急に立ち上がったときにふらつき、などを感じる「立ちくらみ」は、疲れているときなどに経験される方は多いのではないでしょうか。 しかし、ときには病気が原因となっている場合もあるため注意が必要です。 立ちくらみだけでなく、息切れや顔色の悪さもある• 立ち上がるといつも立ちくらみがする• いつもの立ちくらみかと思っていたら、しびれなど他の症状が出てきた こういった場合に考えられる原因には、どのようなものがあるでしょうか。 病気による立ちくらみ 立ちくらみはよくある症状ですが、中には病気が原因となって起こっているものもあります。 立ち上がったときに限らず起こったり、続いたりする場合には、下記の「」についての記事をご参照ください。 立ちくらみを起こす主な病気 立ちくらみを起こす主な病気には、以下のようなものが挙げられます。 起立性低血圧 寝ている状態から座る、座っているから立つなどの姿勢を大きく変えたときに血圧が急激に下がる状態です。 原因がはっきりしないものもありますが、脱水、などが原因になったり、や、アルコールなどが原因になることがあります。 主な症状には立ちくらみや、顔色の悪さ、冷や汗、吐き気などがあります。 受診の目安とポイント 立ちくらみを日常的に繰り返していてあまり気にしていないという方であっても、長期間続いているようなら一度受診したほうがよいでしょう。 また、突然現れたような立ちくらみや、他の症状を伴う立ちくらみは早めの受診を検討しましょう。 原因によって専門科目は異なりますが、まずはかかりやすい近くの内科や、かかりつけの医療機関などで相談するとよいでしょう。 受診の際には、いつから、どの程度の症状があり、他にどのような症状が伴っているのか、また長期にわたって続いている場合には立ちくらみが現れる頻度やタイミングなどを医師に伝えるとよいでしょう。 日常生活上の原因と対処法 立ちくらみは自律神経との関わりが深いため、不眠や疲労などの日常生活上のストレスとの関連があるといわれています。 生活リズムの乱れ 夜更かしや朝食を食べない、過度な飲酒などは生活リズムの乱れの原因になります。 特に飲酒は脱水の原因にもなり、立ちくらみの原因となることがあります。 生活リズムを整えるために 生活リズムを整え、食事もなるべく決まった時間にとるようにしましょう。 朝起きると日光を浴びるなどもリズムをつけるためには有効といわれています。 睡眠不足 寝る前にスマートフォンやテレビをみる、寝る前に食事をする、寝酒をするなどで睡眠不足になりがちな場合には、立ちくらみの原因となることがあります。 睡眠不足のときは 寝る前のスマートフォンの操作やテレビの鑑賞を控え、寝る前の食事・アルコールを避けましょう。 どうしても寝つけない日が続く場合には、治療が必要な場合もありますので医療機関を受診しましょう。 良くならない時には 日常生活の改善後もいつまでもよくならないときには、何か病気が隠れていることも考えられます。 一度医師に相談してみましょう。
次の起立性低血圧(脳貧血) 起立性低血圧は一般的に脳貧血と言われていますが、赤血球の異常により生じる貧血とは異なります。 貧血は赤血球が十分に機能しない状態ですが、脳貧血の場合は赤血球の異常ではなく、血圧が低くて血液を脳に十分に送ることができない状態です。 立ちくらみの多くは、この起立性低血圧と言われています。 起立性低血圧は、重力で移動している血液を調整する働きが弱まった状態です。 通常は、急に立ちあがっても自律神経による調整で拍動を早めて調整ができ、スムーズに行動ができます。 しかし、自律神経のバランスが乱れていたり、加齢により調節機能が低下している際に立ちくらみが生じるのです。 起立性低血圧の症状として最も多いのが立ちくらみですが、他にもめまい、頭痛、動悸、倦怠感などの症状が現れることもあります。 起立性低血圧の場合はシェロング起立試験という方法で特定できます。 これは横になった状態・立ち上がった状態などで血圧測定を行う簡単な方法です。 気になる方は一度検査してもらいましょう。 起立性低血圧は自律神経が大きく影響します。 自律神経のバランスが崩れると症状が出やすくなります。 適度な運動を取り入れ、規則正しい生活リズムを心がけることが大切です。 また、立ち上がる時はゆっくり行動する、長時間立ったままで過ごさないなどの工夫をすると症状は出にくくなります。 脳腫瘍・脳梗塞・脳血栓 立ちくらみと合わせて頭痛がある場合は心配になりますが、起立性低血圧であれば注意して生活することで症状は和らぎ心配は不要です。 しかし、それに加えて手足のしびれ・感覚麻痺・ろれつが回らないなどの症状がある場合は、脳腫瘍・脳梗塞・脳血栓などの脳の病気が原因となっている可能性があります。 様々な原因で血液がドロドロとなり動脈硬化を起こすと、様々な脳の病気につながります。 このような症状がある場合は、早めに医療機関で相談しましょう。 頚椎椎間板ヘルニア 首の後ろ辺りにある頚椎部分にある脊髄の椎間板という組織が変形するなどして痛みが生じる頚椎椎間板ヘルニアでは、 首の痛みの他に手のしびれや立ちくらみ・頭痛などを生じる場合もあります。 普段から肩こりや首の痛みを感じている方が立ちくらみと頭痛を感じた場合は、頚椎椎間板ヘルニアが原因となっている可能性があります。 また腰痛も椎間板ヘルニアの重要な兆候となりますのでぜひ以下の記事でチェックしてみてください。 参考: まずは安静にし、早めに症状に合った治療を開始しましょう。 まとめ 立ちくらみがする場合、まず思いつくのは貧血ですね。 貧血や起立性低血圧による立ちくらみは女性に多く見られる症状で、頭痛をともなう場合もあります。 これらは、生活リズムを見直すことである程度改善され、予防も可能です。 しかし、立ちくらみ・頭痛に加えてしびれ・ろれつが回らない・首の痛みなどの症状もある場合は、他の病気のサインであると考えられます 脳の病気が隠れている可能性もありますので、いつもの立ちくらみと放置せず、医療機関で相談してみましょう。
次の1.なぜ、立ちくらみが起こるのか?• 湯船から出ようと思ったら、急に目の前が真っ白になった。 体の自由が利かず、危うくお湯の中に倒れそうになった。 と言う経験をした方は少なくないでしょう。 お風呂上がりの立ちくらみには、「起立性低血圧」という正式名称があります。 地球には重力がありますから、すべての物質は下へ下へと行こうとするのです。 血液も同じ。 それを心臓が鼓動の力で脳へと押し上げています。 しかし、急に立ち上がると重力に従い血液が一気に下半身に流れていくのです。 その結果、一時的に脳が血液不足になって貧血状態になります。 これが起立性低血圧です。 学校の集会などで、立ち上がった瞬間に倒れてしまった経験がある方もいるでしょう。 風呂上がりの立ちくらみもそれと同じです。 入浴中は熱いお湯につかっているため、血管が拡張して普段より多めの血液が流れます。 そのときに、頭は湯船の外に出ていますから、通常ならば脳へ行く血液は少なくなるのです。 しかし、お湯につかることで水圧が体全体にかかっているので、心臓には普段よりも多めの血液が戻ります。 ですから、脳にも血液が十分に流れるのですね。 でも、お湯から上がると水圧が消滅するため、一気に血液が下半身に流れて脳は貧血状態になります。 これが、立ちくらみの原因です。 立ちくらみは20代~30代の女性に多いですが、男性でも起こす場合があります。 また、高齢者も2割の方に発症が認められているのです。 関連記事 4.立ちくらみを予防する方法は? では、立ちくらみを予防するにはどうしたらよいのでしょうか? この項では、立ちくらみを予防する方法をご紹介します。 4-1.ゆっくりと立ち上がって浴槽から上がる 勢いよく浴槽から立ち上がるほど、全身の血液が下にさがりやすくなります。 ですから、浴槽から上がる際は、まず浴槽のふちをしっかりとつかんで頭を低くして立ち上がってください。 そうすれば、立ちくらみが起こりにくくなります。 4-2.肩までお湯につからない お風呂に入ったら肩までつかるというのが伝統的な入浴方法です。 しかし、肩までお湯につかるとその分、血管が拡張する範囲が広くなるでしょう。 そのため、立ちくらみを起こしやすくなります。 また、41度以上に熱いお湯に短時間つかるのも、立ちくらみを起こしやすいでしょう。 立ちくらみを起こしにくくするためには、ぬるめのお風呂に半身浴をするのがお勧めです。 みぞおちくらいまでしかお湯につからないと、温まらないのでは?と思うかもしれません。 しかし、20分~30分程度入っていれば上半身まで温まります。 肩が冷えるという場合は、タオルをかけたりシャワーを浴びたりしながら入りましょう。 4-3.飲酒後すぐに入浴しない 飲酒をすると血管が拡張されて、体中に流れる血液の量が増えます。 この状態でさらに入浴すれば、立ちくらみを起こしやすくなるのです。 また、入浴して血流がよくなれば、酔いが一気に回る可能性があります。 ですから、飲酒後によい気分で入浴するのはやめましょう。 また、あこがれている方も多いですが、お風呂に入りながらの飲酒も危険です。 自宅のお風呂だけでなく、旅行先などでも気をつけましょう。 4-4.高齢になったら浴室のリフォームを考えよう 日本の古い浴槽は、正方形で底が深いものが多いです。 ですから、どうしても肩までつかる入浴法になってしまいます。 また、底が深ければ高齢になると勢いをつけないと立ち上がれなくなることも多いです。 つまり、より立ちくらみを起こしやすくなります。 現在主流の浴室は、底が浅いですし浴槽の中に段差がついているのです。 ですから、一度浅い部分に腰かけてから、立ち上がることもできるでしょう。 また、手すりがあれば勢いをつけなくても立ち上がれます。 自宅の浴槽が正方形で深い形の場合は、リフォームを検討しましょう。 今は、介護保険でリフォームできるケースもあります。 4-5.入浴中に大きな音がしたら安全確認をしよう しかし、いくら気を付けても、立ちくらみを完全に防ぐことはできません。 ですから、家族と住んでいる場合は、浴室から大きな音がしたら確認に行く習慣をつけましょう。 また、深夜に入浴して立ちくらみを起こした場合、朝まで気づいてもらえないこともあります。 立ちくらみをしやすい人は、できるだけ家族が起きている時間に入浴してください。 また、飲み会などから帰ってきて酔いが回った状態なら、シャワーだけで済ませましょう。 浴槽に入るとそのまま眠ってしまったり立ちくらみを起こしやすくなったりする可能性があります。 さらに、風邪をひいたり熱があったりするときの入浴は控えましょう。 関連記事 おわりに 今回は、風呂上がりに立ちくらみが起こる原因とその対処の仕方をご紹介しました。 まとめると• 立ちくらみは脳の一時的な貧血で起こる。 浴室内で意識を失ったり倒れたりすると危ない。 肩までお湯につかって急に立ち上がると立ちくらみを起こしやすい。 半身浴をすれば立ちくらみは起こしにくい。 ということです。 特に、高齢者になるととっさに体が動かなくなります。 立ちくらみを起こしたな、と思ったら次の瞬間には倒れているかもしれません。 今の高齢者は元気な方が多いですが、トイレとお風呂は早めにリフォームしておいた方がよい場合があります。 手すりがあり、浴槽内に段差がついているだけでも、だいぶ違うでしょう。 また、ひとり暮らしをしている方も注意してください。 ひとり暮らしの場合は、たとえ倒れていても誰も気づいてくれません。 ですから、立ちくらみを起こしやすいなと思ったらお風呂ではなくシャワーで入浴を済ませましょう。
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