文豪 悪口。 文豪たちの悪口本 / 彩図社文芸部【編】

文豪は「悪口」もやっぱりすごかった!中原中也、太宰治に永井荷風、菊池寛の“文学的”ののしりあいとは?(AERA dot.)

文豪 悪口

漫画「文豪ストレイドッグス」登場異能力の強さランキングを作成しました。 20位から発表していきます! 20位 宮沢賢治 雨ニモマケズ <評価> ・自動車を片手で軽く持ち上げ、放り投げるほどの怪力を有する。 また、鉄パイプなどで殴られても平気。 ・身体能力が向上するという異能だが、満腹になると寝てしまうので、実質空腹のときにしか発現しない。 少し限定的な異能力。 ・シンプル且つ扱いやすい異能であるため、本人の頭脳如何によっては脅威となる。 19位 与謝野晶子 君死給勿 <評価> ・瀕死の状態であるという条件さえ守れば、どんな怪我も治すことが可能である。 ・自らにも勿論その能力は有効であり、自分自身が襲われたとしても即死でなければ奇をてらうことも可能。 そうした死ににくいという点において、戦闘においても役に立つ能力。 ・勿論他者に向かって振る舞われることが多いので、探偵社では欠かすことができない異能であるとも言える。 18位 ジョン・スタインベック 怒りの葡萄 <評価> ・葡萄の種を植え付け、それを元に木々を自在に操作する。 また、それらの樹木と感覚を共有する。 ・植え付ける先は自分自身じゃなくても構わないために、Qに埋め込むことでQと至る所の木々との感覚をリンクさせ、呪いの対象を爆発的に増やすという芸当も可能。 ・根と感覚をリンクさせることで、地上の微細な振動も感知する。 そのため、情報収集や索敵という点でも有力である。 17位 田山花袋 蒲団 <評価> ・視界内に存在している電子機器を触れずに操ることができるという能力。 ・その操る速度は常人を遥かに凌駕したものであり、電脳戦をさせれば右に出るものはいないほど。 現代においては有力な異能。 ・自室の布団の中など、本人がリラックスできていることが発動の条件である。 16位 谷崎潤一郎 細雪 <評価> ・辺りに雪を降らせ、その空間をスクリーンとして周りの風景を上書きする幻影を生む。 ・その風景に自分自身の姿を紛れ込ませるなど、奇襲にも使うことができるので、その使用用途は幅広い。 ・しかし視覚を惑わすというものなので、本人の身体能力に向上がみられるわけではなく、戦闘面においてはやや頼りない印象も残るだろう。 15位 国木田独歩 独歩吟客 <評価> ・理想と表紙に書かれた自らの手帳を用いた能力で、その頁に書き込んだものを具現化する異能力。 ・具現化するには国木田自身がその構造を理解している必要があり、また一度肉眼で視認する必要もある。 そして言葉を書き込むタイムラグもあるため、便利ではあるが咄嗟の使用は難しい。 ・具現化するもののサイズは手帳の面積より小さいものに限られている。 14位 エドガー・アラン・ポオ モルグ街の黒猫 <評価> ・自身が執筆した小説を他者に読ませることにより、その読者を本の世界へと閉じ込めてしまう異能。 ・執筆する時間や、その世界観を構築する手間など障害の多い能力である。 しかしながら、彼自身がもっている頭脳と文才によってそれらは障害ではなくなっている。 ・小説に書かれたストーリーを、引き込まれた読者は強制的に追体験していくことになる。 また、その間それぞれの異能は使えない状態。 ・世界から脱出する明確な手段は不明なものの、乱歩が巻き込まれた際には、推理小説の謎を解き明かした時点で脱出できるように設定されていた模様。 そうすると、乱歩や太宰以外の脱出は困難であると考えられる。 13位 ルーシー・M 深淵の赤毛のアン <評価> ・ターゲットに近付いて異空間に拉致する能力。 ・異空間の中にはアンと名付けられた巨大な人形が存在しており、彼女の支配する空間であるといっても過言ではない。 アンの動きは素早く、また分身を生み出すことも可能であり、その 能力の底は見えない。 ・異空間から脱出するには、ルーシー自らが能力を解除するか、外の世界へと繋がっている扉から出るしか手段はない。 また、扉から出た場合には中で起きた出来事は全て忘れる。 12位 広津柳浪 落椿 <評価> ・指で触れた物体を弾き飛ばす異能。 斥力によって弾き飛ばすというものだが、触れなくてはならないところが弱点。 ・しかし威力はその弱点を補ってあまり有り、相手を即死させる程度の威力は誇っている。 ・純粋で扱いやすいことが考えられる異能で、単純な戦闘を考慮したときには遺憾なくその強さが発揮されると思われる。 ・彼は探偵社にあっさりと敗れているものの、その能力の期待値は高いといえる。 11位 泉鏡花 夜叉白雪 <評価> ・白い甲冑を身にまとう女の武者である夜叉白雪を召喚し、使役する異能力。 ・夜叉白雪の戦闘能力は非常に高く、それによってマフィアに所属していた頃には 35人をも殺害していた。 ・探偵社に入社し、福沢の異能によってコントロールできるようになるまでは自分での制御ができなかった。 異能の発現が他と違う特殊な経緯であったこともあり、携帯電話からの声にのみ反応するという特殊な状態であった。 10位 尾崎紅葉 金色夜叉 <評価> ・戦闘に特化している甲冑を身に纏った女武者、金色夜叉を召喚し使役する異能。 ・同系統の異能である泉鏡花のものとは違い、こちらは自分の意思によって自在に操作することができる。 ・その戦闘能力は極めて高く、発動している本人さえ安全が確保されているならば非常に手強い異能といえる。 9位 ナサニエル・ホーソン 緋文字 <評価> ・血液を文字へと変化させ、それを操るという異能力。 ・その血文字の用途は多岐にわたり、攻守ともに使うことが出来る。 障壁のように身を守ることもあれば、敵を拘束することや、弾丸のごとく撃ち抜くことすら可能。 ・空中に文字を置き、それを踏むことによる空中歩行を見せるワンシーンも。 ・その汎用性の高さは他の能力と比較しても群を抜いていると言える。 8位 フランシス・F 華麗なるフィッツジェラルド <評価> ・消費した金額に応じて身体能力を向上させるというもの。 ・彼の持つ膨大な資金力を糧にしているため、彼自身との相性は抜群であるといえる。 逆に言えば、資金力がなければ優位に立てない異能。 ・死に瀕した際に、大切に残していた結婚指輪が自動で消費され生き延びたことから、本人の意思の外でも発動することがわかる。 7位 中原中也 汚れつちまつた悲しみに <評価> ・重力操作の異能であり、触れたものの重力のベクトルを自在に操作することができる。 太宰以外には相手を問わず、非常に有用な異能。 ・汚濁形態という能力解放形態が存在しており、その場合には通常時を遥かに上回る能力を発揮する。 ・重力子を集約した重力弾を放つなど、その破壊力も恐るべきものとなる。 しかしながら時間経過と共に自らの命を削るに等しい技であり、その形態のときには理性を手放してしまうというリスクがある。 太宰がブレーキ代わり。 しかしそれも、Qのヌイグルミに対し直接発動させる必要があるので、対策が難しいという点において トップクラスの強さを持つ。 ・異能の持ち主であるQを傷つけた相手には手形の痣が浮かび上がり、それが印となる。 その後Qが所有しているヌイグルミを破壊することにより、その印をつけられた人物に呪いが発動するようになっている。 ・呪われた人物は精神が汚染され、狂気に陥り、敵味方構わずに周囲の人物へと襲いかかるようになっていく。 目からは血涙を流し、自我がまともに保てなくなってしまう。 ・ジョンの異能である「 怒りの葡萄」と組み合わさることにより、呪いを与える範囲が広がり一種の災害とも呼べる恐ろしさを見せつけた。 5位 森鴎外 ヰタ・セクスアリス <評価> ・鴎外と常に共に行動しているエリスを操る異能。 ・ エリスは人からかけ離れた能力を有しており、異能に寄って生み出された存在であると考えられる。 武器は注射器で、無尽蔵に取り出すことが可能。 異能によって生み出し、更に自在に操るという点で期待される可能性は計り知れない。 ・鴎外を引っ掴み空中に浮遊する場面もみられる。 また、俊敏な動きも見せ、身体能力がずば抜けていることが明らかになっている。 4位 中島敦 月下獣 <評価> ・白虎に変身する能力であり、身体能力は勿論人間のそれを大きく上回る。 ・白虎の身体は銃弾すら通じない頑丈さを誇り、力も強く、また動きは非常に俊敏である。 ・探偵社に入社するまではその強力な力を持て余していたが、福沢の異能によってその問題は解決。 変身を一部に留め、更に自分の意志によってコントロールすることが可能になった。 ・治癒能力も有しており、治るというよりも復元だと評されるほどの能力の高さを持つ。 3位 芥川龍之介 羅生門 <評価> ・外套を獣へと変えることができる。 また、その獣はあらゆるものを喰らい、切り裂く。 ・獣の姿は様々に変化させることができ、それによって能力もある程度の応用を効かせることができる。 そのため、攻守ともに優れた異能であるといえる。 ・空間すら喰らうことができるために、その ポテンシャルは非常に高い。 ・敦と合体技を繰り出すなどの用途も編み出される。 芥川本人の身体が弱いため常には難しいが、そうして黒い獣を身に纏うことが最も効果的な活用法ではないかという解釈も。 2位 太宰治 人間失格 <評価> ・直接触れた対象の異能を無効化する能力であり、対異能力者戦では切り札的な能力を持っているともいえる。 ・パートナーの手綱を引くこともでき、マフィア時代には中原中也と組むなどしていた。 そうしてパートナーの戦力を最大限活かす可能性ともなり得る。 ・ただし 異能相手ではないと本領を発揮することはできず、単なる身体能力の高さなどを相手にした場合には歯が立たない。 1位 ハワード・フィリップス・ラヴクラフト 旧支配者 <評価> ・太宰によっても無効化されることがない能力であり、一般的な異能とは一線を画するものである。 ・一言でいえば触手を伸ばし、人ならざるものの姿へと変化する能力である。 ・しかし、そもそも人間ではなく、その姿が彼の正体ではないかという描写もされているので、異能力者というよりも異生物だという方が正しいかもしれない。 ・つまり、 彼は触手を持った人ならざる何かなのである。

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「文豪たちの悪口本」文章のプロフェッショナルの悪口、その魅力

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それを指摘した敦を、モンゴメリはこう言って送り出したのだ。 ヒロイン・泉鏡花も真っ青のヒロインぶりに、この台詞でモンゴメリに惚れた読者も多いだろう。 ちなみにモンゴメリは、組合がアンの部屋に対策を打っており、裏切れば自分が危険だということを知っていた。 それでも敦を送り出すため、敢えて嘘をついたのである。 敦の腕を芥川の「羅生門」で補強し、パワーを何倍にも膨らませる技だ。 速度とタフネスを持つ近距離戦闘系の敦と、中・後衛で真価を発揮する芥川の見事なコンビプレイである。 『文スト』名言&名シーン第10位:小説版「太宰治の入社試験」より太宰治 「正しさを求める言葉は刃物だ。 それは弱者を傷つけこそすれ、守り救済する事は出来ない」 「正しさとは武器だ。 だからといって虚無主義になってしまってはいけないと自分に言い聞かす。 そう思えば思うほど、自分の中にそれが大きく占めていることを認めてしまうのです。 — きんちゃん@ sunwheelsk 「魔人」と言われるほど狡猾で隙のない頭脳を持つドストエフスキーと太宰は、思考がよく似ている。 同類であるふたりだが、罪深く愚かな人間に対する思いだけは異なるのだ。 「人間失格」という異能力を持ち、その異能名に違わず悪魔的頭脳と欠落した倫理観を持つ太宰。 そんな太宰が「人」を語るからこそ、この台詞はストレートに胸に響くのだろう。 『文スト』名言&名シーン第6位:第8話より泉鏡花 「もうこれ以上一人だって殺したくない」 このシーン漫画だと痛みを伴った辛そうな表情してるけど泣いてはいないから アニメでは泣いてた 、感情を抑圧していた子が耐えかねてようやく本音を言ったけどまだ出し切れてないみたいな感じがすごい好き アニメ版も好きだけど — さら resharkslver ちなみに、敦の虎の爪に異能自体を裂く力があると解説するときの芥川はどこか得意気で、中也の「汚濁」形態を解説するときの太宰とよく似ている。 「双黒に代わる新しい世代のコンビ」感を感じさせた。 生き方の正解を知りたくて誰もが戦っている。 何を求め戦う、どうやって生きる。 答えは誰も教えてくれない、 我々にあるのは迷う権利だけだ。 — 宮岸直穂子 nahokomiyagishi.

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【中原中也】最強は誰?文豪ストレイドッグス異能力強さランキング20【太宰治】

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写真 2015年に見つかった太宰治の手紙。 夏目漱石、尾崎紅葉、正岡子規、田山花袋、石川啄木など、明治・大正・昭和に活躍した文豪たちの「皮肉」「嘆き」「怒り」の言葉を集めて紹介した『文豪の悪態』(朝日新聞出版)。 本書の著者で大東文化大学教授の山口謠司氏が、個性にあふれ味わい深い、文豪たちの語彙の一端を紹介する。 * * * 文豪とは、すなわち文学や文章で際立つ力を持った人のことをいう。 すぐに思い浮かべるのは、森鴎外、夏目漱石、永井荷風、川端康成、太宰治などであろう。 しかし、文豪の生活を見ていると、何とも不思議というか、常識では考えられないような「悪態」をついて「目立つ」人たちが少なからずいることに驚かされる。 そして、相手を罵ったり、悪口を言ったりするのにも、やはり、文豪ならではの表現をしているのだ。 いくつかエピソードを紹介しよう。 中原中也は、昭和8(1933)年の晩秋のある寒い夜、坂口安吾、太宰治と酒を飲んだ。 そして、酔いが回ると、太宰に向かって「何だ、おめえは。 青鯖が空に浮かんだような顔をしやがって。 全体、おめえは何の花が好きなんだい?」と絡んだのだ。 「青鯖が空に浮かんだような顔」とは、「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」(『山羊の歌』所収「サーカス」)など独特の視覚と音感を持った中也ならではの表現であろう。 しかし、この言葉の裏には、二歳年下の太宰のことを「青臭い」という意味がほのめかされている。 昭和8年と言えば、太宰はまだ同人誌『青い花』に「ロマネスク」を発表したばかりの無名の作家にすぎなかった。 ふたりはこの後、ぐでんぐでんに酔っ払って取っ組み合いの喧嘩をするのだが、太宰は中也に対して「蛞蝓(なめくじ)みたいにてらてらした奴で、とてもつきあえた代物ではない」と言うのである。 この太宰の中也に対する表現も、人を観察することに優れた太宰の文豪としての言葉であろう。 中也は、当時つきあっていた長谷川泰子といると、子どものように甘えん坊で、どこに行くのかも分からない男だった(長谷川泰子『ゆきてかへらぬ 中原中也との愛』)。 人に対する表現で「青鯖が空に浮かんだような顔」「蛞蝓みたいにてらてらした奴」なんてことは、やはり文豪と言われる中也や太宰ならではの表現と言うほかない。 ところで、永井荷風は、菊池寛のことが大嫌いだった。 それは、荷風が菊池寛の先祖にあたる漢詩人・菊池五山のことを雑誌で書いて「菊地五山」と誤字をしたことをあげつらって『文藝春秋』に書いたからだった。 菊池寛は「自分の名前を書き違えられるほど、不愉快なことはない。 自分は、数年来自分の姓が菊池であって菊地でないことを呼号しているが、未に菊地と誤られる。 (中略)だが、文壇中一番国語漢文歴史等の学問のある永井荷風先生が、菊地と書く時代だから、雑誌社の人達などに、菊地と間違えられるのは、あきらめるより外仕方がないのかな」と書くのである。 これに対して、恥を曝された永井荷風は、『断腸亭日乗』に「菊池は性質野卑(やひ)奸(かん)キツ(キツはけものへんに橘の右側)、交を訂(てい)すべき人物にあらず」と記すのだ。 「野卑奸キツ」という成語はない。 「野卑」とは「下品でいやらしいこと」を、「奸キツ」は「いつわること、いつわることが多いこと」をいう。 しかし、「奸キツ」とは、永井荷風のように漢文に素養のある人しか使えない言葉であろう。 「奸」は「姦」とも書かれるが、「ねちねちと仲間と徒党を組んで良くない行為をすること」をいう。 また「キツ(キツはけものへんに橘の右側)」とは「人の道にはずれたように、ややこしく入り組んだ策を弄すること」を意味する。 菊池寛という人物は、あっさりしたおもしろい人物だったように思えるのだが、永井荷風の目には「野卑奸キツ」と映ったのであろう。 孤独を愛する永井荷風と、大勢と一緒にいることを好んだ菊池寛の性格の違いなのかもしれないが、いずれにせよ「野卑奸キツ」なんて言葉で相手を罵るなどということは、文豪・永井荷風にしかできないことだろう。 文豪たちの語彙の深さ、おもしろさ、そして何より悪態をつく彼らの人間くさい一面を、ぜひ楽しんでもらいたい。 (大東文化大学文学部中国文学科教授・山口謠司).

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