スポンサーリンク 盲腸の手術は、術後の合併症が、比較的発生しやすいとされています。 合併症の1つが、腸閉塞です。 術後の腸閉塞は、癒着によるものが多いと言われています。 盲腸の手術はお腹の手術 盲腸の手術は、お腹の手術の1つです。 大腸の手術の一環と扱われています。 ただし、盲腸の手術を、お腹の手術と意識している人は、あまり多くありません。 盲腸の手術を受けたことがあるかどうかが、日常生活の中で確認されるのは、大腸カメラの検査を受ける時でしょう。 大腸カメラをすんなり入れられるかどうか、確認するために、お腹の手術歴が尋ねられます。 その時、聞き漏らしがないように、盲腸の手術歴についても、聞かれるようです。 盲腸の手術は癒着が生じていることが多い 開腹手術を受けると、癒着は起こり得ます。 開腹手術の中で、癒着が多く生じるのは、 胃潰瘍や十二指腸潰瘍の手術、婦人科疾患の手術、そして、盲腸の手術とされています。 盲腸の手術の術後、便秘になる人がいます。 術後に癒着が生じて、腸と腸、または、 腸と腹壁がくっついて、腸管が折れ曲がってしまい、便が通過しにくくなるのが、原因です。 お腹が張って、痛みが生じたり、吐き気が起こったりします。 癒着は、手術を受けてから、かなり時間が経過して、発生することもあります。 時間が経過したから、必ずしも安心と言えないのが、癒着です。 術後、数年を経て、腸閉塞を発症することがあります。 腸閉塞の症状が見られたら、絶食し、消化管の減圧をすることが、必要です。 重症化した場合は、手術が必要になります。 近年は、盲腸の術後の癒着が、減ってきています。 腹腔鏡手術の普及によるものです。 腹腔鏡手術では、腸を外気にさらし、手で触ることがありません。 そのため、腸の癒着による腸閉塞を引き起こす可能性が、きわめて低くなります。 今回のまとめ 盲腸の手術は、お腹の手術です。 お腹の手術を受けると、癒着が起こる可能性があります。 盲腸は、術後に癒着が多く見られるとされています。 時間が経過しても、可能性はあります。 数年経ってから、癒着を原因とする腸閉塞を発症することも、珍しくありません。 癒着を原因とする腸閉塞を発症したら、絶食と消化管の減圧が必要です。 重症なケースでは、手術を行います。 スポンサーリンク -.
次の大腸憩室出血とは? 大腸憩室で出血をきたしたものを大腸憩室出血といいます。 突然痛みを感じない下血や血便で発症することが多くなっています。 中には、を併発する場合もあり、その場合 腹痛や発熱(微熱)などの症状も出現します。 そもそも大腸憩室とは? 下のイラストのように、 大腸の壁が袋状に飛び出しているものです。 盲腸〜上行結腸に起こることが多く、高齢者に多い大腸憩室は特に、左半結腸である 下行結腸やS状結腸に多く認められます。 大腸内視鏡で見た実際の憩室の様子はこのような感じです。 結腸に部屋のような形で憩室が存在しているのがわかりますね。 大腸憩室出血の原因は? 元々大腸憩室があったことが原因ですが、合併症を起こさなければ気付かないことも多く、• NSAIDs内服(読み方は「エヌセイズ」・非ステロイド性抗炎症薬)• 高血圧• 抗凝固療法(こうぎょうこりょうほう)• 大腸憩室炎(憩室に糞便などが詰まり、そこで感染を起こしたこと) などが出血を起こす 危険因子となります。 大腸憩室出血の診断は? 血液検査・内視鏡検査・ダイナミックCTで検査をおこない診断します。 診断に至るには、 大腸憩室があり、そこから出血しているところをリアルタイムで見つけなければなりません。 それぞれについてご説明します。 血液検査 Hb値の低下を認めると、出血を疑いますが、同時に白血球やCRPの上昇が確認できれば憩室炎を起こしてることも考えられます。 ただし急激な出血の場合、Hbが下がらないことがあるので注意が必要です。 内視鏡検査 内視鏡をおこない、 憩室からの出血点(どこから出血しているのか)を認めることが重要になります。 ダイナミックCT検査 出血部の判定に有用で、内視鏡同様、憩室からの出血部位を確認することができれば診断できます。 また、・・出血性腸炎・悪性腫瘍・痔核・血管異形成など、 下血をきたす他の疾患との鑑別をおこなうことも重要です。 症例 80歳代男性 下血 単純CTにて下行結腸にやや高吸収 白い な液貯留を認めており、血腫を疑う所見です。 ダイナミックCTの動脈相で、下行結腸に造影剤が漏出している extravasation 様子がわかります。 同部位の憩室から憩室出血を起こしていることがわかります。 さらにダイナミックCTの平衡相では、造影剤の漏出が増加していることがわかります。 また他の結腸にはこの様子は認められず、下行結腸にのみ造影剤の漏出を認めています。 下行結腸の憩室出血と診断され、内視鏡的に止血されました。 大腸憩室出血の治療は? 症状に応じて、 保存療法・内視鏡的止血術・動脈塞栓術バリウム充填・外科的手術が選択されます。 軽症例である保存療法から順にご説明します。 保存療法 出血が少量の場合や、すでに自然止血している場合などに対して、この保存療法が選択されます。 入院管理のもと、 安静にして 点滴をおこない、 絶食で出血が止まるのを待ちます。 憩室炎をともなう場合には、抗菌薬も使用されます。 内視鏡で止血 内視鏡検査の際に、止血点を確認できれば、そのまま クリッピングなどの内視鏡的治療をおこない止血します。 直接血管に対してクリッピングをおこなう方法と、 憩室口を塞いでしまう方法とがあります。 動脈塞栓術(TAE) 内視鏡止血が困難な場合におこなう方法で、 血管内にカテーテルを挿入し、人工的に塞栓し、造影剤検査で止血を確認します。 バリウム充填 保存療法で止血が確認された後におこなわれる方法で、肛門から管を入れ、高濃度バリウムを大腸に詰め、再出血を予防する方法です。 2015 Feb;261 2 :269-75。 症例 60歳代 男性 全結腸に憩室を多数認めています。 特に横行結腸からS状結腸で目立ちます。 憩室出血に対して、上のようにバリウム充填術が施行されました。 外科的手術 上記の治療法がおこなえない、または効果がなかった場合に手術が選択され、 問題のある部位を手術で切除します。 大腸憩室出血は再発することがある? 憩室があれば、一度出血が治っても再発することはあります。 再発率は? 大腸憩室出血の再発率は比較的高く、 30%ほどあるといわれています。 入院期間は? 入院期間は症状に個人差があり、それにより治療法が異なるので、一概には言えませんが・・・• 出血が少量で自然止血している場合には・・・ 数日程度• クリッピングによる止血術をおこなった場合・・・ 1週間前後• 外科的治療をおこなった場合・・・ 2週間〜1ヶ月程度 ということが多いようです。 大腸憩室出血の予防で重要はことは? 憩室がある限り再発する可能性はありますが、症状を起こさせないため、今までと同じ生活ではなく、治癒後には 食事内容や 便通のコントロールを徹底することも必要になります。 食事面では、 完全に症状が治まるまでは、腸に負担のかからない優しい食事がメインとなります。 しかし症状が完全に収まれば、1日3食規則正しい食生活を送り、 便秘にならないように注意、腹圧をかけないようにする必要があります。 大腸憩室出血の看護のポイントは? 急な症状の出現により、救急での処置となることも多いため、患者を安心させ、家族に十分な説明をおこなうことも重要です。 出血している・止血処置の際には、検査中のシーツの下にも目を配り、 出血量を見逃さないようにすることも重要です。 また、重症度に応じたモニタリング・観察(血圧の確認や声がけ)大量出血によるショック等に備えた注意も必要です。 止血後では、 再発に注意し、退院後にも無理をしすぎず療養や予防などを患者に説明する必要があります。 参考文献: P190〜197• 参考文献: P866• 参考文献: P131〜133• 参考文献: P32・121・122 最後に カテゴリー• 141• 103•
次の盲腸になってしまう原因 盲腸は虫垂という体の臓器が炎症を起こしてしまうことが原因となります。 したがって、正式な名称は 急性虫垂炎といいます。 慢性虫垂炎という病気もありますが、 これは盲腸とはいいません。 急な腹痛が盲腸となります。 それでは、何が原因で虫垂が炎症を起こしてしまうのでしょうか? ウイルスの感染 ウイルス性の虫垂炎の場合は、これが原因となります。 ウイルスが体内に侵入し、虫垂が炎症を起こしてしまうのです。 本来ならば虫垂が炎症を起こす前にウイルスは体内の免疫作用により退治されるのですが、体調を崩していたり、寝不足であったりして免疫力が低下しているとウイルスに感染しやすくなってしまうのです。 便秘 女性に多い原因です。 便秘により虫垂が圧迫されてしまい、 炎症を起こしてしまいます。 便秘になると盲腸の可能性を高めるだけでなく、お肌が荒れてしまったり肥満の原因にもなってしまいます。 ヨーグルトや納豆などの整腸作用のある食べ物を多くとることで便秘の改善や予防を行うことができます。 ぜひ日ごろの食生活から見直していきたいですね。 ストレス ストレスが胃を悪くするのは有名ですが、虫垂にも影響を及ぼします。 仕事や家事などさまざまな場面でストレスを感じることがあると思いますが自分なりのストレス発散法を見つけてストレスをためこまないような生活を心がけていきたいですね。 暴飲暴食 食べ過ぎ、飲みすぎは盲腸に限らず様々な病気を誘発してしまうので注意しましょう。 脂っこい食べ物を食べ過ぎたりする食生活の方は特に注意が必要です。 また、バリウム検査のときに バリウムが盲腸についてしまい、それが炎症の原因となってしまったということもあるようです。 スイカの種を飲み込むと盲腸になるという話を聞いたことが多いと思いますが、それは原因とはならないので安心してください! 盲腸の気づきにくい初期症状 虫垂の場所は下腹部の右側に位置します。 したがって、 初期の段階では下腹部の中心から右側に徐々にチクチクした痛みが移動します。 ただし、右だけではなく左側が痛くなったり胃のあたりが痛くなったり、人によって様々なようです。 他にはこれに伴って、 下痢、吐き気などの症状があらわれます。 これらの症状があらわれたら、ただの腹痛ではなく盲腸であるのではないかと疑いましょう。 盲腸の場合は、痛みは相当強いものとなりますので、いつもの腹痛とは違う!と分かると思います。 しかし、右下腹部や左下腹部に痛みを感じる原因は盲腸以外にもあります。 本当に盲腸か分かりずらい方もいると思うので、 まず簡単な自分でできる検査法を紹介します。 痛みを感じる場所を少し強めに押してみて、すぐに離しましょう。 離した後にさらに強い痛みを感じたら盲腸の可能性が高いです。 実際に盲腸の治療はどのように行われるのでしょうか。 薬物療法 まず盲腸が初期段階の場合や症状がそこまで進行していない場合は薬物療法による治療が行われることが一般的です。 「盲腸」と聞くとすぐに手術するようなイメージがありますが実際は症状が軽い場合においては薬を飲むことで治ってしまうことが多いです。 ただ症状が悪化してしまうと薬で治せなくなってしまいますので、上記の方法でできるだけ早く初期症状を察知することが大切です。 手術 症状がひどい場合は 手術が行われます。 麻酔を使うので、 痛みは感じないので安心してください。 手術後は、腸の機能が弱っていて、 ガスがたまった感じがすると思います。 また、おならが出るかチェックします。 出ることが正常ですので、 恥ずかしいですが安心してください。 入院期間は手術の方法により異なりますが、 早くて1週間、遅くて2週間ほどで退院できると思います。 タバコを吸われる方は、特に問題はありませんので、主治医の了承を得れば吸えます。 まとめ 盲腸の痛みは人によって程度は異なりますが、そのままにしておくと本当に危険な病気です。 いつなるかわからないので、特に初期症状についてはしっかり頭に入れておきましょう。
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