「生きるってのはね、きっと誰かと心を通わせること。 そのものを指して、生きるって呼ぶんだよ。 誰かを認める、誰かを好きになる、誰かを嫌いになる、誰かと一緒にいて楽しい、誰かと一緒にいたら鬱陶しい、誰かと手を繋ぐ、誰かとハグをする、誰かとすれ違う。 それが、生きる。 自分たった一人じゃ、自分がいるってわからない。 誰かを好きなのに、誰かを嫌いな私、誰かと一緒にいて楽しいのに誰かと一緒にいて鬱陶しいと思う私、そういう人と私の関係が、他の人じゃない、私が生きてるってことだと思う。 私の心があるのは、皆がいるから、私の体があるのは、皆が触ってくれるから。 そうして形成された私は、今、生きてる。 まだ、ここに生きてる。 だから人が生きてることには意味があるんだよ。 自分で選んで、君も私も、今ここで生きてるみたいに。 」by山内桜良.
次の2 「どんだけ悪趣味な奴だって思われてんの、私。 そんなのブラックジョークにもなんないよ? 書いてあるのは本当、私は膵臓が使えなくなって、あとちょっとで死にます、うん」 桜良 「まかせるよ」。 まかせる、というのはなんて僕に似合う言葉だろう。 僕 「私、火葬は嫌なんだよね」 「 この世界から本当にいなくなっちゃうみたいじゃん」 桜良 「いや、私も君以外の前では言わないよ。 普通はひくでしょ? でも、君は凄いよ。 もうすぐ死ぬっていうクラスメイトと普通に話せるんだもん」 「私だったら無理かもしれない。 君が凄いから私は言いたいこといっているの」 桜良 「あれは本当に私が好きで払ったんだからいいよ。 まあコーヒーくらいは奢られてあげよう」 桜良 「私は君のことに興味があるって言ってるの。 私は興味がない人を遊びに誘ったりしない。 馬鹿にしないで」 桜良 「君は僕とは反対の人だから、僕が思いそうにないことを、君が思っているのだろうなと。 それを口にしたら、当たってた」 僕 3 「誤魔化さなくてもいいでしょー。 大事なのは中身の本当のことって昨日言ったくせに」 桜良 「大事なのは中身だから、誤魔化してもいいんだよ」 僕 「堂々巡りだなー」 桜良 「うん、私は興味あるよ。 だけど普通に生きてる皆はさ、生きるとか死ぬとかにあんまり興味ないでしょってこと」 桜良 「死に直面してよかったことといえば、それだね。 毎日、生きてるって思って生きるようになった」 桜良 「私は私のために、ギリギリまで周りには隠す、もう決めたの」 桜良 「死ぬよ」 桜良 「[仲良し]くんにしか話さないよ。 君は、きっとただ一人、私に真実と日常を与えてくれる人なんじゃないかな」 「お医者さんは、真実しか与えてくれない。 家族は、私の発言一つ一つに過剰反応して、日常を取り繕うのに必死になってる。 友達もきっと、知ったらそうなると思う。 君だけが真実を知りながら、私と日常をやってくれてるから、私は君と遊ぶのが楽しいよ」 桜良 「私の発言に全て意味があると思ったら大間違いだよ」 桜良 4 「恋人じゃないから、いけないことみたいで楽しいんじゃない」 桜良 「私が、本当は死ぬのがめちゃくちゃ怖いって言ったら、どうする?」 桜良 5 「普通の理由で普通に断んないでよ! それじゃあ本当に誘われて嫌みたいじゃない!」 桜良 「今のは家に挨拶したの。 私を育ててくれた大切な場所だよ」 桜良 「よかった、安心した」 桜良 知らなかった、誰かに怒りを向けることが、こんなに誰かを傷つけるなんて。 こんなに自分を傷つけるなんて。 僕 「違うよ。 偶然じゃない。 私達は、皆、自分で選んでここに来たの。 君と私がクラスが一緒だったのも、あの日病院にいたのも、偶然じゃない。 運命なんかでもない」 「君が今までしてきた選択と、私が今までしてきた選択が、私達を会わせたの。 私達は、自分の意志で出会ったんだよ」 桜良 6 「教えたら人間関係、面白くないでしょ。 人間は相手が自分にとって何者か分からないから、友情も恋愛も面白いんだよ」 桜良 「[ ?????]くんがすっごくいい人だって、皆に教えてあげたい」 桜良 「桜は咲くべき時を待ってるんだよ。 素敵じゃない?」 桜良 だけれど僕にはその一つか二つを訊く勇気がなかった。 僕という人間は、臆病からできあがっていると、彼女といることで気づかされる。 勇気ある彼女を鏡としてしまう。 僕 「生きるってのはね」 「きっと誰かと心を通わせること。 そのものを指して、生きるって呼ぶんだよ」 桜良 7 「なーんにもないよ。 ただ、君のことを考えてたの」 桜良 たくさん冗談を言って、たくさん笑い合い、たくさん罵倒し合って、たくさんお互いを尊重し合った。 まるで小学生みたいな僕らの日常が、僕は好きになってしまって、一体どうしたことだと第三者的な僕が驚いた。 きっとこの世界で一番、人との関わりに感動していた僕の二週間は、彼女の病室に集約される。 たった四日、その四日が僕の二週間の全てだった。 思わず、僕は一人で笑ってしまった。 そうか僕は、こんなにも変わっていたのか。 「僕は、本当は君になりたかった」 僕 8 私が君みたいだったら、もっと誰にも迷惑をかけず、悲しみを君や家族にふりまいたりすることなく、自分のためだけに、自分だけの魅力を持って、自分の責任で生きられたんじゃないかって。 桜良 桜良の「共病文庫」より ありがとう。 17年、私は君に必要とされるのを待っていたのかもしれない。 桜良 桜良の「共病文庫」より 最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
次の『君の膵臓 すいぞう をたべたい』 タイトルを見て「ええっ!?」と思ってる人も多いはず。 私がこの小説を会社の友だちに勧めた時、まさにそういう反応でした。 なんだかグロい内容の、ホラー小説をイメージするらしいのです。 実際、単行本を手にするか、チラとでも見た人なら、そんなふうには考えないんですけど…… 満開の桜をバックに、高校生の男女が、春霞の中に少し距離をおいて立っている、そんなフンワリしたアニメ風表紙絵が描かれているのですよ。 「まさか、青春小説とは……」 タイトルからは予測不可能な『君の膵臓をたべたい』、の感想を思いつくまま書いてゆきたいと思います。 僕は【秘密を知ってるクラスメイト】くん 山内桜良と僕は高校のクラスメイト。 彼女は居るだけでクラスが明るくなるような元気キャラ、しかも可愛い。 今までも、これからも「僕」たちに 接点はないはずでした。 しかし、ある時病院で出会い、桜良の日記を偶然見てしまったことから、彼女が膵臓の病気であること、長く生きられないことを知るのです。 彼女にとって僕は【秘密を知っている】クラスメイトくん、という特別な存在になります。 その日から、2人は急接近! なんて言うと、よくある恋愛モノなんかと勘違いされそうですが、2人のあいだに「愛」や「恋」が芽生えるか……というと、少し違うのですね。 あくまで【仲良し】くん。 平気で病気のジョークが言える相手です。 限りある命を、精一杯やりたいことをやって生きようとする桜良と、行動的になれず、他人に興味もない「僕」との共通点は皆無です。 共に図書委員をしているだけ。 彼女は本を読まないタイプなのに、僕と話をしたいために立候補したみたい。 そういえば、「わたしたちって方向性があわないね!」っていうのが唯一、2人の共通認識(笑) あれっ、すでに2人の波長が少しずつ合いだしているような…… 名前がいつも伏せ字、「僕」の名前は? 「僕」の名前は、最後の最後まで明かされません。 【地味なクラスメイト】くん、 【ひどいクラスメイト】くん、または 【許せない相手】という呼び名でお話は進みます。 ちなみに【許せない相手】というのは、桜良の「親友」から見た「僕」のことです。 【地味なクラスメイト】が桜良をつけまわしていると噂がたって、「親友」は心配なのですね。 そして、「なぜこんな冴えないヤツと仲良くする?」とばかりに、敵対視するのです。 「僕」は名字も下の名前も、有名な作家であるらしいのですが…… 「夏目由紀夫??」なんてことはありませんでしたが、読書中、いろいろ組み合わせて遊んでしまいました。 「僕」は、接する相手によって外部から与えられた名前で登場します。 主人公であるにも関わらず…… (どんだけ影うすいんだ) 実は、カッコイイ名前なんですよ! 生まれてから、たくさんの選択の結果、君と出会った 僕は桜良になかば強引に連れられて、焼肉を食べに行ったり、旅行に行ったり。 桜良の言葉を聞き流しているふりをしながら、実際はこころが浮き立つような楽しい日々を送るのです。 他人にまったく興味を持てなかった「僕」が、人との関わりについて考え出すのも彼女の影響。 桜良はこんなことを言います。 『きっと誰かと心を通わせること。 そのものを指して、生きるって呼ぶんだよ』 『私が今までしてきた選択が、私達を会わせたの』 (本文より引用) 関わる相手だって、偶然に出会うわけじゃなく、自分がたくさんの選択をした結果なのだと「僕」が教わった瞬間です。 命の期限がある桜良の発言だからこその、重み。 圧倒されます。 「僕」が変わったとしたら、それも、変わるという選択を僕がしたから。 桜良の言葉に、心が揺さぶられます。 流れにまかせて生きちゃってるよ~。 選択するって大切なのに、私ってどうよ、と反省してしまいました。 (これ、私) 彼女という小説の最後の1ページ 余命宣告の日より早く、桜良を死がおそいます。 ネタバレしすぎるのも何なので、奥歯にもののはさまったような物言いをします。 それは「予期せぬ死」でした。 「僕」はこう考えます。 限りある生命を生きる桜良には、必ず1年という月日が約束されていると思っていた。 彼女が僕を、どう思っていたか、聞けずに終わってしまった。 彼女と僕の小説は、残り数ページを白紙のまま残して終わってしまった……と。 ものすごい後悔。 これから、彼女という小説の残りのページを一緒に埋めようと、楽しみにしていた矢先の出来事だったから…… 2人がものすごく、良い関係になりはじめていたので、衝撃です。 呆然といったほうが正しいかも知れません、ポカンです。 しかし、ここではまだ涙は保留。 「僕」ですら、悲しみを感じる余裕がないのですから。 「君の膵臓をたべたい」の意味 彼女は僕のメールを見ただろうか 桜良は「僕」との待ち合わせの場所に急いでいる最中に、亡くなります。 その日、「僕」は彼女に、思いのたけをぶつけた1通のメールを送っていました。 その文面が『君の膵臓をたべたい』。 膵臓の病気という事実を共有していた2人にだけ伝わる、ジョーク。 ただのジョークではなく、この言葉は「本当に君のようになりたいんだよ」と言う最大の賛辞が含まれています。 相手の魅力をまるごと飲み込みたい、というメッセージが『君の膵臓をたべたい』なのです。 メールを彼女が見たかどうか、伝わっていたかどうか、「僕」は知りたいと考えます。 (良かった。 やっと行動を起こした) すなおに感情を伝えた1通のメール、変われた「僕」が心の底からつづったメール。 伝わってなかったらどうしよう……もう、せつなさマックスです!! そして、どこか醒めたクールガイを気取っていた「僕」が最後に、たまらず見せた涙。 感情の爆発する瞬間です。 ここで、あふれる涙を止めることはできません。 涙を思う存分、ダ~と解放しちゃってください。 『君の膵臓をたべたい』 これは「言霊」です。 まとめ 『君の膵臓を食べたい』は、さんざん泣いて、そしてすがすがしくなるお話。 桜良の死後、「僕」は本当に変わりたいと思って、苦手な人づきあいを 少しずつ克服しようとしています。 彼女の親友と仲良くなることも、その使命のひとつ。 桜良を介して、つながれた新たな友情もしっかり心に響きます。 不器用に、人と関わりはじめた「僕」がいとおしいです。 抱きしめたいです。 タイトルは、予想を裏切ります。 生きる希望、先に進む勇気が持てる小説です。 映画「君の膵臓をたべたい」を無料で視聴する方法 映画「君の膵臓をたべたい」はU-NEXTで配信されています。 2,3分程度でサクッと登録できますし、現在 31日間の無料お試しキャンペーン中です。 君の膵臓をたべたいのフル動画は、U-NEXTの月額料金の他に500円 税抜 が別途かかります。 しかし、U-NEXTの登録特典として600ポイントがプレゼントされるので、 完全に無料で視聴することができるのでおすすめです。 U-NEXTで『君の膵臓をたべたい』を視聴する方法は簡単3ステップです。 ステップ1:以下のリンクをタップする。 必要事項は2,3分程度で登録完了します! 登録した瞬間から即31日間の無料トライアルが開始です! 【重要情報の入力について】 U-NEXTの新規登録には、パスワード、クレジットカード情報が必要になります。 もし、それら重要情報を入力することで、情報がハッキングされないか不信感がある方もいるかもしれません。 ネット通信においてデータが盗み取られるリスクがあるのは事実です。 ただ、当サイトとU-NEXTは、共に「SSL」という暗号化通信によって保護された通信を常時行っています。 クレカを入力することに抵抗がある方でも、当サイトからであれば安心して登録することができます。 【イチオシ】電子書籍ストアおすすめランキング! 小説やマンガを読むなら電子書籍が手軽で便利です。 当サイトイチオシの以下の電子書籍ストアを是非チェックしてみてください! 取り扱い書籍が豊富なので、お目当ての本がきっと見つかると思います。 第1位. eBookJapan 無料漫画だけでなんと9,000タイトル以上!廃版になった名作など、他の電子書籍ストアにはないタイトルもあり、漫画の取り扱い数は 業界No. 1! なんと購入額の 50%のポイント還元でお得 第2位. BookLive! (ブックライブ) 漫画・和書の取り扱いが多いのが特徴。 9,000冊以上の書籍を無料で立ち読みできます。 honto(ホント) 書店、通販、電子書籍のハイブリット総合書店。 コミックから雑誌まで幅広い書籍を取り扱っている。 共通hontoポイントは、提携書店である丸善、ジュンク堂、文教堂でも利用可能。
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