名称に「アルコール」がついているので勘違いしやすいですが、一般的なアルコール(エタノール)は1個の水酸基をもつ一価アルコールで、多価アルコールと一価アルコール(エタノール)は別の物質です。 化粧品に配合される場合は、• 角質層の柔軟化および水分量増加による保湿作用 角質層の柔軟化および水分量増加による保湿作用に関しては、1993年に資生堂によって報告された保湿剤のまとめによると、 各保湿剤の吸湿性および保水性を検討した。 このような検証結果が明らかにされており (文献4:1985)、グリセリンに角質層の柔軟化および水分量増加による保湿作用が認められています。 また1985年に資生堂によって報告された技術情報によると、ヒアルロン酸Naと多価アルコール類(グリセリン)を併用することで、グリセリンそのものの柔軟効果をはるかに上回る柔軟効果とその持続性をもたらす相乗効果が得られることが明らかになっています (文献5:1985)。 TEWL回復促進によるバリア改善作用 TEWL回復促進によるバリア改善作用に関しては、まず前提知識としてTEWLについて解説します。 TEWLは、Trans Epidermal Water Lossの略で、皮膚表面から空気中へ水分が蒸散される皮膚水分蒸散量(経表皮水分喪失量)を表します (文献8:2002)。 アトピー性皮膚炎、湿疹、炎症などにみられる種々の皮膚症状においては、皮膚からの水分消失が健常な皮膚に比べて盛んであることが知られており、TEWLの増加は表皮内の水分保持やバリア機能を担っている成分の減少が関与していると考えられています。 2000年に資生堂によって公開された技術情報によると、 皮膚バリア機能回復促進効果試験において、皮膚をテープストリッピングすることによって破壊された皮膚バリア機能がもとの状態へ回復していく過程におけるアルギニンの影響をTEWLを指標として評価したところ、以下のグラフのように、 グリセリンにTEWL回復効果が示された。 このような検証結果が明らかにされており (文献6:2000)、グリセリンにTEWL回復促進によるバリア改善作用が認められています。 そのため、化粧品の成分表示一覧では一番前に記載されます。 固形石鹸の透明化 固形石鹸の透明化に関しては、従来より枠練石鹸生地に、二糖類である、糖アルコールである、多価アルコールであるグリセリン、またはこれらの混合物を配合することによって石鹸の結晶化が抑制され、微細結晶化させることで石鹸が透明になることが明らかにされています (文献8:1975)。 実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2014年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。 以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。 Cosmetic Ingredient Reviewの安全性試験データ (文献2:2014)によると、• [動物試験] ウサギ12匹に天然および合成の純度99. [動物試験] ウサギ6匹に0. 1ccを塗布したところ、軽度の皮膚刺激が観察された• 試験データをみるかぎり、大部分において共通して皮膚刺激なしと報告されているため、 一般的に皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。 眼刺激性について Cosmetic Ingredient Reviewの安全性試験データ (文献2:2014)によると、• 1mLを点眼したところ、1,24,72時間後および1日後にdraize法に基づく評価で眼刺激性なし• [動物試験] ウサギ4匹に純度99. [ヒト試験] 角膜の表面に浮腫を伴った被検者の眼に無水グリセリンを局所投与したところ、浮腫の軽減および視覚の改善がみられた• 試験データをみるかぎり、共通して眼刺激性なしと報告されているため、 眼刺激性はほとんどないと考えられます。 皮膚感作性(アレルギー性)について Cosmetic Ingredient Reviewの安全性試験データ (文献2:2014)によると、• [動物試験] 雄モルモット12匹に天然および合成グリセリンの0. 1mLを1日おきに合計10回注射し、2週間の休止後にチャレンジ段階として0. 05mLを注入したところ、感作はみられなかった• [ヒト試験] 48名の被検者に65. 彼女の湿疹は化粧品中のグリセリンを避けることで解決した と記載されています。 試験データをみるかぎり、個別症例が1例報告されていますが、大部分において共通して皮膚感作性なしと報告されているため、 皮膚感作性はほとんどないと考えられます。 成分一覧は以下からお読みください。 Cosmetic Ingredient Review(2014)「Safety Assessment of Glycerin as Used in Cosmetics」Tentative Report for Public Comment. 西山 聖二, 他(1993)「保湿剤」色材協会誌 66 6 ,371-379. 外岡 憲明(1985)「ヒアルロン酸ナトリウムの保湿性」皮膚 27 2 ,296-302. 尾沢 達也, 他(1985)「皮膚保湿における保湿剤の役割」皮膚 27 2 ,276-288. 株式会社資生堂(2000)「皮膚バリアー機能回復促進剤」特開2000-290135. 朝田 康夫(2002)「保湿能力と水分喪失の関係は」美容皮膚科学事典,103-104. 花王株式会社(1975)「透明石鹸の製造法」特開昭50-135104. スポンサーリンク.
次の概要 [ ] 分類 さまざまな分類法がある。 ナトリウム・カリウムなどの塩の アルカリ石鹸と、アルカリ金属以外の金属塩の 金属石鹸に分類され、狭義では前者を指す。 アルカリ石鹸は水溶性で表面活性が著しく、起泡力をもち洗浄力がすぐれる。 用途で分類すると「 身体用石鹸」「 身体以外用石鹸」「 工業用石鹸」に3分類される。 (身体用石鹸は人の身体に使うので、(各国の)薬事法などの規制を受けるので、別扱いなのである。 そのうち「身体用石鹸」はさらに細かく見ると(下位分類を見ると)、 浴用石鹸(ボディーソープ)、 洗顔用石鹸、 用石鹸(ハンドソープ)、 薬用石鹸などがある。 「身体以外用石鹸」は、 台所用石鹸、 洗濯用石鹸 等々に下位分類される。 石鹸は基本的に動植物のから製造されるのだが、特に「 純石鹸(じゅんせっけん)」と呼ぶ場合は、やだけで、添加物を含まない石鹸を指す。 多くの石鹸は純石鹸ではなく、やなどの添加物を含む。 一般にはをとして溶かして使用するものであるが、水なしで使えるよう工夫された という種類もあり、や、でも使用されている。 分類についての詳細はの節にて解説。 作用 石鹸がつくるの構造。 であり、や油を含む汚れを水に分散させる作用により能力を持つ。 細菌やウィルスを洗い落とすことで物理的に除去する「除菌作用」を持つ。 (なお、洗い流す「除菌」と、殺す「殺菌」は別なのだが)全ての石鹸が細菌やウィルスに対する「殺菌作用」があるわけではないが、殺菌を目的とした薬用石鹸やは殺菌作用も持つ。 (も参照)。 製造、作り方 一般的には、牛脂・羊脂・豚脂・硬化油・ヤシ油・綿実油などを適当に配合した油脂を溶液で「鹸化 けんか 」することでつくる。 市販品のほとんどはいわゆる「石鹸工場」で作られている()が、古代から作られているわけで、作り方はさほど難しいものではなく、現在でも、家庭で容易に手作りすることもできる()。 歴史 [ ] 起源 [ ] 17世紀中頃の石鹸工場を描いた版画 石鹸の歴史は紀元前3000年代に始まるといわれている。 古代から水だけで落ちにくい汚れに対し、や、植物の油や種子 などが利用されていたが、やがて動物のを焼くときに滴り落ちたとのの混合物に雨が降り、によるのが自然発生して石鹸が発見されたと考えられている。 石鹸の「鹸」は「灰汁」や「 」を意味する字であり(鹸性=塩基性、アルカリ性)、石鹸を平たく解釈すれば「固形塩基」「固形アルカリ」となる。 伝説では神への供物として羊を焼いたときの脂と灰で石鹸らしきものが誕生したとされ、それがの「 ()」での出来事でありsoapの語源になったとされている。 一方、に薬用石鹸の記述がみられる。 中東では現在でも石鹸が地場産業となっている地域(やなど)がある。 普及 [ ] ヨーロッパではのの記載が最初で、とが用いていたこと、すでにが行われていたことが記されている。 その後いったん廃れるが、に伝わりを使う製造法が広まるとにスペイン経由で再導入され、家内工業として定着していった。 以降、それまでのカリ石鹸に替わりを原料とする固形のソーダ石鹸が地中海沿岸を中心に広まり、特にのは以降主要な集散地から生産の中心地となった。 18世紀末にはのもとで原料のアルカリ剤の大量生産が可能となったことで、石鹸も大量生産されるようになり普及した。 1916年にはドイツで世界初の合成洗剤が誕生。 1933年にはアメリカで世界初の家庭用合成洗剤が発売された。 日本 [ ] にはに西洋人により伝えられたと推測されている。 最古の確かな文献は、(元年8月)、がの豪商に送ったシャボンの礼状である。 最初に石鹸を製造したのは、の・で、(7年)のことである。 ただし、これはとしてであった。 最初に洗濯用石鹸を商業レベルで製造したのは、のである。 堤磯右衛門石鹸製造所は(6年)3月、横浜三吉町四丁目(現:万世町2丁目25番地付近)で日本最初の石鹸製造所を創業、同年7月洗濯石鹸、翌年には化粧石鹸の製造に成功した。 (明治10年)、第1回で花紋賞を受賞。 その後、・へも輸出され、明治10年代の前半に石鹸製造事業は最盛期を迎えた。 (明治23年)、主催の優良国産石鹸の大衆投票で第1位になったが、全国的な不況のなかで経営規模を縮小した。 翌年創業者の磯右衛門が死去。 その2年後の(明治26年)、廃業した。 彼の門下が、などで製造を続けた。 日本で一般に石鹸が普及したのは1900年代に入ってからである。 では明治10年代から使用され始め、洗濯石鹸のことを「洗い石鹸」、洗面石鹸のことを「顔石鹸」と称していた。 また、艦上で真水が貴重だったではそれぞれセンセキ、メンセキと呼んでいたという。 直前には、原料油脂の入手が困難となったことから石鹸の規格や価格の統一化が段階的に進み、結果的に1940年には各石鹸ブランドが一時的に消滅した。 名称も化粧石鹸から浴用石鹸へ、さらに洗濯石鹸と統合されて家庭用石鹸となった。 には、を混入した戦時石鹸が登場。 これらは泥石鹸と呼ばれたが、戦争終結後はさらに劣悪な石鹸が流通した。 なお、当時、混和材として用いられたベントナイトやカオリンは、戦後に登場した用の洗顔石鹸などに敢えて利用されることがある。 分類・種類 [ ] 身体用石鹸 [ ] 人の身体に用いる石鹸である。 各国で薬事法などの規制を受ける。 下位分類に 浴用石鹸( ボディーソープ)、 洗顔用石鹸、 手洗い用石鹸( ハンドソープ)、 薬用石鹸などがある。 固形・粉石鹸はナトリウム石鹸で、液体石鹸・ボディーソープ・は溶解度の大きいカリウム石鹸である。 また、ナトリウム石鹸・カリウム石鹸を併用したものもある。 なお「合成固形石鹸」は石鹸ではない。 日本のでは「」という行政的な分類枠(日本の行政独特の分類用語)で扱われている。 なお日本語には「化粧石鹸」という言葉があるが、これは一筋縄にはいかない言葉であり (ややこしい言葉であり)、身体用の固形石鹸を「化粧石鹸」と総称することが一般に行われてもいる が、その一方で「洗顔石鹸」と「浴用石鹸」をひっくるめたものを「化粧石鹸」と呼ぶこともある。 なおいずれの場合も「化粧石鹸」は通常固形石鹸だけを指し、液体石鹸を含めないので、液体のボディソープや練り状の洗顔フォームなどは「化粧石鹸」と呼ばれていない。 (なぜ日本語にはこんな妙な言葉があるかと言うと、日本の法体系ではによって、「化粧品」「医薬部外品」「医薬品」という行政的な枠を用意して、(純粋に物質としての性質での判断でもなく、実際の使用者が想定している用途でもなく)かなり行政的な理由からそのいずれかに押し込むようにして申請され、分類されるわけで、「化粧品」の枠で申請された製品は効能をうたうことはできず、「医薬部外品」という枠で申請した製品は(法的な規制上も)一定の効能をうたうことができ「薬用石鹸」という分類になる、ということになるが、つまるところ薬事法での「化粧品」という行政用語での分類法が影響してしまって、「化粧石鹸」という(妙な)言葉が使われる(つまり、本当はほとんどは化粧用でもない石鹸なのに、なぜか「化粧石鹸」と呼ばれる、という奇妙な現象が起きている)原因になっているわけである。 薬用石鹸 殺菌消毒用。 身体の一部や食器、布巾などの殺菌消毒目的。 「」や「両性石鹸」は石鹸ではない。 やなどの殺菌成分を配合したものがある。 日本の医薬品医療機器等法ではとして扱われている。 日本薬局方薬用石ケン に収載されているで、医療用洗浄剤、、の基剤、瀉下に用いる。 殺菌消毒用ではない。 白色ないし淡黄白色の粉末または粒で、臭いがある。 たとえばペット用石鹸、石鹸、手作り石鹸(後述)などは日本で薬事法にもとづいた申請は行われていないので、いわゆる「雑貨石鹸」である。 日本で販売する時には、当然、効能などは謳えない(また場合によっては、用途もはっきり明記できない場合もありうるが、「ペット用石鹸」とは書ける。 身体以外用石鹸 [ ] 洗濯用石鹸 手洗い向けの固形石鹸と、向けの粉石鹸。 合成洗剤より高価だが、、皮膚炎、による衣類の褪色を避ける効果が期待できる。 水温が高いほど洗浄力が上がることから、の残り湯を利用することが多い。 また、石鹸かすの残留による黄ばみを抑えるため、やが使われる。 台所用石鹸 使用済み食器の洗浄、食品の卵除去用。 食器が滑りやすく、破損リスクが高い欠点がある。 近年普及したは構造上石けんが使用しにくいが、成分を調整した製品もある。 形状別 [ ] 液体石鹸とレフィル(詰め替え用) に使用するアルカリによって固まりやすさが変わるため、固形と液体は製造段階で分かれる。 水酸化カリウムで鹸化したものはカリ石鹸(脂肪酸カリウム)、水酸化ナトリウムで鹸化したものはナトリウム石鹸(脂肪酸ナトリウム)と呼ばれ、カリ石鹸はナトリウム石鹸より融点が低い。 固形石鹸() ナトリウム石鹸を手に収まるサイズに成形したもの。 ただし、洗濯石鹸ではキログラム単位のものもある。 乾燥するとひび割れる事から、防湿包装される。 プラスチック包装が普及するまでは(グラシン紙)が用いられた。 紙石鹸 固形石鹸を紙のように薄く削いだもので、手洗い一回分として携帯用や、で売られていた(女の子向け)。 粉末石鹸 主に洗濯用石鹸の形状。 必要量を計量しやすく、溶かしやすい。 液体石鹸 常温でゼリー状から粘液状になるカリ石鹸を適度に加水したもの。 固形石鹸より割高だが、洗浄効果や節水で有利とされるほか、など宿泊施設ではコスト面で有利(減った分だけ補充すればよい)なため普及している。 手洗い用(ハンドソープ)と浴用(ボディソープ)が多く、前者は殺菌と洗浄を、後者は香料や保湿などを重視している。 液状以外に状、状(プッシュ式容器による)の製品がある。 石鹸ではないもの [ ] 界面活性剤として脂肪酸塩を利用していないため該当しないが、一般に、または法令上「石鹸」とされているもの。 (陽性石鹸) 界面活性剤として脂肪族()を用いる。 界面活性を持つイオンがであるため、に分類される。 石鹸のはであり、性質が逆なので逆性石鹸と呼ばれる。 洗浄力は低いが殺菌力が強く、・消毒薬に利用される。 なお、石鹸と混合すると界面活性剤同士が中和反応を起こして相殺し、効果が減じる。 に分類される。 消毒薬に利用される。 普通石鹸と混合しても殺菌力がある程度維持される。 金属のイオン性を利用した臭い消し製品。 作用原理が全く異なる。 製法 [ ] 製造工程 油脂鹸化法と脂肪酸中和法、エステル鹸化法の3種類がある。 原料はとのみだが、製法によって最終製品に含まれない副原料を使用する。 天然油脂として主にとが、その他にも、、やなど様々な油脂が用いられている。 油脂鹸化法 原料油脂をでし、でして分離する。 原料油脂にをしない古来からの製法で、と通称される。 品質がやや不安定だが個性的な石鹸を作れるため、主に小規模事業者が行う。 脂肪酸中和法 原料油脂を高温して得られたをしてから分離し、単独でする。 アルカリの残留がない肌にやさしい石鹸が得られ、大量生産に適し品質も安定するため、大規模メーカーの製造(連続中和法)に使われる。 なお、分離したグリセリンは保湿機能を持つため、後で戻し配合する場合もある。 エステル鹸化法 前処理として、原料油脂()にを反応させ、によって(の主成分でもある)に変換した後に鹸化する。 低温・短時間で鹸化できるため、油脂の酸化などによる匂いや不純物の発生を抑える。 アレルギー対策用などの製品で利用される。 成分 [ ] 市販の石鹸はの塩を主成分とし、洗浄補助剤として無機塩(・・など)や金属封鎖剤()、添加剤としてや、グリセリン、天然油脂、、などのほかが加えられる製品も存在するが、無添加を謳った製品もある。 一方、脂肪酸塩以外のを含む製品もあり、含有量によって複合石鹸、合成洗剤、合成化粧石鹸などに区分される。 脂肪酸の種類 [ ] 脂肪酸は、のに結合したのによって多くの種類があり、石鹸の性質はその親油性(炭素数が多いほど強い)により変化する。 炭素数が少ない脂肪酸で作った石鹸は、親水性が強い代わりに親油性が弱く、冷水に溶け易いが油に対する洗浄力が下がる。 逆に炭素数が多いと、油汚れの洗浄力は強いが水に溶けにくい。 このため、炭素数12から18のものが良く利用される。 脂肪酸の種類と石鹸の性質 脂肪酸名 炭素数 原料油脂の例 冷水での溶け易さ 洗浄力 泡 皮膚刺激性 12 、 溶け易い やや大 持続性小 中 14 ヤシ油、パーム核油 溶ける 大 やや粗大 弱 16 、 溶けにくい 大 持続性大 弱 18 牛脂 溶けない 特大 泡立ち中 弱 18不飽和 パーム油、牛脂、 溶け易い 大 細かい 微弱 アルカリの種類 [ ] 洗浄用途では、脂肪酸の塩と塩が用いられる。 カリウム塩はナトリウム塩より溶解性が高く、固形石鹸や粉石鹸には、にはが使われる。 などの高い地域ではカリウム石鹸も浴用石鹸とされるが、日本ではほぼナトリウム石鹸である。 この他のである、、などの塩も洗浄能力を持つが、ほとんど利用されていない。 リチウム石鹸は洗浄用ではなく、のとして広く使われている。 アルカリ金属以外の塩は水溶性が低く、と呼ばれるが、グリースに使う場合は水溶性を気にする必要はないので、カルシウムやアルミニウムの塩も用いられる。 金属石鹸は工業的に重要で、グリース以外にもやの(ドライヤー)として利用されるほか、軍事面では(など)に使われる。 洗浄用の石鹸が水中の硬度成分(や)と反応すると、水溶性を失い洗浄力のないとなるが、これも金属石鹸である。 洗浄補助剤 [ ] アルカリ剤、軟化剤、水分調整剤として炭酸塩や、ケイ酸塩などの無機塩が使用される。 粉石鹸には水分を放出する作用を持つ炭酸塩やゼオライトが、固形石鹸には水分を保つ性質を持つケイ酸塩()が使われる。 金属封鎖剤 [ ] も脂肪酸塩と反応して石鹸かす(金属石鹸)を作るが、これらは往々にして有色である(例えば)。 硬度成分が洗浄効果を損ねる以上に着色による支障が懸念され、これを防ぐため遷移金属と優先的に結合するキレート剤の(ヒドロキシエタンジ)塩、エデト酸()塩が使われる。 添加剤 [ ] 様々な香りの石鹸 脂肪酸の匂いを和らげるため、しばしば香料が加えられるほか、洗濯石鹸を化粧石鹸と区別するために目立つ染料を添加した製品もある。 また、化粧石鹸は添加剤による保湿や皮膚への有用性を謳った様々な製品が販売されている。 一方、主成分の脂肪酸塩のやの繁殖を防ぐため、などが保存料として使用される(このため無添加の製品は、変質を防ぐために使用者が配慮する必要がある)。 殺菌剤 [ ] 薬用石鹸の場合、、などが有効成分となっている。 ただし、これらが効果を発揮するにはpHを低くする必要があり、脂肪酸塩ではなく合成界面活性剤(アシルイセチオン酸ナトリウム(類)、アシルグルタミン酸ナトリウムなど)が用いられ、ここでいう石鹸に該当しない可能性が高い。 合成洗剤等にくらべ、5000年の歴史のある自然の石鹸は抗ウィルス作用が強く、高頻度の手洗いによる肌荒れ予防にも秀れていることが知られている。 界面活性剤の種類 [ ] 医薬品医療機器等法の成分名では「石けん素地」と表示される。 一方、合成界面活性剤は物質名で表示される。 メーカーが製品をアピールする目的で純石鹸、無添加などを謳っている場合は脂肪酸塩が主成分である可能性が高い。 家庭用品品質表示法で定められた品名表示 品名表示 表示の対象 界面活性剤中の 脂肪酸ナトリウム(純石けん分)の割合 主な洗浄作用が純石けん分以外の界面活性剤の働きによるもの。 医薬品医療機器等法ではすべての原料成分名を表示することが義務付けられているが、家庭用品品質表示法の様な石鹸・洗剤の区分や割合の表示義務はない。 また、化粧石鹸の場合は含量の多い順に記載されるが、薬用石鹸は医薬部外品として有効成分とその他の成分を分けることが規定されているため、含量の多寡は明らかではない。 なお、化粧石鹸には(K3301)がある。 含有量の試験方法としては、JIS K3304 石けん試験方法 がある。 手作り石鹸 [ ] 着色された手作り石鹸 眼や皮膚を護る保護具と、いくつかの材料さえ用意すれば、石鹸の手作りは比較的簡単にできる。 理科の実験、アレルギー対策、環境保護(リサイクル)などのために石鹸の手作りは行われている。 手作りの方法 以下に作り方の一例を記す。 この他にも様々な作り方がある。 材料 原料 は油脂・アルカリ剤・食塩だけで済む。 ただし道具として、耐熱容器と 保護具( ゴム手袋、 眼を護るゴーグル)は必要である。 (なお、、といった高濃度のを使用するので、保護具を使わないと作業上のリスクがあり、また、混ぜ方が不十分だったりすると原料が残留し肌荒れが起きるかも知れない、という使用上のリスクもあり、十分な知識無しに安易に行うことは慎むべきであるので、作る場合はまず「石鹸の作り方講座」などでベテランから教えてもらうか、あるいは十分に知識をつけるとよい。 反応に必要なアルカリの量を計算する。 使用する原料油脂の価と、アルカリのから求める。 アルカリを少量の水に溶解し、原料油脂を加えて撹拌する。 次第に粘度があがり、20分ほどで反応が完了する(固まらない場合、量が間違っている)• 2週間放置後、飽和食塩水を加えて撹拌し、分離した固形分を取り出す。 でアルカリ残留がなく石鹸のアルカリ性範囲内であることを確認する。 理科の実験 石鹸を作るということは、比較的容易な操作なのだが、それにより「油脂の構造」「アルカリによる鹸化」「」「界面活性」「」などといった様々な化学的知識を体験的に学ぶことができるため、かつてやの実験に利用されていた。 環境保護 、家庭で使用済み油をに流されていることが社会的な問題として取り上げられ、家庭で出る廃油(主に、使用済みの)を使った石鹸作りが広まるきっかけとなり、現在にいたるまで、活動のための活動の実践のひとつとして、家庭や地域コミュニティで広く石鹸作りが行われている。 また各家庭での消費行動が地球環境にどのような悪影響を及ぼしているか、ということを人々に知ってもらうの一環として行われることもある。 アレルギー対策 また、市販の石鹸では問題があって使えない人、たとえば市販の石鹸ではによりを引き起こしてしまう人は、それを回避するためにメーカー製は避け、自分自身の眼と手で、自分にとってアレルギーを引き起こさない原材料を厳選し、たとえばなどを原料として、自分のためだけに「安全な石鹸」作りを行う人もいる。 できた石鹸には副生物のが多少残留するが、無害である。 環境への影響 [ ] 石鹸と合成洗剤は、1gあたりの洗浄能力および必要量が全く異なるため、単純比較してはならない。 石鹸がより環境への影響が小さいとされるのは、環境中で石鹸分子の機能が速やかに失われる事と、最終分解までの期間が短いことを根拠としている。 ただし、石鹸と同じ用途で使われる合成洗剤製品には多様な副成分、添加剤が使われているため、主成分のみの比較ではあまり意味はない。 2014年4月、における、リスク評価を優先的に行う必要がある物質(優先評価化学物質) に指定されている。 毒性 [ ] 生物は表面で重要なを行っており、細胞膜は繊細な(ここでは水と油が接触する境界面)で成立しており、試験管内での試験でを作用させると機能を失い、死滅する。 このため、石鹸やなどの界面活性剤は特にへのが強く、環境中に一定濃度以上存在するとに悪影響を及ぼすことになる。 しかし、石鹸は成分(とイオン)の封鎖によりを失い、水に溶けない(石鹸かす)となる。 また、による資化で脂肪鎖のも低下しやすい。 こうして界面活性力を失うことで、毒性も消失する。 一方、合成洗剤はの影響を受けない商品としての特長と、安価な合成樹脂を原料とする製品としての特長から、界面活性力が持続して毒性も継続する。 代表的な LAS の場合、直鎖末端のが酸化されてとなると親油性が大きく低下する。 ただし、この反応はなど酸素の乏しい環境では進行せず、水中の固形物に吸着されて沈殿すると残留しやすい。 で汚泥中に残留するのは、このためである。 分解性 [ ] 石鹸は、原料油脂をとに分解した脂肪酸なので、石鹸かすは原料である牛脂やヤシ油が半ば消化されたものに相当し、環境中ではバクテリアや水生生物が積極的に摂取するため、一時分解性、完全分解性ともに高く、環境中での半減期が短いことからが低いとされる。 ただしこのことは、が高く水中のの消費速度が大きいことも意味するため、酸素の供給が乏しい止水域では酸欠リスクを強める。 また、用水の硬度が高い地域では使用量を増やす必要から、有機物負荷量が高くなる(逆に著しく低い場合は、親水性が残留し毒性低下が遅れる可能性がある)。 また、魚の場合体内の半減期が1 - 6日間と資化に時間がかかることから、蓄積性を持つ。 白色固形物 [ ] 1997年頃から、東京の海岸に悪臭を帯びた白い油脂塊が漂着することが、問題視されるようになった。 正体は、合流式特有の雨水吐から排出された越流水 CSO 中に含まれる、下水中の油脂分が固着したもの(中国でいう)で、オイルボールとも呼ばれる。 主成分は、家庭や事業場から排出される動植物油脂が、下水中でバクテリアによって脂肪酸となり、下水管のコンクリートに含まれると反応してカルシウム石鹸となったもの。 文化 [ ] 日本では、・など礼儀上の贈り物として定番商品だが、文化圏によっては身だしなみが悪い、体臭が気になるという忠告・当てこすりの意味に取られる場合があり、配慮が必要。 箪笥に石鹸を入れ衣類への移り香を楽しむ習慣は、が普及するまでは石鹸が身近な香料だった事に由来する。 現代では、石鹸自体(脂肪酸)の匂いも対象となっている。 受験生に贈ると縁起が悪い(滑る、落ちる)としたり、その逆にに意味づけるなどの若者文化があった。 学校などで石鹸を網袋に入れてに吊すことが広く行われていたが、が食べてしまうため少なくなった。 固形石鹸の適度な柔らかさを活かし、素材として用いられる(ソープカービング) 製造販売業者 [ ] 世界• (巨大な多国籍企業。 世界で圧倒的なシェア、世界に向けて膨大な量の石鹸を製造。 など、多数のブランドを抱え、それらのブランドでさまざまなタイプの石鹸を製造。 日本支社は)• さまざまな石鹸を製造し、世界で高いシェア。 卓越した部門を擁した企業として世界的に知られており、緻密な市場分析や競合分析を行い、各地域や各国ごとの状況に応じたブランド戦略や広告戦略などを展開する。 日本国内では、旧の事業を継承したほか、「Doveダヴ」ブランドのボディー石鹸などを展開。 ) 日本• (さまざまな石鹸を販売しており、トータル的には日本国内シェア1位。 固形せっけん「花王ホワイト」、液体せっけん「ビオレ」など)• (固形せっけんでは(2017年時点で 日本国内シェア1位。 「赤箱」と「青箱」があり、日本の東西で売れ筋に差異がある。 レキットベンキーザー・ジャパン(「」ブランド)• (手指衛生用(手洗い用)せっけんの、業務用の大容量タイプや医療現場用などを供給)• 出典 [ ]• 宇宙航空研究開発機構• 日本石鹸洗剤工業会. 2019年10月17日閲覧。 を多く含む、、など。 ではリタ reetha 、ソープナッツとも呼ばれ、現在も粉末が利用されている。 日本石鹸洗剤工業会• TOTO. 2013年5月25日閲覧。 宝子山 嘉一 2017年8月26日• 2020年3月22日閲覧。 を一部改変• Kawahara, Takayoshi; Akiba, Isamu; Sakou, Megumi; Sakaguchi, Takemasa; Taniguchi, Hatsumi 2018-09-27. PLOS ONE 13 9 : e0204908. 日本経済新聞 電子版. 2020年5月1日閲覧。 経済産業省• 消費者庁• 「2-611 飽和脂肪酸(C=8〜18、直鎖型)のナトリウム塩または不飽和脂肪酸(C=16〜18、直鎖型)のナトリウム塩」「2-611 飽和脂肪酸(C=8〜18、直鎖型)のカリウム塩又は不飽和脂肪酸(C=18、直鎖型)のカリウム塩」 独 製品評価技術基盤機構• - 洗浄・洗剤の科学• NITE-化学物質管理分野• 海洋での後に発生する黒い塊と紛らわしいので、この項では白色固形物と記す• 東京都下水道局• [ 日本経済新聞「固形せっけん国内首位」牛乳石鹸共進社(関西企業のチカラ)」• 関連項目 [ ] ウィキメディア・コモンズには、 に関連するカテゴリがあります。 - 「石鹸のようなもの」という意味が日本語名の由来とされる。 外部リンク [ ]• - 消費者庁• - にあるの工場を取材して、石けんができるまでの間の工程の流れを説明している(全14分) 1999年• ブリタニカ国際大百科事典『』 -•
次のグリセリンは赤ちゃんの保湿剤にも処方されるくらい刺激が少ない保湿成分。 肌が敏感になっている方でも安心して使える美肌成分だと言えるでしょう。 グリセリンの美肌効果 水に溶けやすい性質のグリセリンは、その吸湿性を活用した保湿作用が特徴的。 水分を与えるだけの美容成分とは違い、水分を吸収&吸着する働きがあるため効果的な潤いケアに役立ってくれるでしょう。 (保湿剤の中でも重たいテクスチャーのグリセリンは、配合量を調整することで皮脂膜のような潤いを備え、バリア機能の低下した乾燥肌や敏感肌をサポートするにも適しています) さらに、 皮膚を柔らかくする軟化作用もあるので、より効率的な乾燥対策にも取り組めます。 水分と油分のバランスを整える グリセリンは、肌バリア機能の強化やターンオーバーの正常化といった美容効果が期待できる保湿成分なのです! グリセリンのメリット 保水力のある「ヒアルロン酸」や、水分を挟み込む「セラミド」といった保湿剤とは違い、空気中の水分を吸着して肌に取り込むのがグリセリン特徴。 保湿ケアの美容効果をもつことが、グリセリンを石けんに配合するメリットと言えるでしょう。 また、グリセリンは石けんを作る工程で生まれますが、製造法によって配合の意味も2通りあります。 グリセリンのデメリット グリセリンの特徴でもある吸着性が、逆に乾燥を引き起こすデメリットになる場合があります。 高濃度なグリセリンを洗顔石鹸に添加している場合は、肌内部に存在する水分にまで吸着性が働いてしまうため。 水分を吸い取ってしまえば肌内部の水分量は不足して、肌の乾燥を引き起こす恐れがあるのです。 また、泡立ちの悪さや型崩れのしやすさ、さらには季節によって保湿効果が物足りなく感じることもあります。 石けん成分にグリセリンを残す製造方法 洗浄成分となる石けん素地を作るには、鹸化(けん化)もしくは、中和のいずれかの化学反応を起こす必要があり、起こした化学反応により石けんの製法が異なります。 後入れで添加することなく石けん成分にグリセリンを残した石鹸見極めるには、どの製法で作られたものを選ぶとよいのでしょうか? 鹸化法(けん化法) 鹸化法(けん化法)は、 牛脂やヤシ油などの油脂そのものと、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を化学反応させる製法で、化学反応の種類によってグリセリンの有無も変わってきます。 コールドプロセス製法(冷製法) 製造過程で加熱しない方法で、グリセリンを石けん成分に残すことができます。 ただし、グリセリン以外の不純物も多く残り、保湿力こそあるものの石鹸としての純度は低いと言えるでしょう。 ホットプロセス製法(窯焚き法) 人工的に加熱する製法で、コールドプロセス製法同様、グリセリンを石けん成分に残すことができます。 ただし、純度の高い石けんを作るために、グリセリンを含む不純物を分離する「塩析」という作業を工程に加えることも。 純度は低いものの、グリセリンを留めているため保湿力を持った石鹸を作る製法は「焚き込み法」。 純度は高いが、グリセリンが含まない石鹸になる製法を「鹸化塩析法(連続鹸化塩析)」と覚えましょう。 中和法 脂肪酸だけを抽出し、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを使って中和させていくため、グリセリンを含まない製造方法です。 時間をかけずに大量生産することも可能なので、比較的リーズナブルな化粧石けんや固形石鹸で使われている製造方法と言えるでしょう。 石けん成分にグリセリンを残す成型方法 固形石鹸を作る成型方法によっても、グリセリンが石けん成分に残るかが変わるので注意が必要です。 枠練り法 60%~70%程度の石鹸素地に対し、 天然成分や化学成分を配合することもできる成型法です。 時間をかけて冷やして自然乾燥させるので 大量生産は難しく、手間やコストがかかり石鹸の価格が高めに設定されることも…。 (水分を飛ばすことが、溶けやすさや泡立ちの悪さを改善してくれます) ですが枠練り製法は、洗浄成分だけでなく美肌ケア成分を配合できるのがポイントです。 枠練り製法の場合、自然乾燥で時間をかけて固めるため、グリセリンも含まれた石鹸に仕上がります。 機械練り法 機械練り法は急速冷却させた石けん素地を細かく砕き、2%程度の追加成分と合わせて乾燥させていきます。 時間をかけず大量生産できるため、リーズナブルな価格で手に入りやすいのが魅力的。 泡立ちの良さや洗浄力の効果に加え、見た目の美しさを楽しむこともできますが、 急速冷却・急速乾燥によりグリセリンはほとんど残りません。 真空加圧製法 新しい製法としてアトピー肌や敏感肌、赤ちゃん、ペットなど肌が弱い方向けの石鹸に使われている成型法が真空圧製法です。 ですが、この 真空加圧製法が開発されてから、高濃度の食塩を含む無添加石鹸を作ることが可能になったのです。 真空加圧製法は、熱や水を使わずに高圧で固形化させるので、グリセリンを含んだ洗顔石鹸に仕上がります。 つっぱりは洗顔石鹸の保湿力で解決! 洗顔フォームなど石鹸以外の洗顔料では肌がつっぱる事はないので、つっぱり感は洗顔石鹸特有の現象だといえますが、その正体と対策を知れば恐れることは何もありません。 肌のつっぱり感には大きくわけて3つの原因があります。 肌表面のpH値の変化 人の肌表面は弱酸性に保たれていますが、それに反して石鹸はアルカリ性。 よって、 洗顔石鹸で洗浄すると肌が弱酸性からアルカリ性に傾いてしまい、それによって石鹸特有のつっぱり感が生まれます。 とはいえ、これは一時的なもので、 私たちの肌には中和能力という肌機能がもともと備わっており、自力でpH値をアルカリ性から酸性に戻すことができるのです。 時間にしておおよそ15~30分程度、長くても1時間くらいで元に戻るので、神経質になることはないでしょう。 洗浄による皮脂の減少 皮脂は 汗と混ざって皮脂膜を形成し、潤いを与えてくれるというメリットもあります。 また、 皮脂そのものは弱酸性ですので、肌の環境を正常な状態(=弱酸性の状態)に保つ役割があるといっていいでしょう。 ですが 洗顔石鹸は洗浄力に優れたものが多く、皮脂を除去する力が強いことを忘れないようにしましょう。 皮脂膜には若干ではありますがバリア機能もあるため、皮脂膜を失った肌は乾燥を促進するだけではなく、とても敏感な状態…。 とはいえ、皮脂の分泌は絶えず行われているので、潤いと皮膚バリア機能を失っても時間が経てば大丈夫です。 洗顔石鹸の保湿力不足 肌が乾燥するのは洗顔石鹸そのものの保湿力が弱いからだといえます。 石鹸そのものの保湿力の有無については、グリセリンが配合されている洗顔石鹸を選ぶことで解決することができるでしょう。 保湿成分といえばグリセリン以外にもいろいろなものがありますが、 グリセリンは人間の中性脂肪中にも含まれる成分なので、肌に刺激となることのない安全な成分。 乾燥肌や敏感肌はもちろん、アトピー肌の人でも安心して使用できます。 (もちろん、それ以外の肌タイプの人にとってもグリセリンの保湿力は役立つでしょう) グリセリンにまつわるQ&A ここでは、グリセリンについてよくある質問をピックアップし、その答えも調査しました。 グリセリン石けんは透明なの? グリセリンはスキンケアシリーズ用品にも配合される原料で、薬局・ドラッグストアでも普通に販売しています。 一般の消費者でも手軽に手にすることができるため、手作り石鹸や手作り化粧水などによく利用されるようですね。 グリセリン自体は、とろりとしたテクスチャーが特徴の透明な液体で、色がつくことはありません。 手作りのグリセリンソープは透明や半透明のものが多いですが 『グリセリン配合=透明(半透明)』と決めつけてしまうのは早とちり。 着色料や添加剤で石鹸全体に色がつくこともあるので 透明かそうでないかは、グリセリン配合の有無を判断する材料にはならないので、成分表示を確認してください。 グリセリンは合成界面活性剤なの? グリセリンは水にも油にも溶けやすいですが、合成界面活性剤ではありません。 合成界面活性剤と言えば、肌に悪い悪者のイメージですが本来、混ざりにくい水と油を混ぜるために必要な成分で水分と油分の原材料を混ぜ合わせたり、皮脂汚れを落とす洗顔石鹸では欠かせない存在とも言えます。 ですが、石油系界面活性剤や化学物質の合成界面活性剤の場合、肌への負担になることも。 さらにグリセリンもエタノールも分類上はアルコールの一種なので、グリセリンは合成界面活性剤と思う人もいますが、それは誤解です。 エタノールは毛穴を引き締める収れん作用もあるのでオイリー肌やニキビ肌の人に役立つ反面、防腐剤など保存料としての働きもありますが、 グリセリンの肌への働きは美肌ケアのみとなっています。 グリセリンはどの肌質の人におすすめなの? グリセリンは保湿ケアに役立つ天然由来の成分なので、とくに乾燥肌向けのスキンケア用品で配合されていることが多いですが、混合肌や脂性肌の人からも人気度の高い整肌成分となっています。 それは、皮脂の過剰分泌は水分と油分のバランスが乱れた場合にも起こるためで、 グリセリンによる保湿ケアで肌トラブルの改善が期待できるのです。 天然成分配合のランキング商品では、ニキビ肌から年齢肌の人まで、医薬部外品のアイテムが注目されていますが、グリチルリチン酸やビタミンCなどの有効成分は、肌のカサつきを感じることもあるので、グリセリンがよく配合されています。 肌トラブルを改善させるケアはもちろん、強く健やかな肌作りを目指せるグリセリンは、肌質問わず使える成分と言えるでしょう。 グリセリン配合だと販売価格は高いですか? 原価を抑えて低価格を実現している市販プチプラ価格の洗顔料は、口コミでも人気商品となっています。 化粧品の中でもせっけんは、内容量がたっぷりでも低価格が多く、1gあたり税抜き数円が一般的。 また、合成界面活性剤は泡立ちの早さや洗い上がりのよさも魅力的なので、まさに毎日使うのにぴったりの洗顔料と言えるでしょう。 それに比べると、 グリセリン配合の固形石鹸は製造方法にも手間暇がかかるため当然、値段は高いです。 とはいえ、グリセリンは石鹸の製造過程で自然に発生する副産物ですが、わざわざ合成界面活性剤の洗顔フォームに配合をする商品もあるくらい…というのを考えると、天然保湿成分の凄さが実感できますね。 値段の安さだけで考えても、グリセリン配合の洗顔料を安く購入することもできますが、肌のことを考えるなら、値段だけでなく製造方法も気にして選ぶのが良いでしょう。 保湿力のある洗顔石鹸はどこで買える? グリセリン配合の石鹸は自分で作ることもできますが、 保湿力のある優れた洗顔石鹸を手に入れるなら通販で購入するのがおすすめです。 店頭で販売している石鹸ではパッケージに焚き込み法やコールドプロセス法、枠練り製法など書かれているものは少なく、手間やコストのかかる商品は流通量も多くないでしょう。 実際、焚き込み方法やコールドプロセス法などを取り入れているメーカーの多くが、それらを含む 様々なこだわり・おすすめポイントを通販の公式サイトで詳しくアピールしています。 通信販売でコストを抑えながら、製造でおしみなく品質向上を目指しているので、よい石鹸をより安く購入するのにぴったりです。 当サイトでは、グリセリン配合のおすすめ人気ランキングもあるので、ぜひチェックしてみてください! コメントには、自由なご意見をお待ちしております。 もし肌トラブルに悩んでいる方で、「より詳細な話を聞いてみたい。 」というのであれば、ぜひお聞かせください。 以下はスキンケアアドバイザーとして、意見を求められたときにお聞きしていることです。 もちろん全てに回答していただく必要はありませんが、現状を知ることでより的確なアドバイスができるかもしれません。
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