっています。 基本的に何も要望を言わない場合はこの先発薬での処方になります。 先発薬は特許を申請することにより原則20年~25年は他社は同じ成分の製品を作ることは出来ません。 しかしこの期限が過ぎれば他社も同じ製品を作ることが出来ます。 結果、今まで独占されていた市場を競争できるようになるということです。 ジェネリック医薬品は後発薬であるため、開発費用などの余分な負担がかからないため先発薬とほぼ同じ効果なのにも関わらず安値で購入することが出来ます。 ゲンタシンのジェネリック医薬品商品としてはエルタシン軟膏0.1%やゲンタマイシン硫酸塩軟膏0.1%「タイヨー」やゲンタマイシン硫酸塩軟膏0.1%「F」やゲンタマイシン硫酸塩軟膏0.1%「イワキ」などの商品があります。 もし医師から処方を行ってもらう際はジェネリックを処方してもらうようにしましょう。 もしくは処方箋を持ち込んだ薬局でもジェネリックに変更してもらうことが出来ます。 まとめ ゲンタシン軟膏の効能 ・皮膚の炎症に効果がある ・ニキビ ・ヘルペス ・擦り傷 ゲンタシン軟膏の副作用 ・かゆみ ・発疹 ・赤みを帯びる ・できものが発生する ゲンタシン軟膏の成分 ・日局ゲンタマイシン硫酸塩 ・その他の添加物 ・ステロイド成分は含まれているのか? ゲンタシン軟膏の入手方法 ・病院で処方してもらう 以上が今回の記事のまとめになります。 ゲンタシン軟膏は皮膚のトラブル全般に効果があります。 ベタつきが強いので使用する場合は量に注意して塗りましょう。 また、市販されていないので病院へ行って処方してもらう必要があります。 自分で手にするより、正しい使い方を教えてもらえうので良いでしょう。 皮膚のトラブルを改善したい場合は、皮膚科へ行くようにしましょう。 関連記事として ・ ・ ・ ・ ・ ・ これらの記事も合わせてお読みください!.
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