2 物語 : 4. 0 作画 : 4. 0 声優 : 4. 5 音楽 : 4. 0 キャラ : 4. 5 状態:観終わった 恋が天才をアホにする!! 新感覚"頭脳戦"? ラブコメ、再び!! この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。 言わずもがなですが、古賀葵さん、ここちゃん、ゆみりん、そしてこの第2期からとみたんの魅力が遺憾なく発揮される作品です。 秀才たちが集うエリート校・秀知院学園 その生徒会で出会った 副会長・四宮かぐやと生徒会長・白銀御行 誰もがお似合いだと認める2人の天才は、 すぐに結ばれるのかと思いきや 高すぎるプライドが邪魔して告白できずにいた!! "如何にして相手を告白させるか" という恋愛頭脳戦に知略を尽くす2人… その類い稀な知性が熱暴走!! もはやコントロール不可能!! 恋が天才をアホにする!! 新感覚"頭脳戦"? ラブコメ、 再び!! 公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。 より多くの時間を共有してきたからなのでしょう… TV放送第1期の頃より、皆さん相当打ち解けている雰囲気が個人的にはストライクでした。 第1期で度々炸裂していた、かぐやの「おかわいいこと…」はそれなりの破壊力を持ってはいますが、かぐやの「可愛らしさ」のバロメーターは間違いなく低下するんですよね。 それよりちょっとアタフタしながら一喜一憂するかぐやの方が、数倍「お可愛い」ですから… そして、第2期よりとみたん演じる伊井野ミコが参戦してきました。 高等裁判所裁判官を親に持ち、風紀委員も兼任… 非常に真面目かつ頑固で融通が効かず、どんな些細な違反も見逃すことができないと公式HPのキャラ紹介に記載されている彼女は、一体生徒会にどう絡んでくるかは見ものでした。 でもその陰で奮闘していたかぐやの方が断然「お可愛かった」ですけど… このかぐやの魅力の根源は古賀さんの熱演にほかなりません。 これからブレイクして欲しい声優さんの一人です。 そういえば、古賀さんはプリンセス・プリンシパル劇場版で今村彩夏さんに代わり、アンジェを演じられるんですよね。 どんなアンジェを演じて貰えるのか、今から楽しみです。 ここちゃん演じる藤原 千花に関しては、「相変わらず」的な印象でしたが、彼女の厚顔無恥な面が魅力であり武器なので結果オーライなのでしょう。 こうしてヒロインらは個性的な魅力を振り撒くのですが、私の推しはやはり、ゆみりん演じる「早坂愛」一択でした。 今回公式HPのキャラ紹介欄を見て、アイルランド人のクオーターであると知りましたが、その設定がどこで活かされているのかは正直分かりませんでしたが、そんな些細なことはどうでも良いんです。 第4話で「早坂愛はオトしたい」という物語が描かれました。 物語の内容は本編で確認頂くとして…少なくても私は早坂愛にオトされましたよ。 仕草にあざとさを感じなかったわけではありません。 でもそれ以上に、ゆみりんの演技がキュート過ぎるんです。 例えば第3話の「第67期生徒会」で描かれた生徒会室の扉の閉まるシーン… 一気に溢れ出てしまった思いを、これ以上ないくらい綺麗に纏め上げられていました。 最終話のかぐやのガラケー事件の顛末も然りです。 第2期の展開を踏まえると「能ある鷹は爪を隠す」の言葉を借りるなら、第2期は皆さん爪を隠しっ放しだったのでは無いでしょうか。 私は視聴しながら「和み」を感じていましたが、「嵐が来る前の静けさ」とも受け取れるんですよね。 ラブコメが好きな方には間違いなくお勧めできる作品だと思います。 気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。 オープニングテーマは、鈴木雅之さんと鈴木愛理さんによる「DADDY! DADDY! feat. 鈴木愛理」 エンディングテーマは、福原遥さんの「風に吹かれて」 1クール全12話の物語でした。 完走してみると面白さの安定感が半端ない作品でした。 続編を望む声の大きい作品だと思います。
次の恋愛は、好きになったほうが負けなのである!! 超エリート学園のトップに君臨する天才高校生の男女ふたりが、相思相愛にも関わらず、お互いに相手から告白させようと恋愛頭脳戦を繰り広げるラブコメ漫画『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜(以下、『かぐや様』)』。 赤坂アカが『週刊ヤングジャンプ(以下、『ヤンジャン』)』(集英社)で連載中の原作は、累計発行部数900万部を突破(2020年1月現在)。 今年も4月からアニメ第2期が放送予定と、今もっとも勢いのある漫画のひとつである。 恋愛における男女の駆け引きを究極のコメディへと昇華した本作だが、第16巻ではついにふたりの交際がスタートし、物語は新たな展開を見せている。 インタビューでは、緻密なキャラクター論や独特な創作スタイル、さらにはエンディングまでの構想まで、『かぐや様』の世界を徹底的に掘り下げていく。 撮影/小嶋淑子 取材・文/岡本大介 かなり積極的に営業されたんですね。 当時はもうすぐ『ib -インスタントバレット-』の連載が終わることがわかっていたので。 だって、終わったら無職になっちゃうじゃないですか。 そしたら困るじゃないですか(笑)。 これは今のうちに動かないと…と思い、頑張ってアピールしたんです。 連載に向けて考えた初期のプロットは、もっと殺伐とした内容だったそうですね。 それこそ『ib -インスタントバレット-』のようなファンタジーで、どんどん人が死んでいく、まるで地獄でデスゲームをするかのようなプロットでしたね。 でも担当さんから「もっとポップなものがいい」と言われまして。 当時はちょうど『ヤンジャン』にポップなラブコメがなかったこともあって、その路線で練り直したのが『かぐや様』です。 これまでラブコメは描いたことがなかったんですけど、個人的に嫌いなジャンルではなかったので、そういうのもアリかな、と。 「お互いに告らせたいと思っている天才高校生の男女」という設定はどこから生まれたんですか? それは…家で燻製を作っているときにふと思い浮かんだんですよ。 燻製? 僕は高校時代に同い年の女の子と付き合った経験がなかったんです。 だから制服デートを体験したことがないし、もちろん学園ラブコメにありがちなシチュエーションに出くわしたこともほぼなくて。 そんなことを燻製作っているときに思い出して、なんだか悲しくなってきたんです(笑)。 僕が思い描いていた青春と現実にギャップがありすぎて…。 だったら漫画で取り返そう、と。 だからこの設定は完全に僕の願望で、妄想ですね。 僕の場合、創作の根源はそういう感情から生まれることが多いんです。 『かぐや様』は2015年から連載が始まりますが、最初は『ヤンジャン』ではなく増刊号の『ミラクルジャンプ』でした。 「お前に『ヤンジャン』はまだ早い!」ということだと思います。 そのときはちょっとムッとしました(笑)。 やはり『ヤンジャン』で連載をしたかった? 僕は『GANTZ』(奥浩哉)世代で、ずっと『ヤンジャン』の読者でもあったので、やはり漫画家としてはそこで挑戦してみたいという気持ちが強くて。 初のラブコメ作品という部分で、何か苦労されたことは? 最初はめちゃめちゃ苦労しましたし、かなり悩みましたよ。 そもそも「これって本当に面白くなるの?」っていう不安が拭えなくて(笑)。 というのも、「両想いのツンデレ同士の頭脳戦」って、僕的にはよくある構図だと思っていたんですよね。 もちろんそのうえで自分なりに面白さのポイントは用意したつもりですけど、何ぶん初めてなので。 「本当にこれでいいのかな?」という不安がずっとありました。 だから読者さんから「設定が新しい!」という反応をもらったときは、正直ビックリしたんです。 作品世界を作るにあたって、まずメインキャラクターについてはどのように構築されていきましたか? メインキャラクターは主人公たちの名前が示すとおり、『竹取物語』の登場人物をモチーフにしています。 これは僕が純粋にプリンセスストーリーが好きで、日本でいちばん有名なお姫様といったら『かぐや姫』だろう、というところから取り入れました。 とくにメインヒロインの四宮かぐやは、求婚者たちに無理難題を押し付ける、一筋縄ではいかない雰囲気が似ていますね。 事情を抱えたお姫様というところはピッタリだなと思いました。 また、かぐやと対になる白銀御行は、最初は御門(みかど)かなと思ったのですが、個人的にドラゴン退治に行った(大納言)大伴御行のほうが好きだったので、そちらをモデルにしました。 そもそも属性で言えば、かぐやと白銀は同じスタートから始まっているんですよ。 同じ性格で、同じことを考えている似たもの同士。 だから反発し合っている。 双子のようにそっくりなキャラクターをイメージしていたんです。 それはどうして? これだと第1話で、キャラクターの説明に必要なページ数が少なく済むんですよ。 「こういう設定のヤツがいる! こっちも同じです!」と描けば、半分の説明で終わる。 掴みの部分でダラダラと説明するのは避けたかったので、最初は便宜上、同じような属性にしたんです。 でも連載していくにつれて、かぐやは悪い子、白銀はいい子と、まるで真逆の方向に歩いていきましたね。 その分岐は狙っていたんですか? なりゆきの部分もありますけど、「最初に提示した設定を覆す」のは、当初から狙っていました。 (伊井野)ミコにしても、ふしだらな内面があるからこそ、表向きは真面目な風紀委員というキャラクターにしています。 属性は秘めた内面とのギャップを際立たせるためのツールなんですね。 コメディにおける楽しさって、結局は振り幅の大きさだと思うんです。 大きければ大きいほど面白くなる。 テンプレの空っぽな器に対して、実体験や人から聞いたエピソードなど、なるべくリアルな感覚を詰め込んでいくやり方が好きなんです。 そうして育ったキャラクターはやがて作品を壊すくらい強くなっていくものですし、それこそが本当にいいキャラクターだと思います。 だから僕の描くキャラクターたちは、最初はみんなテンプレの薄っぺらな感じで始まるんですが、10話分くらい積み重なってきてようやく本当の魅力が出てくる気がします。 なるほど。 それで言うと、藤原千花や石上優はどんな役割を持たせていますか? 藤原は、かぐやと白銀に対するカウンターですね。 ふたりが秘密裏に駆け引きをしているところに現れて、天然をぶつけてカオスをもたらす役回りです。 基本的には白銀・かぐや・藤原の三角関係でストーリーは進められるので、逆に石上はその邪魔にならない方向で作りました。 無口で存在感が薄いから唐突に登場したかと思えばすぐに退場できるし、それ自体がギャグにもなるので、使い勝手がいい存在です。 『かぐや様』は、たとえば「相手から映画に誘わせたい」など、さまざまなシチュエーションが提示されて、毎回キャラクターたちの新たな感情を描いているのが特徴的です。 そもそも『かぐや様』は、感情ありきでお話を作っているんですよ。 たとえば「嫉妬心」であれば、かぐやがどんなときにどんな嫉妬を感じるのかを考えて、それに応じたイベントやシチュエーション、キャラクターを配置しているんです。 普通の学園ラブコメなら「文化祭」や「期末テスト」など、イベントありきでエピソードが構成されると思いますが、そこからすでに違う、と。 とくにネガティブな感情は種類が豊富なので、日々さまざまな感情を深掘りしつつ、「あ、これはまだ扱っていないな」という感情を発見しては、仕事場に付せんを貼りつけてストックしています。 しかしすでに160話以上描かれていますから、さすがに感情のストックもそれほど残っていないのでは? そうでもないですよ。 同じような名前が付いている感情でも、それを抱くキャラクターや対象、周囲との関係値などで全然違ってくるんです。 なので、シチュエーションしだいではまだまだ無限のリアクションが生まれるんじゃないかな、と。 たとえば先日、アニメのキャストさんたちと雑談をしていて、たまたまお土産にもらったというサクランボの話になったんですよ。 それだけで「あ、これで1本描けるな」と思って。 サクランボのネタで1本? よく「口の中でサクランボの柄を結べる人はキスがうまい」って俗説があるじゃないですか。 そういう話をかぐやと白銀が聞いたら、きっと「キスがうまいと思われたい欲」が出てくるだろうなと思ったんです。 たしかに。 かぐやはすごく器用な子ですから、おそらく難なく一発で結べちゃうんですけど、逆に「コイツ、めちゃめちゃキスがうまいんだ」と思われるのが恥ずかしいと感じて、結んだものを口の中でもう一度ほどいて、できないフリをするだろうなって(笑)。 たしかに想像できます(笑)。 一方の白銀はなかなか結べなさそうですね。 白銀は自分の不器用さを自覚しているので、表向きは「そんなくだらないことはしない」とか言いつつ、内心はすごく焦りますよね。 でも、そういうときにムキになるタイプでもあるので、なんとか結べないものかといろいろと策を練ると思います。 柄をめっちゃ噛んでやわらかくするなど、クールを装いながら頭の中は大忙しという感じでしょうか。 その話は今後描く予定はあるんですか? 今度描こうかなと思っていますけど、でもおそらく今言ったような展開にはならないですよ。 そのときになってみないとわかりませんが、他の生徒会メンバーもいるので、そっちがメインになるかもしれません。 これだけ計算高くネガティブな感情を描いていながらも、読者がキャラクターを好きでいられるところも面白いなと感じます。 描くうえで気を配っていることは? シンプルに「(読者に対し)ヘイト感情は作らない」ことは意識しています。 必ずしも好かれる必要はないけど、嫌われてはいけないと思っているんです。 「好きではない」と「嫌い」には大きな差があると思っていて、一度嫌われてしまうと「この子はないわー」となり、好きになってもらうチャンスは限りなくゼロになってしまう。 ただ、長期連載のいいところは、長くやればやるほど愛着を持ってもらえることなので、なんとか減点を回避しつつ、コツコツと加点をしていくことが大切かなと思っています。 たとえば、かぐやは内面でブラックな部分もありますから、演出的に神経を使っているのでは? そこはもう第1話でハードルを示していますから、あれが許されるのであればこれも大丈夫だろう、と。 ただ、かぐやに関しては実際に「嫌い」という声も聞くので、そういう方は申し訳ないですが、藤原さんを愛でてあげてください(笑)。 『かぐや様』は絵柄もストーリーも男女関係なく楽しめる作品だと思いますが、赤坂先生が想定している読者層はあるのでしょうか? 僕個人は仕事で疲れたOLさんの心がほぐれるような作品になったらいいなと思っています。 けっしてオタクに向かっては投げていないつもりですが、いかんせん僕自身がオタクなので、OLさんに目がけて投げているつもりが、結果的にオタクゾーンに落ちている可能性はあります(苦笑)。 でも、そのくらいのスタンスがちょうどいいのかなとも思うんです。 オタクがオタクに向けて投げていたら、一般層の女性には響きづらいものになりますから。 いわゆる日常系のラブコメではなくて、キャラクターの関係変化などがしっかりと描かれている点においてはストーリー漫画とも言えますよね。 『かぐや様』は、キャラクターたちがわちゃわちゃしている様子を楽しむ、という方向ではなくて、コメディとしてきっちりと笑わせて、かつ刺激的な何かを提供していくのが使命だと思っているんです。 それに、もしギャグオンリーで前に進まない作品を延々と描いていたら、おそらく僕の心が壊れてしまうと思いますね。 シリアスな長編エピソードを挟んでいるのも、ストーリー志向の表れですよね。 僕が漫画を描くモチベーションって、「誰かに対して大切なことを伝えたい」というのがもっとも大きいんです。 大げさな言い方をすれば、「誰かの救いになりたい」。 そこに比べれば、「笑わせたい」とか「可愛い絵が描きたい」とかは優先度が低くて、あくまで大切なメッセージを届けるための手段です。 もちろん僕の想いとは関係なく、当然キャラクターたちのリアクションを楽しみに読まれている方もいるでしょうから、ちゃんと漫画家として求められるものは描きたいとは思っています。 常にコメディとシリアスのバランスを考えている、と。 初めて前後編の長編エピソードとなった『花火の音は聞こえない』が意外と受け入れられたこともあって、読者さんから「たまになら長編をやってもいいよ」という許しを得た感触がありました。 逆に、石上の過去エピソードなどは、熱狂的な石上ファンを生んだ一方で「かぐや様にああいうのは求めてない」という声もあって、あまり重すぎるのも考えものだなと反省もしましたね。 そこのバランスは調整しつつ、でも今後もそういう話は描いてはいきたいなと思っています。 通常回がコメディだからこそ、シリアス回がより強く印象に残りますよね。 僕はシリアス回を「大長編ドラえもん」だと思っているんです。 青臭いですが、「人はどう生きるべきか」とか「正しいことって何?」とか、そういう中二病的な正義感が高まってくるんですね。 僕が『かぐや様』で描きたいことは、ライバルや先輩と後輩、男女の友情など、さまざまな人間関係のあり方で、たまに真面目にそれを突き詰めていくことでリアルな何かが提示できるんじゃないか、と。 「こんな僕でも有意義な何かが生み出せているかもしれない」という満足感が得られるんです。 気質的には完全にストーリー漫画家ですね。 まあ、読者によっては「それを『かぐや様』でやるなよ」っていう話かもしれませんけどね(笑)。 父の作ったゲームって僕の作品とどこか似ていて、やっぱり同じ血が流れているんだなと感じることがあります。 今後の展開についてお聞きしたいのですが、まず新キャラの登場予定はありますか? 新キャラはできるだけ控えたいんですけど、出したいなと思っているキャラクターはたくさんいます。 何より『竹取物語』に登場している求婚者がまだ残っているので、今後のノルマとしていつか登場させないと…って。 ただ、男の子の新キャラってなかなか難しくて、いつ出すかを含めて検討中です。 たぶん、3年生に進級してからかなと思っていますが。 たとえば早坂愛のように、まだまだ謎が多く、掘り下げ甲斐のあるキャラもいますね。 そうですね。 早坂は結局のところ、どれがメインの人格なのかもまだ不明なので。 もともと白銀と友達になってほしいな、と思って作ったキャラクターだったんですよ。 ヒロイン的な立ち位置ではなかったんですけど、そういうふうに捉えてくださる方もいて。 いつかメインに躍り出てくると思っていました。 僕もいつか早坂を掘り下げようと思っていますよ。 7巻後くらいに本性を現したシン・ハヤサカとなってメインを張っているのかも(笑)。 ラスボスみたいですね。 ちなみになぜ7巻後なんでしょう? 先ほどの新キャラの話にも絡んでくるんですけど、今は3年生編に向けていろいろと仕込んでいるところなんです。 その前には(子安)つばめ先輩の卒業もありますし、そうなると彼女を想う石上の人間関係も改めて描く必要が出てくる。 さらに3年生になるとクラス替えがあるので、今後は生徒会室だけでなくクラス内の話が増えていくと思います。 そしてそのタイミングにシン・ハヤサカも(笑)。 もちろんあくまで現段階での推測なので、実際にどうなるかはわからないですけどね。 先生の中でもう終わりは見えているんですか? そうですね。 3年生編が始まるということは、後半戦に突入するということですから。 『竹取物語』がベースになっていることから、バッドエンドを予想してしまうファンもいると思うのですが…。 結末はまだわかりません。 でも、バッドエンドを匂わせる作品って魅力的じゃないですか? もちろん実際にはそうならなくてもいいし、僕はそうなってもいいんじゃないかなと思っています。 では、現時点はまだエンディングをどうするか、考えていないんですか? 結末ではなく、演出は考えています。 キャラクターごとの最終回を作って、それ以降はそのキャラは一切出てこないという、ちょっと特殊な方式で幕を下ろそうかなと考えているんです。 順番にキャラクターが消えていくという、恋愛シミュレーションゲームの分岐のような感覚ですね。 こちらは世界が分岐するわけではないんですけど、そんな雰囲気を味わえるような終わり方にできたらいいなーとは思ってます。 もちろん本当にそうなるかは全然決まっていませんが(笑)。 「物語が終わる」という話題といえば、『週刊少年マガジン』で春場ねぎ先生が連載しているラブコメ漫画『五等分の花嫁』が、14巻で完結すると発表されて非常に注目を集めました。 そうなんですよ。 春場先生には勝手ながら「この裏切り者! もっとやってよ!」って思っています(笑)。 同じ週刊連載でライバルだと思っていましたし、ひとりの読者としても大好きな作品でしたので。 ついに花嫁が誰かも明らかになりつつあります。 こういう描き方をしたい人ならこうなるっていうのがあって、そこはすごく共感してて、春場ねぎ先生には一方的にシンパシーを感じていたんです。 そうか…本当に終わっちゃうんですね。 寂しいですね。 昨年の1〜3月にはテレビアニメも放送されました。 アニメスタッフさんたちの頑張りで、本当にいいものを作っていただけたなと、素直に嬉しい気持ちでいっぱいです。 原作者としては、アニメのどんなところに感動しましたか? エモいシーンがすごく際立っていたと感じました。 原作で力を込めたシーンはしっかりと尺を取って、むしろそれ以上に仕上げてくれた畠山守監督の手腕はスゴいと思いましたし、キャストさんたちの演技にもゾクッとさせられました。 「なるほど。 ああいうのが映像映えする話なのか」という発見がありました。 あらら。 その場にいる全員から「おいおい!」って怒られました(苦笑)。 あのときはさすがに心臓がギュッとなりました。 ちなみに赤坂先生は、アニメにはどのように関わられたんですか? シナリオや絵コンテなどのチェック周りと、あとはキャストのオーディションに参加させていただきました。 とはいえ、僕は声優さんにくわしくないので、純粋に声だけを聞いて、自分なりの意見を出させていただいたという感じです。 なるほど。 4月からは第2期の放送も始まりますが、期待のほどは。 第1期のクオリティが高かっただけに、ハードルがかなり上がりましたよね。 第2期からは新キャラクターとして伊井野ミコが登場しますね。 ミコは僕の描くキャラの中でもとくにじわじわと魅力が開花していくタイプですから、ちゃんと皆さんに好かれてくれるかどうか、作者としてはちょっぴり不安だったりもします。 そこは祈るばかりです。 もともとアニメ化は漫画を描くにあたって自分の目標として持っていたんですけど、まさか実写映画になるとはまったく思っていなかったので、決まったときは「特別ボーナスが出た!」っていう感覚でした。 しかも、興行収入的にも成功を収めました。 漫画の実写映画って、公開するまでは予想できないじゃないですか。 どれだけ力を入れても大コケする作品もある中で、この結果はスゴいことだと思います。 もちろん主演のおふたりの人気によるところが大きいと思いますが、素直に嬉しいです。 公開後、これまでなかった若い女の子からのファンレターが来るようになったのは、映画の影響が大きいのかなと感じています。 ちなみに撮影現場には行かれましたか? もちろん行きましたよ。 めったにできない体験ですし、めっちゃ楽しかったです! それは純粋に見学されたということですか? そりゃそうですよ。 実写映画の撮影現場で僕が意見できることなんて微塵もないですから(笑)。 現場見学に関しては完全に原作者の特典という感じなので、僕もそのつもりで楽しみました。 何か創作活動につながるような発見は? そうですね。 今後、自分の作品がまた実写化されたときのことも考えて、漫画というメディアがどういうフィルターを通して撮影されることになるのか、原作者は何を意識しておけばいいのかをできるだけ吸収したいと思っていました。 スゴい向上意欲ですね。 別に「橋本環奈さんを見たい!」という気持ちだけで行ったわけじゃないですよ! ということは、次回作は実写化も視野に入れた作品作りに挑戦される、と? そうですね。 ファンタジーは封印して、現実世界を舞台にしたリアルなストーリーになるかもしれません。 同じヤンジャン作品でも『GANTZ』や『キングダム』といったヒット例があるじゃないですか。 それは予算の桁が違いすぎます(笑)。 僕の作品はリーズナブルなお値打ち路線で打ち出していこうと思っていますので、ぜひ次回作も楽しみにしていてください。 …いや、『かぐや様』はまだまだ終わらないんですけどね(笑)。 今回インタビューをさせていただいた、赤坂アカさんの『かぐや様は告らせたい』イラスト入りサイン色紙を抽選で1名様にプレゼント。 ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。 当選者発表日/2月6日(木)• 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから2月6日(木)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき2月9日(日)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。 キャンペーン規約• 複数回応募されても当選確率は上がりません。 賞品発送先は日本国内のみです。 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。 応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。 当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。 賞品の指定はできません。 賞品の不具合・破損に関する責任は一切負いかねます。 本キャンペーン当選賞品を、インターネットオークションなどで第三者に転売・譲渡することは禁止しております。 個人情報の利用に関しましてはをご覧ください。
次の恋愛は、好きになったほうが負けなのである!! 超エリート学園のトップに君臨する天才高校生の男女ふたりが、相思相愛にも関わらず、お互いに相手から告白させようと恋愛頭脳戦を繰り広げるラブコメ漫画『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜(以下、『かぐや様』)』。 赤坂アカが『週刊ヤングジャンプ(以下、『ヤンジャン』)』(集英社)で連載中の原作は、累計発行部数900万部を突破(2020年1月現在)。 今年も4月からアニメ第2期が放送予定と、今もっとも勢いのある漫画のひとつである。 恋愛における男女の駆け引きを究極のコメディへと昇華した本作だが、第16巻ではついにふたりの交際がスタートし、物語は新たな展開を見せている。 インタビューでは、緻密なキャラクター論や独特な創作スタイル、さらにはエンディングまでの構想まで、『かぐや様』の世界を徹底的に掘り下げていく。 撮影/小嶋淑子 取材・文/岡本大介 かなり積極的に営業されたんですね。 当時はもうすぐ『ib -インスタントバレット-』の連載が終わることがわかっていたので。 だって、終わったら無職になっちゃうじゃないですか。 そしたら困るじゃないですか(笑)。 これは今のうちに動かないと…と思い、頑張ってアピールしたんです。 連載に向けて考えた初期のプロットは、もっと殺伐とした内容だったそうですね。 それこそ『ib -インスタントバレット-』のようなファンタジーで、どんどん人が死んでいく、まるで地獄でデスゲームをするかのようなプロットでしたね。 でも担当さんから「もっとポップなものがいい」と言われまして。 当時はちょうど『ヤンジャン』にポップなラブコメがなかったこともあって、その路線で練り直したのが『かぐや様』です。 これまでラブコメは描いたことがなかったんですけど、個人的に嫌いなジャンルではなかったので、そういうのもアリかな、と。 「お互いに告らせたいと思っている天才高校生の男女」という設定はどこから生まれたんですか? それは…家で燻製を作っているときにふと思い浮かんだんですよ。 燻製? 僕は高校時代に同い年の女の子と付き合った経験がなかったんです。 だから制服デートを体験したことがないし、もちろん学園ラブコメにありがちなシチュエーションに出くわしたこともほぼなくて。 そんなことを燻製作っているときに思い出して、なんだか悲しくなってきたんです(笑)。 僕が思い描いていた青春と現実にギャップがありすぎて…。 だったら漫画で取り返そう、と。 だからこの設定は完全に僕の願望で、妄想ですね。 僕の場合、創作の根源はそういう感情から生まれることが多いんです。 『かぐや様』は2015年から連載が始まりますが、最初は『ヤンジャン』ではなく増刊号の『ミラクルジャンプ』でした。 「お前に『ヤンジャン』はまだ早い!」ということだと思います。 そのときはちょっとムッとしました(笑)。 やはり『ヤンジャン』で連載をしたかった? 僕は『GANTZ』(奥浩哉)世代で、ずっと『ヤンジャン』の読者でもあったので、やはり漫画家としてはそこで挑戦してみたいという気持ちが強くて。 初のラブコメ作品という部分で、何か苦労されたことは? 最初はめちゃめちゃ苦労しましたし、かなり悩みましたよ。 そもそも「これって本当に面白くなるの?」っていう不安が拭えなくて(笑)。 というのも、「両想いのツンデレ同士の頭脳戦」って、僕的にはよくある構図だと思っていたんですよね。 もちろんそのうえで自分なりに面白さのポイントは用意したつもりですけど、何ぶん初めてなので。 「本当にこれでいいのかな?」という不安がずっとありました。 だから読者さんから「設定が新しい!」という反応をもらったときは、正直ビックリしたんです。 作品世界を作るにあたって、まずメインキャラクターについてはどのように構築されていきましたか? メインキャラクターは主人公たちの名前が示すとおり、『竹取物語』の登場人物をモチーフにしています。 これは僕が純粋にプリンセスストーリーが好きで、日本でいちばん有名なお姫様といったら『かぐや姫』だろう、というところから取り入れました。 とくにメインヒロインの四宮かぐやは、求婚者たちに無理難題を押し付ける、一筋縄ではいかない雰囲気が似ていますね。 事情を抱えたお姫様というところはピッタリだなと思いました。 また、かぐやと対になる白銀御行は、最初は御門(みかど)かなと思ったのですが、個人的にドラゴン退治に行った(大納言)大伴御行のほうが好きだったので、そちらをモデルにしました。 そもそも属性で言えば、かぐやと白銀は同じスタートから始まっているんですよ。 同じ性格で、同じことを考えている似たもの同士。 だから反発し合っている。 双子のようにそっくりなキャラクターをイメージしていたんです。 それはどうして? これだと第1話で、キャラクターの説明に必要なページ数が少なく済むんですよ。 「こういう設定のヤツがいる! こっちも同じです!」と描けば、半分の説明で終わる。 掴みの部分でダラダラと説明するのは避けたかったので、最初は便宜上、同じような属性にしたんです。 でも連載していくにつれて、かぐやは悪い子、白銀はいい子と、まるで真逆の方向に歩いていきましたね。 その分岐は狙っていたんですか? なりゆきの部分もありますけど、「最初に提示した設定を覆す」のは、当初から狙っていました。 (伊井野)ミコにしても、ふしだらな内面があるからこそ、表向きは真面目な風紀委員というキャラクターにしています。 属性は秘めた内面とのギャップを際立たせるためのツールなんですね。 コメディにおける楽しさって、結局は振り幅の大きさだと思うんです。 大きければ大きいほど面白くなる。 テンプレの空っぽな器に対して、実体験や人から聞いたエピソードなど、なるべくリアルな感覚を詰め込んでいくやり方が好きなんです。 そうして育ったキャラクターはやがて作品を壊すくらい強くなっていくものですし、それこそが本当にいいキャラクターだと思います。 だから僕の描くキャラクターたちは、最初はみんなテンプレの薄っぺらな感じで始まるんですが、10話分くらい積み重なってきてようやく本当の魅力が出てくる気がします。 なるほど。 それで言うと、藤原千花や石上優はどんな役割を持たせていますか? 藤原は、かぐやと白銀に対するカウンターですね。 ふたりが秘密裏に駆け引きをしているところに現れて、天然をぶつけてカオスをもたらす役回りです。 基本的には白銀・かぐや・藤原の三角関係でストーリーは進められるので、逆に石上はその邪魔にならない方向で作りました。 無口で存在感が薄いから唐突に登場したかと思えばすぐに退場できるし、それ自体がギャグにもなるので、使い勝手がいい存在です。 『かぐや様』は、たとえば「相手から映画に誘わせたい」など、さまざまなシチュエーションが提示されて、毎回キャラクターたちの新たな感情を描いているのが特徴的です。 そもそも『かぐや様』は、感情ありきでお話を作っているんですよ。 たとえば「嫉妬心」であれば、かぐやがどんなときにどんな嫉妬を感じるのかを考えて、それに応じたイベントやシチュエーション、キャラクターを配置しているんです。 普通の学園ラブコメなら「文化祭」や「期末テスト」など、イベントありきでエピソードが構成されると思いますが、そこからすでに違う、と。 とくにネガティブな感情は種類が豊富なので、日々さまざまな感情を深掘りしつつ、「あ、これはまだ扱っていないな」という感情を発見しては、仕事場に付せんを貼りつけてストックしています。 しかしすでに160話以上描かれていますから、さすがに感情のストックもそれほど残っていないのでは? そうでもないですよ。 同じような名前が付いている感情でも、それを抱くキャラクターや対象、周囲との関係値などで全然違ってくるんです。 なので、シチュエーションしだいではまだまだ無限のリアクションが生まれるんじゃないかな、と。 たとえば先日、アニメのキャストさんたちと雑談をしていて、たまたまお土産にもらったというサクランボの話になったんですよ。 それだけで「あ、これで1本描けるな」と思って。 サクランボのネタで1本? よく「口の中でサクランボの柄を結べる人はキスがうまい」って俗説があるじゃないですか。 そういう話をかぐやと白銀が聞いたら、きっと「キスがうまいと思われたい欲」が出てくるだろうなと思ったんです。 たしかに。 かぐやはすごく器用な子ですから、おそらく難なく一発で結べちゃうんですけど、逆に「コイツ、めちゃめちゃキスがうまいんだ」と思われるのが恥ずかしいと感じて、結んだものを口の中でもう一度ほどいて、できないフリをするだろうなって(笑)。 たしかに想像できます(笑)。 一方の白銀はなかなか結べなさそうですね。 白銀は自分の不器用さを自覚しているので、表向きは「そんなくだらないことはしない」とか言いつつ、内心はすごく焦りますよね。 でも、そういうときにムキになるタイプでもあるので、なんとか結べないものかといろいろと策を練ると思います。 柄をめっちゃ噛んでやわらかくするなど、クールを装いながら頭の中は大忙しという感じでしょうか。 その話は今後描く予定はあるんですか? 今度描こうかなと思っていますけど、でもおそらく今言ったような展開にはならないですよ。 そのときになってみないとわかりませんが、他の生徒会メンバーもいるので、そっちがメインになるかもしれません。 これだけ計算高くネガティブな感情を描いていながらも、読者がキャラクターを好きでいられるところも面白いなと感じます。 描くうえで気を配っていることは? シンプルに「(読者に対し)ヘイト感情は作らない」ことは意識しています。 必ずしも好かれる必要はないけど、嫌われてはいけないと思っているんです。 「好きではない」と「嫌い」には大きな差があると思っていて、一度嫌われてしまうと「この子はないわー」となり、好きになってもらうチャンスは限りなくゼロになってしまう。 ただ、長期連載のいいところは、長くやればやるほど愛着を持ってもらえることなので、なんとか減点を回避しつつ、コツコツと加点をしていくことが大切かなと思っています。 たとえば、かぐやは内面でブラックな部分もありますから、演出的に神経を使っているのでは? そこはもう第1話でハードルを示していますから、あれが許されるのであればこれも大丈夫だろう、と。 ただ、かぐやに関しては実際に「嫌い」という声も聞くので、そういう方は申し訳ないですが、藤原さんを愛でてあげてください(笑)。 『かぐや様』は絵柄もストーリーも男女関係なく楽しめる作品だと思いますが、赤坂先生が想定している読者層はあるのでしょうか? 僕個人は仕事で疲れたOLさんの心がほぐれるような作品になったらいいなと思っています。 けっしてオタクに向かっては投げていないつもりですが、いかんせん僕自身がオタクなので、OLさんに目がけて投げているつもりが、結果的にオタクゾーンに落ちている可能性はあります(苦笑)。 でも、そのくらいのスタンスがちょうどいいのかなとも思うんです。 オタクがオタクに向けて投げていたら、一般層の女性には響きづらいものになりますから。 いわゆる日常系のラブコメではなくて、キャラクターの関係変化などがしっかりと描かれている点においてはストーリー漫画とも言えますよね。 『かぐや様』は、キャラクターたちがわちゃわちゃしている様子を楽しむ、という方向ではなくて、コメディとしてきっちりと笑わせて、かつ刺激的な何かを提供していくのが使命だと思っているんです。 それに、もしギャグオンリーで前に進まない作品を延々と描いていたら、おそらく僕の心が壊れてしまうと思いますね。 シリアスな長編エピソードを挟んでいるのも、ストーリー志向の表れですよね。 僕が漫画を描くモチベーションって、「誰かに対して大切なことを伝えたい」というのがもっとも大きいんです。 大げさな言い方をすれば、「誰かの救いになりたい」。 そこに比べれば、「笑わせたい」とか「可愛い絵が描きたい」とかは優先度が低くて、あくまで大切なメッセージを届けるための手段です。 もちろん僕の想いとは関係なく、当然キャラクターたちのリアクションを楽しみに読まれている方もいるでしょうから、ちゃんと漫画家として求められるものは描きたいとは思っています。 常にコメディとシリアスのバランスを考えている、と。 初めて前後編の長編エピソードとなった『花火の音は聞こえない』が意外と受け入れられたこともあって、読者さんから「たまになら長編をやってもいいよ」という許しを得た感触がありました。 逆に、石上の過去エピソードなどは、熱狂的な石上ファンを生んだ一方で「かぐや様にああいうのは求めてない」という声もあって、あまり重すぎるのも考えものだなと反省もしましたね。 そこのバランスは調整しつつ、でも今後もそういう話は描いてはいきたいなと思っています。 通常回がコメディだからこそ、シリアス回がより強く印象に残りますよね。 僕はシリアス回を「大長編ドラえもん」だと思っているんです。 青臭いですが、「人はどう生きるべきか」とか「正しいことって何?」とか、そういう中二病的な正義感が高まってくるんですね。 僕が『かぐや様』で描きたいことは、ライバルや先輩と後輩、男女の友情など、さまざまな人間関係のあり方で、たまに真面目にそれを突き詰めていくことでリアルな何かが提示できるんじゃないか、と。 「こんな僕でも有意義な何かが生み出せているかもしれない」という満足感が得られるんです。 気質的には完全にストーリー漫画家ですね。 まあ、読者によっては「それを『かぐや様』でやるなよ」っていう話かもしれませんけどね(笑)。 父の作ったゲームって僕の作品とどこか似ていて、やっぱり同じ血が流れているんだなと感じることがあります。 今後の展開についてお聞きしたいのですが、まず新キャラの登場予定はありますか? 新キャラはできるだけ控えたいんですけど、出したいなと思っているキャラクターはたくさんいます。 何より『竹取物語』に登場している求婚者がまだ残っているので、今後のノルマとしていつか登場させないと…って。 ただ、男の子の新キャラってなかなか難しくて、いつ出すかを含めて検討中です。 たぶん、3年生に進級してからかなと思っていますが。 たとえば早坂愛のように、まだまだ謎が多く、掘り下げ甲斐のあるキャラもいますね。 そうですね。 早坂は結局のところ、どれがメインの人格なのかもまだ不明なので。 もともと白銀と友達になってほしいな、と思って作ったキャラクターだったんですよ。 ヒロイン的な立ち位置ではなかったんですけど、そういうふうに捉えてくださる方もいて。 いつかメインに躍り出てくると思っていました。 僕もいつか早坂を掘り下げようと思っていますよ。 7巻後くらいに本性を現したシン・ハヤサカとなってメインを張っているのかも(笑)。 ラスボスみたいですね。 ちなみになぜ7巻後なんでしょう? 先ほどの新キャラの話にも絡んでくるんですけど、今は3年生編に向けていろいろと仕込んでいるところなんです。 その前には(子安)つばめ先輩の卒業もありますし、そうなると彼女を想う石上の人間関係も改めて描く必要が出てくる。 さらに3年生になるとクラス替えがあるので、今後は生徒会室だけでなくクラス内の話が増えていくと思います。 そしてそのタイミングにシン・ハヤサカも(笑)。 もちろんあくまで現段階での推測なので、実際にどうなるかはわからないですけどね。 先生の中でもう終わりは見えているんですか? そうですね。 3年生編が始まるということは、後半戦に突入するということですから。 『竹取物語』がベースになっていることから、バッドエンドを予想してしまうファンもいると思うのですが…。 結末はまだわかりません。 でも、バッドエンドを匂わせる作品って魅力的じゃないですか? もちろん実際にはそうならなくてもいいし、僕はそうなってもいいんじゃないかなと思っています。 では、現時点はまだエンディングをどうするか、考えていないんですか? 結末ではなく、演出は考えています。 キャラクターごとの最終回を作って、それ以降はそのキャラは一切出てこないという、ちょっと特殊な方式で幕を下ろそうかなと考えているんです。 順番にキャラクターが消えていくという、恋愛シミュレーションゲームの分岐のような感覚ですね。 こちらは世界が分岐するわけではないんですけど、そんな雰囲気を味わえるような終わり方にできたらいいなーとは思ってます。 もちろん本当にそうなるかは全然決まっていませんが(笑)。 「物語が終わる」という話題といえば、『週刊少年マガジン』で春場ねぎ先生が連載しているラブコメ漫画『五等分の花嫁』が、14巻で完結すると発表されて非常に注目を集めました。 そうなんですよ。 春場先生には勝手ながら「この裏切り者! もっとやってよ!」って思っています(笑)。 同じ週刊連載でライバルだと思っていましたし、ひとりの読者としても大好きな作品でしたので。 ついに花嫁が誰かも明らかになりつつあります。 こういう描き方をしたい人ならこうなるっていうのがあって、そこはすごく共感してて、春場ねぎ先生には一方的にシンパシーを感じていたんです。 そうか…本当に終わっちゃうんですね。 寂しいですね。 昨年の1〜3月にはテレビアニメも放送されました。 アニメスタッフさんたちの頑張りで、本当にいいものを作っていただけたなと、素直に嬉しい気持ちでいっぱいです。 原作者としては、アニメのどんなところに感動しましたか? エモいシーンがすごく際立っていたと感じました。 原作で力を込めたシーンはしっかりと尺を取って、むしろそれ以上に仕上げてくれた畠山守監督の手腕はスゴいと思いましたし、キャストさんたちの演技にもゾクッとさせられました。 「なるほど。 ああいうのが映像映えする話なのか」という発見がありました。 あらら。 その場にいる全員から「おいおい!」って怒られました(苦笑)。 あのときはさすがに心臓がギュッとなりました。 ちなみに赤坂先生は、アニメにはどのように関わられたんですか? シナリオや絵コンテなどのチェック周りと、あとはキャストのオーディションに参加させていただきました。 とはいえ、僕は声優さんにくわしくないので、純粋に声だけを聞いて、自分なりの意見を出させていただいたという感じです。 なるほど。 4月からは第2期の放送も始まりますが、期待のほどは。 第1期のクオリティが高かっただけに、ハードルがかなり上がりましたよね。 第2期からは新キャラクターとして伊井野ミコが登場しますね。 ミコは僕の描くキャラの中でもとくにじわじわと魅力が開花していくタイプですから、ちゃんと皆さんに好かれてくれるかどうか、作者としてはちょっぴり不安だったりもします。 そこは祈るばかりです。 もともとアニメ化は漫画を描くにあたって自分の目標として持っていたんですけど、まさか実写映画になるとはまったく思っていなかったので、決まったときは「特別ボーナスが出た!」っていう感覚でした。 しかも、興行収入的にも成功を収めました。 漫画の実写映画って、公開するまでは予想できないじゃないですか。 どれだけ力を入れても大コケする作品もある中で、この結果はスゴいことだと思います。 もちろん主演のおふたりの人気によるところが大きいと思いますが、素直に嬉しいです。 公開後、これまでなかった若い女の子からのファンレターが来るようになったのは、映画の影響が大きいのかなと感じています。 ちなみに撮影現場には行かれましたか? もちろん行きましたよ。 めったにできない体験ですし、めっちゃ楽しかったです! それは純粋に見学されたということですか? そりゃそうですよ。 実写映画の撮影現場で僕が意見できることなんて微塵もないですから(笑)。 現場見学に関しては完全に原作者の特典という感じなので、僕もそのつもりで楽しみました。 何か創作活動につながるような発見は? そうですね。 今後、自分の作品がまた実写化されたときのことも考えて、漫画というメディアがどういうフィルターを通して撮影されることになるのか、原作者は何を意識しておけばいいのかをできるだけ吸収したいと思っていました。 スゴい向上意欲ですね。 別に「橋本環奈さんを見たい!」という気持ちだけで行ったわけじゃないですよ! ということは、次回作は実写化も視野に入れた作品作りに挑戦される、と? そうですね。 ファンタジーは封印して、現実世界を舞台にしたリアルなストーリーになるかもしれません。 同じヤンジャン作品でも『GANTZ』や『キングダム』といったヒット例があるじゃないですか。 それは予算の桁が違いすぎます(笑)。 僕の作品はリーズナブルなお値打ち路線で打ち出していこうと思っていますので、ぜひ次回作も楽しみにしていてください。 …いや、『かぐや様』はまだまだ終わらないんですけどね(笑)。 今回インタビューをさせていただいた、赤坂アカさんの『かぐや様は告らせたい』イラスト入りサイン色紙を抽選で1名様にプレゼント。 ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。 当選者発表日/2月6日(木)• 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから2月6日(木)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき2月9日(日)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。 キャンペーン規約• 複数回応募されても当選確率は上がりません。 賞品発送先は日本国内のみです。 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。 応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。 当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。 賞品の指定はできません。 賞品の不具合・破損に関する責任は一切負いかねます。 本キャンペーン当選賞品を、インターネットオークションなどで第三者に転売・譲渡することは禁止しております。 個人情報の利用に関しましてはをご覧ください。
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